推しのロリに転生したロリコンが拾ったアサシンがロリコンになった話   作:闇夜のロリ

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第6話 きちゃった☆

 

 スラムから抜け出して3年になった。

 リュミエラの実家だというこの城に住み始めてからも3年だ。もはや私とリュミエラの愛の巣と言っても過言ではないだろう。

 リュミエラはチョロく…いや慈悲深く、時たま私が泣いて見せればある程度の言うことは聞いてくれる。今度これで一緒にお風呂に入ろうと思う。

 

 城の改修も進み、畑の整備や攫っ…保護したニワトリなどを家畜として育てる小屋なんかも共に建てた。これが愛の共同作業だろう。

 この調子で行けば私とリュミエラが結ばれる日もそう遠くないだろう…♡いつでもいいんだぞリュミエラ…!今夜とか…どうだ?

 

 …だというのに、この間山菜を取りに出ている間にこの城に男が来ていた…!

 どういうことかと尋ねても「あれは道に迷った冒険者で、帰ってもらった」と、言われた…あれは嘘だ。

 リュミエラは噓をつくときに視線を逸らす癖がある。噓つきの悪い子にはお仕置きが必要かもしれないな…♡

 

 それはさておき…その日からどうにもリュミエラの様子が少し違うように思えるのだ…やはり何かあったのではないだろうか…

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 …良くないことが起こった。いや、これに関しては備えて来なかった私が悪いし、レイラさんを巻き込むことを想定しなかった私が悪い。

 

 何があったかって?あぁ、来ちゃったんですよ。

 

 ラスボス君が。

 

 かぁ~…油断してたね…とりあえずレイラさんが主人公パーティに合流した時に足を引っ張らないように特訓とかはしてたんだけど、そのほかの事も気を使うべきだった。

 

 あれは、ちょうどレイラさんが山菜を取りに行ってた時…

 

 

 

◆◆◆

 

 

「さぁーてと、っと…レイラさんも行ったし久々に自分だけの時間…!リュミエラちゃんを………」

 

 ………。

 

「ねぇ、誰かな?アタシたちのお家に無断で入るなんてさ?」

 

「おっと、これはすまない…確かに貴様の言うとおりだ謝罪しよう」

 

 なんか妙にイヤーな気配がしたから声を掛けてみれば…ホントにいたよ…

 この声…っ、うっわー…このタイミングで来るのか……!

 影から姿を現したのは白髪でスラッとした立ち姿で暗めの貴族衣装を着た『クラファン2nd』のラスボス…ヴァイスハイトだった。

 

「こんな辺境の地に何の用?悪魔堕ちのヴァイスハイトさん?」

「おや、私のような者をご存じとはね…なるほど、噂とはずいぶん違うようだ」

「…噂?」

 

 …ニコニコと笑うヴァイスハイト。苦手だなぁ…

 しかもなんていうかバリバリオーラ出てるじゃんこれがヴァイスハイトのパッシブスキルの『悪魔の覇気』かぁ…私は大丈夫だけどそりゃ毎ターン終了時ごとにMP削られるわ…

 

「あぁ、ベルナデット家の唯一の生き残りで世間の全てに絶望し長い間たった一人で廃城で眠っている…そんな噂さ…」

「ふーん…バッカみたい。で、用件は?」

「話が早くて助かる。貴様に我が計画に賛同、協力していただきたくてね」

 

 はいきたー…計画の裏の内容まで知ってんねんぞこっちは。おぉん?

 計画はいたってシンプル。人間に迫害されている魔族のために立ち上がり、悪魔が排他的にされているこの世の中を人間をぶっ殺して変えよう!賛同しない魔族も死ね!!というのが簡単な説明。

 

 …でも本当の目的は…このヴァイスハイトが悪魔の王を復活させて人間と魔族を滅亡させる。これが本当の目的。

 

「…どうかね?魔族のためにも立ち上がってはみないかね?貴様の復讐のためにも」

「…復讐?」

 

 ここからは多分『あのセリフ』が来る。

 

「貴様の一族が死んだのは人間のせいだ。『見ただろう?人間は愚かにも魔族を恐れておきながら武器とし!道具としか見ない!…でしょ?』……おや?」

 

 ヴァイスハイトの金色の目が細くなり、睨みつけるようにこちらを見る。

 すると黒い渦から一振りの剣を取り出し、こちらに見せる。

 

「……貴様の、『貴様の親類がどうなったかを教えてやろう……これは何か?だと?よく見ろ…その剣の柄の部分だ。装飾として綺麗な【宝玉】が嵌め込まれているが…見覚えは無いか?そう…!貴様の父の目を結晶化させたものだ…!!それを人間は聖なる剣として祭っているのだ…!かしら?』………ふむ。」

 

 目の前に差し出されたリュミエラちゃんのお父さんを素材に作られた剣には視線を向けず、まっすぐにヴァイスハイトを見つめ返してやる。

 

「…貴様、心でも読めるのか?」

「さぁ?敵対者か仲間かも分からない人には手の内は見せない主義なの☆」

 

 ニヤリと笑ってやるとヴァイスハイトもまたニヤリと笑う。

 やっぱこえーよ…ちびりそう……ん?…ロリの失禁プレイ!?おっと…そういうジャンルもありだね…!

 

「ふ、ふはははは!面白い!リュミエラ・ベルナデット!気に入ったぞ!幼いながらもその物怖じしない立ち振る舞い!高潔たる魔族の一族にまさしくふさわしい!」

「それはお世辞をどーも」

「フフッ、本当の事だ。故にやはり…貴様には我が計画に賛同してもらいたい!」

「いやでーすお断りしまーす。リュミエラちゃんはひっそり幸せに暮らしまーす」

 

 勧誘にお断りの言葉を伝えてやる。お祈りメール形式の方が良かったかな?

 さ、帰った帰っ―――

 

「こういう手は使いたくないが…あの人間がどうなってもいいのか?」

「は?」

 

 は?あの人間って…

 

「ちょっ…!?レイラさんは関係ないでしょ!?」

「ほう、ここに来て初めて狼狽したな……ククク、随分と人間らしいではないか?」

「……っ…ふん、いいシュミしてるのねぇ」

「あいにく多趣味なものでね…貴様もいかがかね?」

 

 勘弁してよ。レイラさんが好きとかじゃないけど、私はこの『クラファン2nd』が大好きなんだよ。レイラさんだって原作でも行動に呆れるところはあるけど嫌いなキャラじゃない。

 だから、主人公パーティにぶち込むまでは、この物語がハッピーエンドになってその先で幸せになるまでは死なせられない。それはレイラさんだけじゃなく、主人公パーティみんなそうだ。

 

「ってか、本性見え見えじゃん?ねぇ、本当に魔族のためにって…思ってる?」

「何?」

「魔族のためにって思うんならぁ?『アタシのため』も、もちろん汲んでくれるのよね?じゃああの下僕は必要だわ!ご飯も掃除も洗濯も何でもさせられる奴隷みたいなもんだから!アタシの所有物よ、所有物!わかったぁ?」

「ク、クハハハハハッ!!」

「…冗談を言ったつもりは無くってよ?」

「ククッ…これは失礼…いやなに、先ほども言ったが随分と『人間らしい』。と思ってな」

「…あの子のが伝染っちゃったのかしらねぇ。汚い汚い」

 

 まずいね…あんまり話してるとボロが出ちゃうねこれ…

 

「ふむ、まぁ私としては今日ここで我が軍勢に迎え入れたかったのだがね…仕方あるまい。ではまた一年後…同じ質問をしに来るとしよう。その時にはいい返事が聞けることを楽しみにしているよ…次は配下の者を連れて来よう。私なんかよりも荒っぽいのだが、気を悪くせんでくれよ?」

 

 それは事実上『従わなければ私とレイラさんを殺す』ということだろう。

 

「………」

 

「では、良い返事が聞けることを祈っているよ…リュミエラ・ベルナデット」

 

「…………」

 

 去っていくヴァイスハイトに声を掛けるどころか視線で追う事すらもできないでいた。

 

「……ちくしょう」

 

 やっと絞り出した第一声がそれだった。

 そのまま茫然と立ち尽くしていると、後ろからレイラさんに声を掛けられる。

 

「リュミエラ…?今誰か…来ていなかったか?」

 

「………ん、そーだね。道に迷った冒険者だったから暗示をかけて帰ってもらったよ」

 

 ………。

 原作が開始するまであと2年。で、ヴァイスハイトは再び来るまで残り1年…それまでにレイラさんをちゃんと主人公パーティに合流させられるようにしなくっちゃね…

 

 





人物紹介
リュミエラ・ベルナデット(現在):
 やべーはず奴。好きな物語がぶち壊されそうなので何とかしようとする。


レイラ(現在):
 やべー奴。現時点では主人公パーティに合流した時に所持しているスキルを一応すべて習得しているが、ステータスと魔法が伴っていない。

ヴァイスハイト:
 『クライシス・ファンタジア2nd ~聖なる大樹と集いし者たち~』のラスボス。元人間だったが、元は貴族の男で教養も良く、まさしく文武両道だったが、優秀すぎる故に野心を抱いてしまい、悪魔の研究を行い、悪魔こそが至高であるという狂った結論を出し、自らを悪魔の依り代とし、更には悪魔を統べる魔神を討ち喰らい、自らが魔神に成り代わろうとしている。

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