GANTZ 〜SIDE G〜   作:@蛇足

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モノローグ

 

 

 

人は。

 

死んだらどうなるんだろう。

 

肉体から解き放たれ自由となるのか。

 

新しい世界へ進み新たな生を受けるのか。

 

教科書に載るような偉業を成し遂げた偉人も、厳しい時代を生き抜いてきた先人も、死がどんなものか応えてくれた者はいない。

 

天国か地獄か。

 

魂は霊界へ導かれる。

 

確かめようの無いものに、人々はなにかと形をつくり、一応の解釈を用意をし。

 

それはやがて多岐に渡り、各々が信じたい思想や宗派となった。

 

誰も知らない死。

 

理解が及ばないものを畏怖し安寧のために人々は歴史の中で数多の死を作り上げてきた。

 

生きている人間が死を完全に理解するには限界がある。

 

しかし望まなくとも早かれ遅かれやってくるもの。

 

寿命を迎え生を全うした者。

 

病に蝕まれ、戦い抜いた者。

 

突然の不幸に見舞われ、前触れも無く襲ってきた者。

 

中には人を救う為に自身の命を投げ出した者もいる。

 

テレビ台の上に置かれた遺影に写る人物と目が合い、僕は不快感から目を逸らした。

 

その横のテレビからは、スペシャル特番として不慮の事故で亡くなった被害者とその遺族が、霊能者を通して故人の言葉を聞いている様子が映し出されていた。

 

亡くなった男性の奥さんだろうか。

 

その手には遺影が握られている。

 

そして母親を囲むように座る幼い女の子と、母親に抱っこを迫る男の子が。

 

2人の子供はつまらなそうにして座っており、そして時折なぜ母親が泣いているのかわからなそうに顔を見上げている。

 

その傍らで母親は霊能者を通して聞く亡くなった旦那の言葉を涙を流しながら何度も何度も噛み締めていた。

 

途中、霊能者の隣に座るお寺の坊さんが仏教の教えに絡めた解説を差し込み、旦那さんの言葉の意図を汲み取り、奥さんの心の痛みを和らげようとしている。

 

力強く見開かれた目とその切迫する顔が印象に残る。

 

なんとなく気になり、その坊さんが座るテーブルの前に置かれたネームプレートに目をやった。

 

徳川夢想。聞いたことのない名前だった。

 

それからぼーっと番組を観ていたが、すぐにつまらなくなってテレビを消した。

 

部屋に戻ってベッドに潜った後も、暗い部屋の天井を見上げて考えていた。

 

生きている以上、死とは味わえないもの。

 

だが時として死の世界に縁を持つ力を持つものがいる。

 

死を経験せずして死を経験できる力。

 

思想や宗派よりもある種こういういった人たちの見聞を聞く方が"正解"に近いのかもしれないな。

 

いや。それでも所詮は他人から聞く知識。

 

自分が見て聞いて感じたものじゃない。

 

どれほど考えても、どこまで考えても正解が分かるわけじゃない。

 

今日もまた死とはどんなものか答えが出ることはなく、俺は目を閉じた。

 

 

 

 

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