GANTZ 〜SIDE G〜   作:@蛇足

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FILE.11 君の名は

 

 

 

 

上空から降って現れただるま星人。

きつく、それでいて空虚な眼光がギョロギョロと動き、純、倉今、岡田、有原の姿をロックオンする。

 

 

 

 

「みんな逃げろ!」

 

 

 

 

純の言葉を皮切りに皆が一目散に逃げ始める。

散り散りになる4人。

幸いにも十字路だった事が味方したか。

的を上手く散らせ、狙いを分散させることに成功した。

有原は腰が抜けそうになりながらなんとか左の道へ。

岡田は右の道へ走ると、運良くだるま星人の背後を捉えた。

 

 

 

 

「マジかよ…あんなでけえのかよアイツ!」

 

 

 

 

目に入る情報で思考がまとまらないまま、岡田は持っていた銃型のアイテム…Xガンを構える。

 

 

 

 

「はあ…はあ…はあ…」

 

 

 

 

鼓動が乱れ、手が震える。

搭載されているモニターからはまるでレントゲン写真のようにだるま星人の姿を透過していた。

骨格が写り戦慄する岡田。

力の入らない指が上段のトリガーをゆっくりと押し込む。

 

 

 

 

カチ。

 

 

 

 

「…⁉︎」

 

 

 

 

カチ。

カチカチカチ。

トリガーを弾いてもなにも起こらない。

不良品か?

何度も何度も押し込んでも"銃"から"弾"は発せられなかった。

 

 

 

 

「なんだよおい!!」

 

 

 

 

『お゛い お゛い お゛い』

 

 

 

 

だるま星人が力を込め、再び上空へと飛び上がる。

小さなモーションからのとてつもない跳躍。

夜空に向かっていった大きな身体がみるみるうちに小さくなっていく。

そして。

 

 

 

 

どかああああああん!

 

 

 

 

地面を揺らし、衝撃波と共に純たちを襲う。

 

 

 

 

 

「うわあああ!」

 

 

 

「きゃっっ!!!!!!」

 

 

 

 

 

揺れる大地。荒れ狂う突風。

加えて商店街の建物が倒壊し、瓦礫の雨に見舞われる。

純は倉今と共に身を隠していた。

唯一反応が遅れた倉今に気がついた、純の咄嗟の行動は彼女の身の安全を無事守ることに成功した。

長く感じた数十秒間の揺れと衝撃。

だるま星人による攻撃を耐え忍ぶと、倉今を守るように囲っていた身体を純が緩める。

 

 

 

 

 

「大丈夫?」

 

 

「…ありがとう」

 

 

「ふう…。こんなのどうすりゃいいってんだ」

 

 

 

 

物陰から様子を伺うと、だるま星人は純達の姿を見失ったようで身体を震わせながら大きな目をギロギロと動かしていた。

星人と戦わなくてはならない。

そんなことを戦いの場に出てから気づかされたのでは、もう遅い。

戦闘服、武器。

そのほかのアイテムも玉の中にあった。

ここからどうする。

この状況でどう戦えばいい。

 

今純たちの手元にある装備は、岡田の持っていたXガンと純の持ってきたスーツだけ。

どんな使い方をすればいいのか、どんな効果があるものなのか。

まるでわかっていない状況で倒すことなんて出来るのか。

仮にわかっていたとしても、スーツ1着にXガン1つで果たしてやれるのか。

それ以前に、そもそも戦えるのかっていう問題もあるのだが。

 

 

 

 

「これを…着るのか?」

 

 

 

 

このアタッシュケースに書かれた名前。

名前が振られていると言うことは、このスーツは『かほちゃん』って人宛に用意されたものということ。

こんな恥ずかしいデザインのやつ、普段の生活ならまず着ようと思わない代物だ。

でも。

 

純の頭の中に松永や和田、そして清水や石村の姿がよぎる。

名前の知らない、どんな人たちかわからない大人がこのスーツを身に纏っていた。

清水や石村なんか、むしろ必需品だとばかりにこぞって手にしようとしていたし。

わからない。

このスーツの価値が。

 

けれど。

着なければ生き残れないという第六感が、純の頭を支配して止まない。

意を決してアタッシュケースを開いてみる。

スーツを取り出して広げると、試しに腕を通してみた。

だめだ。

すぐにつっかえて全く入らない。

やはりこの『かほちゃん』という人でなければ着られないのか。

 

 

 

 

「待てよ…」

 

 

 

 

純はアタッシュケースに描かれた名前を再度見て思考を巡らせる。

このアタッシュケース。

パッと見ただけではあるが、あの玉の中に入っていた数からして恐らく人数分用意してあるのではないかと、岡田との会話で予想していた。

もしそうならば、自ずと候補が縛られる。

この『かほちゃん』って書かれた名前、女性の名前のものではないかと。

 

 

 

 

「くそ…なんでこんなことに早く気が付かなかった」

 

 

 

 

部屋にいた女性と言えば、今目の前にいる彼女と、一重の女だけ。

その女の方はスーツを着ていた…ということは。

疑問が晴れ、答えに辿りつく。

そして純は先ほど歩いていたときに聞きそびれた話を、彼女に向かって問いかける。

 

 

 

 

「ねえ。君名前なに?」

 

 

「は?」

 

 

「申し訳ないけど、一刻を争う事態だから。名前を早く教えて?」

 

 

 

 

生乾きの前髪から除く女子高生の視線は、辟易とした感情を含んでいた。

こんなときになにを。

それを純は重々承知の上で問いかけている。

震える身体をはーっと一息吐いて整えてから、倉今は口を開いた。

 

 

 

 

佳歩(かほ)…。倉今(くらいま) 佳歩(かほ)

 

 

「やっぱり!」

 

 

「ぎゃあ!助けて!」

 

 

『お゛い お゛い お゛い』

 

 

「なんだ⁉︎」

 

 

 

 

 




○ARRIVE

松永 太一
福田卓郎
和田彩
前田剛

清水恒彦
石村和樹

羽鳥純
倉今佳歩
有原泰輔
岡田久志

TOTAL 10人



●DEAD

熊井幸三
村上幹二郎
菅谷トシ子
梅田トヨ

TOTAL 4人




31:39……31:38……31:37……31:36……
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