GANTZ 〜SIDE G〜   作:@蛇足

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FILE.8 だるま星人

 

 

 

「なんだこれ」

 

 

「この黒い玉から流れとるぞ」

 

 

 

 

曲の流れる巨大な黒い玉へゾロゾロ引き寄せられる人々。

老人たちは目を見合わせて玉へと近づいていく。

岡田はほらきたと言わんばかりの表情を純に見せると、老人たちと同様に玉の方へと向かっていた。

釣られるように移動する有原。

端に座っていた中学生と老人もゆっくりと立ち上がる。

 

 

 

(本当になにか起きるのか?)

 

 

 

純は湧き出た衝動に駆られ、後を追うように玉の前へと移動する。

先に群がった老人たちに前を占拠されながらも、後ろの方から様子を伺う。

曲が流れ終わると、黒い玉から不気味な文字が浮かび上がってきた。

 

 

 

 

「今度は文字が出てきた」

 

 

「もう意味がわからん」

 

 

「カンちゃんこれなんて書いてある?俺目が悪くてよく見えねえ」

 

 

「なになに…」

 

 

 

 

最前列を占拠する、騒いでた老人…熊井幸蔵、村上幹二郎、菅谷トシ子、梅田トヨ。

その中で幸蔵が幹二郎に促され、浮き出た文字を読み上げる。

 

 

 

 

《てめぇ達の命は、》

《無くなりました》

《新しい命を》

《どう使おうと》

《わたしの勝手》

《という理屈なわけだす》

 

 

 

 

「だってよ」

 

 

「…なんだそれ…」

 

 

 

命がなくなった。

もし、この文章の通りなら俺たちはあの時に…。

純の視線が同じバスに乗っていた人物へと向けられる。

岡田は腕を組んで、顎を引いて玉を見ているのに対し、有原は朧げな眼差しで玉を見つめている。

倉今はというと、来た時と変わらず部屋の隅で身体を丸めていた。

 

黒い玉から文章が消えると、新たな説明分が画素の粗い画像を添えて映し出す。

 

 

 

 

「今度はなんだ」

 

 

 

 

《てめぇ達は今から》

《この方をヤッつけに行って下ちい》

 

《だるま星人》

《特徴: あかい まるい》

《好きな色: あか》

《口ぐせ: おいおいおい》

 

 

 

 

「だるま…星人?」

 

 

「やっつけるって、このだるまさん倒せえいうんか」

 

 

「全部…当たっとる」

 

 

 

 

文と画像をより近くで見ようと、老人たちが更に玉へ馴染みよる。

そんな彼らを幼い声が足止めた。

 

 

 

 

「おじいさんたち離れて。玉に近づきすぎると危ないよ」

 

 

 

 

か細く、且つ恐る恐ると言った口調で制したのは、彼らの後ろに立っていた中学生の男の子(石村 和樹)

石村の言葉に老人たちの意識が僅かに向けられた。

その時だった。

 

 

 

 

ガシャン!!

 

 

 

 

玉がなんの前触れもなく拡張し、その中身が露出する。

左右と後方。

正面の画面をそのままに黒い玉が伸びて変形した。

その様子におじいさんたちだけではなく、立って見ていた純たちもビクっと肩をすくませる。

 

 

 

 

「うわ!」

 

 

「もう訳がわからん」

 

 

「おい小僧。なんだこれは。知ってるならもっと早く言え!ちょっとでも遅けりゃ儂たち怪我してたかもしれないだろ!」

 

 

「まあまあそう言いなさんなって。言ってくれただけでもありがたいと思わなきゃさー」

 

 

 

 

少年に文句をぶつける老人たちに対し、後ろの方で見ていたツリ目の女(和田 彩)が有原たちを掻き分け前に出てきた。

その後を追うように、梅田に怒鳴りつけていた男(前田 剛)メガネの男(福田 卓郎)が出てくる。

 

 

 

 

「石村くん。私たちも準備しよう」

 

 

 

 

皆の影に隠れる様に少年と老人も玉の前へ。

先に出てきた和田は着た服を脱いでいて、あの黒いスーツを露出させている。

後から出てきた二人の男もまた同様に全く同じデザインのスーツを着ている。

その落ち着き放った、異様とも取れる3人の様子に岡田が率先して追求する。

 

 

 

 

「あんたらも何か知ってんのか? これから何が起こる?」

 

 

「聞かれてますよ福田さん」

 

 

「何言ってるんです。これは前田くんに聞いてるんですよ」

 

 

「は?なんで俺なんすか」

 

 

「お友達ではないのですか?見た目からして、貴方と同類かと思ったのですが」

 

 

「は?どういう意味だそれ」

 

 

「おい。質問してるのはこっちだ。真面目に答えろ」

 

 

 

 

玉の中を物色しながら、彼らは岡田の問いかけを無視して話をし始める。

まるで他人事。

自分たちとは関係ない事だと思っているようだ。

 

結局なんの情報を得られないまま時間だけが経過していった。

その中で純は1人、身体は彼らに向けつつも視線はいそいそと何かに取り掛かる少年と老人の姿を追っていた。

玉の後ろで何かガサガサ漁っている。

そして各々が1つずつアタッシュケースを手に取ると逃げるようその場から離れた。

気取られないようそっと移動し、現場を見てみる。

アタッシュケースは散らばっており、仕舞われていたであろうスペースにもいくつかまだ残っていた。

ひとつひとつ名前が書いてある。

その中のひとつを適当に手に取ってみた。

アタッシュケースには幼児が書いたような拙いひらがなで人の名前が書かれていた。

 

 

 

 

「かほちゃん…?」

 

 

「いやああああああ!」

 

 

「あ、頭!頭があああ!」

 

 

 

 

突然悲鳴が沸き起こり、振り返ると壮絶な光景が広がっていた。

玉の前にいたお爺さんたちの頭が地面と平行に切り取られ、徐々にその姿が消えていっていた。

それはまるで、黒い玉からこの部屋に出てきたあの現象を逆再生したような。

 

 

 

 

《行ってくだちい》

 

 

 

 

誰にも見られることなく、黒い玉がカウントダウンを始める。

制限時間は60:00。

なんの時間を示すのか知らぬまま、純もまた他の人たちを追うように身体が消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




○ARRIVE

???
福田卓郎
和田彩
前田剛

清水恒彦
石村和樹

羽鳥純
倉今佳歩
有原泰輔
岡田久志

熊井幸三
村上幹二郎
菅谷トシ子
梅田トヨ

TOTAL 14人


●DEAD

TOTAL 0人
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