ギィィィィィィン!
羅針が展開される
先に動いたのは猗窩座だった。
急に消えたかと思ったら次の瞬間には拳が眼前に迫っていた。
顔面スレスレまで拳が来たところでなんとか体を動かし避け、間合いを開ける為に近くの木の枝に飛び乗る。
ブシャッ
鼻付近から血が飛び出た、鼻血かとも思ったが見てみると鼻ごとイかれていたようだった。
ただのパンチがカスっただけでこの威力、まともに当たれば戦闘不能は確実だ
「どうした?そんなところで固まってないでかかってこい!」
「言われなくとも」
ヒュウゥゥゥゥゥゥゥゥ
赫い闘気が身を包むと同時に呼吸音があたりに響く。
俺の体はどんどん黒くなっていき、やがて全身が黒光りし重厚感を持たせる皮膚になった。
「華山鋼鎧呼法」
体が変化し終わると同時に飛び、殴りかかる。
だが攻撃が当たることはなくむしろカウンターで蹴りを入れらてしまい少し飛ばされてしまう。
しかし
「痛ぇ・・・けどなんとかなってるな」
本来であれば今頃全身バラバラになってただろうが闘気と呼吸で防御力をあげたことで受けた部分の複雑骨折で済ませることができた。これでなんとか戦える。
「体を硬化させ防御力を上げると言ったところか。おもしろい、少し本気を出すぞ!」
「破壊殺・乱式!」
無数の拳打が放たれる。しかし負けじとこちらも技を出す
「北斗羅裂拳!!」
拳と拳が交わり互いに相手の体を打ち砕かんとする。
しかし攻撃力、技術、経験の差から徐々に押されてしまい吹き飛ばされてしまう。すぐに体勢を立て直し応戦する。
「破壊殺・脚式!」
「南斗孤鷲拳奥義!」
「飛遊星千輪!」
「南斗獄屠拳!!!」
両者飛び上がり空中で蹴り技を交わす。
俺はみぞおちから顎までの骨と内臓がイかれ吹き飛ばされた。一応当てはした、感触的に骨は折れ内臓に多少なりともダメージは入ったかとも思ったが大して効いてはいなさそうだった。
「素晴らしい技だ。鬼になり一月も経過していないのにここまで戦えることは賞賛に値する。それに闘気を攻撃や防御に用いるのはお前が初めてだ。」
「そりゃどーも」
悪態をついたが今の状況はかなりまずい。
俺は確かに強いのだろうがそれはあくまで肉体面の話。鬼は腕や足がなくなっても再生するが俺はまだ大して人を食ってないから再生スピードはかなり遅い。
それに加え再生には多少体力が持ってかれるから先程から再生続きの俺は体力はもう半分以下しか残っていない。
それに猗窩座のことだ。この戦いが終われば無惨に俺のことを紹介するだろう。それだけは避けたい。
呪いがかかっているなら思考を読まれて徹底的に突っ込まれるのが目に見える。
このまま戦ってもジリ貧で負ける。勝つならまだ体力に余裕がある今しか無い。
立ち上がりながらそう考える。このまま戦っても絶対に勝てない。だが手はある、半分相手依存になってしまうが
「まだやるのか?フフいいぞ。好きなだけかかってこい!」
俺は両手を正面まで上げ猗窩座に殴りかかる
ことはせずに両肩にある秘孔、激振孔を突く
ゴフッ
激振孔は心臓の鼓動を血管を破裂させるほどに爆発的に高める秘孔だ。内臓がまだ治りきってないのか口から血が溢れ出てきた。猗窩座は何をしているんだという目でこちらを見てきたがそんなことを気にしている暇はない。
続いて俺は両腿にある刹活孔という秘孔を突いた。
この秘孔は凄まじい活力を得ると同時に使用者の命を奪う秘孔だ。鬼である俺は死ぬことはないがなんらかの形で代償を払わないといけないだろう。なんとなく想像はつくがこれに関しては後で考えることにした。
コォォォォォォォォォ!!
先程の呼吸とは違う呼吸音が辺りに響く。先程まで使っていたのは言わば防御の呼吸今から使うのは自身の身に秘めた潜在能力を全開放する呼吸法
北斗神拳奥義 転龍呼吸法!!
髪が逆立ち筋肉が膨れ服が弾ける。先程とは全く違う雰囲気となった俺を猗窩座は警戒する。そんな中俺は猗窩座に告げる
「上弦の参猗窩座俺は今からお前を殴る」
猗窩座はキョトンとした顔をしていたが構わずに続ける
「技は使わない。正面、真っ直ぐにお前に向かい全力で殴るただそれだけだ」
「受けてみろ!!今の俺が出せる全身全霊の拳を!!!」
それを聞いた猗窩座の顔からは吹き溢れんばかりの笑みが溢れ出ていた
「いいだろう!!俺も本気でお前を相手してやる!!!」
猗窩座は曲がりなりにも武人だ。弱者が嫌い卑怯な手を使う奴は嫌い。逆に考えれば猗窩座自身は卑怯な手を使わないし強者にはリスペクトを払う。その可能性に俺は賭けた。結果は勝ちだった後は・・・
猗窩座を全力で殴るだけだ
両者宣言をし構える。
先程までとうってかわって辺りに静寂が訪れる。
風の吹く音が聞こえ、虫の声が聞こえる。
不意に一枚の葉が飛んできた。
その葉が両者の間合いの中央に落ちた瞬間
ドンッッッッ!!!!!
ドンッッッッ!!!!!
双方地を蹴った
うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
うおぉぉぉぁぁぁぁぁ!!!!!
技も何も使わない純粋な腕力勝負
勝敗の行方は・・・
※※※
猗窩座side
ある時の夜だった。
無惨様の命を受けいつも通り青い彼岸花を探していた時丁度向かい側に鬼殺の隊士を見つけた。小手調べのつもりである程度近づいてから攻撃を仕掛けたが誰も俺を攻撃を見切れずに死んでいった。
ここ10年近くは俺とまともにやり合える剣士はいなかった。それに加えてここ数年で隊士の質が落ちているようにも感じる。日頃のストレス(主に童磨)が溜まっていたからつい愚痴を言ってしまった。近くにいた女の剣士に失せろと言い立ち去ろうとした時不意に背後から気配を感じた。振り返ったその瞬間に俺は蹴り飛ばされた。
受け身を取り俺を蹴り飛ばした奴に近づく。
そいつは鬼だったしかも上弦の鬼に匹敵するほどの強さを持った鬼。しかもそいつは鬼なって一月も経過していないと言う。これほどまでの逸材がなぜ十二鬼月にいないのか疑問に感じたがその時の俺はそんなことはどうでも良かった。
目の前にいる奴の強さ、技を受けてみたくなったからだ。鬼になり一月以下で上弦に匹敵する程強くなった奴に興味を持たないわけがなかった
結果から言うと奴の強さは上弦の陸、妓夫太郎より少し上といったところだった。しかし奴の使う技は見たことも聞いたことも無いものばかりだった。
しかも奴は闘気を防御や攻撃に用いてきたのだ。闘気は生物であれば必ず持っているものだが直接的な手段として使ってくるのはそいつが初めてだった。
互いに蹴り技を交わし二、三言葉を交わした後奴は唐突に自分の両肩と両腿に五指を深く突き刺した。何をしているのだと思ったのも束の間奴の体から先程とは比べものにならない程の闘気と活力を感じた。
死の淵に立った生物は生き残るために限界を超えた力を出すことがある俺も何度か見てきた。だがだとしてもこれは異常と言わざるを得なかった。
そしてあろうことかこいつは正面から俺を殴ると宣言した。
自然と口角が上がる、笑みが溢れ出る。
こんな奴は今日この瞬間まで見たことがなかった。純粋な腕力による勝負はいつぶりだろうか。
俺はそいつの提案を受け構えをとった
数秒見つめ合った後互いに地を蹴り今己が出せる全ての力を乗せた拳を振るった。
結果は・・・
俺の負けだった
互いの拳がぶつかりしばらく拮抗した後、徐々に押され最終的に殴り飛ばされてしまった。
飛ばされながら奴を見る、その時ふと気づいた
「胸に・・・7つの痣?あんなもの・・・あったか?」
俺の言葉は闇の中に消えていった。
華山鋼鎧呼法
自分の体を黒く変色させて鋼鉄の鎧と化す奥義。鉄骨を完全にひしゃげさせるほどに硬くなる。
北斗羅裂拳
多少秘孔の位置がずれてでも強力な連続攻撃を相手に叩き込んで倒す、シンプルがゆえに力量を試される北斗神拳の技
南斗獄屠拳
南斗孤鷲拳の奥義。高く跳躍し、打点の高い飛び蹴りを浴びせる。
激振孔
心臓の運動を血管を破るほど急激に増加させ、破裂させるという効果を持つ
刹活孔
凄まじい活力を得るが、同時に己の命さえ奪うといわれる非情の秘孔
転龍呼吸法
人間の持つ潜在能力を全て引き出す呼吸法。常人では30%しか引き出せない潜在能力を100%引き出すことで、超人的な身体能力を発揮する。それに伴い、上半身の筋肉が急激に膨れ上がり、衣服は粉々に弾け飛ぶ
(この作品では鬼も使えるものとします)
北斗西斗より引用
裏話
戦闘シーンとか書くの初めてだったんでめっちゃ時間かかりました。特に猗窩座の扱いに悩みました。
初っ端から強すぎたら後半書くのに苦労しそうだったので悩みに悩んだ結果、バフをありったけかけて痣が出た結果猗窩座の本気を上回ったってことにしました。あんまり猗窩座を格落ちさせたくなかった。
激振孔、刹活孔にはデメリットはちゃんとつけますじゃないとしばらくヌルゲーになるので。
アオイちゃんを今回書きませんでしたが少し離れたところからちゃんと戦闘を見てました。次は出します
できれば技いっぱい出したい。
それと投稿した日から仕事が始まるので投稿スピードがただでさえ遅いのに更に遅くなります。良くて月1、2本ですなるべく早く投稿できるように頑張ります。
よければ感想を教えてくれるとありがたいです。