お隣の天使様の二次創作を試しに執筆した作品となります。
上手く出来ている保証が無いのとタイトルにもある通りお試し作品なので連載するかは未定となります。

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連載する場合は一度消してから改めて執筆し直す予定です。
追記.場合によっては消さずに続けます。


グイグイ来る天使様(一部修正)

 

 

 

その少女と俺--【草薙 颯(くさなぎ はやて)】が初めて言葉を交わしたのは、雨が降り頻る日の事で、学校から自宅であるマンションへと帰宅していると、途中にある公園の前を通り過ぎようとした時だった。

 

 

「アイツ、こんなに雨が降ってるて言うのにあんな所で傘も差さないで何してんだ?」

 

 

ふと公園の方に視線を向けると、そこには雨が降っているにも関わらず傘も差さずにブランコに腰掛けている少女--【椎名 真昼】の姿を目にした俺は思わず呟いていた。

 

椎名 真昼--さらさらとした亜麻色のストレートヘアと透けるような乳白色の肌が特徴的で、成績優秀且つ運動神経も抜群な文武両道と言っても差し支えない美しく可憐な少女。

同じ高校に通う同級生でもある彼女は整った容姿と謙虚な性格から、学内では"天使様"として知られ有名でもある。

 

かくいう俺も、彼女の事は知っていたが同じ学年と言うだけで特に接点も無いし大して興味も無かった事から一生関わる機会は無いだろうと思っていた。

 

そんな彼女が公園内のブランコで傘もささずに腰掛けている姿を目撃した俺は一瞬何かの見間違いかと考えたが、直ぐにこれが現実のものであると認識するとともに念の為にも声を掛けるべきか思考する。

 

 

(これは声を掛けるべきだろうか? でも、大して接点も無い男に話し掛けられても流石に困惑するだけだろうし、ここは大人しく見て見ぬ振りをするべきだろうか? ────はぁ…こういう時はコイントスで決めるか)

 

 

どうすべきか決めあぐねた俺は財布から一枚の10円硬貨を取り出して、表が出たら話しかけようと決めて上に向けて親指で弾いた。

宙空で回転しながら落下してくる硬貨を手の甲で受け止め目を向ける。

 

 

「表・・・・・・仕方ない。 面倒だけど行くか」

 

 

そう言って、俺は公園内に足を踏み入れると未だにブランコに腰掛けている椎名へと話し掛ける事にした。

 

 

「こんな所で何してるんだ?」

 

 

俺が声を掛けると椎名は水を吸って重くなった亜麻色の髪を揺らしながら、ぱっちりとした二重の瞳でこちらを向いた。

椎名の表情は酷く落ち込んでいる人間のそれで、目元が微かに充血していることから、何かしらの理由で少し前まで涙を流していた事が伺えた。

 

 

「草薙さん、私に何かご用で?」

 

 

椎名は瞳にうっすらと警戒の色を滲ませながら聞き返してくる。

 

 

「別に、大した用事じゃない。 偶々通り掛かった公園で見知った顔が傘もささずにブランコに座ってるのをものだから、少し気になっただけだ」

 

「そうですか。 お気遣いはありがたいですが、私はここに居たいから居るので、私の事はお気になさらず」

 

(気にするなって言われてもな・・・)

 

 

淡白な声でそう返してくる椎名に俺は内心どうしたものかと考える。

 

 

「そう言う事なら構わないけど、とりあえず風邪引かない為にこれでも使え」

 

 

そう言って俺は持っていた傘を無理やり押し付ける形で椎名に手渡すと、有無を言わせる前に早足で立ち去る事にした。

 

背後から椎名の声が聞こえた気がしたものの、俺は特に気に留めることも無く公園を後にするのだった。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

翌日の朝、俺は何事も無かったかのように学校へと登校した。

 

あの後、椎名がどうなったのかは知らなかったが学校に登校している姿を見掛けたので、どうやら無事に家に帰れた事が分かり安堵しつつも、もう二度と関わる機会は無いだろうと考えて1日の授業を受けるのだった。

 

そして放課後、自宅であるマンションにあるエレベーターの中で俺は買い物袋を片手に乗っていた。

 

 

「今日の夕飯は林檎が2つに栄養バーが3本、これなら寝るのが少し遅くなっても問題なさそうだな。 まぁ、1人暮らしの身としては十分な食事だな)」

 

 

そう独り呟いていると、エレベーターが止まり自分の住まう階へと到着した事を告げる。

 

エレベーターから降りると自分の部屋のある廊下に出ると、そこで俺の足が止まった。

 

 

「・・・・・・俺の部屋の前で何してるんだよ、椎名」

 

 

俺の部屋の前には亜麻色の髪を靡かせる少女、椎名真昼の姿があった。

手には昨日の帰りに(無理やり)押し付けたであろう俺の傘が握られている事から、恐らく傘を返しに来たのだという事が伺える。

 

 

「律儀に返しに来たのか」

 

「借りたものは返すのが当たり前ですから」

 

「別に返さなくても傘の予備ならあるんだけどな?」

 

「それでもです。 借りたものを借りっぱなしにするなんて真似は出来ません」

 

「ふ〜ん・・・・・・まぁ、返してくれるなら別に良いけど、他に用が無いのなら手早く済ませよう」

 

 

そう言って俺は椎名から傘を受け取ろうと手を差し出すも、椎名は一向に傘を返す気配が無く俺は思わず疑問符を浮かべていると、何を思ったのか椎名が口を開いた。

 

 

「何かお礼をさせてください」

 

「いえ、結構です」

 

 

椎名の言葉に対して俺は即答していた。

正直に言うと俺は目立つのが好きでは無い。 変に目立つと色々と面倒な事に巻き込まれる危険性が高まりかねない上、唯でさえ椎名という美少女と話しているだけでも変な噂が立はつ可能性が有るのに、そんな彼女から御礼とはいえ何かをされるのは厄介事を自ら招き入れるようなものである。

 

故に俺は椎名の申し出を断ることにした。

 

だが、それで椎名が折れることは無かった。

 

 

「その袋に入っているのは何ですか?」

 

「今日の夕飯だけど」

 

「林檎と栄養バーだけですが?」

 

「これで事足りるからな」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・?」

 

「・・・・・・・・・見ていられませんね」

 

「は?」

 

「余りにも不摂生で見ていられません」

 

「いや何、急にどうした?」

 

「これも借りを返す為ですし、せっかくですから料理を作らせてもらいますね」

 

 

その発言を耳にした俺は身の危険を感じ取り急いで扉の鍵を開けて部屋の中に逃げ込もうとするも、それより早く椎名が部屋の中へと足を踏み入れて来た。

 

 

「何で人の部屋の中に入ろうとしてんの!?」

 

「言ったはずです。 料理を作らせてもらいますと」

 

「いや、そういう事じゃなくてだな・・・?」

 

「お邪魔します」

 

「だから人の話を聞けよ!?」

 

 

椎名の行動力の高さに思わずツッコミをいれつつ、部屋の中へと入って行く椎名の後を急いで追い掛けるのだった。

 

この日から俺の日常は隣の部屋に暮らす天使様こと、椎名真昼によって一変する事となるのだった。

 

そして、俺の駄目人間への道程が椎名の手によって始まりを告げた瞬間でもあった。

 

 


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