フォークに軽く力を込め、ショートケーキの先端を切り取る。
そのままフォークに切り取ったカケラを乗せ口へと運ぶ。
ふんわりとしたスポンジを生クリームが包み込み、濃厚な甘さが口内全体に広がる。
一口一口舌を踊らせなが喉を鳴らす。
「先生、何を食べているのですか?」
後ろからアキラがもたれ掛かるように抱きついてくる。
清涼感がありながらも微かな甘い香りが鼻の中を突き抜ける。
「ショートケーキだよ。私の好物なんだ」
笑顔を浮かべながらアキラへと振り返る。
「アキラも食べるかい?」
「ではお言葉に甘えて」
フォークでショートケーキの一部を切り取り、そのままフォークに乗せアキラの口元近くまで運ぶ。
アキラは小さな口を開け、パクッとショートケーキを食べる。唇の隙間からフォークをスルリと引き抜く。
少しの間口をもこもこと動かし、コクン、とアキラの喉が鳴る。
「甘くてとても美味しいです」
「それなら良かった」
お互いに微笑み合い、交互にショートケーキを食べる。
ふと気がつくとショートケーキの上に乗った一つのイチゴに気がつく。どうやら相当食べ進んでいたようでイチゴを食べるかどかすかしないとショートケーキを食べ進めることができない。
いつもならそのままヒョイっと一口で食べるイチゴだが、今日は何だかそんな気分ではなくショートケーキの上から落とす
「おや、好物は最後まで取っておくタイプですか?」
「うーん、別にそういうわけじゃないんだけどなぁ」
確かに好物だが、そういったこだわりは持ったことがなかった。
だからこそ妙に引っかかったが、気にすることではないと自分に言い聞かせた。
そのまま食べ進め、とうとう最後の一口をアキラに食べさせた後、残ったイチゴに目をつける。
「アキラ、イチゴ食べるかい?」
フォークをイチゴに突き刺し、振り返って聞いた。
「いえ、ご遠慮させていただきます。そもそもこのショートケーキは先生のものなのですから」
わたくしのことなど気にせずにと言ってアキラは背中から離れる。
「そっか。それじゃあいただくとするよ」
そういってアキラの目を見たとき、ふと思いついた。
アキラとショートケーキって似てるよなあ、と。
白い衣で全身を包み、その中にあるのはやわらかで甘い身。けれどさらに奥には甘さに混ざっている酸味の刺激的な味。
そして、白い衣の外にポツンと存在感を出している紅い果実。鮮やかで、きらりと輝くその紅。
一度、イチゴに目をやり、またアキラの目を見る。
「……? 先生?」
あぁ、やっぱり、似ているだけだ。
だってアキラの紅い瞳は鮮やかで、煌びやかで、可憐で、麗しくて……。それでいてどこか吸い込まれてしまいそうな清美な闇が宿っているのだから。
「あの、先生。食べないのですか……?」
ふと気が付くとアキラが頬を真っ赤に染め、目をそらしながらもちらちらとこちらを見ていた。
「ごめんね。ちょっと見惚れていて」
「見惚れっ――!!」
「それじゃあいただきます」
視線を戻し、イチゴを食べる。
あぁ、やっぱり甘くて酸っぱくて……。
心を突き刺すかのようなとても刺激的な味だ。
トキのプラモデルがとどきました。
私は今までプラモデルを組み立てたことがありません。
ですので私の初めてをトキにささげようと思います。
上手くできるかわからないけど、私の思いを受け取ってくれトキ。