真夏の休日、日差しを避けるためか大型ショッピングモールのなかは混雑しており、むしろ暑苦しさをおぼえてしまうほどだった。
そんな中先生は大した目的もなくぶらついていた。
途中で知り合いの生徒にあったり、トラブルを仲裁したり、まさしく先生らしい休日を過ごしていた。
そんな中ある生徒に声を掛けられる。
「こんなところで出会うとは。奇遇ですね、先生」
「久しぶりだねアキラ」
声の主は清澄アキラ。七囚人の一人の生徒だ。
顔をさらしているためか桜が舞い散るかのような長い髪をまとめ、帽子を深くかぶり、薄く色の入ったサングラスをかけ、少しボーイッシュな格好をしていた。
「初めて私服を見たけど、とても似合ってるね」
アキラは目を丸くしてぱちぱちと何度か瞬きをし、すぐに落ち着いた声でお礼を言った。
「……ありがとうございます。そういう先生もかっこいい恰好をしていらっしゃいますね」
「えっ? そうかな? 割と適当に選んだんだけどなあ。けどそういってくれてうれしいよ」
アキラの言葉に笑顔を浮かべ感謝を述べる。
「……コ、コホン。それで先生は今日は何をしにこちらへ?」
「んー。目的らしい目的はないんだけど。せっかくの休日だし外に出ようと思ってね」
「おや、そうでしたか。それでしたら先生。私の買い物に付き合ってくださいますか?」
「うん。いいよ」
「ありがとうございます」
「こんなのはどうでしょうか?」
試着室の向こうから現れたのは水着を着たアキラの姿だった。
普段は隠されている肌が大胆に露出され、イメージカラーの白とは反対の黒ビキニがギャップになりとても魅力的に映る。
「うん、普段とは真逆の黒がとてもよく似合ってるよ」
「そ、そうですか。それでは他のも着てみますね」
そういって試着室のカーテンは閉められる。
さっきまではなんてことのないかをしていた先生だが、両手で顔を覆いその場にしゃがみ込む。
また、カーテンの向こう側でも壁に両手をつき顔を真っ赤にしているアキラの姿があった。
(なんなんですかっ! ちょっとぐらいは照れてもよくないですか!? 結構見せるの緊張したんですよ!?)
アキラは荒くなった息を整え、平常心を意識し、荒ぶる気持ちをまとめて吐き出すように大きく息を吐く。
何度か深呼吸をし、気持ちを整え次の水着を手に取る。
着替え終わったころには赤らんでいた顔は落ち着きを取り戻していた。
意を決してカーテンを開くとそこにはまたなんてことない表情でアキラの水着姿を見てほめる先生がいた。
アキラがカーテンを閉じ、お互いの姿が見えなくなった瞬間、両者とも顔を真っ赤に染め、次向かい合う時もその感情は決して表に出さずにいる両者。
そんなことを何度も繰り返した。
その日の夜、先生のスマホに一枚の写真が送られてきた。
その写真は今日買った水着をアキラが部屋の中で来ている写真だった。
先生は顔を赤くし、また送った本人も顔を赤くしていた。
うーん。
月曜の朝からイロハは劇薬すぎじゃありませんかね?