宵月庵バッセSSまとめ   作:宵月ハインド

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ヴィクターのデザインのリテイク記念およびヴィクターの精神的なわだかまりに対する一応の決着を描きました。


真紅の猟犬VS宵闇竜

ある日の宵月庵、

珍しく全員が集まって思い思いに過ごしている中、

唯一不在だったヴィクターが入室し、ゴルドーのいるデスクにまっすぐ向っていった。

 

「どうした、ヴィクター。」

「本日、H.O.U.N.D.Sから調整を終えた新しいスーツを受領した。」

ヴィクターはゴルドーからの問いかけに淡々と答えた。

 

「H.O.U.N.D.Sって。」

「ヴィクターが元々にいた組織、猟犬戦隊ハウンドバスターズはそこに所属する部隊って扱いだ。

 まぁ、今の所属は俺様やドットと同じV.C.Sで、

 ダーザインには出向という形になってるけどな。」

ワンダースケアがマリィに質問に答えていた。

 

「新しいスーツ……。」

「ちょうど全員いるし、ついでに披露しておこう。」

ヴィクターはこの場に宵月庵のメンバーが全員いる事を確かめてから、バックルを操作した。

 

『ハウンドチェンジ、クリムゾン』

バックルの掛け声と同時に赤と黒を基調としたスーツに変身した。

 

頭部には猟犬を意識した形状となっており、

両腕に刃、両足と指先には爪があり、背中とふくらはぎにスラスターが装着されていた。

 

「ハウンドバスターズっぽくなったな。」

ワンダースケアが近づきながらヴィクターの新たな変身後の姿を確かめていた。

 

「あ、確かに。」

同じ世界であるドットも関心を寄せていた。

 

「どういう意味だ?」

「元々俺が使っていたスーツはプロトタイプの物で、

 前のスーツだと性能的に限界を感じていたから、

 スーツの新造は無理でもせめて改修出来ないか、H.O.U.N.D.Sに掛け合っていた。

 その結果、後輩達が使っているスーツ修復用の予備パーツを融通してくれてたからそれで改修してもらったわけだ。」

ヴィクターはガルドスに説明し終えると、改めてゴルドーに向き合った。

 

「そこでこいつの最終調整として、お前との模擬戦を希望する。」

「………………。」

ヴィクターは変身を解除しながら、沈黙するゴルドーと睨みあっていた。

 

「てめー模擬戦での事故を装って、

 ゴルドーをやろうってわけじゃねーよな?」

ワンダースケアは後ろからヴィクターの肩を掴みながら牽制しようとしていた。

 

「そう言えばヴィクターがここに来た時の事を思い出しちゃったよ。」

「何があった?」

この中で入隊時期が一番遅かったザルトパッチがドットに聞いた。

 

「ヴィクターって私よりも後に入隊したんだけど、

 ゴルドーに会った途端、いきなり斬りかかろうとして、

 私やアイヴィー、さらにワンダースケアが止めたんだ。」

「そう言えば、お前達の世界ではゴルドーは悪人だったな。」

「うん、私もテレビとかでしか知らなかった程度だけど、

 初めてゴルドーに会った時は本当にビックリしたよ。」

「なるほどな。」

 

「でもさー、ゴルドーもすごかったよね。」

「何が?」

「その時のゴルドーは避けないどころか、

 一切微動だにしなかったんだよねー。」

「……それは本当か?」

横から話しかけてきたアイヴィーの話に対し、

ザルトパッチは半信半疑だった。

 

「うむ……。」

ゴルドーはヴィクターからの模擬戦の申し込みに対し、考える素振りを見せていた。

 

「ゴルドー、やめておけ。

 お前だって、こいつの事は"知ってる"んだろ?」

ワンダースケアがゴルドーを制止させるように語り掛けていた。

 

「君さえよければ、少し大きめの演習場を確保しておくよ。」

隊長であるハインドが3人の間に割って入るかのように現れた。

 

「おい、隊長!

 いくらてめーでもそれは」

 

「了解した、模擬戦は確保できた日時に頼む。

 それで構わないな?」

ゴルドーはワンダースケアの言葉を遮るようにヴィクターに問いかけた。

 

「異論はない、判明次第教えてくれ。」

ヴィクターはゴルドーとハインドから背を向ける形で部屋から出ていった。

 

 

「俺も模擬戦に備えてヴィランサーシステムの調整をする為、

 少し研究室に籠らせてもらう。」

ゴルドーはそういうと宵月庵の部屋にある自室を兼ねた研究室に入っていった。

 

「ったく、てめーら本気か!?」

ワンダースケアは喚くように文句を言っていた。

 

「そう言えばずっと気になっていましたけど、

 どうして、ヴィクターさんはゴルドーさんにああいう感じなんでしょうか?」

「ああー私も知らないんだよね。

 ゴルドーが秘密結社宵闇として活躍してたの、

 私が小さい頃だったみたいだし。」

ドットはマリィの問いかけに答える事が出来なかった。

 

「……そういやドットすらあの二人の事情について知らなかったか。」

「逆に知ってるのー?」

「知ってるわ!

 と言ってもV.C.Sにデータとして記録されている奴や、

 ヴィクターのいう"後輩達"から聞いた話に過ぎないがな。」

ワンダースケアはアイヴィーに反論するような形で答えていた。

 

「……聞かせてもらえるかな?」

ハインドはワンダースケアに詰め寄っていた。

 

「いいぜ。

 まず、ゴルドーが作った秘密結社宵闇について、

 全部話すと長くなるから、

 1.腐敗した人間や組織を裁く事で世界の理不尽をどうにかしたいのが始まり。

 2.とはいえ、宵闇自体はそこまで規模がデカくないので、

   単独で事件を起こす一方、

   ワイバー団を始めとしたいろんな悪党と手を組んだり、

   ターゲットの情報やヴィランサーシステム供給等で支援する方向で活動してた。

 3.秘密結社宵闇と主に戦ってたのは猟犬戦隊ハウンドバスターズだった。

 という点だけ理解しておいてくれ。」

「なるほど。」

ハインドがメモしていると、その後ろから全員が集まって話を聞こうとしていた。

 

「そんでな、

 ヴィクターはかつて猟犬戦隊ハウンドバスターズのリーダーとして戦っていた。

 相手は秘密結社宵闇が支援してる中で全員ヴィランサーシステムを使う連中だった。」

 

「実はそのハウンドバスターズのメンバーには、

 ヴィクターの婚約者がいた。

 ……ただ敵対している連中の中に秘密結社宵闇の構成員もいて、

 そいつに殺されてしまった。」

 

「えっ。」

ドットは戸惑いを隠せなかった。

 

「その後、ヴィクターはなんとか仇を取ったんだ。

 取ったのはいいんだ。

 ただ……ヴィクターの攻撃で変身解除された状態で、

 高いところから落ちそうになったところで、

 ヴィクターは助けないどころか、

 わざわざ追いかけてトドメを刺してしまったんだ。」

 

「別によくなーい?」

「てめーじゃねーんだから!」

茶々を入れるアイヴィーに対し、ワンダースケアは怒りつつ話を再開した。

「ったくよ……。

 これは俺達の世界の感覚と言われたらそれまでだが、

 H.O.U.N.D.Sは簡単に言えば、

 普通じゃない力を持つ悪人から人々を守る為の組織なんだ。

 いくら悪人とはいえ、

 普通の人間、しかも抵抗出来ない状態でトドメを刺すのはマズい。

 そんなことしたら、自分達は相手とどう違うのかわからなくなる。

 そういう考えから、

 H.O.U.N.D.Sの上層部から、

 資格剥奪および謹慎処分を受けた……ってわけだ。」

 

「じゃあ、今はどうなってるんだ?」

「その後、戦いが激化する中でリーダーではなく、

 いわば一兵卒として復帰する事が認められた。

 まぁ、半分上層部の都合もあるけどな。」

ワンダースケアはザルトパッチの質問に答えながら、ハインドに顔を向けた。

 

「で、隊長さんよぉ。

 この話を聞いてもなお、模擬戦やろうってのか?」

 

「今の話を聞いている限り、

 ゴルドーは直接関与してないよね?」

「それはそうだ。

 だがよ、ドットがゴルドーに会った時の事を覚えているか?」

「確かにかなり驚いていたね。」

 

「なんでゴルドーが俺達の世界では死亡扱いされているかわかるか?

 その方が何かと都合がいいんだよ。

 もしゴルドーが生きているとわかったら直接恨みがあるやつはもちろん、

 ゴルドーが作ったヴィランサーシステムのせいで、人生が変わった奴らなんていくらでもいる。」

ワンダースケアは一瞬だけ、ドットに視線を向けていたがすぐに戻した。

 

「ヴィクターの場合、

 あいつと戦ったやつはどうしようもないくらいヤバいやつだったが、

 それでもヴィランサーシステムがなければ婚約者を殺される事もなかった。

 あいつだって直接の仇は自ら手を下した事も、

 ゴルドーをどうにかしても意味がない事も、

 頭の中ではわかっているがその張本人がいたら、手を出さずにはいられなかったんだ。

 あれ以来、手を出さなかったのは、

 ダーザイン、正確には宵月庵で必要とされているから、大人しくしてただけだ。

 今回、自分の装備も整えたし、

 隊長の許可という鶴の一声があったから、模擬戦を利用するに違いない!」

ワンダースケアはハインドにゴルドーとの模擬戦をさせる事の危険性を熱弁していた。

 

「ううむ、事情はわかったけど、

 だからといって、このままってわけには。」

「あの、ちょっといいですか?」

マリィが悩んでいるハインドに声をかけた。

 

「これまで私が感じた事を聞いてからでも、

 判断できませんでしょうか?」

マリィはハインドの目を見ながら、語り掛けていた。

 

「……そうだね、

 "心を見ていた"君の意見を聞かせてもらおうかな。」

 

 

3日後、

結局、ダーザインが管理している演習場の中で、

比較的広い場所を貸し切って模擬戦を実施する事になった。

 

「では模擬戦を行う。

 立会人はアイヴィーにやらせるけど、

 もし私が中止を宣告したら、二人とも従うように!

 アイヴィーが判断して、止めにかかったら同様にお願いするよ。」

観客席にいたハインドがマイクで演習場の真ん中にいるヴィクターとゴルドーに話しかけていた。

 

「了解した。」

「異論はない。」

ゴルドーとヴィクターはそれぞれ返事をした。

 

「それじゃあ、二人とも距離を取ってねー。」

中央にいたアイヴィーは後ろに下がりながら、合図の準備をした。

 

「よし、じゃあはじめっ!」

アイヴィーはスターターピストルらしきものを空に掲げた状態で引き金を引いた直後、

 

 

爆音が鳴り響き、演習場の隅で爆発したかのような焦げた跡が残っていた。

 

「「「ええええええええええええっ!!?」」」

 

観客席にいた宵月庵全員が驚いていた。

 

「ボムピストルをスターターピストル代わりに使うな!!」

ザルトパッチがタンブラーをアイヴィーに目掛けて投げながら、叫んでいた。

「俺達の世界でいうカンプピストルってやつか。」

ワンダースケアは他の世界でも似たようなものが存在する事に感心していた。

 

ヴィクターとゴルドーは爆音にもザルトパッチの怒りにも動じず、冷静に腰のバックルを操作して変身した。

 

『ヴィランサーシステム、ドラゴン!』

『ハウンドチェンジ、クリムゾン』

 

ゴルドーは竜形態、ヴィクターはクリムゾンハウンドに変身した。

 

「あれ、ゴルドーのやつ、普段よりも小さいな?」

ザルトパッチは普段と違う事に気付いた。

「いくら広いつっても、

 演習場の大きさを配慮して調整してたってところか……ん?」

ワンダースケアはゴルドーからヴィクターの方を見ると右手に剣を持っている事に気付いた。

 

「あれ、私が持っている剣に似ている?」

ドットは自分の剣を取り出しながら、ヴィクターが持っている剣と見比べていた。

 

「そりゃそうだろ、あれはハウンドソード。

 当初、ヴィクターを始めとしたハウンドバスターズの初期メンバーが使ってた剣で、

 結局、正式採用されなかったがH.O.U.N.D.Sで訓練用に使われたり、

 V.C.Sが代理ヒーロー用の近接装備向けに開発されたフッカーズセイバー、

 つまりお前が使っている剣の開発母体として採用される程、信頼性と評判が良かったと言われてるやつだ。」

ワンダースケアはドットの使っている剣に関するうんちくを語りながらも、模擬戦に視線を向き直した。

 

 

2人が変身した後、少しの間だけお互いの動きを睨みあっていたが、先に動いたのはヴィクターだった。

ヴィクターがまっすぐゴルドーに目掛けて走っていき、ゴルドーは迷わず口から熱線を放った。

 

しかし、ヴィクターがスラスターからの噴射を利用しつつ高くジャンプする形で熱線を回避すると、

ゴルドーの背中に取り付いて剣で滅多切りにしてきた。

 

「グオオオオオオッ!!」

ゴルドーは背中にいるヴィクターを振り払おうと、体を揺らしつつ走り出した。

 

「くっ!?」

ヴィクターは揺れに耐えるようにゴルドーの背中に剣と左手の爪を立てていると、

ゴルドーは勢いつけて翼をはためかせながら空を飛び出した。

 

「しまったっ!?」

ヴィクターは振り落とされてしまったが、スラスターの噴射を駆使して着地に成功した。

 

「グオオオオオオ!!」

直後、自分に向ってゴルドーが迫っていた事に気付いたヴィクターは剣を構えた。

 

「これで!!」

ヴィクターはバックルを操作して全身に赤いエネルギーを纏いながら、

両腕の刃を展開させながら、剣を爪も構えた。

 

ゴルドーがヴィクターの目前に着いた直後、

ヴィクターは回転しながら、ゴルドーの全身を嵐のごとく切り刻んだ。

 

「やるな……。」

すれ違い様に斬られたゴルドーは立ち上がりながらヴィクターを見据えていた。

体中の傷はあっという間に自然治癒していた。

 

「ゴルドーのやつ、

 ヴィランサーシステムで大きさだけじゃなく、

 自然治癒力を強くするように調整してたみたいだな。」

ワンダースケアはゴルドーが調整してた内容を推測していた。

 

「はぁはぁ……。」

ヴィクターは息を切らしながら、剣を構えようとしたが

 

「そこまで!!」

ハインドの一声に2人は手を止めた。

 

「どういう事だ?」

ゴルドーは隊長を見ながら竜人形態に戻っていた。

 

「ようやく確信が持てたんだね……マリィ。」

「はいっ!」

「待て、マリィ。

 ここからじゃ高い!」

ハインドが声をかけると、マリィは観客席から降りようとしてガルドスに止められた。

 

「実は……ヴィクターさんが最初にゴルドーと会った時と、

 昨日や今の時と心……正確には感情の色や揺らぎが大きく変わっていたんです!」

ハインドからマイクを受け取ったマリィは話を続けた。

 

「最初にヴィクターさんと会った時は赤や黒で波打っていました、

 これは怒りや殺意を表す色でした。

 でも、昨日や今のヴィクターさんは、

 赤と黒の揺らぎの他に青が混じっていたんです。

 青は悲しみや後悔を表す色でした。」

 

「……。」

ヴィクターは何も言わずにマリィの言葉を聞きながら変身解除していた。

 

「それからワンダースケアさんの話を聞いて気付いたのですが、

 きっとヴィクターさんは怒りと殺意だけで戦っていたんじゃない。

 自分の事をずっと許す事が出来なかったのではないんでしょうか?」

 

「……そうか。」

ヴィクターはマリィとワンダースケアを交互に見ていた。

 

「お前のその力は話には聞いていたし、

 その場面を見ていた事もあるから、それについては否定しない。

 ……確かに俺は婚約者だった彼女を守れなかった事について、

 未だに自分を許す事が出来ずにいた。」

ヴィクターは額に巻いていた黄色いバンダナを解くと、

普段巻いている際には隠れていた箇所に血が付着していた。

 

「えっ!?」

「………………。」

ドットが驚く一方、マリィは何も言わずに見つめていた。

 

「仇を討ったが自分を許す事が出来ず、

 そんな中、お前が生きていると知った時には自分でも止められなかった。

 だが、それは結局八つ当たりに過ぎなかったんだな。」

ヴィクターはどこか自虐的に語りながら、再びバンダナを額に巻いていた。

 

「ゴルドーさんの事はどう思うかは自由です。

 でも自分の事は許してほしいんです。」

マリィは思い悩むヴィクターに寄り添おうとしていた。

 

「……このスーツの最終調整に付き合ってくれてありがとう。」

ヴィクターはマリィの言葉に対し返事をせず、ゴルドーの方に向き合っていた。

 

「十分だったのか?」

「ああ、お前にあれだけのダメージを与えられただけでも最終調整としては十分過ぎた。

 後は実戦や通常のトレーニング等を通して、慣らしていく。」

ヴィクターはゴルドーにひとしきり話すと、背を向けていった。

 

「どうだった、マリィ?」

「うん、どうやらヴィクターさんも迷っている感じだった。

 でも、この様子ならもう最初の時みたいにゴルドーさんを斬りかかる事はしないと思う。」

「というわけだ……隊長。」

「ありがとう、2人とも!」

ハインドはヴィクターの様子を見たマリィとその意訳をしてくれたガルドスに感謝していた。

 

「あと、ゴルドーさん。」

「ん?」

マリィに声をかけられたゴルドーは振り返った。

 

「ヴィクターさんと会ってから、

 ゴルドーさんはずっと同じ心だったのは気付いてました。」

 

「おい、それって……。」

ワンダースケアはマリィの話の続きに興味を示していた。

 

「灰色で自身に収束するようなあれは……諦め、でした。

 前の時も、今もヴィクターさんに殺されても仕方ない、と思っていたんですね?」

 

「やっぱりそういう事か、ゴルドー!」

ワンダースケアはマリィの答えを聞いた途端、フックショットを使って飛び降りて三点着地した後、ゴルドーの元へ駆け寄ると

 

 

「このバカヤローがぁ!!」

ゴルドーに向って渾身の右ストレートをかましていた。

 

 

「「「ええええええええっ!?」」」

殴られて吹っ飛ぶゴルドーを見ながら全員叫んでいた。

 

「てめー……最初から死ぬ気だったろ?」

 

「……元々、俺は既に死んだ身として扱われていた。

 あの世界で出来る事もないし、

 何より、俺が死ぬ事であいつが満足するならそれはそれで、と思っていた。」

ゴルドーは殴られた箇所を押さえつつも弁明していた。

 

「俺様にとってはてめーの"悪事"についてはもう"何も言わない"事にしてる。

 "ダチ"という感情を抜きにしても、

 てめーはなんだかんだダーザインに拾われるほどの力があるって事を自覚しろってんだ!」

ワンダースケアは不貞腐れつつも、ゴルドーに向って手を差し伸べていた。

 

「……そうだったな。

 別の世界で生きて力を使う方が、罰になるんだったな。」

ゴルドーはワンダースケアの手を掴んで立ち上がった。

 

「さて、帰るとしよう。

 仕事はいくらでもあるわけだしな。」

ゴルドーは全員に声をかけると、全員帰路に着こうとした。

 

 

「あ、アイヴィー!

 悪いけど、演習場で爆発させたところを片付けてくれる?

 流石に爆弾を使うとは思わなかったからさー!」

 

「ちぇーわかったよ。」

ハインドに名指しされたアイヴィーは渋々と引き返した。

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