BREAK THE LIMIT   作:心ここにあらず

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見せてみろ

朝眠い目を擦りながら俺は隣で寝ているさつきを起こさないように起きた。アラームは基本的にかけないようにしている俺だが時間を見ると5時過ぎである。学校に行くには早すぎる時間だがいつもこの時間に起きて走りに行くので問題ない。

 

そのあと色々準備をした後俺は家を出た。

 

「はっ、はっ、はっ…」

 

結構走ったと思う。一周1キロくらいある公園を俺は10周以上は走っているだろう。いつもはもう少しスピードを落として走るのだが何故か今日は調子がいい。

そのまま徐々にスピードを落としストレッチを行い、公園の遊具を使って筋トレを行う。この時間だと誰もいないのが気持ちいい。

 

時計を確認するともう7時前だな。さつきも起きているかも知れない。そろそろ帰ろうか。

俺はスーパーで少し買い出しをしてから家に戻った。寝室を確認するとまださつきは寝ていた。さつきの学校は家から近いし起こすのはもう少し後でいいだろう。軽くシャワーを浴びた後俺は料理と弁当を作った。家を出る前に炊飯器で米を炊いておいたのでおかずを準備するだけだったからね。

 

そろそろさつきを起こす時間だな。

 

「さつき〜起きて。学校行かなきゃ」

 

「んっ…ふぅ…」

 

さつきが薄く目を開けた

 

「おはよう…」 

「おはよう」 ギュッ!

 

寝ぼけているのか挨拶だけして抱きついてくるさつきをそのまま持ち上げて洗面所まで連れて行く。その10分後

 

「わぁ!美味しそう!作ってくれたの?」

 

「まぁね。ちょうど買い出しに行く時間もあったし弁当もあるよ」

 

「嬉しい!ありがとう!」「どういたしまして。さ、食べよう」

 

その後二人でテレビを見ながら朝食をとり制服に着替えて学校に向かう。俺は電車でさつきは駅からバスで向かうらしい。そこまで一緒に向かう。

 

「んじゃ学校頑張ってね」

 

「うん!みっくんも弁当ありがとね!」ギュッ!

 

別れる前にハグだけして俺たちは各々学校へ向かった。てかめちゃくちゃ注目浴びてるんだけど誠凛の子達いないよね。見られたら中々な光景なのは間違い無いからね。変な注目を浴びないことを願おう。

さつきの場合は俺という彼氏がいることを知らしめることが出来るから同じ高校のやつが見てることを願おう。変な虫が寄り付かなくて済むからな。

 

 

その後無事学校に辿り着き何事もなく授業を終え体育館に向かった。

 

そして

 

「ようしっ!一年全員揃ったな?」

 

小金井が一年の人数確認を行う

 

「なぁあのマネージャー可愛くね?」「2年だろ?」 「あれでもうちょい色気があればなぁ」ガツンッ

 

「「ッテ!!」」 「だぁほ!違うよ」

 

「男子バスケ部監督相田リコです。よろしく!」

 

「あっちじゃねぇの?」「あちらは顧問の武田先生!」

 

 

監督が女の子なのは驚いたな

 

「さぁ武田先生の紹介もすんだところでまずはお前たち…シャツを脱げ!!」

 

「「「はぁ?えぇ!!なんで!!」」」

 

そして監督さんは一人ずつチェックして行く。ほんとにすごいな。的確な身体の状態を見抜いてる。

なんでも監督の父親はスポーツトレーナーらしく子供の頃から毎日父親の仕事場にいた影響で体格を見れば身体能力が全て数値化されるらしい。

 

火神の番である

 

「え… なにこれすべての数値がずば抜けてる。こんなの高一男子の数値じゃない。しかも伸び代が見えないなんて」

 

「うわ!生で初めて見る天賦の才能!」

 

 

そして次は俺か

 

 

「…」ゴクッ

 

 

そして監督は目を見開いて息を呑む。

 

 

「なんなのこれ!あり得ない。うちにくるトッププロスポーツ選手以上の数値に計り知れない伸び代!」

 

「通りでアメリカで神の子なんて大層な名前を貰うわけだわ。正直見たことないレベル」

 

「「「神の子??」」」「なんだそれ」

 

「昨日気になって家で軽く調べてみたのよ。そしたらこれ!」ハイッ!

 

そこにのっていたのは俺の特集やインタビュー、動画など盛り沢山である。

 

「バスケの国アメリカが認めた神童 神の子 白神・ミカエル・颯斗って君でしょ?」

 

 「まぁ名前は俺ですね。そこまで褒めてくれたのは知らなかったけど」

 

 

「マジだったのかよやっぱ」

 

 

「…」

 

火神は呟き黒子はなにが気になるのか無言でこちらを見つめ続けた。

 

「監督。後一人残ってますけどやらなくていいんですか?」

 

そういう俺の視線の先には

 

「あのーすいません。僕もまだ残ってます」

 

「あ、じゃあこいつが帝光の?」「じゃあキセキの世代?」「まさかレギュラーじゃあ?」

 

「試合には出てましたけど」

 

「「「え!」」」

 

 

火神は神妙そうな顔で黒子を見ている。おそらくキセキの世代が気になるのだろう。あいつは見てわかるくらい俺やキセキの世代にしか興味なさそうだもんな。

 

「ちょ!シャツ脱いで!」

 

「すいませーーん!」「はい?」

 

「こちらの体育館本日はバレー部が共同で使いたいそうなのでそのようにお願いします!」

 

「「「え」」」

 

うちは体育館が二つあるがどうやら一つが工事中らしくあと1ヶ月ほどは共同になるそうだ。ってことで今日のゲームは中止になり筋トレと軽い練習だけして切り上げた。

 

 

火神・黒子サイド

 

俺は強者の匂いを嗅ぎ分けることができる。つえぇやつはなんとなくわかる。例で言うとやっぱ白神だ。あいつは別格。今まで出会ったどんなやつよりもそのオーラがあった。しかし問題はこいつだ。今俺の目の前にいる黒子って男はなんの匂いもしねぇ。

 

「確かめさせてくれよ。お前がキセキの世代ってのがどんだけのもんか!」

 

「奇遇ですね。僕も君とやりたいと思っていたんです。1on1」

 

そうして始まった1on1だが結果は

 

黒子がシュートを狙えば俺が全部ブロック。俺の攻撃はあいつに掠りも刺さず全部決まる。

 

「死ぬほどよえぇ」

 

体格で劣っていても得意技極めて一流になった選手は何人もいるコイツもそうなのかと思ったが全部が素人に毛が生えたレベル取り柄もなんもねぇ

 

「ふざけんなよテメェ!話聞いてたか?!どう自分を過大評価したら俺に勝てると思ってんだおい!」

 

「すげーいい感じに挑んできやがって」

 

「まさか。火神くんの方が強いに決まってるじゃないですか。やる前から分かってました」グラッ

 

「喧嘩売ってんのかおい!」

 

そう言いながら俺は胸倉を掴み持ち上げた。

 

「もういいよ。よえぇやつに興味ねぇから」

 

そう言いながら俺はバスケコートを後にした。少し興味を抱いて損をした。あいつも結局は他と同じただの雑魚だ。やっぱ明日はどうにか白神とやってみてぇな。あいつは動画でも見たがマジのバケモンだ。

 

 

そう思いながら火神は帰っていった。

 

 

 

主人公サイド

 

後日集まった俺たちは先輩たちと試合させられることになった。

 

「一年だけで決勝リーグに行ってるんだよな」「普通じゃねぇだろそれ」

 

「相手は弱いより強い方がいいに決まってるだろ、なぁ白神」

 

「ん?まぁな」

 

どうやらうちの2年はそこそこの成績を去年残していたらしい。

ちなみに俺はもちろん火神もスタメンである。黒子はベンチスタートか。

 

_ _ _ジャンプアップ!! ピィィィィ!

 

「おりゃ!」ガシッ!

 

ジャンプボールを制した火神が俺にボールを回してくる。今のジャンプ力、流石だな。身長で考えると結構な高さまで飛んでいた。

 

俺は重心を軽く下げゆっくりとボールをつく。さてどーするかとりあえずまずは一人で攻め込んで実力を確認してみるか俺のマッチアップは伊月先輩か。

まずは高速のクロスオーバーとバックチェンジを繰り返し伊月先輩の視線をずらし抜き去る。

 

「な!なんて早いボール捌きだ!」

 

まずは一人目、2人目と3人目がカバーに来るがさらに加速したクロスオーバーで左右に交わす。

 

「やべぇ!とめらんねぇ!」「水戸部頼む!」

 

ラストの2人がゴール前で待ち構えているがそれを見越した俺は

 

 

 

リングまで4メートル以上――常識を越える跳躍

 

フリースローラインから飛ぶ!! ガシャャャャン!! 

 

俺は周りとの力の差を見せつけるようにはたまた己の力を誇示するようにフリースローラインから飛んだ俺のダンクは敢えて膝の下を通しゴールにぶち込んだ。

 

 

「「「「……」」」」「ありえねぇだろ」「驚きすぎて声が出ません」

 

火神と黒子以外は放心状態だ

 

「フリースローレッグスルーダンクなんてNBAでも中々みねぇぞ!!」

 

「「「うおぉぉぉ!やべぇよ!やべぇぞ!白神!」」」

 

駆け寄ってきた同級生たちに肩や背中を叩かれながら自軍コートに戻って行くそして俺は火神の前で止まり

 

「どうだ?退屈はしなくて済みそうか?」

 

「はん!言ってくれるぜ。あんなもん見せといて退屈なんてするわけねぇだろ!次はボール回せ!俺がぶち込んでやる!」

 

「あぁ、それなりに期待してる」「上から言いやがって」

 

次は自軍コートでディフェンスに備える。実を言うと先ほどはすぐ俺にボールが回ってきたがこのチームのPGは俺ではない。火神がジャンプボールで勝った際あいつはチームメイトを見てすらいないのでおそらく唯一認めている?敵対視している?俺にボールを渡してきたんだろう。

 

「さぁまだまだここからだ!いくぞ!」「「「「おう!」」」」

 

向こうは伊月先輩がボールを持ちながら攻め込んできた。んー実力的にこっちのポイントガードじゃあの人からボールを奪うのは無理だな。俺のマッチアップは小金井先輩だけどこの人相手ならなんとでもなるか。

 

「日向!」「おう!」

 

向こうは日向先輩にボールを渡し日向先輩がドリブルを刻みながらシュート体制に入った。おそらくスリーだろうが俺のチームメイトには止められないな。そう判断した俺は反対側のコートまで最大加速で詰め寄る。

 

 

「なに!!!」「速すぎるだろ!!」

 

_ _ _ バシィッ!!

 

俺がスリーをブロックした。そしてそのままルーズボールを拾いにきたもう1人の先輩と争うがファールすれすれのフィジカルに任せたプレイでボールをもぎ取る。

 

「ガハッッ!」 「ふぅ」

 

「くそ!戻れ!速攻あるぞ!」

 

俺はボールを奪うとそのまま相手コートに攻め込む伊月先輩がいち早く気づき俺に対応するが止めにきたブロックを嘲笑うかのように

 

 

次の瞬間、ボールは軌道を変え、火神の手に収まっていた。

 

_ _ _ バシッ!

 

「エルボーパス!?」 「あいつハンドリングだけじゃねぇボール操作もハンパねぇ!」

 

「お膳立てはしたぜ」「あぁまかせろ!」

 

そう言いながら火神はゴール前まで詰め寄り相手センターの水戸部先輩を吹き飛ばしながら片手ダンクを決めた。

 

 

「うぉぉぉぉ!」ガシャャャャン!

 

 

「ふーん、及第点ってところか」

 

さてここからどうするかぶっちゃけ俺と火神が同時に出てる限り相手の得点はほぼ不可能だろう。

 

 

相手チームは次も同じように攻め込みゴール下でシュートを捩じ込もうとするがゴール下にいた俺にブロックショットをかまされ撃ち落とされていた。この辺で相手の気持ちを折っておくとするか。

 

「へい!」 「ん?白神!」パシッ

 

おーけー。俺の今の位置はコートの真ん中ら辺だ。3ポイントラインのさらに外側NBAラインと言われるディープスリーよりさらに外側そこから俺はシュートモーションを作った。

 

 

「おい!」「ありえねぇぞ!どこで構えてやがる!」「嘘でしょ!」

 

普通なら絶対入らないと思われるそれは

 

弧を描いた一投が、空気を切り裂いてリングへ吸い込まれる。

 

 

_ _ _ザシュッッ!

 

 

「「「うぉぉぉー!」」」「凄すぎでしょ!」「マジかよ」

 

 

この辺で良いだろう。俺は己の力を敢えて誇示することで誰がこのコートの支配者かを明確にしたのだ。そうすることで俺に対して向こうは最大限の警戒を敷くだろう。それもありかと思ったが思った以上に実力差があるこの展開ではあまりチームにとってはよくない事だろうと思った俺は監督に

 

 

「監督。」「ん?なぁに白神くん」

 

「俺下がります。代わりに黒子を出してください」

 

「…」

 

少し考えるような仕草を見せていた監督だが俺の意図が伝わると

 

「よぉし!ここで白神くんは交代よ!あなたの実力は初めから分かっていたとはいえここまで好きなようにやられてはもはや疑いようはない!黒子くん!出番よ!」

 

「はい頑張ります」

 

「すごいですね。白神くん」

 

「ん?まぁまぁだな。まだ全開には程遠い」

 

「そうですか」「それより火神のアシスト頼んだぜ。向こうは俺が居なくなった今確実に火神を削りにくるからな」

 

「はい。分かってます。僕の言う事を聞くとは思えませんが考えがあります」

 

そう言うと黒子はコートに入っていった。さぁ見せてもらおうかかつて大輝の影としてあいつらに認められた男のプレーを。

 

そこからは先輩たちの見せ場がどんどん増えていった。向こうは日向先輩のスリーや水戸部先輩のゴール下のプレーで得点を重ねていきこちらは火神がダブルチームで完全に防がれていた。普通に自分のチームにあいつがパスすればこちらも得点を決められるのだがあいつにそんな考えは微塵もない。全部己で決めてやろうと言う考えが丸見えだ。さらにタチの悪いのがあいつはダンクしか頭にないな。くると分かっているダンクしかない奴ならダンクする前に止めてしまえばいい。

 

そうしてようやくきたチャンスに黒子にボールが回ってきたがやっぱりシックスマンと言われるだけあって基礎能力が壊滅的であった。ただのレイアップもゴールにあたり外していた。もう終わりかと思った時

 

 

「次ボール回してください。あとボールから目を離さないでください」

 

「へ?」

 

そう言い残した黒子はさらに存在感を薄めた。俺には見えているが他の選手たちには認識できていないようでさつきから聞いていたがミスディレクションの応用で視線誘導をしているらしい。そしてボールは誰もいないと思ったところで急激に

 

 

_ _ _バシッ!

 

 

方向を変えた!

 

 

ほう。なかなか面白いことをしやがるな。一年チームはそのままシュートを決め得点に繋いだ。その後もボールを運びそれを黒子がゴール前に繋げることで得点を稼ぎに行く。そして得点が36対37で一点差に詰め寄ると

 

ラスト黒子が自分でゴール前まで走り込んでレイアップの体制に入った。

 

「しまった!」

 

_ _ _バコッ!

 

「「「あぁぁ…」」」

 

しかしゴールに弾かれたボールをそのまま火神が掴み

 

「だからよえぇ奴はムカつくんだよ!」

 

_ _ _ガシャャャャン!

 

片手ダンクを決めたところで試合終了。高校入って初めての試合は一年生チームの勝利に終わった。

 

「いやまじつえぇわ一年ども」

 

「そうね。特に別格なのがあの3人、白神くん、火神くん、黒子くんね」

 

「特にやべぇのが白神だな。あんな奴見たことねぇな。プロが混じってるレベルだわあれは」

 

「火神くんも潜在能力の塊だし黒子くんも一芸に秀でてる。今年も狙うわ!インターハイ!ウィンターカップ!」

 

まだまだ荒削りだがなかなか面白いチームじゃないか誠凛。

 

 

「よお。どぉだ俺の実力は」

 

「そうだな。大口を叩いた割には大したことないな」

 

「なに!!」「いやだってお前黒子いなかったら負けてたぞこの試合」

 

「…」「ポテンシャルは認めてやる。でもお前はまだこっち側じゃない。弱点も見えた」

 

 

辛口の評価を伝えた俺だが本当にポテンシャルの高さを認めるところである。俺もうかうかしてられないな。こんなところで止まってちゃあアメリカにいる奴らに笑われてしまう。本当に楽しくなってきたな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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