そして後日俺たちは海常高校にいた。
海常高校は毎年インターハイに当たり前のように出場している全国でも有数の強豪校であり監督の武内源太が今年もキセキの世代・黄瀬涼太を獲得したことによって全国でも優勝を狙える高校に変貌した
「あぁ〜広いなぁ」
「やっぱ運動部に力を入れてるところは違うねぇ」
確かにうち(誠凛)は新設校だが東京ってこともあって校内は新しいし最新の設備が搭載されているが海常のように広くはない。
そのような会話をしながら校内を歩いていくが明らかに表情が良くないやつが1人。
「どうした火神。そんなに目を血走らせて」
「ほんとですね。いつにも増して悪いです。目つきが」
「お前らうるせぇよ。ちょっとテンション上がりすぎてな」
「「遠足前の小学生か」」
どうやら昨日の夜から今日のことが楽しみすぎて寝れなかったようだ。
すると
「どうもっす〜!」 ダンダンダン
奥から黄瀬が走ってきた
「広いんでお迎えに参りました!」
「どうも!」
「黄瀬ぇ!」
監督がお礼を言うのと同時に火神がまた絡んでるが無視されてる
「みかっち!今日は絶対負けないっすからね!」
「ほう?昨日あんだけやられたのにまだ勝てると思ってるのか?」
「負けたのは俺個人であって海常が負けたわけじゃないっすからね!それに俺もまだ本気じゃなかったっすから!」
「それは楽しみだな」
黄瀬はバスケが個人戦じゃないことをちゃんと理解してるらしいな。大輝の場合はどこかチームより個人を優先することが多々ありそうだからな。
「おい!黄瀬!さっさと案内しろ!」
「って!無視かよ」
「黒子っち〜!」
「あぁ〜もう!黄瀬くん!とりあえず体育館までは案内してくれるかな?」
「はいよっす!」
よく喋る黄瀬を見ていつまで経っても進まないと感じた監督が黄瀬を急かし体育館まで案内させた。
「ここっすよ!」
「え?」「お?」
そこには大きな一面コートを敷ける体育館があるにも関わらず中央にネットを貼り2面コートを作り出したものが目の前にあった。しかも片面では海常の選手たちが練習をしており練習試合にも関わらず俺たちも片面でプレーさせられると思われる。
「片面でやるの?」
そのような疑問を残しつつも海常の監督の元まで挨拶にいく
「ん?あぁよろしく。監督の武内です。ん?ところでそちらの監督は?」
「あぁ〜私です!」
「はぁ?!君が?!マネージャーじゃなかったのか?」
「監督の相田リコと言います今日はよろしくお願いします!」ぺこッ!
監督は相手の監督に軽い挨拶を済ませこの状況の説明を、求めると海常の監督は今日は軽い調整のつもりだから他の部員は練習させておくそうだ。
ほう。つまり要はウチは舐められてるって訳だ。
ここまであからさまな侮辱を受けるのは久しぶりだな。
そう思うのは俺だけじゃなかったらしく隣を見ると向こうを睨みつけてる火神の姿があった。
「お前キレすぎてラフプレーすんじゃねぇぞ?」
「するか!?」
そしてここでさらにコチラを煽る発言が向こうから飛び出した。
「黄瀬〜!なに準備しとるんだ!お前は今日は出さんぞ!各中学のエースクラスがゴロゴロいるウチの中でもお前は別格なんだ」
「ちょ!監督マジやめて!そういうの!」
「てか言ったじゃないっすか!向こうには俺たちキセキの世代以上のバケモンがいるんすよ!」
「どうせお前のことだ。本気でやらなかったんだろう?」
ほう。どこまでウチをコケにしてくれるつもりだ。今日は海常の偵察とウチの新戦力を加えた実力を試してみるつもりだったが正直抑えれそうにない。参ったな。
すると
「みかっち!あの人ギャフン!って言わしてくれたら俺出してくれるしお願いするっすよ!」
「その程度で済めば良いがな」
「…」ヒヤッ
黄瀬の背中に冷たいものが走るような感覚があった。
「集合!それではこれから誠凛高校と海常高校の練習試合を始めます!」
「うし!いくぞぉ!」
「うお!2人デケェのがいるなぁ」「195はあるか」「あれで一年かよ」
今日のスタメンは伊月先輩、日向先輩、俺、火神、水戸部先輩だ。いつもならジャンパーは火神なら任せるのだが今日は俺が行くことになってる。アーリーしないように気をつけないとな
「デカいな」
「っす」
黄瀬サイド
俺はベンチに座りながら監督と話をしていた。
「ほぉ?大口叩くだけの選手がいる訳か。」
「そうっすね。よく行けば中差から大差悪く行けば追いつけない程の点差をつけることができる奴が誠凛にはいるっすよ」
「そこまでか!?」
「普通の選手じゃあ壁にもならないっすよ」
主人公サイド
_ _ _ピィィィィ!
そうして高く舞い上がったボールが到達点に達するのを見計らって跳躍する
「たけぇ!」 「やべぇぞ!」
_ _ _ダムッダムッダムッ
「おーけー。とりあえず一本いくか」
今日は監督から初めの一本は俺の好きなようにしてあるとOKサインを貰ってる。
俺は初めの1人であるPGを高速のクロスオーバーで左から抜き去り他の4人がどこにいるのかを確認する。
そして俺がそのまま加速するのをみた4人がヘルプに来る。
ヘルプが来た瞬間、
「くそ!」
「ちょろいな」ギュン!
「グッ」と揺さぶってフェイクをしかけ、逆方向にすり抜けるユーロステップで交わす。そして3人目をスピンムーブを使い右に切り返し簡単に抜き去る。
そしてゴール前に2人の男が待ち構えてるのを見た俺は
ドリブルで加速し、最後の一歩で「ドンッ!!」と床を叩くようにジャンプ
片手を大きく後ろに引き、「斧を振り下ろす」ようなモーションを繰り出す!そしてリングに向かって一直線_ _ _
_ _ _ズガァァァンッ!!
「「ぐわぁ!」」
俺のトマホークの勢いと破壊力により相手ディフェンスは吹き飛びバックボードは揺れ俺の片手には
千切れたリングが握られていた。
そしてこの瞬間
「「「うおぉぉぉ!白神!」」」
「きゃー!あの人やばくない?」「すごい飛んだ!」「1人で得点したの?」
会場が一瞬“爆発”したみたいな熱気になる。
ピピィィ!!
ここで早くも海常がタイムアウトを行使した。
「とと。その前にリング壊れちゃったんで向こうのコート使わせてもらえないですか?」
「…しょうがない。お前ら準備しろ!」
海常サイド
「おい!黄瀬なんだよ!あの化け物は?!」
「だから言ったじゃないっすか!俺も昨日完璧に負かされたって!」
「にしても限度があるだろ!ありゃあ高校生の実力じゃあねぇぞ!」
海常の選手及び監督が黄瀬の言葉を信じなかったのも無理はない。普段の練習から黄瀬を見ていたら分かるほどキセキの世代というものは全てにおいて圧倒的であった。その黄瀬がキセキの世代以外に完敗した聞いてすべてを信じるものなどいなかったであろう。
「それよりもどーする?」
「3人つけるか?下手にダブルチームしてもあれは簡単に振り切ってくるぞ?」
「いや?ダブルチームどころかトリプルチームでも怪しいな。さっき5人抜きされたのを忘れたのか?」
「どうします?監督」
監督の武内は大いに後悔した。己が信じ育てた教え子たちがあぁも簡単に抜かされるとは。しかも、キセキの世代以外にだ。この雰囲気、主導権を向こうが握ったのは選手よりも監督の責任だ。
「いやマッチアップは1人でいい。いけるか黄瀬!」
「もちっす!」
「でも行けんのか?黄瀬?昨日やられたんだろ?」
「んーそうっすね。まず第三クォーターまでは止められないっすね。下手したらこの試合全部使っても無理かも?」ニヤッ
いつもの自信過剰な彼からは想像もつかないようなセリフが吐かれた。
「そこまでか」
「はいっす!でも彼とマッチアップしたら今よりも確実に飛躍できる気がするっすよ。だから先輩方俺にかけて欲しいっす!」
「あぁ。ぶっちゃけ黄瀬以外じゃあ勝負にもならねぇからな。お前に任せるぞ黄瀬!」
「よし!いくぞ!」
そう言いながら青いユニフォームを纏った彼らはベンチを後にした。