BREAK THE LIMIT   作:心ここにあらず

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青の精鋭 Part2

まずは俺たちが俺のワンマン攻撃によって主導権を握った。

 

 

「みたか!うちの攻撃力!」

 

 

「うちのってか白神のだけどね」

 

 

現在タイムアウト中であり監督が自慢げに語りそれを伊月先輩がツッコむ。

 

 

「次はどうします?初めは俺からって決めてましたけど」

 

 

「それについてなんだけどウチはこの主導権を渡さないためにも白神くん!火神くん!日向くん!の3枚で攻撃する!」

 

 

「所謂トライアングルオフェンス(三角攻撃)よ!」

 

 

「俺と白神は兎も角キャプテンもっすか?」

 

 

「だぁほ!あんまり俺と俺たちを舐めんなよ」

 

 

「日向くんにはスリーがあるからね」

 

そしてタイムアウトが終了して次は向こうの攻撃だ。

 

_ _ _ピピィィィ!選手交代!

 

 

「お、やっぱそう来るか」

 

 

俺の前に来た男を前に俺はそう呟いた。

 

 

「やってくれたっすねみかっち!」

 

 

「そうか?俺からしたらウォーミングアップみたいなもんだあれくらい」

 

 

「つくづくバケモンすね。でもウチも負けないっすよ」ニヤッ

 

 

海常はキャプテンでポイントガードの笠松さんから攻撃を作る。へぇ。なかなかのハンドリングとスピードだな。あれは伊月先輩よりやるな。

 

 

その通りに伊月先輩は笠松さんの動きについていけず抜かれた所で笠松さんは味方にパスを通した。6番の選手がシュートモーションに入る。

 

_ _ _ザシュ!

 

 

2:3 海常リード

 

 

伊月先輩は自分で抜けないことを理解するとコチラにパスを通す。正直俺から得点してもいいがコチラを睨みつけてる男がいるのであいつに任せてみようか。

 

_ _ _ダムッ ダムッ パシッ!

 

俺はクロスオーバーから抜き去るフェイントを入れ黄瀬のまた抜きで火神にパスを通した。

 

 

「しまっ!」

 

 

「しゃあ!貰ったぁ!」

 

 

_ _ _バキャァァン!

 

 

火神のワンハンドダンクが炸裂した。

 

 

「白神のことばっか見てんじゃねぇ!」ビシッ!

 

 

そう言いながらコチラを指さした火神は戻っていく。

 

 

 

そこからは取っては取られての点取り合戦が続いていく。コチラは俺に黄瀬がマークしているということで伊月先輩が遠慮して俺にパスを回さず火神から多く得点している。

 

 

第一クォーター終了  16:12 誠凛リード

 

 

「ここまでは順調ね」

 

 

「でもおかしいです」

 

 

「何がだ黒子?」

 

 

「あの黄瀬君がこのまま何もせずに白神君のマークだけしてるとは考えづらいです」

 

 

「確かにな。そっちはどうだ白神?」

 

 

「そうっすね。今んとこは無難に俺にボールを触らせないことに全力注いでるって感じですね」

 

 

「おそらく次ゲームがさらに動くわ!みんな臨機応変に対応してね!」

 

 

「「「おう!」」」

 

 

 

第二クォーター 開始

 

 

「随分おとなしいな黄瀬」

 

 

「いやぁ?今からじゃないっすか?」ニヤッ

 

 

「へい!」パシッ!

 

 

そう言い残した黄瀬はボールを持っている味方に目線を合わせパスを要求した。

 

 

「ここからって訳か」

 

 

「…」

 

 

喋ってる余裕がないのか黄瀬は口を閉じ集中している。そして俺を振り切るために最大加速を持ってドライブを仕掛けてきた。

 

 

「こんなものでは俺を振り切れんぞ?」

 

 

「ぐっ!」

 

 

俺をなかなか振り切れない黄瀬はバックステップでスリーを放とうとする。しかし俺は黄瀬に詰め寄りブロックショットでカットしようとする。

 

 

_ _ _バコッ!

 

 

「くそ!これもダメか!」

 

 

「くはっ!中々悪くない作戦だ!」パシッ!

 

 

そう言いながらルーズボールを拾った水戸部先輩からボールをもらい先ほどとは攻守が逆転した光景が広がっていた。

 

 

_ _ _ダムッダムッダムッ

 

フェイント一つで相手の重心を揺さぶり、抜き去るか、止め切るかの攻防が続いていく。

 

 

「止められるのか?俺を」

 

 

「逆にそう簡単に抜けれると思ってんすか?」

 

 

「愚問だろ?」ニヤッ!

 

 

相手が一瞬でも重心を崩した、その刹那。

ドリブルが「バンッ!」と一段鋭さを増し、床を切り裂く音が響く。

 

 

「なっ!」

 

 

視線はあえて逆、体は一瞬止まったように見せて――

次の瞬間、爆発するような一歩。

 

 

_ _ _キュッッ!

 

とスニーカーが鳴り、黄瀬の腕が虚空を切る。

置き去りにされたディフェンスの横を、疾風のごとく駆け抜ける。

 

 

そしてそのまま相手チームがヘルプに来る前にスリーを放つ。

 

 

_ _ _ザシュ!

 

 

「流石だ白神!」 「ナイスッ!」 「ん!」 「ぜってぇ負けねえ!」

 

チームメイトが各々声をかけてくれるのを聞きながら自軍コートに戻っていく。

 

 

「あぁ!!ダメだ!ダメだ!これじゃまだダメだ!」

 

黄瀬は先程のプレーを思い出し何故勝てないのかを分析する。

 

 

「どうだ?黄瀬?どのくらいで出来そうだ?」

 

 

「プレー自体はできるんすけどみかっちを抜くレベルまではまだ見えないっすね」

 

 

「…そうか」

 

笠松は黄瀬でも得点が出来ず逆に相手を止められないと言った状況を目の当たりにしやはり黄瀬で得点を重ねるより自分たちで行った方がいいのではないかと考える。

 

 

向こうにはもう1人スコアラーがいるが白神と比べたら可愛いもんだ。

 

 

「よしおめぇら!気ぃ引き締めろよ!」

 

 

「「「おう!」」」 「はいよっす!」

 

 

 

そこからは海常は黄瀬を、囮にした全体と攻撃でポイントを重ねていき、誠凛は白神と火神の攻撃で得点を重ねていく。

 

 

 

 

_ _ _ピピィィィ!

 

 

 

 

現在第二クォーター途中 48:36誠凛リード

 

第二クォーターが終わった頃ベンチに戻った俺たちを見ながら黒子が

 

 

「ちょっとオーバーワークかもしれません。主に火神くんが」

 

 

「あ!全然やれるわ!」

 

 

「わかってるわ!どっちみちここからは火神くんを下げて黒子くんを入れる予定よ!」

 

 

第三クォーター 開始

 

_ _ _ピィィィィ! 誠凛選手交代です!

 

 

「きたっすね!黒子っち!」

 

 

「はい。まだ主導権は渡さないつもりです」

 

 

誠凛は火神を下げ黒子を投入した。

 

 

ボールは海常からである。

 

「一本きっちり行くぞ!」ダムッダムッ

 

笠松が、ボールをつきながらゲームメイクをしようとしたその瞬間

 

 

誰もいなかったその空間に1人の影が映った。

 

 

_ _ _バシッッ!

 

 

「なにっ!」

 

 

そのままゴール下まで駆け込む黒子に対して笠松が追いかける。

 

「どっから湧きやがったあの11番!」

 

「こいつっおせぇ!」パシッ!

 

「なっ!」

 

 

追いつかれた黒子はバックハンドパスで俺にパスを出した。

 

 

_ _ _バキャァァン!

 

 

俺はボールをそのまま捻じ込み得点を奪う。

 

 

「クソ!お前の連れか黄瀬!」

 

「そうっすよ!黒子っちって言うんすよ」

 

「何喜んでんだ!」バシッ

 

「いてっ!」

 

 

誠凛はここから黒子のスティールとパスで得点を重ねていき海常は攻撃が止まってしまっていた。

 

「クソ!まじでどうする!笠松!」

 

「… ラスト俺に任せてもらえないっすか」

 

「…黄瀬…あぁもうそれしかねぇ頼むぞ黄瀬!」

 

 

海常はこのゲームラストを黄瀬に託す。

 

 

「へい!」パシッ!

 

ボールを貰った黄瀬は重心を落とし視線をどこか虚にし集中する。

 

 

そして

 

 

 

_ _ _ダムッダムッダムッギュン!

 

 

左右に揺れながら急加速そして高速のクロスオーバーを繰り返す。そして今度はバックチェンジも織り交ぜてきた。

 

 

このフォーム、このキレ!

 

 

「まさか俺のコピーか!」

 

 

俺は予め黄瀬が相手のプレーをコピーするのとは知っていたが俺のプレースタイルをここまでのハイクオリティで繰り出されるとは思わなかった。

 

 

黄瀬はそこから急降下し後ろに下がるが前回俺はこれを繰り出し黄瀬からアンクルブレイクを誘ったが俺にそれは通用しない。

 

 

「あめぇよ」ギュン!

 

 

俺は黄瀬が下がるのと同時に強靭な体幹で体勢を立て直し詰め寄る。

 

 

しかし黄瀬はこの状況からスリーを放とうとする。

 

 

俺は咄嗟にブロックショットを繰り出そうとし跳躍するがここで

 

 

 

黄瀬は上半身だけフォームを作り飛んでおらずフェイクを仕掛けていた。

 

 

_ _ _ダムッダムッダムッ!

 

 

俺を抜いた黄瀬はそのままゴール下まで詰め寄りシュートを決めた。

 

 

やるじゃねぇか黄瀬。あいつ俺のコピーが俺自身に通用しないことを分かっていたのか。

 

「やっと一本お返し出来たっす」

 

「流石だな。今のは予想出来なかった」

 

俺が予想出来なかったのはどこかで黄瀬を舐めていたからであろう。本来の俺、つまりナッシュやシルバー、大輝相手ならあの程度のフェイクに引っ掛かる訳がないからである。しかし何処か黄瀬を舐めていた俺は黄瀬にはあれ以上のプレーは無いと決めつけていた。

 

 

「これはお返ししないとなぁ」ニヤッ

 

「キャプテン!」パスッ!

 

キャプテンからパスを受け取った俺は

 

一気にゴールへ切り裂くドライブを繰り出す。黄瀬を隣に貼り付けながら1人目2人目と居合わせた選手を抜いていく。

 

 

「絶対止めるっすよ!」

 

「…」

 

あの瞬間俺はこの試合で一番集中していた。何せ大輝以来の日本での好敵手を見つけたのだ。

 

リング下目前――その瞬間、身体をバネのように伸ばして。

シュートモーションを作る。

 

黄瀬がが思わず飛び上がる。

 

 

…だが、それは“偽り”

 

 

空中での相手を見上げながら、

わずかに笑みを浮かべてボールを引き下ろす。

 

「さっきは世話になったな」

 

「なっ!」

 

ドンッ!

 

 

_ _ _ ピーッ! ブロッキング!青7番!

 

そのコールを聞く前に着地の遅れた相手を置き去りに、

次の瞬間、静かに、しかし鋭くゴールへ沈める。

 

_ _ _ザシュ!

 

「ポンプフェイク!」「ここにきて黄瀬からバスカン貰いながら決めやがったぞ!」「ありえねぇだろあいつ」

 

 

「俺はお返しは忘れたことないんでな」

 

「タチ悪すぎっすよ」はぁはぁはぁ

 

 

こいつ明らかに消耗が激しいな。おそらく俺と競い合うために限界まで集中力を維持していたのだろう。しかもこいつは初めから俺に着いている。並の選手ならすでに心を折られているか疲労でベンチ行きだろう。

 

 

「本番はインターハイ出だな黄瀬」クイッ

 

「なに…はぁはぁ…言ってるんすか?」

 

俺が指さした方を見ると海常が黄瀬の交代を告げていた。

 

その後黄瀬が抜けた後俺を止めるものはいなく誠凛は俺のところからシュートを決めていった。

 

 

_ _ _ピィィィィ!第三クォーター終了 72:50 誠凛リード

 

「やったわね白神くん!」

 

「お前すげぇよ!まじで!」 「キセキの世代よりつえぇってマジかよ!」

 

「どうなってんだよお前!」

 

ベンチに戻ってきた俺を皆んなが労ってくれる。

 

「後半は火神出してください。俺が下がりますんで」

 

「え!…いいの?」

 

「はい」

 

黄瀬のいないチームにはあまり興味は見出せなかった。このチームの実力はここまでである程度把握してたからな。俺がいなくてもウチなら渡り合うことが出来るだろう。

 

 

 

 

 

 

 

その後第4クォーターで海常が意地を見せるものの20点以上のアドバンテージを巻き戻すことはできず。

 

 

_ _ _ピィィィィ!ゲーム終了!

 

 

92:76 誠凛勝利

 

「「「よっしゃあ!」」」

 

 

誠凛チームは喜び海常チームは皆項垂れている。

 

「負けた…負けたんすか」

 

生まれて初めて負けた。

 

黄瀬は涙を流した。

 

 

「黄瀬泣いてね?」「悔しいはわかっけど練習試合だろ」

 

 

_ _ _バコッ!

 

「んのボケ!メソメソしてんじゃあねぇよ。つうか今まだ負けたことねぇってのが舐めてんだよしばくぞ!そのすっかすかの頭にリベンジって単語刻んどけ!」

 

 

俺たちが海常高校を後にする時校門前まで選手たちが見送りに来てくれた。

 

「地区違うからインターハイが本番っすね」

 

「絶対行きます!」

 

お互いの選手の後ろで監督同士が睨み合ってる。うちの監督は満面の笑みだが。

 

その時俺はここに黄瀬がいないことに気づいた。

 

 

 

 

黄瀬サイド

 

_ _ _シャー!

 

初めてちゃんとした試合で負けた。俺は蛇口で頭を濡らしていた。

 

その時

 

「お前の双子座は今日の運勢最悪だったがまさか負けるとは思わなかったのだよ」

 

「見にきてたんすか緑間っち」

 

「ま、あれが相手であったのであれば運勢が1位でも勝てたかは分からないが…」

 

「何者だ?奴は?」

 

「白神・ミカエル・颯斗。最近までアメリカに居たらしいっすよ」

 

「アメリカ…通りであのようなやつ見たこと無かった訳なのだよ」

 

「しかも実力もピカイチ。俺の推測だけど仮にキセキの世代が戦っても1人では勝てないっすよ。俺も見ての通り第3クォーターまでで精一杯。しかも向こうはおそらくまだギアを残してる」

 

「…」

 

「まぁ何にせよ同じ東京だから大変っすね。みかっちと同じ地区なんて」

 

「ふん。俺はそれでも人事を尽くすだけだ」

 

 

 

そう言い残しながら緑間は去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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