「お、あっちも終わったみたいだな」
「そうですね」
「やっぱアイツらか」
俺たちの視線の先には試合を終えたばかりのオレンジ色のユニフォームの選手たちが見えた
審判
「ピピィィィ!113対38 !秀徳!」
「「「ありがとうございました!」」」
秀徳サイド
「こっから休憩挟んで次決勝ってどんだけバスケ好きなんだよ俺ら…けどま良かったじゃん?来たぜ?」
「見れば分かるのだよ」
そう言い残し緑間と高尾が向けた視線の先にはこちらを見つめている3人の選手の姿…
「…ふっ」
緑間は視線を外すことなく小さく微笑んだのだった
誠凛サイド
_ガヤガヤガヤ
「体が冷えないようにすぐ上着着て!ストレッチも入念にね!それから疲労回復にアミノ酸・カロリーチャージも忘れずに!後順番にマッサージ行くからバッシュ脱いでて!どう?」
監督が1人ずつ選手たちの足の疲労を回復させるためにマッサージを行っていた
「どう?」
「サンキュー。まぁ疲れて無いって言ったら嘘になるけどこれで何とか次までは持つだろ」
皆が栄養補給や疲労回復に努める中誠凛のキセキならざるキセキたちは
「スゥ…スゥ…」
「…」
_シュルルルル
火神は疲労回復のためかそれとも楽しみにし過ぎた影響による睡眠不足なのかロッカーを背に睡眠していた
そして俺はアメリカにいた頃からの精神統一のルーティーンの一貫の一つであるボールを伸ばした人差し指の上で回していた
正直疲労回復としてはあまりお勧めできないがなぜか俺は昔からボールを常に触っていた方が落ち着くのだ
「ちょこら火神!寝たら体固まっちゃうでしょうが!それに白神くんも!ボール降ろしてちゃんと休憩しなさい!」
「まぁほっとけよ今日の勝利はこいつらのおかげだからな」
「アイツ珍しく凹んでたからな。第一クォーターの時相手の一年に完璧に止められてたからな」
「こいつらなりに責任感じてただ寝てたりボール遊びしてるんじゃなくて最後の試合まで集中するためにやってることだろうからな」
「正直ここまで誠凛が勝ち進んでくるのを予想していたかと言われれば去年の結果を知ってるものからすれば驚きだろう。北の王者の敗退…それも一方的に蹂躙するようなゲームでの敗退だ。もううちにとっても脅威という他無い。」
「…だがそれがどうした!俺たちは王者だ!王者秀徳として全力で叩き潰すのみだ!」
「「「おう!」」」
そしてこちらのチームも
「あぁ〜疲れた〜今日も朝から憂鬱でさ。2試合連続だし王者だし。実際疲労とかプレッシャー半端ねぇよ。けど後1試合もう次だの王者だのまどろっこしい物はいんねぇ」
「気分スッキリやることは一つだけ。ぶっ倒れるまで全部出し切れ!」
「「「おう!」」」
_ピピィィィイ!
審判
「整列!」
コートに並ぶ俺たちの前に緑間が歩いてきた
「まさか本当にここまでやる男とは思わなかったのだよ…だがここまでだ。こいお前の快進撃もここまでだということを教えてやろう」
「…ははっ…俺にそこまで言うやつはアメリカにもいねぇぞ?出した言葉引っ込めんなよ?」
「…当たり前なのだよ。ここでお前を」
「「ぶっ潰す!」」
俺たちは試合前の言葉をお互いに掛け合い試合に臨む
笠松・黄瀬サイド
「誠凛が王者連続撃破の奇跡を起こすか?秀徳が王者の意地を見せるか」
「どっちにしろ…もう誠凛を格下なんて思ってるやつは東京にはいないっすよ。ぶっちゃけアイツがいる限り誠凛は格下どころか優勝候補だ。緑間っちがどうマッチアップするのかがこの試合の最大の鍵になるっすよ」
「…そうだな。正に経験者は語るってやつだな。俺らもお前以外全員舐めててあのザマだったからな」
「…次っすよ。もう負けない。誰にも…」
黄瀬負けた出来事を思い出しは拳を握りしめ歯を食いしばりながら口にする
主人公サイド
審判
「それでは予選Aブロック代表!秀徳高校と誠凛高校の試合を始めます!」
「「「お願いします!」」」
うちのスターターは俺・火神・黒子・伊月先輩・水戸部先輩だ。今日は速攻重心の俺と火神のダブル攻撃型オーダーだ
ジャンプアップは火神で俺のマークは緑間である
「やはりお前か…」
「まぁあんだけ言われればな。」
_ピピィィィ!
_バシュ!
「おりゃ!」 バシッ
「ぐっ」
「…んっ!」
_バァァァァン!
火神が相手のキャプテン大坪の上からボールを叩きそれをすかさず黒子がカバーしイグナイトパスを放った
そして黒子が放ったパスの直線上に居るのは
_パシッ
「ナイスパースッ」
「…」
俺と緑間真太郎である。お互いに姿勢を低くし左右の視線誘導やボールを突きながら揺さぶる
_ダムッダムッダムッ
左右クロス上下にドリブルを突きながらクロスオーバーを試みる
「ぐっ…まだなのだよ!」
「俺ばっかり見てるようじゃまだまだだぞ?」
_パシッ!
「なに!」
左右のクロスオーバーで抜き去る直前に素早くバックステップを刻みコンパクトな小さいフォームでシュートを放つ
「そんなフォームで入るわけ無いのだよ」
「かもな。シュートが目的ならな」
_バシッ
「うぉぉぉぉ!」
_バキャァァァァン!
俺が放ったシュートをゴール前に走ってきていた火神がジャンプし片手でキャッチしそのままゴールに捩じ込んだ
「なにっ!火神へのパスだったのか。よもや貴様俺から逃げたのではあるまいな?」
「勘違いすんじゃねぇよ。うちのエースがさっきの試合で物足りなくてフラストレーション溜まってたから解消したまでだ」
そう言い残し俺は自軍ゴールに戻る
「ナイス白神!」 「ナイスです。白神くん」
ゴールに戻る時に火神と黒子がハイタッチを求めてきたのでそれに応えつつ俺も次に備える
「ここからだぞお前ら…特に黒子の相手は…」
「分かってます。彼…高尾くんはキセキの世代に及ばないにしろ僕たちの代ではピカイチの実力があります」
「…分かってんならいい。それと火神。このゲームはお前が鍵だ。明確に格付けがわかるのはお前のとこだからな」
「あぁ…分かってるよ。本当は緑間の相手したかったけどな」
最後にぼそっと本音を交えつつも素直に従う火神を見る
現状明確にこちらが負けているとわかるのはセンター対決…相手のキャプテン大坪とこちらの水戸部先輩だな。水戸部先輩もまあまあ頑張ってるけど明らかにパワーや基礎能力が違いすぎるからな
相手は高尾がボールをキープし運んでくる。そこにマッチアップしているのは伊月先輩である。高尾が左右のドリブルで伊月先輩を交わした所で黒子がスティールを仕掛けるが
「!?」
_ヒョイ
「きっちり見えてるぜ!お前のこと」
高尾はそれを見えていたかのように交わした。本来黒子のミスディレクションは初見の敵チームには有効であり対処が不可能のはずだ。
これは何かあるな…
そしてそのままこちらにボールを投げてきた
_パシッ
「こいよ」
「…ふんっ貴様に言われなくともそうするのだよ」
_ダムッダダッ
緑間は一度切り込むようなフェイクを織り交ぜそのまま3ポイントシュートの体勢に入った
しかし
_ダダン!
「その程度では俺は抜けんな」
「ぐっ!」
_バシッ!
「緑間!」 「真ちゃん!」「何やってる!」
緑間が初見で止められたことに敵チームは唖然としてる。そしてその状況で黙っている俺では無い
_ダダンッ!
_ダムッダムッダムッ
弾いたボールをそのまま拾い相手コートに駆け込む。
「クソッ!」
緑間が懸命に追いかけるが大輝クラスの瞬発力と脚力を持つ俺に平面で追いつくの厳しく振り切られていく
「行かせんぞ!」
「お前程度では俺は止められない…」
_ダダン!
全身のバネを爆発させ、リングへ突っ込む
ぐわん、と軋むゴール。
センターの手を押しのけ、
そのわずかな隙間に——片手で 捩じ込んだ!!
_バキャァァァァン!
ネットが唸り、観客が沸騰する。
「やべぇ!」「誠凛ちょーやべぇ!」「緑間を止めて振り切りそのままセンターの上から捩じ込むかよ…」
着地の瞬間、汗が飛び散り、
センター大坪は呆然とリングを見上げる。
今のゴールはただ決められただけじゃ無い
こちらのエースを止めた上で秀徳の心臓である大坪の上から高さでもパワーでも圧倒し捩じ込んだ1発なのだ
「さぁ歴戦の王者よ。俺に見せてくれ…王者の力ってものをな」
「…クソッ高尾!俺にボールを渡すのだよッ」
「…真ちゃん!」
_パシッ!
お、そこから打つのか。事前に黒子や監督から聞いてなかったら多少驚いたかもな
けど
もうそこは俺の範囲内だぞ?
「!?」
外角――一瞬のスキも許さない。
シューターがボールを構えた瞬間、
ディフェンダーの影が音もなく迫る
「打ってみろよ?」
バッ! と空気を裂く音。
手が視界を覆い、
リングまでのラインを完全に断ち切る
シューターの呼吸が止まり、
一歩、後退
その距離、ゼロに縮まりかけたその時!
「真ちゃん!」
「はっ!」
_パシッ!
「!ほう」ニヤッ
「緑間くんがパスを!」
「あいつがパスをするなんてな!」
敵味方関係なくこれまでの緑間真太郎という男を知っているものから驚嘆の声が聞こえる
高尾にパスを出したのは俺に対する恐れか…それとも…味方を頼ることを覚えたか…
どちらにせよ勝負はまだこれからってことか
楽しくなってきたな
お待たせしました。一応今回も書いてみたんですけど消すかどうか迷ってる作品です。バスケを知っている人からしたら不快になる表現などあるかもしれません。そこは素人ゆえお許しいただけらばなと思います。こらからもお楽しみください