この土壇場で自らのプライドを捨てられるか緑間真太郎…
きっとあいつも大輝や黄瀬と同じように特別な才能を持ち日本で過ごしてきたはずだ。中学時代無敗その輝かしい実績に目が行きがちだがどんなに特別な才能があれどそれだけでここまでバスケが強くなれるほどバスケは甘い競技では無い
おそらく血の滲むような練習のたわものだろうな。
しかし
ここでそのプライドもこれまで勝ち続けてきたという自負も捨てるか緑間真太郎…
「楽しくなってきたなぁ!」
そして
ボールをもらった高尾はすぐに8番の宮地にパスを出す
宮地のマークをしているのは火神である。運動神経とフィジカルで大きく勝る火神だが…
「あんま舐めんなよ一年坊主ども!」
_ダムッダムッダダンッ!
宮地は火神の圧力をものともせずに左右のドリブルを駆使しながらできるだけ体のぶつかり合いを避け突破する
「まだだ!行かせるかよ!」
しかし簡単に抜かれるわけもない火神がなんとか持ち堪えながら追いかけようとするが
_ドスッ!
「んな!」
「行け!宮地!」
そこに5番の木村がスクリーンをかけ宮地をサポートする
_ダダンッ!
「うぉぉぉぉ!」
_バキャァァァァン!
宮地はそのままボールを片手で持ちながら跳躍しセンターの水戸部さんの上からダンクを叩き込んだ
あの8番いい選手だな…ポテンシャルは平凡…しかしそれを補って余りある胆力と基礎能力の高さがある。
あの5番もよく状況が見えてる。おそらく今までの試合の攻防で宮地1人でゴールまで進むのは困難と考え自分のできることを正確に見極めアシストに動いたのだろう
「伊達に王者を名乗ってる訳じゃ無いってことか」ニヤッ
俺は向こうの選手のクオリティの高さを改めて認識し笑みが溢れた
「おい!緑間!」バシッ
「!?」
「ナイスパスだったぞよく決断した…」
「ナイスパスだ」バシッ
緑間の前からやってきた宮地と木村が緑間の肩を叩きながらそう言い残した
「あれ?真ちゃんもしかして感動してんの?」
「…黙れ高尾。感動なんてしてないのだよ」
先ほどプレーからおそらく秀徳というチームは本当の意味でチームになりやがったな
「火神!」
「…あぁ分かってる。もう油断はしねぇ」
「アホかあれは油断じゃねぇよちゃんとした実力だ。…向こうの8番のな」
「んな!俺よりあいつの方がつえぇって言いテェのか?!」
「ちげぇよ。単体なら間違いなくお前の方が性能は上だろうな。でも向かうにはそれを補う経験がある。そしてチームワークもな」
「どんだけすごくてもバスケはチームスポーツだ。そこをこれからの参考にしておけ。あの人からそれを盗め」
「…」
俺はそう言い残しポジションに着く
4:2でまだ序盤焦ることないが実力差はほとんど縮まってるな
こちらは伊月先輩がボールを突きながらゲームメイクを進める
コート中央――
_ダムッダムッ
ドリブルのリズムを刻む伊月先輩の視線が、一瞬だけ揺れる。
相手ディフェンスの重心が、ほんのわずかにズレた瞬間。
俺が緑間を交わし伊月先輩の視線の先に移動する
そして
“シュッ”
低く鋭い回転をまといワンバンしたのち俺の手のひらに収まった
「第二ラウンド…」
「…」
「スタートッ!」
コートを切り裂くようなドリブル音――
“ダンッ!ダダンッ!ダンッ!”
床を叩くたび、地面に振動する
俺は左右に高速のクロスオーバーを繰り返す
緑間の視線が俺と重なる
しかしそのリズムの中に潜む「ズレ」をディフェンダーは見抜けない。
その瞬間
_シュッ!
ボールが左から右へ、閃光のように切り返される。
クロスオーバー
ディフェンダーの重心がわずかに右に流れた
「…っ!」
緑間の反応が遅れる。
しかし、それを見逃す俺ではない
右へ出ると見せかけて――
“パシンッ”
再びボールが左手へ切り返される。
チェンジオーバー
_ダダンッ!
床を蹴る音が響きわたり緑間を完全に抜き去った
そしてゴール前に鎮座する大坪の前まで全速で突破する
「行かせるかぁぁ!」
「アンタじゃあ俺は止められない」
“ドンッ!”
重力を裏切るように跳び上がる。
目の前に立ちはだかるセンター。
長い腕が空を切り裂く
だが――空中で、彼の身体が“止まらない”。
胸の前でボールを一度引き寄せ、
“スッ…”
ブロックをかわすように、体をひねる。
右肩が沈み、ボールが視界から消える
筋肉が悲鳴を上げながらも、空中でさらにもう一度、ボールを切り返す。
_ザシュッ!
――ダブルクラッチ
「うぉぉぉ白神!」「あいつあんな技術も持ってんのかよ」「チーターじゃねぇか」
4:2
相手のディフェンスを振り切った後ゴール前にに飛び込んだ腕を避けるように俺はダブルクラッチでシュートを決めた
「そんなもんか緑間。そう簡単に俺は止めらんねぇぞ?」
「…ぐっ。化け物め!」
俺は自軍コートに戻る際に緑間にすれ違い様にそう言い残し戻った
その後秀徳は緑間を囮にほか4人で連携しながら何とか得点を重ねる
「くそっ!」
「行け大坪!」
こちらも何とか火神が止めたりしているが全てを防ぐまでに至っていない。
対してこちらの攻撃は
「白神くん!」
_バシッ
「あめぇよ緑間」
「くそっ」
黒子からの連携やパスで俺と火神で得点を量産する
_ピィィィィ!
第一クォーター終了 22:14 誠凛リード
「よし。ここまでは順調…と言いたいところだけど攻撃は言うことなしにしてもディフェンスが思ったより抜かれてるわね」
「あぁ緑間は白神が抑えてるが緑間抜きにしても相当やるな。8番とセンターで得点を荒稼ぎしてやがる」
「一対一ならともかく2人相手だと火神くんもディフェンス仕切れていない。それにスクリーンや連携…よく訓練されているわ」
「どーする?」
「んーどう白神くん?そっちは」
「…そうですね。緑間は俺と対峙したことによって一段成長しました。自分勝手なエゴイストな奴はもう居ないかと考えた方がいいですね。それにこちらのオフェンスについてもところどころ黒子のパスや姿が高尾に捉えられていることが気になりますね」
「向こうのPG高尾くんね…彼の能力は言わば」
「俺と同じ…いや上位互換だな」
俺と監督とキャプテンが話しているとそこに伊月先輩が割り込んできた
「上位互換?」
「あぁ俺のイーグルアイコートは簡単にいうとコートの半分ほどを見渡して、味方や相手の動きを瞬時に把握できる能力だ。それに対して向こうのPGの能力…ホークアイの方がまず視野が広い。視野が広いというのはそれだけでコート全てを把握することが出来るということ。つまりコート内にいる以上高尾から黒子は丸見えってことだな」
「なら黒子は下げるか?」
「え、ちょっ」
「そうね元々ミスディレクションは1試合丸ごと使える技じゃないしどこかで下げる予定だったから丁度いいわ。いいわね黒子くん?」
「…はい」
俺たちはこのままコートに残ってもミスディレクションが使えなくなる黒子のリスクを考え一度下げる決断をした。ま、もう1人頭に血が昇ってるやつがいるが…
「火神お前キセキの世代とやりたかったんだよな?」
「あぁ?まぁそうだが」
「なら変わってやるよ?お前が緑間とマッチアップしろ」
「ちょ白神くん!」
「何言い出すんだ白神!」
「大丈夫ですよキャプテン。いざという時は俺がフォローしますしどっちみちこの辺で俺以外がキセキの世代とどこまでやれるのか確認した方が良くないですか?」
「…そう…だな。全部お前に頼ってちゃあこれ以上強くならねぇ。火神!緑間はお前にまかす!いいな?」
「!?うすっ!」
秀徳サイド
「やべぇっすね誠凛!」
「何笑ってやがる高尾!」
「いやだって宮地さん俺ら絶対入学して以降今が一番強いし調子いいっすけどそれでもリードできてないんすよ?真ちゃんなんてやられ過ぎて泣いてるし」
「泣いてないのだよ。黙れ高尾」
「笑ってる理由になってねぇよバカ高尾」
監督は自分のチームが負けているというのにどこか優しい目でこの状況を見つめていた
「まぁそこまでにしろ宮地、高尾、緑間」
「「「…」」」
「率直に聞くどうだ大坪、緑間、向こうのエースの実力は」
「…バケモノですよほんと。パワーでも技術でも何を差し引いても俺1人じゃあどうしようもないですね。でも緑間が抑えている間なら他のメンバーと協力すれば何とか点は取れる感じです」
「緑間は?」
「今まで対戦してきた…見てきたやつの中で一番強いです」
「…キセキの世代を含めてか?」
「…ええ」
「…でもこの試合には勝ちます。俺個人が負けても必ず…」
監督として緑間の成長を願っていたがまさかこのような形で才能が芽吹くとはな。突出した才能を持つものだけがわかる苦しみ・悩みが選手の成長を止めてしまうこともある。それを危惧していたのだが自分より遥か上にいる存在と対面したことでそれが芽吹き選手として秀徳の選手として一皮剥けたか…
_ピィィィィ!
審判
第二クォーター開始!
誠凛高校 選手交代!
「なんだオタクの黒子くん下がっちまうの?」
「あぁあいつは一旦休憩だ」
開始前に俺たちは予定通り黒子を下げ代わりにキャプテンが入った。そして
第二クォーターはじめに先手を握ったのは向こうのチーム。高尾がゲームメイクを開始する
_ダムッダムッ
「おいおいお前の相手は緑間じゃねぇのかよ!」
「うちの問題児がどうしてもやりたいって言い出したんでね。それに…」
「それに?」
「俺はアンタとも勝負してみたかったんですよ。8番宮地さん?」
「…何で俺をそこまで評価してるのかはしらねぇが後悔すんなよ?」
俺たちがそんな会話していると緑間サイドにボールが渡った。
「お前程度では俺は止められないないのだよ」
「くそっ!」
_ザシュ!
パスを受けた緑間がそのままシュートモーションに入り慌てて距離を詰めた火神が飛び上がるが火神より長身の緑間から放たれるシュートにはわずかに届かなかった。
22:17 誠凛リード
「いいのかこのまま俺についてて」
「まだ勝ってますから…それにあのままやられるような男じゃないですよ火神は」
_ダッダッ
「へいっ!」
「白神!」
_パシッ
_ダッ
俺はパスを受け取るとすぐさま左右のクロスオーバーで切り込む
マッチアップを受ける宮地が
じりじりと間合いを詰める。
——その時、俺はは鋭くスピードを落とした
「止まる…?いや、違う——!」
相手が一瞬迷ったその刹那、
地を裂くように切り込んで行く
「ドンッ!!」
重心が沈み、体が弾丸のように前へ。
風を切る音とともに、
ディフェンダーの反応は、一歩、いや半歩遅れた
「なっ——!?
一瞬で宮地を抜き去る。リングへ向かって加速していた。
表情は冷静——まるで最初から、
“抜く瞬間”を計算していたかのように。
ゴールに近づくと相手チームの木村と大坪がヘルプに来た
俺は左右にドリブルを突きレッグスルーも織り交ぜながら高速のドリブルを突く
「んな!」
「はえぇ!」
そして一度状態を起こし誰もが抜き去ると思う瞬間
——次の瞬間、彼の肩がわずかに沈む。
そして、右腕を横に振りかぶった…かに見えた。
ディフェンスがそっちに飛びつく。
しかしその瞬間——!
「コンッ!!」
音が響く。
ボールは肘に弾かれ、真逆の方向へ!
やや上空方面に出されたそのパスを左にいた味方
_パシッ
緑間とマッチしてる火神に渡る
「なに!」
驚く緑間を他所に火神が全力で跳躍する
_ダンッ!
「うぉぉぉぉ!りぁあ!」
_バギャャャャン!
24:17 誠凛リード
俺からパスを受け取った火神が緑間の上からダンクを叩き込んだ
「次は俺1人でテメェをぶち抜く」
「全くもって忌々しい奴なのだよお前達は…」
そこからは俺がアシストやシュートを決めながら得点を重ねる誠凛と緑間を中心に攻める秀徳とのお互いの矛が互いの盾を貫く展開が続いた
「おい火神。いい加減なんとかしろ」
「うっせぇ!分かってんだよ。けどパスの選択肢を織り交ぜられると選択肢が多いんだよ今のあいつは…」
「…ならパスの選択肢を捨てろ。パスは無理にカットしなくていい。お前はスリーだけに集中しろ」
「んな!それじゃあパス出されたい放題じゃねぇか」
「そうだな。でもこれはチームスポーツだ。向こうがそう来てくれるなら後はこちらで対処する」
「…止まらんねぇと負けた気がするからもうちょっとだけやらしてくれ。ださい」
「ちょ火神くん!」
「キャプテンどうします?俺はキャプテンの指示に従います」
「…この第二クォーターまではお前の好きなようにやらせてやる。それで勝てなければ諦めてもらうからな」
「うす!」
38:26 誠凛リード
「クソッ後少し!」
「…何のつもりなのだよ」
「あ?何のことだよ」
「貴様わざとパスコースを空けているだろう?それではパスを出し放題にしているのと変わらないのだよ」
「パス出してぇなら出せばいいじゃねえか?それが俺から逃げたどうかは別としてな」
「…貴様」
お、いい感じに火神が緑間を挑発してるな
やっとちょっと冷静になってきたから…いやあいつはマジで挑発してるだけだな
「高尾!」
_パシッ
パスを受けた宮地が俺を抜きに来るが体幹と運動力で全てをカバーし抜かさない
「クソッ」
_ダムッ
「へい!」
その時見かねた高尾が再度パスを要求。どうしよう無くなった宮地はボールを戻しそれを高尾が緑間に回す。
_パシッ
「こいよ」
「…」
緑間がワンステップ下がりスリーのモーションに入る。しかしすかさず火神が詰め寄り全力で跳躍する。今まではパスコースのケアもしていたためワンモーション遅れていた火神がだがそれを捨てたことによって素早く行動出来るようになっていた
「なにっ!」
_バシィィィン!
「真ちゃん!」「緑間!」「緑間おまえ!」
周りのチームメイトは先ほどまでとは違い無理にスリーをうちに行った緑間に驚きを隠せていないようだ
_ピィィィィ!
第二クォーター終了!
それにしても先ほどの跳躍といい緑間だけでなく火神のやつも羽化してきているな。
「さて、どーする秀徳…」
宮地さん強化してます
後緑間も原作より早い段階でチームメイトを信頼し始めています
次でおそらく秀徳戦終了になります