_チュン… チュン…
柔らかな光がカーテンの隙間から差し込む。
枕元のスマホが、
ぽろん…ぽろん… と静かに鳴り出す。
「……朝か。」
まぶたを開けると、世界がゆっくり色を取り戻していく——。
いつもより腕の中に存在感を感じながら目を覚ましていく
「ん?なんかいつもより重たい?それにもふもふしてるな…」
違和感を感じながらそこを見つめると…
俺の腕とさつきの間で白い子犬がジーッとこちらを見つめていた
そしてしばらく見つめ合った後子犬は小さく首をかしげて、「くぅん」と鳴いた
「早起きだなルナ?」
「きゅん…」
俺の言葉を理解しているかのように白い小型犬もとい【ルナ】は鳴き声を出した。
昨日の夜に黒子が拾ってきたあと二匹居た内の片方を抱えながら自宅に帰ってきた俺はさつきに事情を説明し2人で夜中までどんな名前にするか試行錯誤しながら考えていた。
そして色々アイディアを出した結果…【ルナ】月の女神になぞらえた白色のワンコにぴったりな名前を俺が思いついたのでさつきに相談するとさつきも大賛成だったので決定することにした。
「…んと、そろそろ起きるか」
ルナを撫でることをやめていつも通り朝練をしに行くことにした。
その日の午後…
インターハイ決勝リーグに進出が決まった俺たちは難関だった(火神だけ)実力テストも乗り越え練習を再開した
「ちっきしょお!うずうずすんなぁ」
_シュルルルル
火神がボールを指先で回しながらぼやく
「ん?足の疲労が治るまでは我慢して」
監督が火神を何とか宥める
俺たちはいつも通りの練習をした後にちょっとしたミニゲームをしていた。ちなみに黒子は昨日拾った犬を連れてきていた。
名前は黒子に似ているからと【2号】と名づけられていた。
「それでいいのか本当に…」
自分で言うのも何だけど俺に拾われて良かったなルナのやつ…
_ザシュ!
「ナイシュー!」
みんな調子良さそうだな。キャプテンも黒子も交代していた分幾分か余裕がある。問題があるとすれば…
「はぁ…はぁ…はぁ」
緑間とのマッチアップで疲労が溜まっている火神と…
俺と同じくフルで出ていた伊月先輩か…伊月先輩はPGという司令塔を任されるポジションなだけあって替えが聞かないと言う意味では俺や火神よりも上だろう。
俺や火神がこのチームで好きに動けてたのはこの人の存在が大きいからな。
そして俺だから分かるが他の人に疲労がバレないように上手く隠してるなこの人…一度声だけ掛けておくか
「大丈夫ですか?伊月先輩…」
「はぁ…はぁ…ん?あぁ白神か…大丈夫、大丈夫。まだまだ行けるぞ俺は!」
「…マジでキツくなったら言ってくださいよほんと…」
「…あぁ」
先輩も自分の重要性や役割を十二分に理解しているのだろう。だから今日も練習を休まないし他人に中々疲労を見せない。秀徳の宮地さんしかりこう言う縁の下で支えている人たちを本当に尊敬するよ。向こうではなかなか居ないし出来ないプレイヤー像だからな
「ほんとかっこいいよあんた…」
「ん?なんか言ったか?」
「…いや。それより次プールですよ!」
その後俺たちは体育館での練習を終え水泳部が使っているプールに移動し水中での練習を開始した
「ストレッチは入念にね!まずはスクワット!」
水中の中で足を折り曲げ頭を潜らせながら回数をこなす。
水中という思いながらに自分の体を操作できない環境の中行うトレーニングは中々にしんどい…普段から鍛えてない他の一年メンバーは死にそうな空気を出している。
「はぁ〜い1分休憩!」
「キッツイな!プール練!」
と俺たちが練習していると
「可愛いワンチャンですね?あ!この子がルーちゃんと一緒に拾われた子かな?」「きゅん!」
聞き馴染みのある声…そして鳴き声…てか今朝も聞いたし。
_バシャッ!
「桃井さん…」
黒子の声が反応するより先に俺はプールを飛び出た…なぜかって?
さつきの奴男ばっかのこのプールに羽織を着ているとは言え水着できやがったのだ…ルナも連れてきてるし…
「さつき!何で!?何で来たの!しかも水着!ダメだってこんなとこ来ちゃ!しかもルナも連れてきてるし!」
俺は急いでさつきに駆け寄り羽織のジッパーを上まで上げた
「うふふ…みっくんのそんな焦った顔初めて見たかも!あ、でもルーちゃんは一緒に拾ってもらったこの子(2号)に会いたいかなって思って。それにしても兄妹かと思ったけど犬種も違うんだね」
小悪魔のような仕草で微笑んでるさつきを見ながら俺の口からはため息が出る
隣を見ると連れられてきたルナが2号と一緒にきゃんきゃん戯れている
「てか!知り合い?」「えっとどちら様?」「白神のあんな焦った姿バスケの時ですら見たことないな」「ルナ?この前拾った仔犬か!」
チームメイトはいきなり現れたさつきとルナをみて驚いている。
そんな中さつきは
「えっと〜今更言うのも恥ずかしいんだけど」
_ギュッ!
「みっくん…白神くんの彼女です。決勝リーグまで待てなくてきちゃいました」
「「「えぇ〜!!」」」
「え?なに!お前彼女いたの!?」「バスケ最強のくせに帰国子女でこんな可愛い彼女までいんのかよ…」「てか黒子も知り合い?」
さつきが俺の腕に抱きつきながら自己紹介を始める
「えっと桃井さんは中学が同じでバスケ部のマネージャーをしてくれてました」
「えっ?ってことは帝光の?」
「ええ。帝光のこと…キセキの世代のことは誰よりも知っています」
黒子は帝光出身だからさつきのことは勿論知っている
「てか白神の彼女ってことは君も誠凛?」
「いえ…私は…」
「さつきは誠凛じゃないよ」
先輩たちに色々質問され答えづらそうな質問を投げかけられたので代わりに答えることにした
「てかもういいじゃないっすか!俺はさつきとルナ送ってくんで先抜けます!ほら行くぞ」
「え!ちょっ!みっくん!」「きゃんきゃん!」
色々とめんどくさい状況になりそうだったのでルナには悪いが俺はさつきとルナを連れてそのまま散歩を挟んでから帰宅することにしたのだった
火神サイド
_シュッ!
「ふぅ」
ようやくちょっとずつ感覚戻ってきたな。いつまでも休んでられねぇし早く感覚戻さないとな…
とそんなところにこちらに歩いてきながら声をかけてくる男がいた
190はあるか青髪短髪の色黒男…こいつ…強ぇな
火神は初めて白神に出会った時以来の圧を感じ取っていた
「よぉ!」
「ん?」
「火神大我だろ?相手しろ…試してやるから」
「あ?誰だテメェ?名乗りもしねぇで相手しろとか気に入られねぇな」
「お前の気分とか聞いてねぇよ。やれっつったらやるんだよ。ま、名前くらいは言ってやるよ。青峰大輝だ!」
「青峰!名前はアイツらから聞いてるぜ。けどそんな上からモノ言われて素直にハイなんて言うわけっ」
「はは、おいおいだから聞いてねぇんだよ。ぐだぐだ言ってねぇでやれ。言ったろ?試してやるって。俺に勝てるのはアイツだけだ…アイツが気にしてる奴がどの程度か試してやるってだけだ。」
アイツって誰のことだ?…まぁいいや
「はぁ…黄瀬といい緑間といいキセキの世代は感に触る奴ばっかだけど…テメェはその中でも格別だな。"ぶっ倒してやるよ"」
主人公サイド
散歩し自宅に帰る前…
「桃井さん!白神くん!」
帰宅しようとプールを出たところで黒子が走って追いかけてきたのが見えた
「お、どうした黒子」
「いえ、お二人に少し聞きたいことがあったので追いかけてきました」
「あ、テツくん!なになに?」
「いえその前に決勝リーグ進出まずはおめでとうございます」
「え!言ったっけ?」
「さっきさつきがみんなの前で言ってたよ」
「あっそうだね…それより話って?」
黒子が聞きたいことか…俺たちに聞きたいことってだけでおおよそ予想はつくが
おそらくアイツのことだろうな
「…青峰くん…彼は…今どうしていますか?」
「あ、大ちゃん?」
「え…」
黒子が思っていた雰囲気とあまりにも乖離していたため黒子本人が唖然の表情を浮かべている。まぁ中学時代のアイツのことはそんなに知らないけど聞いただけでも相当荒んでたらしいしな。
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ところ変わって火神サイドでは
「はぁ…はぁ…はぁ」
「話になんねぇな。お前ほんとに緑間に勝ったのか?」
「テメェ!」
「テツとミカの目も腐ったもんだぜ…お前じゃアイツの力を引き出せねぇしミカがお前を気にしてる理由もわかんねぇな」
「テツは影だ…光が強いほど強くなる…つまりアイツは輝き次第で強くも弱くもなり得る」
そして
ーーシュンーー
「お前の光は淡すぎる」
青峰が火神を一瞬で抜き去った
主人公サイド
「だいちゃんは今…すごく楽しんでバスケしてるよ。それこそ昔みたいにね」
「え…昔…のようにですか?」
「信じれないか?」
「いえ…桃井さんが…と言うよりあの青峰くんを変えるようなことがあった事を…ですかね」
「まぁ、変わったって言っても最近のことだし今も生意気ばっかで先輩たちとは仲悪いよ!…でも今は勝つことだけを考えてる」
「…やはり白神くんですか?」
「…うん、私たち3人は幼稚園からの幼馴染でね。みっくんがアメリカに行っちゃうまでずっと3人一緒だったんだ。バスケにしても2人はずっと切磋琢磨してた」
「みっくんが行っちゃってからは満足する相手に出会えなくて唯一対等とも思える人たちもみんなチームメイトだったことがだいちゃんからバスケを遠ざけてしまうことになったんだけど…みっくんが帰ってきて一緒にバスケしてからは毎日楽しそうなの!」
「…そう…ですか…」
黒子はどこか複雑そうな面持ちでさつきの話に耳を傾けていた
「だから覚悟しといてよ!2人とも!うちは強いよ!」
「…ええ」
「大輝やさつきがいるのに舐めるわけないさ」
実際大輝と公式戦で敵としてコートに立つのは初めてだった。だからこそアイツには今もてる全ての力を使って勝ちたいし楽しみたい…
次の日
「みんな!決勝リーグに進出高揃ったわよ!見てのとおりだけどAはうち、Bは桐皇Cは鳴成Dブロックは泉真館この四校で代表を争うことになるわ!」
「なんか新鮮なリーグ表だな」
「去年まで東京は三大王者で決まりだったからな」
「思ったんだけどさ俺らその中の二つには勝ったわけじゃん?行けちゃうんじゃない?インターハイ!」
「白神くんの彼女さんとキセキの世代・青峰大輝が行ったのは泉真館じゃないわ。桐皇高校よ!」
「てっきりまた王者のとこかと!」
やっぱ大輝のとこが勝負所だな。監督から聞く限りではバスケ部の歴史は浅いにも関わらず今年は秀徳にも負けないメンバーを揃えたらしい。あの秀徳並みとは楽しみだな
「おいーっす!」
ん?アイツなんか疲れてんなぁ。今も監督に見つかってしばかれてるし。どっかで練習でもしてたのかアイツ…
火神サイド
「火神くん…」
「黒子…」
「何かあったんですか?」
「青峰とやった…そん時アイツは言ってたよ。お前の昔の光だってな。白神からも聞いてたがアイツがキセキの世代のエースか…」
「…どうでしたか」
「…バケモンだなありゃ…日本に来て2人目だよ。勝ち方すら浮かばなかったのは」
「…」
「ま、今更どうこう言ってもしょうがねぇ。やることをやるだけだ…だろ?」
「そうですね。勝ちましょう」
大会当日俺たちは誠凛の控え室にいた
「みんなストレッチは入念に!今日は過去一番キツイ試合になるわ。なにせ相手は桐皇!キセキの世代エースの青峰大輝を獲得した高校だわ!スターターは伊月くん!水戸部くん!黒子くん!火神くん!白神くんよ!」
「うん」「…」「はい」「うし!」「ふぅ」
スターターはとりあえず黒子を投入した速攻型オーダーか…こっちの方がこっちの最大火力を引き出せることを加味してだろうな。
映像を見た限り桐皇高校…大会随一の攻撃力を持つ高校だ
「青峰くんのマークは白神くん!任せたわよ!」
「俺しかいない」
「火神くん!この試合もキセキの世代がいる以上あなたと白神くんにかかる負担は計り知れないわ。それに客観的に見て白神くんとあなた以外は基礎能力は向こうの方が高い…あなた次第で試合が動くわ!頼んだわよ!」
「おう!」
「うし!それじゃあまぁ!今日も…勝つぞ!」
「「「おぉぉ!」」」
桐皇サイド
「今日も青峰のやつ遅れてきやがるつもりかあの野郎…」
センターの若松が愚痴るようにぼやく
「キャプテン大丈夫なんすか!マジで!いっそのことあいつ抜きでもっ!」
_ガチャ!
「適当なこと抜かしてんじゃねぇよ」
「青峰!テメェどこ行ってってその汗っ!」
青峰は身体中に汗を掻きながら入ってきた
「もう青峰くん!わかってるの!今日の相手はっ」
「うるせぇなわかってるよさつき…あいつが…ミカがいるのに俺が適当なことするわけねぇだろ。それにあいつに勝てるのは…俺だけだ」
_ガチャ
「皆さんお揃いですか?」
「「「はい!」」」
「今日の相手は誠凛高校です。昨年も創部初年度ながら決勝リーグを果たした侮れない相手…という言うなればそこまで気にしなくても勝てるレベルの相手でした。…ただ今年はある人物の加入によって一気に優勝候補…全国でも随一のレベルまで到達してきました」
「…」
監督の原澤の話を聞きながら青峰は白神のことを想い極限まで集中力を高める…
「はっきりと言いますが現状ウチと誠凛では6:4で不利と見ていいでしょうね」
「マジかよ」「ウチが!」「そこまでの相手なのか誠凛…」
「ウチが勝つためには必ず遂行しなければならない事が二つあります…桃井さん」
「はい…まず一つは絶対的エースある7番白神くんに勝つ事…ないしは止める事…彼は1人で試合を終わらせる力を持つ選手です。それは過去の試合…海常高校や秀徳高校での一戦でも見せておりここぞという場面で中心人物や相手のエースを1on1や1対多数で圧倒しておりゲームを掌握しています。彼を抑える事が勝利につながる絶対条件と言っていいでしょう」
「そして二つ目…それは11番の黒子くんの無力化です。彼は自分のことを極限まで自分を目立たせない…相手に認知すらさせないと言った方法で視線を掻い潜りながらボールを運んだりする誠凛の攻撃の中核を担った存在です。よって彼を無力化させることで誠凛の攻撃力は大幅に下がることは間違いないでしょう」
「ありがとうございます桃井さん。白神くんには勿論青峰くん…行けますね?」
「あたりめぇだろ。俺以外にアイツに勝てる奴なんざぁ居ないんだよ」
「正直君の出来が勝利に直結すると言っても過言ではありません。頼みますよ。そして11番黒子くんは…今吉くん…貴方にお願いします。貴方なら問題なく遂行できると確信しています」
「まぁ向こうの7番とか10番抑えろ言われたらどうしよか思いましたけど11番なら何とかなりますねぇ。任せてくださいよ」
「相手は間違いなく東京で一番強い高校です!それでもそれはウチも同じです。…今吉くん」
「まぁ、言いたいこと全部監督さんに言われてしもたからもう何も言わんくても分かるやろ?ええか?きぃ引き締めろよ?んじゃあまぁ勝つぞ!」
「「「おう!」」」
そうして東京で事実上No. 1を決める死闘が幕をあげるのだった
青峰くんは果たして勝てるのか自分でも色々悩みながら創作しています笑
ほんとうに厄介な主人公にしてしまいましたが今作の青峰くんならいけると信じています!ちなみに推しは黄瀬くんです笑