BREAK THE LIMIT   作:心ここにあらず

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Irreversible The New Order(不可逆の新秩序)part2

朝の光が、淡いオレンジ色に染まったカーテンの隙間から差し込む。目を開けると、ニューヨークの街並みが遠くの窓越しにちらりと見える。目覚めた場所は、久しぶりの実家のベッド。ニューヨークに帰ってきた実感が、一瞬で現実に押し返してくる。

 

 

そして

 

 

頭を軽く揺らしながら伸びをすると、夢の残像がまだ目の奥にちらつく。昨晩は今日俺たちと戦う相手…チノヒルズと西アメリカンのストバスチャンピオン《West Crown》の試合を見に行ったことを思い出す。

 

どれもが衝撃的なプレーの連続になにより久しぶりに対峙するであろう

 

"己より遥かに強いかも知れない強者たち"

 

俺自身がチャレンジャーとして挑むなど何年振りのことだろうか…それも同世代相手に…

 

そう考えただけで体中が熱くなり興奮するのが自分でも分かった。

 

 

「あぁ〜ダメだダメだ…」

 

 

流石に気が早過ぎる。このままでは今日一日持たない。

そう思った俺は体を起こすと、ベッドの隣に置かれたスマホが一晩で届いた通知の数を示している。親友からのメッセージ、チームからの連絡、そしてさつき…

ガールフレンドからも

 

 

『頑張ってね!TVのLIVEで応援してるから!!』

 

 

との応援のメッセージが届いていた。

 

 

「そういや全世界でTV中継されてるんだったな。…なら大輝や誠凛のみんなも見れる訳か…」

 

 

時計を確認すると現在朝の8時過ぎ…試合は午後からなのでゆっくりすることが出来るだろう。

 

シャワーを浴び、軽く朝食を摂った後、ボールを持って外に出る。ニューヨークの街は朝の喧騒に包まれている。

 

なんとなくいつもの俺たちが使っていたコートに着くとそこには…

 

 

 

「なんだよ…お前がこんな早くから起きてるなんて珍しいな…ナッシュ」

 

「…ちっ」

 

「まぁおおかたお前と同じ理由だよ。俺も…楽しみすぎて興奮が収まらねぇ」

 

「…おい…今日の試合…分かってるんだろうな?」

 

「あぁ…キーとなるのは俺とお前…それにシルバーが相手に勝つ…ないしは抑えることが必須条件…だろ?」

 

「あぁ…分かってると思うが…」

 

「分かってるって。ラメロとやりたいんだろ?…いいよ。先手はお前に譲ってやるよナッシュ」

 

「…はっ!…分かってんじゃねぇか!」

 

「ちなみに策はあるのか?…奴の眼のこともあるが」

 

「策もなにも何も情報がねぇんじゃあ立てようがねぇ…それに策なんてチンケなもんなんざぁ必要ねぇんだよ」

 

「…はは…久しぶりだなぁこの感じ」

 

「あ??」

 

「俺らもっとガキの頃…大人とやる時、策もクソも無しに挑んではボコられてたもんな」

 

「…クソがっ…くだらねぇことばっか覚えてやがる」

 

「…まぁ…そのおかげで上手くなったけどな。…なぁ」

 

「…あん?…」

 

「…もしかしたら今日がお前と組む最後の試合になるかもな?」

 

「……」

 

「…いやさ…俺もお前も将来はNBAに行くことを目標にしてるけどあんだけチームあるんだ。同じチームになるなんてありえねぇ話だろ?…それに俺はこの試合がすんだら日本に帰るからな」

 

「…テメェまだあんなクソみたいな国に拘ってんのか!?」

 

「…ははは…クソってお前言いすぎだろ…まぁいいや…だからってわけじゃあねぇが俺とお前の最後の試合…綺麗に勝って後悔なく締めようぜ?」

 

「…ミカ。テメェ…はっ!まぁいい。俺とお前が組むんだ。ハナから勝ち以外の選択なんざぁねぇんだよ!それとも試合前だからってビビってんのか?」

 

「はあ!?この俺がビビってるわけねぇだろ!…ほんと相変わらずの口の悪さだなお前は…おい」

 

「あ?…」

 

 

ナッシュは差し出された拳を見つめながら考える

 

 

「絶対に勝つぞ…」

 

「…くく…今回だけだからな」

 

 

そう言いながらナッシュは俺に拳を合わせた。

 

そしてその後少しナッシュと昔のように1on1をしてからお互いに少し汗を流した。この時間だけは相手のことを忘れられてお互いのことを考えていたため変な気合いやプレッシャーも全てが気づけばなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしていよいよ世紀の一戦が幕を上げるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺たちジャバオックの入場の時がやってきた。

 

 

「「「キタキタキタァァァァ!!」」」

 

 

俺たちは盛大な歓声を一心に浴びながら会場に入場する。

 

 

『ストリートバスケ界に突如として現れた"The Owl Hero Predato(梟雄の捕食者)ジャバウォック! 結成以来、負け無し破竹の勢いで世界の強豪チームを次々と粉砕。その圧倒的な実力は、多くの対戦相手を絶望の淵に突き落とし喰らい尽くし、ストリートの常識を塗り替えてきました。本日も対戦相手を喰らい尽くすのか!?』

 

 

「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

 

「ナッシュ!!」「シルバー!!暴れろぉぉ!」「なんか見たことないやつがいるぞ!?」「あの白銀の人誰なんだろ?」

 

 

会場は紹介によりさらにボルテージが上がりその中で白神のことを知らないものが多く少し驚くものもいるようだ

 

 

「くはっ!捕食者(プレデター)だってよ!思いっきり悪役じゃねぇか!」

 

「「「お前のせいだろ!?」」」

 

「なにぃぃ!?」

 

 

ナッシュ以外がハモリながらシルバーに唱える

 

 

「おい…来たぜ?」

 

 

その中で俺が顎で刺す方向を皆が見つめると…その先から現れたのは

 

 

「くるぞ!!チャンピオンだ!!」

 

「「「うぉぉぉぉ!!!」」」

 

『かつては無名の弱小チームに過ぎませんでした。…しかしそれはこの男が加入することでたった1年で無敗のまま全米の頂点にまで駆け上がりました。その劇的な変化の火付け役となったのは、まさに「神童」と称されるラメロの加入です。彼のバスケセンスと並外れたスキルは、チームに新たな息吹を吹き込み、アメリカバスケ界に誰も予想できなかった「革命」の狼煙を上げました。最強は誰か?最強のチームはどこか?…今現在全米中に同じ質問を問いたとて答えは同じでしょう!誰にも変えることのできない絶対的王者という新しい秩序を生み出した全米ユースチャンピオン―― Irreversible The New Order(不可逆の新秩序)Chino Hills High School!!』

 

 

「「「Fuuuuuu!!!」」」

 

「Let’s go!”チノヒルズ!!」「ラメロォォォォ!!」「ザイオン吼えろぉぉ!!」「マーカスゥゥゥゥ!!」

 

 

「「「キャァァァァァァ!!!」」」

 

 

まさに王者はどこか神々しささえ感じる堂々たる立ち振る舞いでコートの中に入場してくる。…まさに"我らこそ最強'という信念をチーム全員が掲げながら…

そしてそれを見たジャバオックの面々は

 

 

「なんだぁ!?ここはアイドルの会場じゃあねぇぞ!オラァァァ!!」

 

「けっ!負けたら恥ずかしくて外あるけねぇなありゃあ」「ふん!」

 

「…あのクソ野郎…」

 

 

これ…声拾われてたら一斉に世界中が敵に回ること間違い無しと言わんばかりの悪態をつく面々。ま、俺らはそんくらいがちょうど良いな。

 

 

 

「まぁいいか…おいお前ら試合前にナッシュが行ったこと覚えてるな?」

 

「「「おう!」」」

 

 

ナッシュが試合前の待機室で説明したのは

 

今日のゲームプラン…と言っても大したものはないのだが

 

 

 

 

 

 

 

「今日のスタメン…俺、ミカ、シルバー、アレン、ザックで行く。アレンとザックは途中ニックと交代させながら併設しながら起用していく。」

 

「「「おう!」」」

 

「…マッチアップだが…ラメロ…アイツには俺がつく」

 

「「「!?」」」

 

「良いのかミカ!?」

 

「あぁ…もうナッシュとは話し合いは済んでる」

 

「お前らいつの間に…」

 

「…いいか…そしてマーカス…コイツはミカ…テメェに任せる。」

 

「あぁ」

 

「そしてシルバー…分かってると思うがテメェの相手は…」

 

「やっと来たぜぇぇぇ!俺様よりデケェ相手がよ!ぶちのめしてやるぜ!あのゴリラ!」

 

(((お前も対して変わんねぇよ!)))

 

 

「…ちっ!…分かってんだろうなシルバー…コイツはパワーだけじゃねぇぞ?スピードにテクニックも持ち合わせてやがる。…半端な真似してみろ…俺がテメェを殺してやる」

 

「はっ!ますます燃えてきたぜぇ!!」

 

 

そしてナッシュは一度目を閉じて息を吐きそして小さく語り出す

 

 

「…はぁ…良いか?おそらく全米中…いや世界中の誰も俺たちが勝つなんておもっちゃいねぇ…でもな…そんな雑魚どもの予想なんざぁ俺たちにはなんの関係もねぇ!…今日の獲物は超大物だ…喰らい尽くすぞぉぉ!!」

 

「「「おぉぉぉ!!」」」

 

 

 

 

そうして俺たちジャバオックの面々は気合を入れたのだった。

 

そして遂に…

 

待ちに待った運命のゴングが鳴らされる時がやって来た

 

 

『両チーム整列!!これよりSpecial game!!Chino Hills High School対ジャバオックの試合を始めます!』

 

 

「「「しゃあ!!」」」

 

Chino Hills High School スタメン選手

 

《PGラメロ・SGマーカス・Cザイオン・PFバッケス・SFルーク》

 

 

そしてティップオフ…ジャンパーはジャバオックがシルバー…チノヒルズはザイオンが構える

審判が頭上に投げたボールに向かい両者が飛び上がる

 

 

「「うぉぉぉ!!」」

 

 

「「「互角!?」」」

 

 

身長で劣るシルバーだがここでザイオン以上の跳躍をみせ互角の高さを見せた。

そして両者の手から弾かれはボールは…

 

 

「一発かませっ!ミカァァ!」

 

 

ナッシュの元へ…そして息づく間も無くナッシュはそのボールを左側面を並走していたミカの元へ

ボールを受けたミカは即座に重心を落としアクセルを全開にする。通常の選手なら追いつけもしないスピードで走り抜くミカに対し並走する男がいた

 

 

「速いなお前!」

 

「!?」

 

 

ミカのマッチアップする予定であったマーカスである

まさか己のスピードについて来れるものが居たとは思いもしなかったミカは少し驚きつつも対応してみせる。

 

サイドライン際。

ミカがパスを受けた瞬間、マーカスも同時にスピードを上げ、二人は肩を並べたまま前へ流れていく。

 

互いに譲らない。

ドリブルのリズムと足音が重なり、コートを刻む。

 

マーカスが身体を寄せ、内側のレーンを潰しに来る。

だがミカはドリブルを止めない。

高さも、間隔も、一切変えず並走を続ける。

 

そして――

次の一歩。

 

ミカの右手のドリブルが、ほんの一瞬だけ前に出る。

同時に肩が外へ流れ、視線もそちらへ向く。

 

マーカスの重心が、釣られる。

 

その刹那、

ミカは腰の前でボールを鋭くクロスオーバーで切り返す。

 

 

「おっ!?」

 

「じゃあな」

 

 

床を這うように跳ねたボールが左手に収まり、

ミカの体はすでに内側へ向いており

 

並走が、ずれる。

肩と肩が離れ、足音が合わなくなる。

 

ミカは止まらない。

クロスオーバーの勢いをそのまま前進に変え、

一歩でマーカスの追尾を置き去る。

 

そしてなにより

 

一段、さらにギアを上げる。

ドリブルの高さが消え、体が前に倒れ込む。

ペイントエリアへ一直線――

寄ってくるヘルプを視界の端で切り捨てながら、ミカは踏み込む。

 

フリースローライン手前。

 

踏み切り、床が鳴り響く。

 

 

全体重を叩きつけるような一歩。

体育館の空気が震え、観客の息が止まる。

 

次の瞬間、

ミカの身体は地面を裏切るように浮かび上がっていた。

 

跳躍は真上ではない。

リングへ向かって、鋭く、一直線。

助走の勢いをすべて抱えたまま、空間を切り裂いていく。

 

 

ミカはすでにリングと同じ高さ。

片手に収めたボールを、自然な流れで振りかぶる。

 

そして――ボールを片手でリングに

 

叩き込む。

 

 

ーーバギャァァァァァァァァン!!ーー

 

 

 

鉄が唸り、

ネットが裏返り、

衝撃がアリーナ全体に走る。

 

着地の音が、遅れて床に落ちた。

 

 

「「「う、うおぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

 

そして遅れて会場中が大歓声に包まれた

 

 

「なんだアイツ!」「あんな奴がいたのか!」「マーカスを振り切ったぞ!」

 

 

そして驚くのは会場にある観客だけでなく

 

 

「やるなぁ!久しぶりにあんな綺麗に抜かれたわ…何気にラメロ以来かも」

 

「ほぉ〜これは中々」

 

「がっはっは!見事にやられたなマーカス!!」

 

 

抜かれ決められたというのに3人に焦りの気配はなく逆にどこか好敵手になり得る者が現れたことへの喜びを表す様な表情を浮かべていた

 

 

「ナイスだミカァ!」「ナイスシュー!」「いいぞミカァァ!」

 

「出だしはまぁまぁだな…」

 

「あぁ…やられたままで終わる筈が無いからな」

 

 

そして相手の攻撃…ボールを運ぶのは勿論この男…

 

ラメロはゆっくりとボールを突きながらゲームメイクを開始する。そしてすぐにマッチアップを務めるナッシュが目の前に現れる

 

 

「…よぉ…殺られる覚悟は出来たかよ?」

 

「?殺られる?僕が?」

 

「テメェ以外に誰がいんだよ」

 

「あはははは!…まさか昨日のこと本心で言っていたのかい!」

 

「…」

 

「じゃあ訂正しなきゃならないね…君に…君たちに…僕は倒せないよ」

 

 

ボールを突きながらそう言い放った瞬間…ナッシュの目の前からボールが消え去った。

 

「なに!?」

 

ボールを探すナッシュ…しかしボールはどこにも見当たらない。…どこに隠しやがった!?

 

 

「上だナッシュ!」

 

「!?」

 

 

ベンチにいるニックの声に反応し上を見上げるとそこには高高く自軍コート側に舞い上がるボールを見つける

 

 

「俺の出番かぁ!!」

 

 

そしてそれに反応したのはMonsterと称される男…ザイオンであった。

高高く上がったボールを掴み取りゴールに向かい突き進む。

 

 

しかしザイオンはゴール下で待ち構えている男を目に捉える

 

 

「ぶちのめしてやるぜぇぇ!!」

 

 

ゴール下で待っていた男…この男もまた"神に選ばれた躰"と呼ばれるほど類い稀なる肉体を誇る選手であった。

 

互いがフィジカルに強みを置くインサイドプレイヤー…となると勝負の行程は分かりきっており

 

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

「ぐぉぉぉぉぉ!!」

 

 

ペイントエリア内ーーボールを持つザイオンを真正面から叩き潰そうと攻める。

そして対する守備側であるシルバーも同じく一歩も引かない。

 

ぶつかった瞬間、

ファールギリギリの鈍い衝撃音がコートに響く。

 

胸と胸。

肩と肩。

互いにスペースを奪い合い、床が軋む。

 

 

一見互角に見えたこの勝負だがザイオンがさらに体重を預ける。

背中で押し、

一歩、もう一歩とゴールへ近づく。

 

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

「ぐぉ!?」

 

 

 

シルバーも必死に耐える。

かかとが沈み、重心を下げながらも

それでも体は下がらない。

 

そして――

最後の一歩

 

 

ザイオンが踏み切る。両手でボールを抱え、

叩き込むつもりで跳ぶ。

 

その瞬間

 

タダで決めさせるわけには行かないシルバーも跳んだ。

 

 

空中で、再び衝突。

 

 

「まだだぁぁ!!」

 

 

 

腕と腕がぶつかり、

手とボールが噛み合う

 

 

ブロックは間に合った…しかし

 

 

「くはっ!喰らいやがれ!」

 

 

ボールに触れているザイオンの手は、

ボールごと押し返すのではなく、

上から、下へ。

 

全体重を乗せる。

 

空中で制圧するように、

攻め手の腕ごと、

ボールごと――

 

鈍いシルバーの声と共にリングに叩きつけられま

 

 

「ぐぁ!?」

 

 

――ドガァァァァァァァンッ!!

 

 

あまりの衝撃に鉄で出来たリングが悲鳴を上げ、

バックボードが震える。

 

シルバーの体はバランスを失い、

そのまま床へ叩き落ちる。

 

一瞬の静寂の後

 

次の瞬間、

観客席が大きく湧いたのだった

 

 

 

「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

 

「流石ザイオンだぜ!」「パワーが違え!!」「いやいやシルバーも中々すげぇぞ!」「やっぱ身長かぁ〜」

 

 

 

やられたシルバーに対し仲間が駆け寄る

 

 

「おい大丈夫かシルバー!」

 

「ぶ…」

 

「ぶ?」

 

「ブチ殺してやるぜあのクソ野郎ぉぉぉ!!」

 

「おい落ち着けよ!おい!ミカなんとかしてくれ!」

 

 

怒り狂うシルバーに対し焦ったアレンは俺を呼ぶ

 

 

「はぁ…やっぱこうなったか…おいシルバー…」

 

「あん!?」

 

 

こちらを向いたシルバーに対して俺は遠慮せず思いっきり腹に拳を叩き込む。

 

 

「ぶほぉ!?」

 

「落ち着けよ…」

 

「て、テメェ…何も思いっきり…殴ること…ねぇじゃねぇかよ」

 

「…やっと落ち着いたか…すぐキレるのはお前の短所だった言ったろ」

 

「な、ナイスミカ…」

(これいいのか!?全世界生放送じゃなかったっけ?)

 

 

まぁこれで落ち着くだけ昔よりマシか…昔ならこれでも収まり聞かず何度か止めに行った俺とナッシュで乱闘にまで発展したこともあったからな

 

というか寧ろ心配なのはシルバーより…

 

 

「ナッシュ!」

 

「!?」

 

「へい!頼む!」

 

 

俺はボールをナッシュに渡す。そして少し驚きつつもナッシュは受け取り再びゲームの舵を取る。

 

そして再びナッシュの行方を阻もうとするのはこの男…

 

 

「さっきは良くもやりやがったな」

 

「ん?なんの話かな?」

 

「は!お返ししてやるぜ!」

 

 

ナッシュは重心を少し下げボールを体の後ろで高速で左右に突く

 

 

「へぇ〜」

 

「お返しだ!」

 

 

そしてそれを3秒ほど繰り返したのち右の肘でエルボーパスを繰り出しザックにパスを出す。

 

 

「おい出せ!」

 

「お、おう!頼む!」

 

 

そしてすかさずシルバーがパスを求め、ザックはシルバーにボールを回し再びシルバーとザイオンの1on1が始まる。

 

 

「やられたまんまで終われるかよぉ!」

 

「がっはっは!良いなお前ぇ!!」

 

 

シルバーが今度はオフェンス側でザイオンがディフェンス側…先ほどと構図は逆転するが同じ様にインサイド勝負に持ち込むシルバー…全体重を乗せて攻め込むシルバーだが…

 

 

「ぐっ!」

(くそ重てぇ!!重戦車みてぇな体してやがるぜ!)

 

「そんなもんかぁ!」

 

「ぐっ!舐めんじゃねぇ!」

 

 

パワーでは部が悪いと感じたシルバーはそこから一気に出力を落としドリブルに移行し急な重心移動に驚いたザイオンを抜き去る

 

 

「うぉ!?」

 

 

そしてそのまま片手でダンクを決めようとするシルバーだったが…

 

 

「まだまだぁぁ!!」

 

 

再び追いついたザイオンがブロックショットを繰り出す。

そして両者の力がぶつかり合うとなると…必然的に先ほどからパワーで押しているザイオンが押し切る形となりボールはリングに弾かれる

 

 

「はは!あめぇぞ!!」

 

 

余裕の表情を浮かべるザイオンだが

 

 

次の瞬間…一気に表情が逆転する

 

 

「お前がな」

 

 

ーーバギャァァァァァァァァァァァン!!ーー

 

 

そう呟くと同時に現れたミカが弾かれたボールを掴みそのままリングに捩じ込んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やばいです。
こんな化け物集団に勝っちゃったらキセキの世代…それも1人ずつしかいないチームが勝てる絵が浮かばないです…
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