次の日いつもと同じように朝両親の間で起きて母の作った洋食料理を食べて父と母両方に車で幼稚園まで送ってもらう。あいにくと今日は雨だったが俺は雨なんて気にしないタイプのガキだった。
「「ミカ〜いってらっしゃい!!」」チュッ!
「うん!いってきます!」
「せんせー!おはようございます!」 「おはよう。ミカくん!」
するとちょうど母に送られてくる大輝を発見。そしてあることに気づいた。大輝の隣にもう一人子供がいるのである。
昨日は見かけたけど話したことない桃色の髪色をしたキレイな女の子。
「かあちゃん!いってきます!」
ダダッ
「あっ!まってよ〜だいちゃ〜ん!」
大輝が母に見送られながら俺の方に走ってきた。それを後ろから大輝の名前を呼びながら追いかけてくる女の子。
「ミカ〜おはよ〜!今日あめでさいあくだな!」
「おはよ〜だいき〜!ぼくは雨きらいじゃないけどね!」
そんな他愛も無い会話をしているとコチラをじっと見つめている女の子がいることを忘れていた。
「わたしさつきっていうの!ももいさつき!」
「はじめまして!ミカってよんでね!なんでだいきと一緒にきたの?」
「だいちゃんとはおうちがとなりなんだ!」
どうやら大輝とさつきは家が隣同士の幼馴染っていうやつらしい。そうして3人で教室まで向かうことにした。今日は雨で外で遊べないので皆んなトランプとかお絵描きして遊んでいる人が多いような気がする。
大輝は男の子の友達たちとおもちゃで怪獣ごっこしている。俺も混ぜて貰おうかと考えていると周りを見渡して一人でおままごとしている女の子がいることに気づいた。俺はその女の子に近づいて話しかけた。
「さつきちゃん!なにしてるの!」
「みかくん。ひとりでおままごとしてるの」
「なんでひとりなの?あっちの女の子たちお絵かきしてるよ!」
そうなのである。さつきは一人でおままごとのコーナーにいるのだが他の数人の女の子たちは他のところでお絵かきをしていた。
俺は寂しそうと感じたので咄嗟にお絵かきしている女の子の方へ誘導しようとしていたがそれがどういう意味7日はその後に知ることになった。
「ううん!いかない。わたしのこときらいなんだって。かみのいろがおかしいから」
「なんで?」
「わかんない。ちょっとまえから急にかみいろがピンクでへんだからっていわれた」
後々知ることになるのだが女の子たちは運動神経が優れている大輝のことが好きだったのである。そして大輝の幼馴染で一緒にいるさつきに嫉妬していじめたのであろう。
また他者と違う髪色をしているというのも関係しているのかも知れないが俺も白色だし、大輝なんて青色である。所詮は幼稚園そのようなことでいじめることもある。
「ぜんぜん変じゃないよ!ぼくなんてしろいろだよ!ピンクなんてきれいじゃん!ぼくもおままごとする!」
「ありがと!ミカくん!ミカくんもしろいろかわいいよ!」
「かわいいじゃなくてカッコいいって言って!」
俺は本当にさつきの桃色の髪を綺麗だと思ったし変わってるなんて思わなかった。
「じゃあミカくんがパパで!ママがわたし!子どもがだいちゃんね!」
「いいよ!」
さつきはあろうかとか俺を父にし自分を母にし子ども人形をだいちゃんと名づけやがった。その時だけは大輝を哀れに終わった俺であった。
さつきはそれ以降大輝と俺と常にいるように過ごしていたし大輝がいない時は俺自身が積極的にさつきいるようにした。何故か分からなかったがさつきを悲しませたくない。一人にさせたくないって気持ちがとても大きかったのを覚えている。
そうして3ヶ月ほどがすぎ俺は4歳になった。なんでも誕生日パーティーをうちで開いてくれるらしく友達も呼んでいいといわれたので勿論大輝とさつきを呼ぶことにした。
「いらっしゃい。あなたたちがさつきちゃんと大輝くんね!ミカと仲良くしてくれてありがとうね。」
「はじめまして!ミカはおもしろいしうんどうすごいから負けたくないんだ!」
「はじめまして!ミカくんはやさしいしいちばんかっこいいよ!」
そのようなことを言われて嬉しくない親はいないだろう。両親共に二人のことを気に入ってしまうのも時間の問題だった。そして5人で母の手作りチキンやピザを食べて皆んなでケーキを食べた。
そして昼からパーティーしたのでまだ帰るには時間があったから俺の部屋で遊ぶことにした。俺の部屋は俺が最近ハマっているものでいっぱいだった。
「「うわ〜!ひろ〜い!」」
「これなぁに?」
大輝が一つのフィギュアを手に取って俺に聞いてきた。それは俺が一年前からハマっていてるNBA選手のフィギュアであった。
実は俺は父親と母親の影響で身近にボールや家の庭にコートがあることからバスケにどハマりしていた。そして何よりも俺がバスケに夢中になったきっかけがNBAである。
NBAは平均身長2メートル越えの化け物たちが超人的な身体能力と研ぎ澄まされた技術がぶつかり合い一瞬で流れがひっくり返るドラマが毎晩生まれる。
それはただのスポーツじゃない。
NBAは「世界中のバスケ少年たちが夢見る頂点」であり、
スターたちの戦場であり、奇跡を現実にする舞台。
ダンクひとつで観客を総立ちにさせ、
ブザービーターひとつで歴史に名を刻む――
それが NBAである。
「ジョーダン!」
「「だれ?」」
「プロのバスケットせんしゅ!さいきょうなんだよ!」
二人はそもそもバスケットボールという言葉すら知らなかったようである。確かに日本では野球やサッカーの方が人気である。
早いところだと4、5歳からバスケを始めるところもあると聞くがそれでも野球やサッカーには日本では及ばないだろう。そして俺は椅子に登って棚の上からボールを取り出した。
「これ!これでしあいするの!」
「このボールで?」
「みてみたい!」
大輝はまだキョトンとした表情をしているがさつきはすでに興味津々だった。かわいい。ちょっとさつきに良いところを見せたいと考えた俺は庭のコートに行こうと二人を誘った。二人に教えたいというよりは半分以上はさつきに良いところを見せたいだけだったが二人は快諾してくれた。
「これがぼーるであそことあそこにあるごーるにぼーるをいれたら点がはいるよ!みてて!」
__ __ ダムッ ダムッ ザシュッ!
「うぉぉぉー!」「かっこいぃぃぃ!」
俺は小学生用リングってのもあったがそのままドリブルをしてリングにシュートを放った。まだ4歳ほやほやとはいえ圧倒的なセンスに怪物じみた身体能力をこの頃から発揮していた俺は4歳にしてシュートを決めた。
ちなみに父親曰く俺の実力はこの時点で小学3年生にも劣らないそうだった。その後大輝とさつきざ何を言い出したのかは言わなくても分かるだろう。
「「ぼーるかして!つぎはおれ!(わたし)」」
「いいよ!ぼーるいっぱいあるからあげるね!!」
大輝やさつきは俺より先に4歳になっていたけどこの頃はただの4歳児いくら大輝といえどはじめはドリブルすら上手くできなかった。でも天才というのはアドバイス一つで豹変するものである。
「だいき!こしをひくく!手じゃなくてゆびさき!さつきも!」
この一言だけで大輝はドリブルを出来るようになっていた。4歳児がだ。さつきはまだまだ拙かったが可愛いので全然OKである。そうして俺ら3人は今までよりもさらに仲良く3人で過ごしていくようになる。