あれからさらに一年が経ち今や仲良くみんな揃って5歳児である。
それはそうと今や幼稚園年長組である。時が経つのは早く大輝と俺は組みを変えて幼稚園の中でも1.2を争う高身長である。
俺は父親が2mオーバー、母親が1m80あるのでデカくなるは必然だが大輝は俺に迫る勢いで成長している。さつきは普通の女の子の平均だが最近は周りの女の子たちとも打ち解けて楽しそうである。
後日談だがさつきが打ち解けた理由には俺が一役買っているのである。幼稚園では大輝以上の身長と外国人風ではあるがその辺の子役より整った顔立ち、圧倒的な運動神経により今や一番人気である。そんな俺からさつきと仲良くしてほしいと頼み込めばこの辺の年頃ならイチコロである。
「いくぞ!だいき!」
「今度こそ止めてやる!」
「頑張ってね二人とも!」
俺はボールを素早く左右に切り替えるそして大輝が片方に体重をかけた瞬間に逆を突く所謂クロスオーバーである。
しかしここで大輝も俺のクロスオーバーには慣れているのか体感を上手く利用して俺に引っ付く。しかしここでさらに俺は逆に切り返して大輝を完全に抜き去り無人のゴールにレイアップを決めた。
「まだまだだね!だいき!」
「あぁ〜もう!またかよ!」
「キャーー!みっくんカッコいい!」
大輝は悔しそうにしかし楽しそうに言葉を発しさつきは俺のことを黄色い声援で褒めてくれる。
ちなみにさつきは去年の誕生日から俺のことをみっくんって呼んでる。理由は他の人がミカちゃんやミカくんと呼んでるのを見て自分だけの呼び名が欲しかったそうだ。相変わらず可愛いのである。
「もう一回だ!ミカ!」
「いいよ!やろうか」
そしてもう一度俺から攻撃する。ドリブルで攻め込み大輝が近づいてきた瞬間にクロスオーバーを繰り返す。
…そのとき
「もらった!!」
「フッ!」
__ __ ダムッ ダムッ ダダンッ!
大輝が俺のクロスオーバーを読んだのか感で当てたのか分からないが反応してスティールを仕掛けてきた。本当に強くなったよ大輝。俺より一年後に始めてるのに俺もうかうかしてられなかったよ。
大輝の視線と重心移動からスティールが来るのを読み相手が手を伸ばしてきた時に背中側でドリブルを切り替える。スティールを避けつつ方向転換したのだ。所謂ビハインド・ザ・バックである。それを5歳の俺が行う。
まさにバスケの神様に選ばれた圧倒的な身体能力に抜群のセンスである。これが後に彼がバスケの国である本場アメリカで「神の子」の異名を持つ神童の出発点である。
「なんだよそれ!ずるすぎだろ!どんだけ強くなるんだよ!」
「いや後からやった大輝に追いつかれたらダメでしょ」
「しかもみっくんのママとパパはバスケのプロフェッショナルだしね!」
「そんなん一生勝てねぇじゃねぇか!」
「諦めるの?」
「なわけねぇだろ!」ニヤッ
そうだよな。お前はそんなところで諦めるようなつまらない奴じゃないことは知ってる。
「ていうかさ来年から小学生じゃん!それに合わせてクラブチーム入ろうよ!」
「えぇ〜いいけど一年生から入れんの?」
「私も入るの?」
「当たり前じゃん!さつきも一緒に決まってる!」
「多分入れると思う。てかママが入れてって言って入れないチームの方が少ない気がする」
「「あぁ〜」」
二人はなんとなく推測できたみたいな相槌をうった。そうである。
うちのママは元日本代表エース。しかも現在進行形で日本バスケ界に多大なる貢献を進行中である。そんな人の頼み、ましてや息子の入団拒否なんて出来そうもない。ご苦労様である。
「聞いたところによると結構強豪らしくてさ1〜3年生チームと4〜6年生チームで別れてるらしいんだ。だから今から俺と大輝とさつきで猛練習して1年生のうちから上のチームで暴れてやろうよ!」
「乗った!大暴れしてやる!」
「私は無理だよぉ〜みっくんやだいちゃんみたいにバスケ上手くないもん」
「大丈夫!入団まで時間あるしギリギリまで付き合うから!」
そうして3人でさらに練習に遊びに明け暮れて一年が経過した。
今日から小学生である。俺たちは東京の家の近くにある小学校に仲良く3人で入学することになった。余談であるが俺と大輝は身長が130センチと128センチになっていた。今では同級生より頭ひとつ分以上高いのである。目立つが俺も大輝も人の目なんて特に気にしないタイプなので関係ないが。
「きゃー! ミカ可愛いわよ!大輝くんももっと笑ってカッコいいわよ!さつきちゃんはもう最高!」
俺んちの両親は俺ら3人をそれはもう溺愛している。さつきと大輝の両親も来ているがそれ以上である。さつきに関してはもうら俺より可愛がられてる節がある。俺いないのに家いるときあるし母さんとなんか色々やってるらしい。
「もういいから!ママ!入学式いくよ!ほら大輝とさつきも!」
「お、おう!」「うん!」
周りの保護者や先生、同級生の視線を人一番浴びた中で溺愛されるのは流石に恥ずかしかった俺は大輝の手を引きさつきは腕にずっと捕まってたがそのまま体育館まで連れて行った。
そうしていよいよクラブチーム入団の時である。