日本羽田空港にて
空港に降りた瞬間から日本語が聞こえる。アメリカにずっといたから英語も母国語みたいなもんだがやっぱ日本語を聞くと安心するのは俺に半分日本人の血が流れているからだろう。
そのようなことを考えながら俺到着ロビーに向かい歩いて行く。そして近くまで歩いて行くと一人の少女が入り口で待っているのを見つける。
「みっくん!!」
_ _ _ タタタタッ
「さつき!!」ギュッ!!
俺は出口を出た後さつきが走ってくる見つけ手を広げた。さつきはそのままの勢いで俺に抱きついてきた。
ああ、久しぶりだ、この感じ。
昔は頭一つ分も変わらなかった身長差も今では俺の胸ほどしかない。俺は両腕に愛おしい少女の温もりを感じながら余韻に浸る。そして少しこのまま時間がすぎた頃。
お互いに顔を近づけ唇を重ねた。
そしてゆっくりと顔を離し見つめあったあと
「久しぶりさつき。ほんとに可愛くなったね。ずっと会いたかった」
「私もだよみっくん!カッコよくなりすぎ!」
「てかすっごいおっきくなったね?身長も筋肉も!」
「そりゃもう15歳だからね。あれから8年経ってるから」
そう思うと考え深いものがある。
「何センチなの?」
「198!」
「そんなおっきくなったの!?」
「いやでも向こうじゃ俺特別デカくもなかったし俺の仲間なんて2メートル越えも何人かいたからね」
そう言いながら俺たちは空港の出入り口の方まで歩き出した。俺はこのままこれから一人暮らしをするマンションまでタクシーで行くつもりだったがさつきはどうやってここまで来たのだろう?
「さつき、ここまでどうやってきたの?」
「ん?バスだよ!」
「あーなるほどね。ならこのまま俺んちに来いよ色々話したいことあるし」
「いいの!?いきたい!」
そんな楽しい話をしながらタクシー乗り場まで来て二人揃ってタクシーに乗り込んだ。てかもう一人の幼馴染の姿が見当たらないんだが
あの野郎電話も何年もしてきやがらねぇしこっちから電話かけても一言二言しか喋りやがらねぇ。
「さつき?大輝は来てないの?」
「...」
「どうした?なんかあったのか?!」
「うん。それも含めてお家で話すね」
そういうさつきの顔は酷く悲しそうであった。俺も何があったのか分からないので反応のしようがなくさつきの頭を俺の肩に預けて撫で続けた。大輝には申し訳ないが正直幸せだ。
「「ありがとうございます!」」
「ここがみっくんち?すごいおっきいね!」
「まぁなまじ親が稼いでくれてるしセキュリティやら何やら母さんがうるさかったからね」
「さつきんちからも近いだろ?」「うん!」
「いつでも来ていいからね!はいこれ!」
「いいの!なにこれ?」
「合鍵!彼女に渡すの夢だったんだ!」
「ありがと!!」
そう言いながら俺たちはエレベータに乗って俺の部屋まだ来た。
「まだ何もないね」
「そうだな。俺の私物は諸々明日届く予定だしね。ベットがあるのが幸いか」
「とりあえず下は床が固いからこっち座りな」
「ありがと」
そう言いながらさつきはベットに座った。俺も隣に座って色々話そうと思ったがさつきが大輝の話以降あまり元気がないことに気づかない俺ではなかった。
「それで?大輝はどうしたんだ?」
「話せば長くなるけどいい?」「ああ、教えてくれ」
「んーとね...」
そこからさつきは昔語を始めた。
色々抜粋 (ここからの青峰と桃井の話は黒子のバスケ本編と同じでキセキの世代とともに帝光中学に入学しカクカクしかじかetc)
主人公サイド
なるほどな。どうやら大輝は小学生まではその運動神経とセンスにより連戦連勝の日々を送っていたらしい。
そして中学は現在中学最強と名高い帝光中学校というところに入学したらしい。ちなみに修造くんも一足先に入学してたらしいね。
(本人談)大輝と同中って聞いてたし。そこでも連戦連勝の日々だったがこの時期までは大輝も楽しく自分より強い相手を求めて努力してたらしい。でも中1で全中制覇してしまい自分より強い相手が居ないことを悟ってしまった。
文字通り彼の圧倒的な才能が孤独を生んでしまったのだ。さらに追い打ちをかけるようにとある試合で公式戦にもかかわらず相手チームが諦めたらしい。そんなこんなで大輝はは「自分が決めればいい」と考えるようになり、仲間との連携を軽んじるようになり腐り始めたらしい。
どんなディフェンスも青峰には通用しなくなり、バスケに“競い合う楽しさ”を感じなくなった。
本気でぶつかれる相手がいなくなり、勝っても喜びを感じられなくなるってことか。俺も日本に居たらそうなっていたのであろうか。
向こうじゃ少なくとも一番身近な幼馴染に俺と同格の怪物がいたし他にもフィジカルギフテッドや筋肉野郎がいた。他にも間近でみたNBA選手はとてつもなかったし少なくとも満足していられるような暇はなかった。
そのおかげで俺はメキメキと力をつけたし毎日が楽しかった。俺はとことん周りに恵まれてるんだな。あの口悪い金髪とうるせぇ筋肉だるまが恋しいよ。
ちなみにこのように俺があいつらのことを評価してることを言うと二人揃って
「「バケモンはてめぇだよ!!」」
と言われたことがある。ま、俺の話は置いといてこの俺を差し置いて自分が最強と自惚れてるのは解せないなぁ。どれだけ自分が井の中の蛙かを身をもって教えないと気が済まない。と言うことで。
「さつきー」「なぁに?」
「大輝って今何してると思う?」
「多分寝てるかグラビア雑誌読んでる」
あのアホめ。んなもん読む暇あったらボールつけよ。まぁ俺にはさつきが居るからそんなもんに興味ないだけかも知らんが。とりあえず
_ _ _ ポチポチポチ プルルルル
「ん?なんだよこんな真昼間っから」
「いやなに、お山の大将気取ってるチャンピオンに外の世界を見せてやろうと思ってな!」
「なんだよいきなり。随分な言い草じゃあねぇか。俺は忙しいんだ、またな」
「逃げんのか?」「あ?」
「来いよイキッてるサルに本当の世界を見せてやる!」
そういうと大輝は少し黙りながらも
「...いいぜ、その代わり負けた時飯奢れよ。」
「いいぜ。なんでも食わしてやる。あ、ちなみに俺に負けても何もしなくていいぜ。」
「あ、それじゃ勝負になんねぇだろ。」
「お前な、それじゃ俺が勝負に勝って飯も奢ってもらうの確定してるんだから弱いものイジメみたいになるだろうが」
「テメェ覚悟しやがれ!」
_ _ _ぷーぷーぷー
あ、切れた。てか場所も何も決めてねぇわ。
「あ、さつきこの辺でバスケできるとこない?」
「あ、それなら昔私たちが使ってたストバスのコートあるよ!そこにする?」
「そこにしようか」
とそんなこんなで大輝との1on1が決定した俺は荷物置いてさつきと一緒に歩いてコート場まで向かうのである。
ちなみに手を繋ぎながらね。さっきからめっちゃ周りに見られてるのはさつきが可愛いからなんだろうな。俺の外国風な見た目もあるが。さつきとアメリカでのことを色々駄弁りながらコート場まで歩いて行き目的地が目の前まで来るとコート前で突っ立ってる青髪短髪の男を見つけた。
「久しぶりだな大輝」
すると大輝はこちらに気づいたのか振り向き
「何が久しぶりだ。さっきは随分な挨拶じゃねぇか」
「俺としては取り消すつもりもないよ。事実だし」
「はん!俺に勝てるは俺だけだ。」
「ふーん。ま、いいやとりあえずやろうか」
そう言い大輝はコートの中に歩いて行った。それを見て俺はさつきと手を繋いでいたのを解きこちらを見つめるさつきの頭を軽く2回叩き
「行ってくる」
「...うん」
「何点マッチだ?」
「んーとりあえず10先取りでいいんじゃない?」
「ならお前から攻撃でいいぞ。俺からやったらすぐ終わってしまうからな」
そう言い大輝は俺に向かってボールを投げてきた。そのボールを掴み軽くボールを突きながら歩いて行き。重心を低くし踏み出した。
一歩の鋭さが世界を変える――目の前の壁は、もう背後にある。
_ _ _ダムッダムッ ザシュッッ!
「どうした?特に何も特別なことはしてないぞ?」
「ッッ!」
さつき視点
私は急遽行われることになった自分の彼氏と幼馴染の試合の行方を見ていた。本当は見たくなんてない。どっちが勝っても気持ちいい終わり方にはならないと思うから。それにだいちゃんの凄さはここ数年一緒にいたことで身をもって知っている。昔のみっくんしか見てない私は正直勝てるイメージが湧かなかった。
今この瞬間までは!!
私の前で驚愕のプレーが行われたのだ。バスケの技術としては特に難しいことはしていない。みっくんが重心を下げてドリブルして抜いただけである。しかしおそらくそのドリブルも視線で何手も戦いが繰り広げられていた。その一瞬を見逃さなかったみっくんが一歩を踏み出した瞬間だいちゃんを風のように抜き出し駆け抜けた。
だいちゃんも懸命に追いすがりながら追いかけるが距離は離される一方だった。
こんな光景は初めて見た。だいちゃんはキセキの世代中でもスピードとアジリティはNo. 1でありなんなら2個上の世代まで合わせても隣に立てるものがいないレベルである。そんなだいちゃんが一方的にやられたのを見た私は言葉が出なかった。
主人公サイド
「ほら次はお前だぞ」バシッ
「ッ!」バシッ
「ふぅ」
息を吐きながら大輝は重心を落とした。こいつ...理解したなさっきのプレーで。俺がお前より格上なことを。目を合わせてわかるがこいつにはさっきまでの余裕と慢心ももうない。ここからが本当の勝負ってことか。
_ _ _ダムッダムッダムッ
大輝は高速でドリブルを突き数回ついたのちに俺の左側に踏み出した。しかしそこに俺が身体能力だけで応戦する。正面に回られた大輝はそこからストリートスタイルの独特なリズムののバックチェンジを繰り返しながら俺を抜こうとするが俺はその程度の揺さぶりに動じるほど安くはない。
なかなかマークを振り解かない大輝は表情から見てとれるほど曇った表情を覗かせる。そしてドリブルのリズムを読み切り、ボールが床を離れた瞬間に手を差し入れ俺の手が大輝のボールを叩いた。
_ _ _パシッ! 「なに!!」
そのままボールを拾おうとする大輝をフィジカル押し退け俺がボールを拾う。
「はい俺の勝ち。どうよチャンピオン。目覚めの景色は」
「クソッ!」
悪態をつく大輝だが表情はどこか晴れた表情をしている。おそらく俺と言う自分より強いものが現れたことで楽しみが増えたと言うことだろう。
「次だ次!次は止めてやる!」
「お前じゃ無理だよ。」
その後を何度も俺を止めようとする大輝を敢えて正面から叩き潰した。結果
10対0
「はい終わり。ほんと何してたの君」
「はぁっ…… はぁっ……」
残酷にも8年ぶりに行われた親友同士の1on1はアメリカから舞い戻った幼馴染の圧勝という形で終了する。