燃える男と世界でいちばん熱い夏   作:久戸瀬放映Project

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女子野球部設立への道
変化の一歩


5月も終盤に差し掛かり、学生たちはテスト期間中で部活が休みになる。

星野監督の指示で練り直された鈴木和香の練習メニューは少ししか取り組めてなかったが、それでも動きや意識の変化は目に見えて分かるようになっていた。

 

星野監督は選手兼コーチの役割も選定いた。有原翼を筆頭に、野球経験者の東雲龍、柊琴音、坂上芽衣、椎名ゆかりが教える。さらに、野球理論を熟知している鈴木和香も基本的な動き方の指導に当たっている。それに加え、星野監督は新たに月島結衣をコーチに任命する。月島結衣は野球は初心者である。しかし、学級委員を勤めるほどの責任感を持ち、チームの雰囲気を締めるのには適任だと考えたのである。名前は伏せるが、気を抜けば隠れてサボる部員は数名存在する。技術は教えることができなくても監視役としていることで、嫌でも野球に専念出来る環境を作り出すことが出来ていた。

 

また、星野監督は投手の育成に重点を置いていた。現在の投手は東雲龍ひとりだけである。持ち球の球威のあるストレートと鋭く曲がるスライダーは十分である。しかし、夏の試合すべて東雲龍だけで投げきれるか考えると、到底不可能。それに、すべて完投しなければならないので彼女の負担は大きい。そうもなく数少ない経験者が故障や怪我で離脱されたらひとたまりもない。

また、星野監督は野球初心者たちの出番を増やす目的も持っていた。もちろん。ピッチャーというポジションは楽ではない。しかし、野球経験者は野手に集中(有原翼・ショート、東雲龍・サード、柊琴音・レフト、坂上芽衣・セカンド、椎名ゆかり・キャッチャー)していた。そのポジションを争って勝ち取るのは難しい。もちろん、実力で勝ち取るのは良いことだが、それよりピッチャーとして成長したほうが、出場機会に恵まれやすくなる。そのほうが選手のためだと星野監督は考えたのである。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

放課後の野球部の部室。そこに生徒会の九十九伽奈が訪れていた。

 

「テストが終わり次第、私も練習に参加します。九十九伽奈です。よろしくお願いします」

 

「監督の星野です。まぁそんなところ突っ立ってないで、座りなさい」

 

星野監督は近くにあった椅子を差し出す。九十九伽奈は受け取り腰を掛ける。

 

「それで、何を調べるんだ?」

 

「詳しくは守秘義務ですので言えませんが、この学校に良い影響を与えるのかどうか、生徒に好影響を与えるかどうかといったところを調べさせてもらいます」

 

「そうか。分かった。ここ最近少しずつ変わっていってるから期待しといてくれ」

 

「ご存知かと思いますが、調査のことは生徒たちには内緒でお願いします」

 

同好会から部に変わるための生徒会の調査。星野監督の密会でついに始まるのであった。

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