燃える男と世界でいちばん熱い夏   作:久戸瀬放映Project

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小説って、パッと出る時はホイホイ書くことができるけど、どん詰まったらサッパリ言葉が出てこないんだなぁ…。


マスコミを力に

「わあぁぁぁぁ!」

 

坂上芽衣と朝比奈いろはは大興奮していた。

それもそのはずである。何せそこにいるのは東京ファンタジーズの元監督の長嶋本人である。

実は星野監督は教頭との対談後、長嶋監督に相談の電話をしていたのだ。

 

「長嶋さん、今日はありがとうございます」

 

「なぁに!せんちゃんの頼みだから!」

 

ニカッと笑顔を浮かべるミスター長嶋。なんとこの訪問はミスター長嶋からの提案だった。

 

「あの…!長嶋さん…!握手してください…!」

 

興奮が抑えられない坂上芽衣はプルプル震える両手を差し出す。

 

「握手?いいぞぉ!」

 

ミスター長嶋は坂上芽衣の右手をしっかりと掴む。

 

「カメラさん!ほら撮って撮って!いいスマイルだよ!」

 

ぐっと坂上芽衣との距離を縮めてカメラの方を向く。カメラマンもその光景を逃さず撮る。

 

「野球はいいぞ!将来どんな選手になるのか楽しみだよ!」

 

「…………はい!」

 

ミスター長嶋に坂上芽衣は顔を赤くしながら元気に返事をする。

 

「坂上。違うだろ?そこは「長嶋さん。そのために推薦状書いてください」だろ?」

 

いつも通り言葉は多少キツイが、笑顔で星野監督が坂上芽衣に聞く。

 

「推薦状?」

 

「そうなんですよミスター。試合に連れて行ってやりたいんですけど、学校が推薦状集めて来なければ行かせないって言ってるんですよ」

 

「そうなのか。じゃあいっぱいちょうだい!」

 

ミスター長嶋は推薦状の用紙を束で受け取ると、行の一番上に名前を書く。それをすかさずカメラマンに渡す。

 

「ほら!君たちも書いて書いて!」

 

ミスター長嶋に言われ、カメラマンやスタッフは次々と名前を書いていく。その後、ミスター長嶋は「ファンタジーズの選手にも書かせるから」という理由で推薦状の束をごっそり受け取った。

 

「せんちゃん。練習も見ていいかい?」

 

「もちろんですよ。気になるところがあれば、どんどんアドバイスしてやってください」

 

ミスター長嶋が目をつけた選手は朝比奈いろは。その一本足打法からは、かつての戦友を思い出す。

 

「おぉ~!いいスイングしてるね!こう…サッ!スッ!スパァー!って感じで!」

 

ミスター長嶋は打撃練習を行う朝比奈いろはの隣で身ぶり手ぶりで絶賛している。

その後はなぜか、ミスター長嶋主体でノックをした。これはファンタジーズのキャンプの恒例行事である。その光景もカメラはしっかりと撮っていた。ちなみに後から聞くと、全国放送らしい。

 

ーーーーー

 

次の日の夕方。ついにテレビで放送された。さすがミスター長嶋は凄まじい人気である。星野監督の狙いはそこであった。女子野球は世間から見て認知は低い。そこで、ミスター長嶋に出てもらうことで、ファンタジーズファンをはじめとした野球好きをグッと引き寄せれるのではないかと考えたのである。

後は、その成果を待つのみ。果たしてどうなるか。

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