燃える男と世界でいちばん熱い夏   作:久戸瀬放映Project

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突如始まる紅白戦

東雲龍が入部して1ヶ月。チームの練習の雰囲気がガラリと変わった。

また、野球の経験がある柊琴音、椎名ゆかり、坂上芽衣の指導もあり、初心者メンバーも少しずつ上手くなっているようだ。星野監督はいつものように、グラウンドのベンチで練習風景を見ていた。

 

「紅白戦をやろうよ!」

 

有原翼がグラウンドの真ん中でそう言った。たしかに、ギリギリ試合は出来る人数であった。それに、そろそろ試合で自分の実力を発揮したくてウズウズしだす頃でもある。

 

「まだ早すぎないかしら」

 

東雲龍が冷静にツッコむ。

 

「でも、野球の醍醐味は試合だよ!それに、試合のほうが楽しめるよ!」

 

結局、しばらく言い合っていたが有原翼の熱望で紅白戦をすることになった。試合をする喜びや不安といった様々な感情が色んな選手からあふれていた。

 

〜〜〜〜〜

 

紅チーム

中 中野綾香

三 阿佐田あおい

遊 有原翼

投 東雲龍

一 野崎夕姫

左 岩城良美

二 河北智恵

右 宇喜多茜

捕 鈴木和香

 

 

白チーム

中 竹富亜矢 

左 柊琴音

投 坂上芽衣

一 朝比奈いろは

右 永井加奈子

三 近藤咲

遊 新田美奈子

捕 椎名ゆかり

二 直江太結

 

オーダーは各選手の経験や特長を考え、中野綾香のデータをベースに星野監督、有原翼、東雲龍、鈴木和香でじっくり話し合って決めた。

オーダーを決めている間河北智恵と野崎夕姫は学校に行って、何人か審判の出来る先生を連れて帰ってきた。

 

試合開始の前、星野監督はメンバーを集めた。

 

「楽しく試合をやるのはいいが、遊び感覚でやるなよ。練習で鍛えた技をここでしっかりと発揮するんだという気持ちで、勝ちに行け」

 

初めての試合にニコニコソワソワする選手に相反するように、監督は真剣な表情で言った。声は低く、重いものだった。

それが選手に届いたのかどうなのかは定かではないが、試合が開始された。

 

審判の「プレイボール」の声がかかり、後攻の白チームは守備につく。星野監督は紅チームと一緒にベンチに座った。

 

白チームのピッチャーは坂上芽衣。普段はセカンドだが野球経験者であり、持ち球はストレートとカーブ。本来のポジションとは違えど、なかなか手ごわい相手である。

 

星野監督は野手に目を向けた。レフトには野球経験者でメインポジションの柊琴音。センターは陸上部で鍛え上げられた俊足の竹富亜矢がいる。内野のセカンドの直江太結はソフトボール経験者である。そして、星野監督が一番厄介と考えているのがキャッチャーの椎名ゆかり。彼女もまた、野球経験者である。坂上芽衣と椎名ゆかりの野球経験者のバッテリー、紅チームこれを攻略しなければならなかった。

 

紅チームの1番バッター、中野綾香がバッターボックスに向かっていく。その背中にウキウキで声援を送る選手達とは裏腹に、星野監督は黙って足を組んだ。

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