間隔が長かったり短かったりするかも知れませんが...大丈夫かな
「工藤さん!待ってください 早いですよ!」
「なぜ私がお前の歩く早さに合わせないといけないんだ 置いていかれたくなければついてこい」
やれやれ全く早足だな、ストーキングするのにも一苦労だ
こうしてなんとか実行するに至れた工藤美鈴懐柔作戦 (またの名をDAL作戦) だがなんか見ていて某ラノベ一巻を実写で見ているみたいだ
必死でなだめる安藤もそうだがこのツンツンオーラの工藤にはどこかのプリンセスを彷彿とさせるな
『あははは もう状況がこの前見せたラノベそのままだ、頑張れよ こっちもフラグなんちゃら顔負けするほどにサポートするからさ シッ....アンドー』
「お前楽しそうだな...」
俺は安藤の言うようにこの状況をけっこう楽しんでいる...こんなラノベのような経験が実際に出来るなんて奴が何人くらいいるのだろう、これも全部異能のおかげかな...
「で、まず俺は何をすればいいんだ?」
『なにするね...あっそうだ 最初の時いきなり出発しちゃたからあれだけど、まぁ今からでも遅くはないかなぁ とりあえず』
「あの工藤さん」
「なんだ安藤寿来 用があるなら手短に言え」
「はいわかりました! オホン 工藤さんの今日の服かわいいですね」
「.......なぁっ!!」
今まで鋼のように固かった工藤の顔が一気に熱せられたかのように赤くなった、まさしくポケモンだったら‘効果はばつぐんだ!’の文字がピッタリだ つかお前だれだよ?
その上その影響は顔だけではない
手と足が上下左右にあわただしくアメリカンクラッカーのように大暴れ、はたから見れば中二よりおかしい人だ あーでもちょっと図星突かれた神崎に似てるかもしれない、もしかしてあの二人はけっこう似てるのかも
「く! ああぁぁあっっ!! 安藤っっ!! おまっきさっ...何を言っているっっ!!」
「あの...工藤さん?」
なんか人格が暴走してないかこれ? 貴様とか野菜人の王子みたいなこという奴じゃないと思うんだけど、全く効果なしだけは御免だったがここまでともなると少しいやすごく困る 反応に
「おーい三形ー なんか工藤さんが壊れたんだが」
『....なんにも言えねぇ』
「おい!」
いやだって流石にこれはどうすればいいかわかんねーよ
それにしても会長隙だらけじゃねーか...チョロインかオメーは...
そんな工藤の豹変にショックを受けた俺は
『とりあえず落ち着かせろ』
などという平凡な答えしか出せなかった
「工藤さん?大丈夫ですか」
「ふん この程度なんてことはない」
そもそもなぜ誉め言葉でこの程度のダメージを受けるのか俺にはさっぱり分からない
安藤がすごいのかはたまた工藤がチョロ過ぎるのか...あるいはどちらもか
「じゃあ工藤さん まず最初はどこに行きますか」
「そうだな...ならここにしよう」
「え、ここはもう少し後の方が」
「なんだ怖いのか?だったら一人でもいいんだぞ」
「なんだと!我がギルディア.シン・呪雷が闇に恐れをなすことなどない」
「なら決まりだな」
会話しか聞けないから最初は何かかはわからなかったが...なるほどあそこでさっきの汚名返上をしようというわけか
果たしてうまくいくかな...
二人が向かった場所は遊園地の人気スポットのひとつお化け屋敷であった まぁあの会話から安藤に聞かなくてもわかっていたが
「やはり早い時から来たからそんなに人はいないな 安藤寿来、逃げるなら今のうちだぞ」
「ふん 闇の眷属に自ら目をそらすなどギルディア・シン・呪雷の名折れだ...」
二人は横目で相手を捉えて会話をしていた なんか互いの視線が火花のように見える
意地っ張りなところが出ていてまるでライバルのような雰囲気だ、神崎のポジが奪わるシーンが容易に想像出来る
俺としてはもっと年ごろの男女みたいなの期待してたんだが
列はお化け屋敷にしては短い方なので安藤と工藤のカップルはどんどん先に進んで行くが
「なぁ安藤」
「なんですか?」
おやおや?これはまさか?
「お前大丈夫か」
「大丈夫って?」
「...いやなんでもない」
これは...あれだな...
「なぁ三形 工藤さん様子がおかしいんだけどやめといた方がいいのか?」
『本人が大丈夫なら気にするな そのまま進撃を続けろ』
そんなやり取りのあと遂に順番が来た二人はお化け屋敷の闇の中に消えて行った...ちなみに俺は流石に中まではストーキングできないためここからは音声だけになる せっかくカメラとかも持ってきたのになぁ
「うっ うううっ」
入ってしばらくすると何故か安藤のうめき声みたいなものが聞こえる おかしい...俺の予想が外れたのか? もしかして俺の異能がバレたのか..
『おい!どうした! なにがあった!しっかりしろっ!』
「くっ...くどっ 工藤さん...苦しい」
「しっ仕方ないだろ! 迷子にでもなったらどおしてくれる!」
『あれ?』
「工藤さん...ちょっと腕緩めて...」
あぁ...なんか見えてきたな...
『安藤 すぐに当たってるって言え』
「工藤さん...当たって...ますよ...」
「あっ! くっ...くう...」
『ほいほーいこちら三形 今どんな状況だ? どーぞ』
「工藤さんのスリーパーから脱出しました どーぞ」
『このままデートを続けてください どーぞ』
確認は取れた 当初の予定通りお化け屋敷で結局恐怖にまけ安藤を抱き締めていたらしい 締め上げられるくらいに考えなかったが
「きゃゃああ!!」
「ぐえっ」
俺の予想通りに恐怖の叫びを上げる工藤 安藤にとってはお化けより工藤の締め上げの方が怖いだろうが
『安藤...お前死ぬ前にやめろよ』
「こっ...こんなの...開かずの館に巣くう青き怨念の鬼に比べれば...」
『お前の命はセーブデータをロードしたら戻るのか 顔ひっぱたいてでもやめさせろ』
二次元で殺されるより暗闇の上に締め上げられる方が怖いだろ...
「工藤さん落ちついて! 奴らは姿だけで実質なにもしませんから!」
「おっ お前の言うことなど信じられへん! きゃゃああ!」
おい最後関西弁じゃねーか そんだけ参ってるなら信じろよ...
さて...余興はこれまでだ...一応ここを勧めたものとしてはきちんと下見はしてきた 無論お化け屋敷も
さあ来るぜもうそろそろ...ここのお化け屋敷の目玉の仕掛け 前から突如現れ追いかける首吊りの幽霊が...
うっ...あああああ!!!
「いやぁぁぁ!!!」
「うおあっ」ゴン!!
スピーカーが鈍い音をひろい聞いてるこっちが驚いたがそのあとの音が聞こえて来ない
大抵の奴はすぐ逃げるからうるさい足音が聞こえてくるはずなんだが...
「みっ...みかたー」
『なんだ? もしかして工藤が安藤置いて逃げたのか?』
「いやぁ...なんか工藤さんが抱きつきながら倒れ込んできて...」
『それで...死にそうってわけじゃなさそうだな、どうした?』
「今すごく抱き締められていて逃げられなくて...それで...」
『歯切れが悪いな...でどうなんだよ?』
「...本当に当たってる」
『ふぅ ただのToloveるか...俺は危うく実はもう逝ってしまったのか?!って思ったよ まぁまぁここは落ちついてまた言ってあげれば』
「工藤さん聞いてない...」
『じゃーまずは立とう!』
「なんか色々ホールドされてて立てない...」
『』
おいおいおいおい 一応これR-15なんだけど 絶対入ってるぜとか言われないはずなんだけど なにがって言わせんなよ
実質そんなところでその体制はまずい 次の人が来たら即刻アウトだろう
お化け屋敷の目玉追いかける首吊りの幽霊、とは言っても所詮は使い回しの機械 いつまでもいるわけじゃないはずだ
『安藤...落ちつけ...たぶんその幽霊はお前の頭上を通り過ぎているはずだ そこからなんとかしてお化け屋敷から脱出しろ 健闘を祈る』
「あぁ わかった」
「工藤さん 立ってください」
「...無理だ」
「大丈夫ですよ もうあの首吊りの怨霊はいません」
「.....」
「工藤さん せめてここを抜け出すまでは俺を信じてくれませんか?」
「....わかった」
どうやら最悪の展開は免れたようだ 小さいながらも足音が聞こえてくる いやーよかったよかった
「三形 お化け屋敷から出られたぜ」
『まぁ一件落着かな...アイツはどうなった?』
「顔真っ赤にして座り込んでる」
部室の時のタンカの切りようがあれでこんなんじゃ情けなさ過ぎるだろう
「工藤さん もうそろそろ次いけますか?」
「笑え」
「はい?」
「笑えって言っているんだ! どうせおかしいとか思っているんだろ!いいからとっとと笑え!」
「工藤さん」
安藤は完全にいじけモードに入ってしまった工藤の名前をしっかり呼んだ後その手をとり引っ張って立たせる
「なっ! 安藤寿来!」
「工藤さん 早くしないと次のアトラクション混んできてしまいますよ まずは次行ってからゆっくりお話しましょうよ」
「...わかった 行くぞ!」
「えっ!工藤さん?!」
「お前が言ったんだぞ、早くしないと混むって ほら早くしろ!」
安藤が工藤を引っ張っていったかと思いきや最後は何故か形勢逆転して工藤が安藤を引っ張る形になっていた
うんうん、いやー俺はこういう感じを待っていたんだ、写真とっとこ パシャパシャ
え?盗撮? たぶん異能があればなんとかなる あっ、俺今異能奪われてんだ...
まぁいいや この初々しい光景を楽しみながらストーキングしていけば...
勢いで引っ張る工藤と引っ張られる安藤は行き当たりばったりで遊覧船とか言う振り子のようなアトラクションに乗ることになった やはりお化け屋敷での恐怖を早く忘れるにはそれなりのインパクトが欲しかったのだろうか
「工藤さん 今度は大丈夫ですか?」
「大丈夫だ もうあんな失態を見せるわけにはいかないからな」
なかなかいい感じになってると思う...たぶんあの二人はそもそもなんでこの遊園地に来ることになっているかも忘れてると思うがそっちの方が好都合だ...
このアトラクションは一回あたりの人数の減りが効率的だ、よってすぐ順番が回ってくる
船を模したアトラクションは徐々にスピードを上げていき高さも上がる、いうなればジェットコースターのようなもので...
「うおおおお!!」
「きゃあああ!!」
リアクションはそれとかわらないが...あれ?ちょっと工藤の体が安藤に寄っているような? まぁちゃくちゃくと信頼が生まれてるってとこかな?写真とろ
「あの すいません」
「はい?」
声をかけられた方に向くと二人の男女と子供がいた、おそらく家族連れだろう
「あの 悪いのですが写真撮ってもらってもよろしいでしょうか?」
「おーいいっすっよー じゃカメラを...あっ」
俺の場合何故かこのような場面の時こんなしゃべり方になってしまうがなんでなんだろ?
親子連れから借りたカメラを三人に合わせ撮ろうとする 少し手が震えていたので深呼吸して撮った
「これでいいっすっか?」
「おおよく撮れてる ありがとう」
「あっ あのちょっといいですか?」
「ん なんだい?」
「ちょっと...お子さんのキャップ貸してください」
「メリーゴーランド...まだ?」
「うーんなんか迷っちゃったね...私道聞いてくるよ」
「すいませーん」
「ん なにかな?」
「メリーゴーランドってどっちですかー」
「メリーゴーランドならあっちにあったよ」
「ありがとうございました 千冬ちゃんあっちだって」
「わかった はやくいこ、はとこ」
「あーきみ、もう具合は大丈夫かね?」
「はい!大丈夫です! 皆さんのおかげで命が助かりました!このご恩は一生忘れません!!」
「はははそんな大げさな、それでは私達はもう行くよ」
こうして俺は親子連れと別れを告げる...さて少し落ち着いて現実を見よう...
なんであの二人いるんだろ...
ほんとなんででしょうかね?