執筆してるうちにどんどん話が膨らんで読みやすくするために前編・中編・後編に分割することになりました。
次話の中編はできるだけ早く投稿できるようにしたいと思います。
ワールドアイテム【ドラウプニル】を入手してから数日が経過...
(装備の更新は済んだ。あとは、この力をどう使うか)
私は、積極的にワールドアイテムの効果を使用し、全身の装備を一新していた。
【ドラウプニル】の金貨複製能力で私の所持金貨は億単位にまで達し、アイテム複製能力によって超希少素材『精霊樹の結晶』をはじめ、『炎属性攻撃無効』といった希少な無効化系データクリスタルを大量に増やすことができた。
私はいつぞやの鍛冶師NPCに防具作成を依頼し、これらの素材を惜しみなく投入して、全身の防具を新調した。私のスタイルは素手・無武器であるため、全身を覆う軽鎧のみの更新だ。
完成した私の装備は、頭部、胴部、腕部、脚部すべてが聖遺物級(レガシー)へと到達。その性能は、希少素材と希少なデータクリスタルをふんだんに使ったことにより、通常の聖遺物級を遥かに凌駕し、下位の伝説級(レジェンド)に匹敵するレベルに達していた。
私の新たな服装(防具)は、軽鎧の機能性を保ちながら、私の信念を視覚的に強調するものとなった。ユグドラシルでは、プレイヤーは防具の性能を維持しつつ、外装(デザイン)を自由にカスタマイズできる。私は上はPコート風、下が丈の短いタイトスカートになった、ワンピース状の黒い軍服をデザインした。これは原作(勝利の女神:NIKKE)のリリーバイスの服装から、ペリースマントと白い手袋を除いた感じだ。全身を黒と白で統一されたその軍服は、動きやすさを最優先とした軽鎧の性質を完璧に保ちつつ、私のスタイルに厳粛な美しさを加えた。ガントレット(籠手)は装備していないが、軽鎧の腕部は、衝撃吸収の魔紋と属性耐性のクリスタルが幾重にも組み込まれていて見た目以上の耐久力と防御力を兼ね備えている。
黒と白銀のコントラストが際立つ新たな装備を纏った私の佇まいは、街を歩くだけで周囲のプレイヤーの視線を集めた。
私の装備が変わり、レベルも高レベル帯に入ったことで、私は以前よりも目立つようになった。
それに加え、運営が流したプロモーション映像の影響は絶大だった。
「リリーバイスさんですよね?あの広告の映像見ました! すごくかっこよかったです!」
街を歩けば、映像を見たというプレイヤーから、広告出演に関する声がけがあった。私は、少し気恥ずかしさを感じながらも、笑顔で挨拶を返す。知名度は、困っている人を見つけ、助けるという私の行動を強力に後押ししてくれる。
その日は、城塞都市郊外の森で、私はいつものようにNPC依頼をこなしていた。木々が深くなり始めたところで、微かな悲鳴と、好戦的なプレイヤーの怒鳴り声が聞こえてきた。
「テメェ、そのレア素材を置いていけ!大人しくすれば見逃してやる!」
「や、やめてください……!」
三人のPK(プレイヤーキラー)が、初期装備のまま立ち尽くす初心者プレイヤーを取り囲んでいた。彼らの頭上には、真っ赤な罪人マークが薄っすらと点滅している。
私は迷うことなく、その場に飛び出した。
「そこまでよ!」
私の出現に、PKの一人が顔を歪ませて振り向いた。
「なんだ、テメェ? おっ、よく見るといい装備もってんじゃん。こいつをPKする前にお前のその装備をいただくとするぜぇ!」
PKの一人が、怒声を上げながら、両手剣を構えて私に突進してきた。その動きは粗雑で、殺意に溢れているが、私にとっては全然脅威とは感じなかった。
(【観察眼】で見た感じレベルは七十前後。私の敵じゃない。彼らを倒す必要はないわ。この力の差を見せつけ、戦意を喪失させる)
私は一歩も動かず、突進してきたPKの剣が、私の頭部を狙って振り下ろされるのを待った。
ガキンッ!!
私は避けもせず、その大剣の側面を、全身軽鎧の腕部(小手部分)で受け止めた。私の腕には、武器はなく、ただ軽鎧の腕部防具が大剣を弾いた。
結果は明白だった。
私の聖遺物級の防御力と、そこに組み込まれた衝撃吸収の魔紋の前に、PKの持つ大剣の鋼の刃は、派手な金属音を立てて中央からへし折れた 。
「な、なんだと……!?武器が……!?」
武器を失い、その圧倒的な防御力に直面したPKの顔から血の気が引く。
私は折れた剣の破片を踏みつけ、静かに、しかし有無を言わせぬ威圧感を持って、PKたちを見据えた。
「あなたの攻撃は、私には届かない。その卑劣な行為をやめて、今すぐここから立ち去りなさい。まだ攻撃してくるなら今度は容赦しないから。」
私の言葉には、一切の感情の揺らぎがなかった。それは、彼らに、圧倒的な力の差を認識させるのに十分だった。
「ひっ……に、逃げるぞ!!」
PKたちは、恐怖で声を震るわせながら、先ほどの威勢のよさが嘘のように、尻尾を巻いて森の奥へと逃げ去った。
助けた初心者プレイヤーは、呆然とした様子で私を見上げている。
「あ、あなたは……本当にありがとうございます!」
私は穏やかに微笑み、彼が失ったであろう金貨をトレードで渡した。
(困っている人を助ける。それが、私がこの世界でする最も大切なこと。)
「もう大丈夫ですよ。冒険を楽しんでくださいね。誰かが困っている人がいたら、助ける。当たり前のことをしただけですから。」
私は、彼の感謝の言葉を背に受け、森を後にした。
そして、街へ続く道を歩き始めたその時、私の視界全体に、メッセージが表示された。
* システムメッセージ *
* クラス《職業》の解放条件を達成しました! *
* 中位職:【ヒロイック】
条件: 累積カルマ値の一定ライン突破
PKをされそうになっているプレイヤーを助ける *
(ヒロイック...英雄的? どんなクラスなのかな?後10レベルでちょうどレベル100に到達するから取得してみよう)
私はさっそく【ヒロイック】を取得し、この数日間溜め込んでいた経験値の全てを投入した。
一気にレベルが上昇し、私のUIの上部に、金色に輝く文字が躍った。
* LEVEL UP! *
* レベル99 → 100に到達しました! *
ついにレベル100。一つの到達点だ。全身に力が満ち、世界の風景がさらに鮮明になったように感じた。
レベル100。この大台は、ユグドラシルにおける真の上位職への挑戦権を意味する。
しかし、同時に新たな壁でもあった。
(ヒロイックは素晴らしいクラスだけど、ここから先、さらに強力な上位職に転職するには、一度取得した職業のレベルを下げる必要がある)
職業のレベルを下げる方法は、デスした際のデスペナルティか、まだ発見された話は聞いたことがないけどレベルダウン効果を持つ特殊なアイテムを使用すること。
(絶対にデスはしたくないなぁ。せっかく今日までノーデスでレベル100にまでなれたんだし、アイテムを探すしかないかな)
私はすぐに、レベルダウンアイテムの探索を新たな目標に据えた。
プレイヤー間の噂によるとそのアイテムは、特定のレアドロップ、あるいは限られたNPCの依頼からしか手に入らないらしい。そこで私はいつも以上に、街や周辺エリアの全てのNPC依頼を請け負い始めた。
(これまでの経験から隠し依頼はカルマ値が関係していることが多かったから依頼たくさんこなしながら、カルマ値も上げないと。)
私の行動は、もはや単なる依頼攻略ではなく、ユグドラシルのシステムに隠された情報を引き出すための探求となった。街のNPCの依頼だけでなく、近隣の村や隠された集落の依頼までも、全て網羅していった。
そして、その探求の果てに、一つの「大きな依頼」が私を待っていたのだった。
ユグドラシル公式NPC『聖女』
・通称、聖女ちゃん。
・他のNPCと比較しても段違いにビジュアルが良い。
・プレイヤー間でも大人気でファンクラブも存在する。
・他のNPCが基本的に定型文で話すのに対し、聖女ちゃんはプレイヤーの言葉をそれぞれ認識して話すので中身にAIを使っているんじゃないかという疑惑がある。
運営から一言
「むさいおっさんキャラたくさん作るより超絶かわいい女の子キャラ作る方が作る側も見る側もWin-Winでよくね?」
「キャラに力入れるならシステム面も改善できるだろって?」
「仕様です」
ゴッデス部隊メンバー(指揮官も含む)をプレイヤー側で登場させても良いですか?
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良いよ
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だめ
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作者にまかせます