OVER×GODDESS〜異世界童話〜   作:Ark’s

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遅くなってすみません、中編の内容完全版に更新しました。
次回は掲示板回です。

いつの間にかお気に入り登録が100人を突破してて超びっくりしました。お気に入り登録してくれた方々、こんな作者の自己満作品にわざわざありがとうございます。 超執筆のモチベになります。
これからも投稿頻度は遅くなると思いますがしっかりと完結できるように頑張ります。




特別な依頼 ーー聖女謁見ーー 

 様々なNPCの依頼を解決していく過程で、私はとある城塞都市の外れにある巡礼路で、一人の「放浪する司祭」というNPCと出会った。

 

 司祭の依頼は、彼が失った「聖典の一節」を、悪魔系のモンスターに占拠された古い遺跡から取り戻すという、難易度の高いものだったが、レベル100になり装備も新しくした私にとってはそこまで苦戦せず、簡単にクリアした。

 

 「ああ、感謝します、冒険者様。これで、私の巡礼の旅を再開することができます」

 

 司祭は深々と頭を下げると、依頼の規定報酬の他に、特別な情報を提供してくれた。

 

 「貴女様ほどの力を持つ方であれば、いずれ『運命の岐路』に直面するでしょう。その時に役立つかもしれない情報です。遠い昔、この世界には、『使用者の力を過去に回帰させるアイテム』が存在したと伝えられています。それは、魂を清算し、新たな道を選ぶことを許す、奇跡の品だとか」

 

 (力を過去に回帰させるアイテム……? もしかして、探してるレベルダウンに関連するアイテムのこと⁉)

 

 私の心臓が高鳴る。しかし、司祭はそれ以上の詳細は知らなかった。

 

 「そのアイテムについてのより詳しい情報は、このミズガルズ大陸で最も神聖な場所におられます、大聖堂の聖女様がお持ちのはずです。彼女は神に最も近く、運命の理に精通しておられます」

 

 私はすぐに司祭に礼を言い、ミズガルズ大陸最大の規模を誇る城塞都市にある大聖堂へと、近くの城塞都市に設置されている転移門を使用して向かった。

 

 大陸最大の城塞都市の中心にそびえ立つ大聖堂は、壮麗の一言に尽きた。その白い大理石の壁と尖塔は、信仰の堅固さを象徴しているかのようだ。

 

 私は大聖堂に到着し、早速聖女との面会を求めた。しかし、大聖堂の入り口を守る聖騎士NPCに、丁重に告げられた。

 

 「聖女様は、神の御業に専念されており、容易にお会いすることは叶いません。面会を望まれる冒険者様は、まず大聖堂が与える『神聖なる試練』をクリアしなければなりません」

 

 課された『試練』は、悪魔を崇拝する邪教団の殲滅、堕ちた天使の討伐、大陸中に散った聖遺物の回収という、レベル100のプレイヤーにとっても手間のかかる高難易度の連続クエストだった。

 

 (すごく大変な内容だけど、聖女に会うためだし仕方ないわ。)

 

 私は数日間を費やし、与えられたすべての『試練』を、一つずつ確実にクリアしていった。

 

 その試練の最中、私は大陸中に散った聖遺物の回収の過程で、私のUIに再びメッセージが表示された。

 

 * 新クラス《職業》の解放条件を達成しました! *

 * 最上位クラス:◆◆◆◆◆◆を取得 *

 * 条件: 不明。

 * 警告: 現在レベルの空きがないため、このクラスを取得することはできません。

 

 (何で取得できるようになったのかわからないけど、とりあえず最上位クラスを取得できるようになって運がいいわ。)

 

 この最上位クラスの解放に、レベルダウンアイテムの情報を得る必要性をより一層強く認識させた。

 

 

 試練を完全にクリアした私は、ついに聖女との面会を許可された。

 

 大聖堂の内部は、外観の荘厳さとは裏腹に、静寂に包まれていた。私は二人の聖騎士NPCに付き添われ、神聖な礼拝堂の入口まで案内されて、

二人の聖騎士は入口の一歩手前で足を止め、一人が扉を叩き、中にいるであろう聖女に面会の許可を求めた。

 

 「リリーバイス様、どうぞお入りください。聖女様より許可が出ました」

 

 私は深く息を吸い込み、静かに重厚な扉を押して中へ入った。

 

 礼拝堂内は、息を呑むほど広い。正面と左右の壁には巨大なステンドグラスがはめ込まれており、外の日の光がそれらを透過することで、堂内に色鮮やかな光の粒子が降り注いでいる。その光と、静謐な空気が織りなす空間は、神秘的で荘厳な雰囲気を醸し出していた。

 

 (この神聖さ……ゲームであることを忘れてしまいそうだわ)

 

 私の視線は自然と、正面奥の祭壇へと引き寄せられた。

 

 祭壇の前には、一人の人物がいた。その人物は、白を基調とした美しい修道服を纏い、目を閉じ、両膝を地面について静かに祈りを捧げていた。聖女の背中しか見えていないが、そのたたずまいだけで、深い信仰と神聖さが伝わってくる。

 

 私は教会の雰囲気に圧倒されながらも、目的を果たすため、ゆっくりと静かに聖女に近寄っていく。私の足音が石畳に吸い込まれていく中、聖女と私の距離が二メートルほどになったあたりで、彼女は祈りの姿勢を解いた。

 

 そして、まるで私が来たことを最初から知っていたかのように、ゆっくりと静かに、こちらを振り向いた。

 

 こちらを向いた聖女の見た目は、まさに神聖そのものだった。腰まである金色の髪は、光を浴びて神々しく輝き、その瞳は見る角度によって色が変わる、不思議な輝きを宿していた。顔立ちは、美人というよりも、守ってあげたくなるような可愛らしい系で、年齢は15~16歳ほどに見える。彼女が纏う、白を基調として細部を金で装飾した修道服が、その神聖さをより際立たせていた。

 

 私はその穢れのない純粋な美しさに見惚れ、一瞬、言葉を失った。しかし、すぐに元々の目的を思い出し、私は心を落ち着かせ、聖女に話しかけるために口を開いた。

 

 「この度は、お時間をいただき、誠にありがとうございます。」

 

 私の言葉に対し、聖女は微笑み、その見る角度で色を変える不思議な瞳を私に向けた。その口調は、ゆっくりとされど遅すぎず早すぎない、清廉さを感じさせる、非常に聞き取りやすい話し方だった。

 

 「貴女こそ、神に選ばれし輝く戦士。貴女が踏破した試練は、貴女の清き魂と強き力を証明しました。神々は、貴女の献身に深き感謝と、尽きることのない祝福を送ることでしょう」

 

 聖女の言葉は、その一つ一つが澱みなく、聖歌のように優雅に響いた。

 

 「貴女に、試練を突破したことへの正当な報酬を授けましょう。そして同時に、貴女がその試練を乗り超えた、『選ばれた者』であるからこそ託せる、個人的な『願い』があります。清き魂を持ち、この大聖堂の試練をクリアできるほどの強き者、貴女のような方にのみ、私自らが依頼をしたいことがあるのです」

 

 私は彼女の言葉に謙虚に応えた。

 

 「聖女様の過分なご称賛、身に余る光栄に存じます。報酬を頂けるというだけでも十分でございますが、選ばれた者に託されるという『願い』、是非お聞かせ願えますでしょうか」

 

 聖女は静かに目を閉じ、再びこちらを見据えて依頼を告げた。

 

 「私の願い、それは、『堕天せし者』を討伐することです。貴女には、この世界のどこかに存在し、彼が隠れ潜んでいるとされる秘匿されし古代神殿を発見し、その地下最奥にいるであろう彼を捕らえるか、それが難しければ討伐していただきたい」

 

 聖女はここで一旦言葉を区切り、まっすぐ私を見つめた。

 

 「さらに、彼は非常に危険で強力なアイテムである世界の欠片、そして、貴女が探しているであろう回帰に関するアイテムを所持していることを確認済みです。これらは非常に危険な品です。最大限の注意を払っていただき、どうか彼のものを倒した後、これらのアイテムを回収していただけないでしょうか」

 

 『回帰に関するアイテム』という言葉を聖女から聞いた瞬間、私の心臓は高鳴った。司祭から得た情報が正しかったことが確信できた。この依頼こそが、私が求めていたものだ。

 

 聖女が話し終えると、彼女は純白の修道服の袖から、二つの品を取り出した。一つは、使い込まれてボロボロになった一部が破けた地図。もう一つは、長年の潮風に晒されたように見える、錆びた鍵だ。

 

 彼女が私にこれらの品を渡そうと腕を伸ばしたその一瞬、修道服の袖口からわずかに覗いた彼女の手首が、まるで人形の球体関節のように見えた気がした。あまりにも清廉な聖女には不似合いな、違和感のある光景だったが、それは本当に一瞬のことで、すぐに袖に隠れて見えなくなった。

 

 「これらは、貴女が辿るべき道の、最初の手がかりとなるものです。貴女の知恵と力をもって、この道を辿ってください。この依頼のクリア報酬は、彼のものを倒し、大聖堂に戻られた際に、私自ら貴女にお渡しいたしましょう」

 

 聖女は静かに、私をまっすぐに見つめた。

 

 「試練を踏破せし者よ。私は、貴女の旅に直接同行することは叶いません。とある事情により、この大聖堂を離れることができないのです。この無力さをお許しください。ですが、私の魂は常に貴女と共にあります。貴女がこの依頼を達成されることを、心より祈っております」

 

 私は、彼女の目を見て、決意を込めて答えた。

 

 「聖女様、ご心配には及びません。謝罪などされる必要もありません。私にとってもこの依頼は、自身の目的を叶えるためにも必要なことなのです。必ずや依頼を成就させてみせましょう」

 

 私は力強くそう誓うと、聖女と静かに握手をした。

 

 私は改めて聖女に、今回謁見してくれたことへの感謝を述べ、礼拝堂の入口へと引き返した。扉の外で待機していた聖騎士に扉を開けてもらい、教会の外へと足を踏み出した。聖女は、扉が完全に閉まるまで、静かに扉の方を向いていた。

 

扉が完全に閉ざされると、聖女は再び祭壇前まで行き、祈りを再開するのだった。




ワールドメモ①
・9つのワールドにはそれぞれ1人ずつ最重要NPCがいるよ。
・ワールドストーリーや特定のイベントに関わってくるのでそれぞれが特殊な出自、職業、種族で、何かしらに超特化してるよ。
・基本的にプレイヤーには倒せないようになってるよ。(例外あり)
・これらNPCたちが課す試練をクリアすると特定条件下でのみ依頼をしてくることがある。
・まさか最重要NPCを消そうとするやつはいないよねぇ?
→ということはもしかして聖女は...

運営コメント
「プレイヤーが簡単にクリアできないように試練を超難しくしてやったぜ」
 主人公がクリアしたことを知る
「ファッ!?」「い..いや、まだ大丈夫。 さ..さすがに特定条件は満たせてないやろ」
 ログを確認
「えぇ〜(唖然)」

ゴッデス部隊メンバー(指揮官も含む)をプレイヤー側で登場させても良いですか?

  • 良いよ
  • だめ
  • 作者にまかせます
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