OVER×GODDESS〜異世界童話〜   作:Ark’s

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何とか続きました。
プロットは結構思いつくんですが、文章にして詳しく描写するのがむずかしいですねぇ~



初戦闘 ーー職業取得ーー

 

 ユグドラシルのダウンロードが完了した瞬間、胸の奥がざわめいた。長い勤務や訓練で溜まった疲れを忘れ、私は迷わずログインを選択する。そこから先は、現実とはまるで異なる、未知の世界への第一歩だった。

 最初に表示されたのは、キャラクターメイクの画面。

 

「ようこそ、ユグドラシルへ。あなたの分身を作成してください」

 そんな案内が浮かび、私はゆっくりと視線を画面に走らせる。

 

 ――名前を決めてください。

 そう促されて、すぐに一つの名前が脳裏をよぎった。

 

 「リリーバイス」。

 

 かつて「勝利の女神:NIKKE」で、人類をラプチャーから救うために戦い続けたゴッデス部隊のリーダー。その名を、私は思い出していた。

 初めてゲームで彼女を見たとき、不思議な親近感を覚えた。外見も雰囲気も、どこか自分に似ている。いや――似ているだけではない。彼女の名に込められた「白い百合」という意味は、まさに私自身の名前「百合(ゆり)」とも重なっていた。

 

「……決まりね」

 私は微笑みながら、迷わず名前欄に『リリーバイス』と入力する。

 

 ――次に、見た目を決めてください。

 髪型、瞳の色、輪郭、体格。数多くのスライダーが並ぶが、私はほとんど手を加えなかった。現実の自分がそのまま映し出されたかのように、ショートヘアにピンクのインナーカラー、紺色の瞳を持つ童顔の少女が画面に現れていたからだ。

 唯一の違いは瞳の奥。リリーバイスには「しいたけ目」と呼ばれるような輝きがあったが、私の瞳にはその光はまだ宿っていない。けれど、それすらも含めて私だと思えた。

 

 ――最後に、種族を決めてください。

 画面には、人間種・亜人種・異業種の三つが表示される。人間種にはエルフやドワーフも含まれているが、最も基本で汎用的なのは「人間」。

 亜人種のゴブリンやオーガ、あるいは異業種の天使や悪魔などもあった。だが、私はすぐに答えを出していた。

 

「人間――これしかないわ」

 

 私の理想を一番反映できるのは、やはり人間種の人間だった。

 すべての設定を終えると、キャラクターは完成画面に立っていた。画面の中で、リリーバイスが静かにこちらを見つめる。

 私は深く息を吸い、胸の内で決心を固める。

 

「この世界では、私の理想を追い求める。リリーバイスとして、正義の味方を演じきる」

 

 ログインボタンを押した瞬間、視界が白く光に包まれていった。

 現実の私と、ゲームの私。二つの人生が、今、交わろうとしている。

 

 ――視界が光に包まれたあと、私は静かに目を開けた。

 そこに広がっていたのは、現実とはまるで異なる世界。石畳の広場、赤茶色の屋根が連なる街並み、遠くにそびえる白亜の城壁。青空に映えるその景観は、まるで中世ヨーロッパをそのまま切り取ったような美しさを持っていた。

 

「ここが……ユグドラシルの世界……!」

 

 私がリスポーンしたのは、9つあるワールドのひとつ、ミズガルズ。その中でも「ベリャンスタッド」と呼ばれる城塞都市だ。観光絵画でしか見たことのないような街並みが現実感を持って迫ってくる。石造りの噴水の音、風にそよぐ旗、街角で話し込むNPCの声。その一つひとつが本物の世界のようで、私は思わず息を呑んだ。

 

 ふと気づけば、私の視界にはいくつものUIが浮かんでいた。

 右上には現在の時刻。中心上部には【ワールド:ミズガルズ/ロケーション:ベリャンスタッド】と表示されている。左上には、私の名前『リリーバイス』、レベル1、体力ゲージとMPゲージ、種族:人間、カルマ値0。さらにその下には、NPCの会話やシステムの案内が流れるログウィンドウ。右下には小さなミニマップがあり、今自分がいる場所が光点として表示されている。

 そして視界の中央には、半透明のウィンドウがぽんっと浮かび上がった。

 

『ようこそユグドラシルへ! コンソールの開き方は――』

 

 そこには、ゲーム操作のチュートリアルが丁寧に記されていた。コマンドを入力する方法、視点の操作、ステータス確認の仕方……。その説明が現実さながらの視覚体験で目の前に現れるのだから、まるで自分がもう一人の「リリーバイス」として本当にそこに立っているようだった。

 私は目を閉じ、ゆっくりと深呼吸した。

 遠くから鐘の音が響いてくる。広場を行き交う人々――NPCやプレイヤーたちが笑顔で通り過ぎていく。

 

「……始まったんだ。ここからが、もう一つの私の物語……!」

 

 胸の奥からこみあげてくる高揚感と、抑えきれない期待感。

 現実ではどうにもならない社会の矛盾や格差があった。だがこの世界なら、私は理想のままに戦える。

 リリーバイスとして、正義を貫くことができる――。

 

 私はまず、城塞都市ベリャンスタッドを一通り歩いてみることにした。

 市場には果物やパンを売る店、武具屋には初心者用の剣や盾が並び、路地裏では露店の薬師が客引きをしている。NPCたちの何気ない会話にまで命が吹き込まれているようで、ただ歩いているだけでも胸が躍った。

 けれど、ただの観光客で終わるつもりはない。

 

 この世界で理想を追い求め、正義を貫くためにまずは力をつけなければならない――名前に恥じない行動を、自分自身に課すのだ。

 私は城門へと足を運び、外の草原へと出る。そこには、青いゼリー状のスライムや、木の枝を振り回す小柄なゴブリンたちが姿を見せていた。序盤の冒険者にとっては定番の相手だ。

 

「よし、まずは経験を積まなきゃね」

 

 腰の剣を抜き、最初のスライムへ斬りかかる。数度の斬撃で相手は光の粒子となり、跡形もなく消えていった。

 ――順調な滑り出し。だが戦闘を重ねるうちに、ステータス画面に小さな警告が点滅していることに気づいた。武器の耐久度ゲージがみるみる赤く減っていく。

 

「え、こんなに早く……?」

 そして五体目のゴブリンを倒したとき、剣は甲高い音を立てて砕け散った。残ったのは無様な柄だけ。

「……っ、仕方ない」

 立ち止まる暇はない。次の瞬間、牙をむいたコボルトが草むらから飛びかかってきた。

 私は即座に拳を握りしめる。

「なら……素手で戦うまでよ!」

 

 渾身のストレートを叩き込み、続けざまに蹴りを繰り出す。武器に頼らない肉弾戦は荒々しく、それでいて自分にしっくりくる感覚があった。敵は呻き声を残し、光の粒子となって霧散する。

 その後も拳でモンスターを次々に倒していくうちに――

 

 * LEVEL UP! 1 → 2 *

 

 視界の端に光る文字が浮かび、心臓が跳ね上がる。続けて、もう一つのアナウンスが現れた。

 

 * 新クラス《職業》の解放条件を達成しました! *

 * クラス:ファイター(格闘家)を取得

   条件:武器を装備しないで素手で一定以上のモンスターを倒す *

 

「格闘家……」

 口の中でその言葉を転がす。剣ではなく拳を選んだことが、この結果につながったらしい。

 だが不思議と、不安はなかった。むしろ、拳で戦うことこそが、自分の理想を貫く正義の手段だと確信できる。

 私は砕けた剣の残骸を見下ろし、小さく笑った。

 

「武器なんていらない。素手で戦えるなら、それでいい」

 

 拳を握りしめ、草原の風を切るように突き上げる。

 この世界での物語は、ここから本当に始まるのだ――名前に恥じない行動を、自分自身に誓いながら。

 

 その後も私はモンスター討伐に熱中した。スライム、ゴブリン、コボルト……序盤の冒険者にとって手ごろな相手たちを次々に打ち倒す。武器はもう使えない。だが、素手で戦う感覚は、思った以上に自分に合っていた。敵を打ち倒すごとに、体の芯に力がみなぎる。

 数時間の戦闘を経て、画面の端に再び光る文字が現れた。

 

 * LEVEL UP! 2 → 3 *

 * LEVEL UP! 3 → 4 *

 * LEVEL UP! 4 → 5 *

 * LEVEL UP! 5 → 6 *

 * LEVEL UP! 6 → 7 *

 * LEVEL UP! 7 → 8 *

 * LEVEL UP! 8 → 9 *

 * LEVEL UP! 9 → 10*

 

 ――レベル10。拳だけで戦い続けた成果が確実に実感できる。下位職「ファイター(武闘家)」の成長を感じながら、私は草原の奥へ進んでいった。

 道中、ゴブリンたちを軽やかに打ち倒していくうちに、体が以前よりも敏捷に反応することに気づく。跳躍しながら敵の攻撃を避け、連続で拳を叩き込む。自分でも驚くほどの速さで、敵の間合いを制圧していた。

 その瞬間、画面の端に新たなアナウンスが浮かび上がる。

 

 * 新クラス《職業》の解放条件を達成しました! *

 * クラス:ストライカーを取得

   条件:連続攻撃と俊敏な回避で一定数以上のモンスターを撃破する *

 

 拳だけで戦い、素早く動き回り、敵の攻撃をかわしながら討伐を重ねたことが、自然と条件を満たしていたらしい。

 

 「ストライカー……か」

 

 口に出してつぶやく。戦闘スタイルが、よりスピードと連撃を活かした方向に進化したことを示す名前だ。これなら、素手で戦い続けた自分の流儀に合致する。

 中位職以上になるとパッシブスキルが解放されるらしいことは、どこかで聞いたことがある。しかし具体的にどのスキルが発動するのかはわからない。システムの細かい仕組みは、プレイヤー自身が試行錯誤して探すしかないのだ。

 

 私は拳を握りしめ、空を仰ぐ。疲れはあるが、心は充実していた。素手で戦い続けることこそ、自分が目指す正義を体現する手段なのだと確信できる。

 街へ戻る途中、掲示板や通行人のNPCが目に入る。討伐や探索、届け物――些細なことでも人々を助けられるなら、私は全力で関わるつもりだ。理想の正義を体現するには、まず行動すること。

 

 今日、私はこの世界での新たな一歩を踏み出した。拳を握る手に力を込め、次の依頼へと向かう――小さな善行の積み重ねが、やがて大きな力となることを信じて。

 





ここまで読んでくださりありがとうございます!
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また、一応チェックはしてますが誤字脱字などがあればどんどん報告ください。

※作者の実力不足ですみません。
掲示板回も予定していますが私自身が使用したことがないのでどのように書けば良いか分かっていません。
なので出来ればで良いのでスレの住人(1プレイヤー視点)のレスネタを提供して欲しいです。 (活動報告にて募集してます)

ゴッデス部隊メンバー(指揮官も含む)をプレイヤー側で登場させても良いですか?

  • 良いよ
  • だめ
  • 作者にまかせます
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