OVER×GODDESS〜異世界童話〜   作:Ark’s

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何とか書き上げました。戦闘描写まぁぁじで大変でした。
本当は昨日投稿する予定だったんですけどねぇ。

それでは第五話の内容をお楽しみください。


ダンジョン攻略 ーーイレギュラー出現⁉ーー

 ダンジョンに入ると、冷たい空気が肌を刺した。内部は石造りの通路で、松明の炎が揺らめく薄暗い空間が広がっていた。小規模ダンジョンという触れ込みだったが、独特の湿気と血臭が混ざったような臭いが鼻をつく。

 

(昨日の警察の仕事の疲れも残っているけれど、この緊張感がたまらないわね。サービス開始二日目で、こんな本格的な依頼を受けられるなんて、本当に運がいい。装備も更新したし、いけるところまで行こうかしら)

 

「戦闘開始、と」

 

 最初の曲がり角。松明の明かりが作る影から、三体のゴブリンがショートソードを構えて飛び出してきた。私はすぐにマスターファイターのスキル【観察眼】を発動する。

 

【ゴブリン・ソルジャー】 レベル:12, 10, 14

 

(レベルは15以下。ウォーミングアップには丁度いいかな)

 

ドォン!

 

 地面を蹴り、一気に間合いを詰める。三体は驚いたように武器を振り上げるが、その動きは私の目にはスローモーションのようだ。

一体目のLv.12のゴブリンが振り下ろした剣を、最小限の動きで回避し、その勢いを殺さずに、二体目のLv.10のゴブリンへと流れ込む。その腹部に、体重と慣性を乗せた掌底を叩き込む。衝撃は深く体内に響き、ゴブリンは光の粒子となって消滅した。

 

 すぐに体勢を反転させ、背後から迫るLv.14のゴブリンの剣を左腕で弾く。その剣を持つ腕の関節目掛けて、短い肘打ちを打ち込む。関節に響いた痛みで、ゴブリンは一瞬怯んだ。

 

 私はその隙を見逃さず、頭部へ容赦なくフックを叩き込み、二体目も崩れた。

残る一体は、仲間があっという間にやられ動きが完全に停止している。私はそのゴブリンの持っていた剣を素手で受け止め、力を加減して奪い、地面に叩きつけた。そして、防御の甘い腹部へ深くボディブローを叩き込んだ。それにより三体目も光となって消滅した。

 

「ふう、完了。攻撃も全然食らってない。初の複数同時相手にしては上出来かな」

 

 私は満足げに頷く。この戦闘で、強力なスキルによる攻撃も使う必要はなかった。ソルジャーくらいの敵には、素手で極めた格闘技だけで、無傷で対応できる。私はこの調子で、さらに奥へと進んだ。

 

 通路を進むうちに、迷宮の構造は複雑になっていく。一つの広間で、再び敵の集団と遭遇した。

 

(今度のは面倒な組み合わせだわ)

 

【ゴブリン・ソーサラー】(Lv.15)【ゴブリン・アーチャー】(Lv.14)二体【ゴブリン・ソルジャー】(Lv.13, 11)二体の五体構成だ。

 

(最優先はソーサラー。遠距離からの魔法攻撃は、喰らったら流石にきつい。絶対に喰らわずに距離を詰める必要がある。ソルジャーを盾にしているけれど、一気に間合いを詰めるしかない)

 

私は、立ち止まることなく突撃を開始した。ソルジャーたちが迎え撃つために突進してくるが、私の動きの方が速い。

ソーサラーの詠唱が終わり、杖の先端から赤く燃える炎の球が放たれる。同時に、アーチャー二体から矢が飛来する。

 

 私は炎の球の位置を見極め、左へ大きく飛び退くことで魔法攻撃を回避。爆音と共に炎が壁を焦がす。その直後、アーチャーの矢が迫るが、私は既にソルジャーの懐に潜り込んでいた。回避と同時に、ソルジャーの頭上を跳躍で飛び越え、完全に意表を突かれたソーサラーの懐に飛び込む。

 

 ソーサラーは驚愕に目を見開く。魔法の杖を慌てて盾にしようとするが、私はその防御を無視し、力を込めた突きを胸の中心へ打ち込んだ。

 

バシュッ!

 

 魔法の脅威は瞬時に消滅。これで、最も危険な遠距離攻撃を排除した。

 

 残る四体のうち、アーチャー二体が弓を捨ててナイフを構え、近接戦闘に移ろうとする。私はその動きよりも速く、最も近くにいたソルジャーの胴体に跳び蹴りを放った。ソルジャーは悲鳴を上げる間もなく光となり、その勢いでアーチャー一体を巻き込み、戦線から排除した。

 

 残りのアーチャーとソルジャーが同時に私に襲いかかってきた。彼らは連携を失い、単なる個人攻撃になっている。

私はその攻撃を、完璧なフットワークと体捌きでかわす。二体の剣が交錯した瞬間、私はその隙間に入り込み、一体ずつ連続で膝蹴りを叩き込み、消滅させる。

 

 最後に残ったアーチャーは、抵抗を諦め、恐怖に顔を歪めている。私はアーチャーに向かって静かに歩み寄り、短剣による無謀な突きを素手で絡め取り、そのまま地面に叩きつけ投げ飛ばした。アーチャーも光となって消滅した。

 

「ふう……危なげなくクリア。ここまでの敵を無傷で倒せた。これだけ動けると、本当に気分がいいわ」

 

 私はわずかに乱れた呼吸を整え、道中の敵は全て無傷で突破したという事実に満足感を覚える。このダンジョン、このレベル帯だったら私の敵ではない。

 

 迷宮の最奥。巨大な石扉を抜け、私はボス部屋へと足を踏み入れた。

部屋の中央、岩の玉座に、黒く巨大な鎧を纏ったゴブリンが座している。その威圧感は、道中のゴブリンたちとは比較にならない。

私はすぐにマスターファイターのパッシブスキル《観察眼》を発動させた。

 

ダンジョンボス:【小鬼の将軍(ゴブリン・ジェネラル)】 レベル:35

 

(Lv.35……!私のレベルを三レベルも上回っている。このダンジョン攻略のラストに相応しい敵ね!)

 

私がゴブリン・ジェネラルを視界に捉えた瞬間、ジェネラルは重々しい咆哮を上げ、地面を踏み鳴らした。青白い光と共に、五体のゴブリン・ソルジャー(Lv.15)を召喚された。

 

(ジェネラルを相手しながら、他を相手するのはきつい。ここは速攻でボスを潰す!)

 

私は迷わずジェネラルへ突撃する。周囲のソルジャーが私を囲むが、ジェネラルの巨大な大剣の攻撃範囲を計算に入れ、あえてソルジャーに突っ込む。ソルジャー二体を瞬時の判断で処理し、ソルジャーの巨大な大剣の横薙ぎの攻撃を回避しようとするが、想像より攻撃スピードが速く攻撃を喰らってしまい、衝撃で全身が痺れる。

 

ザンッ!

 

ジェネラルの重い一撃は私のHPを大きく削る。体勢が崩れかけた瞬間、別のソルジャーが放った不意の突きのショートソードが、私の左肩を僅かに貫いた。

 

「ちっ……!」

 

 私のHPゲージがジェネラルとソルジャーの攻撃で目に見えて減少し、緑のバーがわずかに黄色に近づいた。数値で言えば、フルHPの5割程度削られた。すかさず、ジェネラルの追撃の回転蹴りが飛んでくる。それを避けたものの、靴底が私の右頬を掠めた。

 

 HPゲージがさらに減少した。これ以上は危険だ。

 

(流石にこれ以上はまずいかも、防ぎきれない。ソルジャーを無視してジェネラルを仕留める。スキルを使うなら、今この瞬間!)

 

 ジェネラルが大剣を頭上から振り下ろす、私はその攻撃を左に回避しながら、大剣の側面に向けて迷わず、ストライカーLv.15で取得したスキルを発動する。

 

「【剛破】!!」

 

 左拳に赤色のエフェクトが発生する。振り下ろされた大剣の側面、中央目掛けて水平に拳を突き出した。

 

バキンッッッッ!!

 

 ジェネラルの巨大な大剣は、その刃の中央から派手に砕け散った。武器を失ったジェネラルは、動揺で動きが一瞬停止する。これで、やつは最大の攻撃手段を失った。

 

 私はこの猶予を見逃さない。残るソルジャーを無視し、武器を失い体勢の崩れたジェネラルの懐へ飛び込む。 次に発動させたのは、私のもう一つの職業、ファイターのレベルを15にしたことで取得した、相手の物理防御の10%を無視して貫通ダメージを与えるスキルだ。

 

「【二衝】!!」

 

 白く透き通ったオーラエフェクトが、私の拳と脚に爆発的に集中する。

 

 一衝。ジェネラルの鎧の隙間、腹部を狙った回転蹴り。

 

ドガァッ!!

 

 ジェネラルの巨体がよろめき、その鎧越しにもダメージが貫通する手応えがあった。ジェネラルの防御が完全に崩れる。そして、体勢を崩し、 無防備になった胸の中心目掛けて、二衝目、全霊を込めた渾身の正拳突きを打ち込んだ。

 

ズドォォォン!!!

 

 部屋全体が震動し、ジェネラルは鎧ごと光の粒子となって崩壊し、消滅した。

ボス討伐に伴い、召喚されていたゴブリンソルジャーも、召喚主を失い、霧散するように消滅していった。私は拳を握りしめ、勝利を噛み締める。依頼の達成だ。

 

「ふう……!やった!勝ったわ!」

 

 連戦による疲労と、格上の強敵を倒した達成感が、私を支配する。この瞬間、私の集中力が、わずかに緩んだ。

 

 その瞬間、将軍が座していた岩座の奥、ボス部屋の最も奥の壁に、青い閃光が走った。 私はその異常な魔力の変動に、疲労困憊の体を押して顔を上げた。 壁の石が、まるで水面のように波打ち、その中心から、巨大な魔法陣がゆっくりと、しかし確かな力をもって出現したのだ。それは、禍々しいシンボルで満たされていた。

 

(あれは、いったい…? このダンジョンは、さっきのボスを討伐したから終わりのはず。)

 

 魔法陣の中心が、濃密な闇を吐き出すように黒く塗りつぶされていく。そこから、異形の存在が這い出るように現れ始めた。

 

 最初に、鋭く伸びた漆黒の長い指が、魔法陣の縁を掴んだ。次に、全身を覆う闇色の皮膚と、しなやかでありながら異様に長い腕。そして、背中に生えたコウモリのような巨大な翼が、石室の空気を切り裂くように広がる。

 

 その存在は、完全に魔法陣から抜け出た。全身真っ黒な体躯は、人間の形を歪ませたような姿をしている。頭には鋭く捻じれた角が生え、口元からは鋭い牙が覗いている。何よりも異様なのは、その目だった。白目の部分がすべて黒く染まり、中心の瞳孔だけが禍々しい赤色に光っている。

 

 私は戦慄を覚えた。これは、このダンジョンの敵ではない。こんな序盤のダンジョン内に出現して良いレベルの敵じゃない!

 

 驚きながらも、私の体は反射的に動いていた。

 

 私はその異形の存在に視線を集中させ、スキル【観察眼】を発動した。

 

逸脱の悪魔(デヴィアントゥス)】 レベル:??

 

(っ……レベルが表示されない!?そんな、ありえない!)

 

名前は確認できたが、その横のレベルは「??」と表示されている。レベル5以上の差がある敵に対し、正確なレベルが表示されないことはあるが、「??」と表示されるのは、通常、プレイヤーのレベルより遥かに上の相手だけ。つまりはレベル差が最低でも10以上も上!?

 

異形の存在——デヴィアントゥスは、その禍々しい真っ赤な瞳で、私をゆっくりと見据えた。 その瞳には、まるで獲物を見つけたかのような、冷酷な光が宿っていた。

 

 





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今後の投稿について
詳しくは活動報告に挙げてます

ゴッデス部隊メンバー(指揮官も含む)をプレイヤー側で登場させても良いですか?

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