SAMULION ~まじっくナイトはご機嫌ナナメ☆~ 作:Croissant
シリアスなフリしたギャグであり、ギャクのフリしたシリアス。
オポンチなヒロイン出まくりで、原作も崩壊します。
が、アンチはしません。下手ですからw
アンチやヘイトの“フリ”はしますが……
ともあれ――
時代劇風でアニメ的なおはなし、はじまります。
まず感じたのは
接近を
真剣勝負。
刃を交えていた最中だったというのに、愚かにも気をとられずにはいられなかった。
「な、
先程まで対峙していた相手も何時の間にか剣を下ろし、呆然とした表情で
その
現にその言の葉にも敬いが感じられる。
何合と剣を打ち合ったから解るが、相手はかなりの使い手。
負けるつもりは更々無いが、それでも気を抜くような愚行を犯せば刹那に打ち倒されてしまうだろう程。
そんな“彼女”が、敬っている。
そして途轍もない存在感をこちらに放っている。
ヲォヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ………
低く、それが唸る様な声を漏らした。
たったそれだけの事で周囲の空気が震える。
その声の圧力によって周辺の土煙が吹き飛び、その巨躯が露となった。
「な……っ!?」
じわりと剣を握る手に汗が滲んだ。
緊張等といったレベルではない。
おぼろげな記憶の所為で確かとは言えないが、それでも己が人生で感じた事がないほどの“恐怖”が胸の奥から湧いてきているのだ。
自分が身に着けている鎧は頑丈さに定評のある
それも守護騎士として纏っているものであるから特殊なものだ。
だが、そんな護りもあれを相手にするのなら紙くずのようなものだろう。
直感がそう訴え続けているのだ。
あれを相手にするのなら、死ぬか
しかし――
「シャマル……ッ」
その強大なる者の足元には仲間がいた。
意識を失い、うつ伏せに倒れ伏しており、四肢にも力は無い。
しかしぴくりとも動きを見せてくれないものの息はあるようだ。
だからと言って無事だという根拠にはならないのだが。
何せ生きていて欲しいという願望混じり。その確率が高いとは言えない。
ならば尚更――背中を見せる事は出来ない。
そう不退転の覚悟を決めると、剣に意識を落としてそれを睨みすえた。
ヲ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ……
自分より一回り以上大きいその身体。
漆黒の甲冑。
目の部分には闘気が篭っている赤い輝き。
――正に、黒騎士。
幾百戦という剣林を超え、
長らく生きた自分を圧倒する
感じられる魔力こそ低いが、そんなもの何の目安にもならない。
伝わると言うよりは、叩き付けられるように感じる気がそれを物語っている。
「……キサマ、一体何者だ?」
まるで自分を奮い立たせているようだ。
そう自覚しつつも、彼女はそう問うた。
「な…っ 無礼なっ!!」
しかし反応したのは先程まで自分が戦っていた相手。
ほとんど八つ当たりのような理由で襲撃をかけてみれば、その
その非礼にもかかわらず刃の交わりを快諾してくれた剣士。
直ぐに容姿への驚きよりその技量に驚かされたものでったが……
「こちらにおわす方を何方と心得る!!」
やはりこの騎士と知り合い――いや? どうも主従関係のようだ。
あれにはそんな刹那の隙という長い時間があれば十分なのだから。
「このお方こそ誰あろう、神代の時代より受け継がれた最高峰の剣槍の使い手!!
比類なき強さと見通すこともままならぬ大きな器を持つ我が主!!」
やぁやぁ
近くば寄ってしかと見よ
真の武士 真の強者 天上天下に比類なし
剣槍持ちいて数多を薙ぎ
呪力用いて破邪を成す
弱者に御手を 悪業には滅を
勇と優とを力に変えて、彼方から此方へと進撃を成すその御方
御名を聞いて
その名も―――!!!
――これは偶然が生み出したおとぎ話。
一人の奇運な青年が手にした力が巻き起こす、不幸を打ち壊す物語――
-SAMULION-
~まじっくナイトはご機嫌ナナメ☆~