これ、クロスオーバーに入るのか?
理性を取り戻した俺は、彼女を治療して話を聞くことにした。
「実は……親から捨てられて……」
「捨てられたのか……人里の子か?」
「うん……お兄さんは、妖怪なの?」
「あぁ。俺は……人喰い妖怪だ」
「えっ__」
怖がらせてしまったか。まあ無理もない。でも安心したまえ。人を喰うのは滅多にしない。
「俺は滅多に人を食べない。だから安心しろ」
「そっか。……その、一緒に住んでもいい?」
「……いいが、住みずらいぞ?」
「いいの。安全でしょ?」
「そう、だな」
子供の気持ちがわからない年齢になってきた。これはまずい。これでは子供に嫌われない大人になる計画が守れなくなってしまう。
「さて、俺がこの人生で培ってきたサバイバル術を見せてやろう」
とってきた野鳥を捌き、生えていた素晴らしいハーブ*1を散らし、石板の上に獣脂を溶かしてその上にハーブを散らした肉を置いて焼く。
「おぉ……!」
じゅるり、と少女が音を立てて、いますぐ食べたそうに見ている。
「バターがあればなぁ」
と、愚痴をこぼしながら焼きあげ、葉っぱの皿に盛る。安全性は確保されている。
「い、いただきますぅ!」
「いただきます」
パクリ、と口に運ぶ。うん、いつも通りの美味さだ。
「こんなに美味しいなんて!」
「魔法の森、様様だな」
「ん〜♪」
日が暮れ、俺が寝る準備をしていると、少女が話しかけてきた。
「私、桜って言います。お兄さんのお名前は?」
「俺か?……レン、だ。よろしくな、桜」
「はいっ!」
頭を撫でてやる。「うへへ〜」と気持ちよさそうにしている。カワイイ!
「おやすみなさい、レン兄さん」
「おやすみ、桜」
桜を入り口から庇うようにして、添い寝する。
明日は、博麗神社に行って……、それから__
__翌朝、博麗神社__
「朝から参拝客?珍しいわね」
「あーその、俺はこの子を保護してもらいにきたんだ」
「……妖怪ね、あなた」
「ああ、そうだが?」
「妖怪が人間を保護?聞いたことないわね」
現博麗の巫女、「博麗霊夢」がそう言う。まあ無理もない。
「信じてくれなくてもいい。ただこの子を保護してくれ」
「罠じゃないわよね?」
「どんな罠だよ」
「……ま、それもそうね。来なさい。お茶出すから」
「ありがとうございます!」
「すまんな、そこまでしてもらうとは」
母屋?と言うんだっけ、住居に招かれる。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
「どうも」
高麗野あうん、という少女がお茶を持ってきてくれた。霊夢はというと、じっと俺を睨んでくる。
「アンタの能力とか聞いていなかったわね。この子_桜だっけ、めっちゃアンタの能力を褒めてるけど_が言うには、見たことも聞いたこともないスペカを使ってたじゃない」
「ああ。俺の能力は……」
どうしよう、言っていいんかな?「仮面ライダー」なんて幻想郷にはないし。うーん。
そうなのだ。
俺の程度の能力は、「仮面ライダーの力を扱う程度の能力」だ。よくあるクロスオーバー系能力。そして、わかりやすいし、俺には使いやすい能力だ。
……言おう。
「……『仮面ライダーの力を扱う程度の能力』だ。仮面ライダーってのはこの世界にはない存在だな」
「なんだぁそりゃ」
と、能力について説明していると。
「あら、珍しい客がいますね?」
「んあ?……銀髪メイド?」
「十六夜咲夜、でございます」
「ほぉん」
俺の推しの1人!咲夜だー!
……じゃなくて。
「何か用ですか?」
「ええ。お嬢様が
「ほぉん、……え待って「養う」?養うってなんだおい」
「ペットのような扱いでしょうね」
「うん喧嘩売られてるってことだな、買ってやるよ。高くつくぞ」
「待ちなさいよアンタ」
「ハハハ、売られた喧嘩はだいたい買ってやるよ」
そう言って、立ち上がった時。
「お嬢様」
「ご苦労様、下がってていいわよ」
「はい、失礼します」
もう一度言おう、目の前は紅魔館だった。
「は?」
さてさてどうなる主人公!ヒャッハー!