悪役令嬢、不登校を決める。   作:サイリウム(夕宙リウム)

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15:鍛錬の成果ですわ!

 

 

「よいしょー!」

 

 

いつも通り槍をぶん回しながら、突き刺したコボルトを壁に叩きつけ絶命させます。

 

今日も今日とてダンジョン日和。レイピアやら槍やら弓やらを振り回し、魔物を排除するには絶好のお天気です。まぁこのダンジョンは石壁に囲まれた暗室のようなものですし、お外が大雨だろうが豪雪だろうが関係ないのですが……。ともかくダンジョンを楽しむには最適な日です。

 

同じ学園に通う皆様が勉学に励んでいる間、わたくしはダンジョンを楽しむ! これほど素晴らしい時間の過ごし方はありません!

 

 

(あ、すいません嘘です。実は罪悪感の方が勝ってます。い、いや別に勉強してないわけではないんですけど、私だけズル休みして遊んでるのはちょっと心に来るものががが……。)

 

 

何故かダンジョンにいた主人公と出会ってから十数日。

 

ちょっとした友人にお手紙でお願いし、学園の様子を教えて頂いたのですが……。特に問題は無し。肝心の主人公ことノエルちゃんも無事遅刻扱いにならず、頑張って勉学に励んでいらっしゃるそうです。まだ貴族のしきたりなどに慣れていないせいか、少しぼーっとしていることが多いとのことですが、どうせ恋の病でしょう。

 

原作での話にはなりますが、コレぐらいの時期にほとんどの攻略対象とお会いし終わるはずです。誰を攻略するか決め始めたころ、ゲームでも少し『心ここに在らず』な状態になってましたし、その兆候と考えれば何も心配ありません。

 

 

(わたくしとしては、それが王子であることを願うばかりですわ! 何にも気にしませんので、お好きに寝取ってくださいまし~!!! ……ですが、まぁちょっと。うん。)

 

 

その情報収集をお願いした友人。貴族として交友を結んだ方なのですが……、彼女も私が大病を患っていると信じ切っている口でございました。いやまぁ体調不良という名目で2週間以上休んでいるのでそう勘違いなさるのは仕方のないことなのですが、文面から酷くこちらを気遣うようなお手紙を頂きました。

 

幾ら自身が生き残るためとはいえ、友人に心配をおかけするのは非常に罪悪感がヤバい状態。申し訳なさでいっぱいです。

 

というか他のお付き合いある貴族の皆様から更に色々頂いちゃってるので……、その対処にちょっと困っていたりもします。別に送って頂かなくても我が家とそちらの固い結束は崩れませんよ~ってな感じで送ってるんですけど、やっぱこういうのって貴族の見栄も関わってきますから、難しいものです。

 

 

(そう言えばあの子によると、殿下もなんか体調悪そうって話だったんですけど……。お風邪ですかね? まぁ主人公への恋の病なら万々歳なんですけど。)

 

 

ま、どうせあの人は私に興味ないのです。お付き合い程度のかるーい奴を送っておけばそれでいいでしょう。……あ、そうだ。ちょっと申し訳なさが天元突破しそうですし、『ちょっと体調が回復した』という名目であの子、お友達をお呼びしておきましょうか。

 

平民の子がちゃんと学べているか気に成る、って体で色々調べて貰いましたし。そのお礼もしなきゃなりませんからね~!

 

 

「よし! んじゃぁ気合入れ直してダンジョン攻略に戻りましょ……、と思ったらもう接敵ッ! ぶっ殺しますわ~!」

 

 

視界の端に見えた魔物らしき存在が3。それを確認した瞬間に、即座に意識を戦闘へと切り替えます。

 

鍛練の結果、よりスムーズになった動作で弓を引き、離す。寸分たがわず吸い込まれていくソレは、確実に蝙蝠型の魔物にヒット。即座にその命を刈り取ります。そしてその個体が地面に落ち切る頃には、再度矢を装填済み。しっかりと狙いをつけて放つことでコボルトの命も刈り取ることに成功。

 

一気に数的不利を同数までひっくり返したのを確認した後、抜刀。

 

刃の届く距離まで転がるように接近し、その喉笛目掛けて全力の一突き。相手の攻撃の信号が、脳から腕に伝達されるよりも早く、その命を頂戴します。そして即座にその場から離脱。背負っていた槍を引き抜きながら周囲の確認を終え、敵影が見つからなければ……。

 

 

「ふぃ。状況終了ですわ! んふ~! 大分できるようになったんではなくてッ! やはり鍛錬、鍛錬は期待を裏切りませんわ~!!!」

 

 

小さくガッツポーズをしながら、そう叫びます。

 

この前お酒の入った護衛の皆様から聞き出したところ、ダンジョン攻略中の私をけっこう見ていらっしゃることが判明したので、普通に今の動きもみられているでしょうが……。喜びは抑えられないのです。頑張って練習していたことを、実戦で発揮できる。こういうの、やっぱいいですわよねぇ! 弓も綺麗に決まりましたし、ローリング刺突も無事成功! お屋敷でコツコツやっておいてよかったですわ!

 

そして更にここでレベルも上がりましたので、歓喜の舞を踊っちゃいますわ~!

 

護衛の視線は確かに感じますが、気にしませんわ! 全身で表してこそ至上の喜びですわよ! というわけでそのおすそ分け! ステータスの公開ですわ~!

 

 

 

[STATUS]

Name : ヴァネッサ・ド・ラモルヴィーヌ

Race : 人間 (転生)

Age : 15

Job : 貴族

Level : 9 (+3)

EXP : 2 / 51

 

HP : 12 / 12 (+1)

MP : 14 / 14 (+1)

 

ATK : 4 (+2)

DEF : 2 

M.ATK : 7 

M.DEF : 9 (+1)

SPD : 11 (+2)

LUK : 14 (+1)

 

SP : 8 (+3)

 

Skill Slots: 0 / 3

 

 

 

「ATK、物理攻撃力が上がってくれたのがマジでありがたいですわね! 攻撃力倍増ですわ!」

 

 

まぁこれは武器を装備する前の数値ですので、実際のダメージは倍増という感じにはなりませんが……、それでも大きな向上というのは紛れもない事実です。速度が上がったのも非常に好ましいですし、より強くなることが出来ました。確定で増えるSPも溜まって来ましたし、今後がより楽しみになりますわね!

 

未だ防御力が低く、打たれ弱いのが気に成るところですが……。装備はグレタが用意してくれた特別製でカチカチですし。わたくしの今の戦闘スタイルは攻撃を受けずに的確に相手を撃滅する感じの奴です。当たらなければどうとでもない、ってやつですわ!

 

 

(攻撃受けた瞬間に護衛が飛んできちゃう、って言うのも“回避に重きを置く”理由の一つなんですが……。まぁおいておきましょう。)

 

 

にしても、そろそろ『貴族』のレベルカンストですか。

 

 

「教会に転職をお願いしに行きませんと……。」

 

 

この世界の元になっている『すいらび』というゲームですが、転職システムを導入しています。前にもご説明した気がするので簡単にまとめますが、現在の最下級職『貴族』のカンストは10。それに到達した瞬間、それ以降の経験値はゴミ箱行きになってしまうので……、手早くよりランクが上の職に変更してしまいたいわけですわ。

 

ただ今の状態で転職してしまうと、レベル一つ分ステータス向上のチャンスが無駄になっちゃうわけです。

 

 

「となると、今日中にレベルを上げ切って。明日以降に転職って感じが良さそうなのですが……。そうだ! いい機会ですし、ボス行っちゃいましょう!」

 

 

RPGのお決まりとして、ボスは他の敵より経験値が多いのです。私の記憶が正しければ、ボスを倒せばちょうどカンストに辿り着くはず。うんうん、そろそろ挑戦したいと思ってましたし、これぞ天恵ってやつですわね!

 

ではでは、ボスアタック。やっちゃいましょうか!

 

 

 

 






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次回はボス戦ですわ~!

本作の長さに関する質問ですわ! 現在1話の文字数が約3000文字程なのですが、より長く(倍)するかどうか考えていますの! なお文量が増えた場合、毎日投稿が出来なくなる可能性がありますわ! どちらの方が皆様の好みかお教えくださいな!

  • そのまま(3000~)
  • 倍(6000~)
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