魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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昨日はすいませんでした。
予約投稿の日にちを一日間違えるというミスを犯し、昨日は投稿できず。今日の朝、気がついたものの0時に投稿するスタイルを貫くためこのような形となりました。

春休みってその辺の感覚狂うよね(言い訳)!


司波達也の見解

達也の仲介のおかげでどうにかリーナと雪花の関係についての説明をしてその場は(・・・・)お開きになり

現在、達也と深雪の二人は深雪の作ったバレンタインデー仕様の夕食を食べ、ソファで寛いでいた。

 

 

「まさかリーナと雪花が幼馴染みだったなんて」

 

「予想もしていなかったよ。雪花からリーナの名前は聞いたことがなかったからな」

 

悲しいことに雪花の起こす問題には慣れている達也は大概のことならば、まあ雪花だからで流せるようになっていたが今回ばかりはため息を吐かずにはいられない。只でさえ何やら四葉と揉めているらしい弟に新たな厄介事の影が見えるのだ、仕方のないことだろう。

 

 

「そこは別に良いんだが……問題は雪花がリーナのことをどこまで知っているのか、だ」

 

「アンジー・シリウス、のことですか?」

 

「ああ、雪花が知っているんじゃないかと鎌をかけてみたんだが成果はなかった。俺としては知らないでいた方が動きやすいんだが…少し気になることがあってな」

 

 

達也は生徒会室で行った雪花の説明会を思いだす。思いがけず司会進行をやることになったりとかなりの苦労を強いられた出来事に微かな胃の痛みを感じる。

 

 

「雪花はリーナが一校の生徒になっているとは知らなかった、と言っていたが…それは少しおかしいだろう。それを言うならば日本に来ているとは知らなかった、の方が自然だ。恐らくだが雪花はリーナが日本に来ていることは知っていた、だが一校の生徒であることは知らなかった」

 

「どういうことでしょうか?」

 

「断片的にリーナが日本に来ていることだけを知っていたとすると、可能性としてもっとも高いのが叔母上から情報を与えられたという可能性だ。叔母上なら雪花とリーナが幼馴染みであることは知っていただろうからな。ただ、雪花の話を聞くと、この可能性はないように思える。叔母上は雪花を取り込みたいらしいからな、わざわざ九島に所縁のある者の情報を与えたりはしないだろう」

 

 

雪花とリーナの親密さを思い、可能性を切り捨てる。当時も監視していただろう四葉真夜のことも考えた上でだ。

 

 

「リーナが一校の生徒だということを知らないということは、雪花は学校関係者以外からリーナが日本に来ているという情報を得たか、独自にその情報を入手したということになり、そこに叔母上が絡んでいないとなると可能性は相当絞られる。が、リーナが日本へ来たことと一校への編入はイコールだ。交換留学生として日本に来たわけだからな。そこがどうにも噛み合わない。リーナが日本にいることを知っているのならまず間違いなく一校の生徒であることも知ることができるはずなんだ」

 

 

本来、雪花がどこから情報を得たのかというのはそもそも本当に雪花がリーナが日本にいるということを知っていたのかが分からない現状では考える意味のないことだろう。しかし、達也には妙な確信があった。

 

雪花はリーナが日本にいることを知っていた。そしてその情報の出所は─

 

 

「これは完全に俺の推測だが情報の出所は雪花の魔法によるものだろうと思う」

 

 

─魔法。

 

どういうわけかこれが一番しっくりくる。これしかない、とそう思えてくる。

 

 

「雪花は俺たちに何かを隠している。そしてその隠しているものは十中八九、魔法だ。俺の精霊の眼のような異能」

 

 

九校戦で疑惑を持ち、呂剛虎の一件で確信に変わった。いや、それ以前から気にはなっていた。何かを隠している、これは達也だけでなく深雪も感じていたことだった。

 

 

「一番考えられるのは知覚系の異能。これならばリーナが日本、それも近くにいることを知っていてもおかしくはない。それに、雪花は普通の人間とは違うものを見ているような時がある。まるで俺たちには見えない何かを見ているようにな。視線の動きが不自然なんだよ。眼…いや視界を起点にした知覚系の異能…それが最有力だ」

 

「知覚系の…異能」

 

「まあ、全て俺の予想に過ぎない。考えすぎということも十分にありえる。あまり深く考えない方が良いだろう」

 

 

そう言って達也は深雪の頭に手を置いた。深雪は頬を少し染めいつもより少しだけ大胆に達也にくっついた。

 

 

─雪花…お前は何を隠しているんだ?

 

 

言葉とは裏腹に達也は頭の片隅で思考を続けた。─その相手が今、この瞬間、自分に助けを求めていることなど知らずに。




次回、修羅場。
何話かに分けるかもしれません。雪花くんには酷かもしれませんが(笑)

さて、明日も0時に投稿します。

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