魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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ピクシーがいると文字数が増える不思議。


ピクシー③

『達也様のあのクールな感じ、冷たい眼差しで命令されると…むふっ…胸が熱くなりますね』

 

 

駄目だ、このピクシー……早くなんとかしないと。

 

放課後、ぼくは一人、ピクシーの元を訪れていた。パラサイトというものに興味があるというのと、何より、ピクシーがこんな残念な感じになってしまった原因を調べるためだ。まあ原因は、ぼくがインプットした言語データに前の宿主の知識と照らし合わせると不可解な点があったため、電子頭脳で調べたことらしい。そのせいでピクシーは新しい扉を開いてしまった。うん、なんかごめん。

 

 

「テレパシーも表情を変えるのも、サイキックだよね、兄さんから禁止されてるでしょ」

 

『バレなければ良いんですよ。まあ、お仕置きとかあったら最高ですけどね。むふふ、夢が広がります』

 

 

でもここまで変態になっちゃったのはぼくのせいじゃないよね!?わざわざサイキック使ってまでそのニヤニヤ再現しないで!

 

 

『でも優しくされるのも良いですよね、達也様はシスコンの様ですし、今度は妹モードで接して見ようと思います』

 

「…そう、まあ、うん、頑張って」

 

 

でもぼくがいないところでやってほしい。兄さんから怒られるのはぼくなんだから。

 

 

『む、なんか適当ですね、……そういえば雪花たんってかなりオタク入ってますよね?』

 

「雪花たん言うの止めようか!オタク言うの止めようか! 」

 

『あっ私のことはシーたんとでも呼んでくれていいですから』

 

「なんか親密みたいだから嫌だよ!斉藤さん!」

 

『なんだよー雪花たん冷たーい。ぷにぷに』

 

 

 

うざい。限りなくうざい。冷たーいとか良いながら頬をツンツンしてくるが反応しても面白がるだけなので我慢する。

 

 

『女の子を無視するなんてーそんなんじゃモテないぞー』

 

 

ロボットを女の子として意識するようになったらいよいよおしまいだ。そして余計なお世話だ。可愛い彼女がいるわ!

 

 

『…雪花たん女の子みたいな顔してるし…あっ………もしかして私のライバル?負けないんだからねっ!達也様は私のもの…いえ、私は達也様の物なのよ!』

 

「その察したみたいな顔止めてくれないかな!何も察してないよ!」

 

『そうね、最初は皆戸惑うみたいだからね、でも大丈夫。愛に性別は関係ないわ。私なんて種族だって越えられたんだから』

 

「ぼくをそっちの人扱いするの止めてくれないかな!?ぼくちゃんと彼女いるよ!ノーマルだよ!」

 

『ほー彼女ですか?』

 

 

しまったぁぁあああ!完全にピクシーにのせられた!冷や汗をだらだらと流すぼくをピクシーはニヤニヤとしながら小突いてくる。

 

 

『相手は誰ですか~?んーあのクルクル髪のちっちゃい人じゃないですか?なーんか怪しかったんですよねー雪花たん、チラチラ気にしてたし』

 

 

鋭い!何その無駄なハイスペック!もっと別のところで使おうよ!色々機能つけてあげたでしょ!かき氷を一瞬で作れる機能とか!今冬だけど!

 

 

『あー別に言いふらそうってわけじゃないですよ?むふふ、たーだ、私、達也様の命令には逆らえませんし、逆らう気はありませんし?役に立ちたいですし?ポロっと言っちゃっても怒らないでくださいよ?』

 

「な、何が目的?」

 

『えー目的とか言われてもー私分かんなーい、ただ、ちょっとお願い(・・・)があるんです』

 

 

黒い!このピクシーただの変態じゃないよ!出来る変態だよ!

 

 

『サイキックを使わなくても、表情を変えられるように、ちゃんと話せるようにして欲しいんですよ』

 

「えっ、それはちょっと無茶というもの…」

 

『へーあの人、中条あずさって言うんですね。今、生徒データを調べました。いえーい!雪花たんとあずさたんは付き合ってるぅ!』

 

「無茶だけど無理とは言ってない!やりましょう!やってやりましょう!だからその歌止めようか!」

 

 

このピクシー凄く苦手。でも一緒にいて楽しかったりする。ぼくが終始ツッコミに回らざるを得ないほどの変態だけど、楽しい奴だ。まあ、脅し?とかなしにしてもお願いを聞いてあげようじゃないか。こいつがこんなになってしまった責任がぼくにも多少ある気がするし。

 

 

『ふぅー!流石は雪花たん!達也様の次に愛してるー!もうハグハグしちゃう!』

 

 

ただ、かなりうざいけどね!頬をスリスリするの止めて!ちょっ力強い!抜けられない!?

 

 

『雪花たんハグハグ!』

 

「誰かー!?助けて!?」

 

 

散々弄られた後、ロボット研究部の部員達によって助けられました。ありがとう、でも見てたんならもっと早く助けようね。百合展開に胸熱だった、とか知らないよ!君らがそんなんだからピクシーは!

 

 

はぁ、これからピクシーの新機能を開発するとか辛い。でも家に帰れば水波ちゃんがいるから、癒してもらおう。

 

 

そう思ってたぼくだけど、現実は辛かった。

 

 

『USNA…スターズが動き出しました。狙いは─達也様です』

 

 

水波ちゃんからそう連絡が入ったのは、ぼくがリーナの指輪が移動していることを感知したすぐ後だった。

 

どうやら今夜は一騒動あるらしい。




斉藤ピクシーさん暴れます。暴れまくりです。

シリアスパートでこいつをどう扱うか……うん、カオスになりそう。


さて、明日も0時に投稿します。

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