魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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呼び出し

パラサイトを三体確保してすぐエーちゃんとミッキー、それにレオぽんの三人がやってきた。リハビリがてら着いてきたようだけど、なんだか久しぶりな気がする。

 

 

「じゃあここは、あたしとミキと、ついでにレオで引き受けた。達也くんたちは先に帰った方が良いよ」

 

 

派手に魔力を撒き散らしてしまい、ぼくら以外のパラサイトを追う勢力が寄ってくるのは明白。急いで対処しなくてはならない。けど、ここは三人に任せることにする。ほののんの着ていたハーフコートに斬新なスリットが複数追加されていたり、ピクシーの服が裂けていたりするからだ。どうやらミッキーの家の倉に運ぶことが決まっているようだし、ぼくたちは大人しく先に帰ることにしたのだ。吉田家にわざわざ運ぶということはパラサイトの魔法を封じて拘束する準備が出来ているということなのだろうから。

 

 

というわけで情報端末で呼び出した、自動運転のコミューターに乗り込み駅からキャビネットに乗り換えた。ほののんの住むマンションが自動運転の範囲から外れてしまっているからだ。奇抜なファッションになってしまっているほののんを一人で帰すわけにはいかない。

それにほののんとピクシーの関係も説明して置かなくてはいけないし。といっても説明するのは兄さんで、ぼくは気がついていない振りをするわけだけど。

ほののんに説明する兄さんの言葉にひたすら頷くという作業だ。

 

ピクシーが念動を放つ直前、ほののんからピクシーに想子が供給されていた。まるで起動式を展開するために、CADへ想子を注入するように。ほののんとピクシーの間に繋がったパス、から察するに恐らくその媒体は髪飾り、というかその水晶。

 

兄さんの見解もぼくとほぼ同じもので、それを聞いたほののんは怯えたり、驚いたり、大忙しだ。

ピクシーは珍しく大人しいと思ったら、自分の必殺技名を考えていたらしい。ないとは思うけど、パスのせいでほののんが汚染されないことを願わずにはいられない。

 

 

 

 

ほののんを家へ送り、ピクシーを元のガレージに置いてきて、ぼくが家に着いたのはギリギリ日付は変わっていないものの、真夜中と言って良い時間帯だった。そんな時間ではあるけど、ぼくの両親は二人とも帰ってきていなかった。恐らく職場に泊まるのだろう。最近は忙しいのか良くあることだった。

といっても、沙世さんと水波ちゃんがいるため、ぼくが一人になることはない。

ぼくを待っていてくれたのだろう、沙世さんと水波ちゃんはまだ起きていた。二人の間には完全に上下関係が出来上がっているようで、水波ちゃんは沙世さんには従順だ。うん、沙世さんなら兄さんにも勝てるんじゃないかな。そんな馬鹿なことを考えていたぼくだけど、二人が妙に深刻そうな顔をしており、何かあったのかと不安になってくる。

 

 

「何かあったの?」

 

「…四葉から呼び出しです。前回の件は水に流すが、今回の呼び出しに応じなければ、それ相応の対応をすると」

 

 

完全に予想外の報告に二、三秒フリーズする。

水波ちゃんを五輪の養子にし、ぼくはそれが出来るくらい五輪と仲が良いんだぞ、というアピールをし、七草の家へ行き、沙世さんの手引きもあり、協力者(・・・)となる人員を得て、七草との繋がりもアピールした。これ以上四葉がぼくに手を出してくるようなら、本気で戦うことを考えなくてならないわけだけど。

 

 

「こちらを害する意思はないように思いますが」

 

 

水に流すと言っている以上、戦闘はない…はずだけど罠…にしては直接的過ぎる気がする。

 

 

 

「行こうか。ただ、もしもの時を考えて沙世さんはここに残って。その日の内に戻ってくるつもりだけど、ぼくらが離れている隙に誰か親しい人間が襲われるかもしれない。牽制の意味も込めて一人は残しておくべきだからね」

 

 

考えてもどうせリスクは無くならない。なら、リターンだけを考えよう。ただ呼び出しに応じれば四葉家を半壊させたことをチャラに出来るのだ。美味しいと思わざるを得ない。

 

 

「水波ちゃんも残って良いんだよ?牽制はいくらいても良いし、水波ちゃんなら安心して任せられるからね」

 

「一人で山梨まで行けるんですか?四葉本家は山の中で地図にも書かれていないので、方向音痴の雪花様じゃ遭難してもおかしくないですけど」

 

「う、言い返せない」

 

「はあ、雪花様を一人にしたのでは心配で夜も眠れませんよ、だから私も行きますよ。全く、駄目な兄です」

 

 

四葉に水波ちゃんを、連れて行くのは酷だろうと思ったけど杞憂だったらしい。優秀な妹を持つと兄は大変である。

 

 

 

「水波ちゃんは最高の妹だね」

 

「…前言撤回です。ちょっと駄目な兄、です」

 

 

 

恥ずかしそうにそっぽを向く水波ちゃんは耳まで真っ赤で中々可愛かった。

 

沙世さんがニヤニヤしながらこっちを見ているのに気がついて、さらに赤くなったのがよりグッドだ。

 

 

明日、何があっても水波ちゃんだけは守る。

 

ぼくはそれを見ながら、そっと心の中で誓った。

 




オリジナル展開に突入です。かなり物語の核に迫るんじゃないかと。まあそんなものがあったならばですが。

さて、明日はたぶん投稿できると思うので、期待してお待ち頂ければな、と。

ピクシーにしばらく出番がなさそうなので寂しいです。

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