魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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原作を最新刊まで買ってきました!
13~15まで、コツコツ読んでいこうと思います。


監視

「……これ、雪花が知ったらしばらく立ち直れないんじゃない?」

 

 

日曜日ということもあっていつも以上の賑わいを見せる街中をとんでもなく目立つ集団が歩いていた。

 

神に愛されているとしか思えない稀有な黒髪の美少女、それに匹敵する金髪の美少女、黒いドレスを着た愛くるしい国宝級の人形のような美少女、その人形のような美少女と手を繋いだメイド服の美少女。

 

 

「何を言っているの、可愛い子が可愛い服を着るのは義務なのよ、私は義務をはたしているに過ぎないわ」

 

 

ヒラッヒラの黒いドレスを着てドヤ顔をする雪夜に全員苦笑いするしかない。雪花にとっては残念なことにドレスはとても似合っており、雪花の時とは違う妖艶な笑みも合わさって、凶悪なまでの魅力を引き出していた。メイド服の水波が横にいることで、正にお嬢様といった感じだ。

 

 

「ふふっ達也良かったわね、ハーレムよハーレム」

 

「妹、弟、弟の婚約者、弟の義妹(仮)で構成されたハーレムですか?視線がつらいだけですよ」

 

 

他人から見れば今の達也は、美少女を四人も引き連れたハーレム野郎だ。周囲の男供から、これでもかという嫉妬や怒りの視線を浴びていた。今すぐにでも帰りたいところではあるが、隣をほとんど密着するように歩く妹の輝く笑顔を見ると、そういうわけにもいかないのだ。

 

 

「……達也、視てる(・・・)わね?」

 

 

そして何より、態々目立つように歩いているのは理由あってのこと。仕方がないと諦めるしかない。

 

 

「勿論です、監視者は三人…と一人。この一人は沙夜さんですね、後の三人が恐らく四葉からの監視でしょう」

 

 

達也たちに視線が集まれば、達也が周囲の視線を気にする素振りを見せたところで不思議には思わないだろう。

 

 

「そう、なら現状は放置でいいわ。四葉と沙夜以外の監視を見つけたら報告して」

 

「分かりました」

 

 

 

 

 

雪夜と達也にどのような思惑があろうとも、それは他の三人には関係のないことで。

 

 

「流石にこれは雪花が可愛そうなのだけど」

 

「分かってください雪夜、こんなチャンスは滅多にないんです!」

 

「雪花様は女装を嫌がりますからね、可愛いのに」

 

「そうなの!子供の時だって頼んでもやってくれなかったんだから!」

 

 

 

雪夜が三人から押し付けられているのは水着だった。勿論?女性用水着だ。ドレスと同色の黒いビキニタイプの水着はパレオがあるとはいえ、女装というにはレベルが高すぎるものだった。

 

 

「……貴女達の熱意に私は今とても引いているわ」

 

「雪花が眠っている今が千載一遇のチャンスなんです!海にいった時だって全力で回避していたんですから!」

 

「そこまでして雪花の回避したかったものを私が勝手に承諾するわけにはいかないわよ、それ以前に態々この時期に水着を買う必要性を感じないし」

 

「それを着てくれたら、今日三人で添い寝してあげますから!」

 

「任せなさい」

 

 

説得から三分、深雪の一言で雪夜は簡単に承諾し、鼻唄を歌いながら試着室へと入っていった。

 

 

 

「達也、自然な形で監視者の死角に入ったわ。報告をお願い」

 

 

雪夜は達也に監視者が増えたり、何らかの変化があった場合、携帯端末に着信を入れ、こちらからかけ直すのを待つよう指示していた。

 

 

 

『自然な形で、ですか……はぁ…報告する必要がなかったかもしれませんが、何故か中条先輩が後ろを着いてきています。

俺が店の前にいるからか、今は遠くからこちらを見ていますが』

 

 

「ふふっそう、面白くなって来たわね。気がついていないふりをして放置していいわ」

 

 

雪夜は達也の返事を待たずに電話を切ると、雪花に心の中で軽く謝り、水着に着替えた。そして、試着室を出ると、百合だと明言している雪夜でさえ、引いてしまうくらいの勢いで三人がやってきた。水波に至ってはどこにしまっていたのか、カメラまで持っている。

 

 

「三人とも満足したら次は私に付き合ってちょうだいね、そもそも私の生活に必要なものを買いに来ているのだから」

 

「今日はバッチリメイクも決めてるからいつも以上に可愛いのよね!」

 

「ガラスケースに飾って私だけのものにしたいくらいだわ」

 

「独り占めは駄目ですよ」

 

 

「……全く聞いていないわね」

 

 

結局、四人がこの店を出たのは雪夜が着替えてから一時間以上後だった。

 

 

 

「うぅ、店から出てこない…一体中で何が行われてるんでしょう」

 

 

その一時間、とある少女のクルクルと変化する表情のおかげで、達也が退屈せずに済んだことを少女本人は知る由もない。




(*´∀`) リーナ「水着可愛かった!でも添い寝するとか言っちゃって大丈夫だったかな?」

(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
水波「大丈夫じゃないかもしれません…。私、一度酷い目にあっていますし……」

(。-_-。)♪ 深雪 「大丈夫よ、適当に誤魔化せば」



| |д・) ソォーッ… 雪夜 「そんなことしたら……食べちゃうわよ?」

Σ(゚口゚;)// ギクッ リーナ・水波・深雪






あーたん、登場。
雪夜回が思っていたより長引きそうという。主人公空気にならないように頑張ります。


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