魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮) 作:カボチャ自動販売機
急いで仕上げたので誤字脱字多そうです。
『
精神干渉魔法の応用。
雪花の幻想眼と精神干渉魔法を組み合わせることで新たに雪夜が生み出した魔法。
相手の精神の隙間に干渉し、
『中条あずさをデートに誘う』
今回、雪夜の
「中条先輩、俺とデートしませんか?」
その結果、達也は爽やかな笑顔を浮かべ、あずさに手を差しのべていた。
「えーっと……」
達也たちから隠れているあずさとしては急に達也が現れただけでも大混乱なのだが、そこにデートのお誘いである。それも達也が一度もしたことがないような爽やかな笑顔で。
「
当然、こんな状況で超絶ブラコンの妹様がお怒りになられないわけがなく、あずさは思考のフリーズと共に物理的にフリーズさせられてしまう危険に身をガクガクと震わせた。
このままでは命が危ない!
実際、命まで危険になることはないのだが、それほどの威圧感を感じたあずさは達也のお誘いを断ろうとした。状況も何もかも分かってはいなかったが、そうすることが最善であるとあずさの小動物的危険察知能力が告げていたのである。
「はい!達也くん、そんなヤンデレ妹は置いといてデートに行きましょう!」
しかし、口から出てきたのはそんな言葉だった。さらに言えば、がっしりと達也の腕に抱きついている。
「達也くん?ヤンデレ妹?……どうやら中条先輩は私とお話があるようですね」
「へ?あれっ!?どうして!?」
思ってもない言葉と行動。一瞬、意識が途切れ、気がつけば自分は達也の腕に抱きついており、目の前には本格的にぶちギレモードに突入した深雪。
あずさは涙目で違うんですっ!?と誤解を解こうとするが、また意識が一瞬途切れ、
「お話している暇はないのです!それでは達也くん、愛の逃避行と行きましょうか!」
気がつけば達也の手を掴み全力で深雪から逃走していた。
「なっ!?」
「駄目よ深雪さん、これからが面白いところなのだから」
あずさと達也が走り去るのを深雪は見ていることしかできなかった。どういうわけか金縛りにあったように体がピクリとも動かないからだ。
「……一体何を為さったのですか?」
「ちょっとした手品よ、そんなことより水波ちゃん。私たちもデートしましょう」
雪夜が深雪にかけた魔法を解除し、水波を引き連れ人混みへと消える。
「あれ?皆どこ行ったの?」
「リーナ、何を惚けたことを言っているの!お兄様達を追うわよ!」
「えっちょっと深雪!?もー何がどうなってるのよ!?」
何をぼけっとしていたのか何も状況が分かっていないリーナは深雪に引きずられるようにして達也を追いかけるはめになり、若干涙目になりながら声を上げた。
◆
達也にとって今もっとも考えるべきは、自分が何をされたのかも分からないということだった。
あずさの言動を操っていた様子から自由度の高い精神干渉魔法であると推測をしたものの、CADの操作すら必要としていないであろうその魔法は恐らく達也でも防ぐことはできない。実際のところ、達也相手ではそれほど大それた命令は出来ないのであるが魔法の正体すら掴めていない達也が知るよしもなく、雪夜の魔法に冷や汗を流すばかりだった。
「うう、どうしてこんなことに…。思ってもないこと言っちゃうし、いつの間にか司波くんとこんなところにいるし」
対するあずさはといえば、達也以上の混乱の中にいた。事情を全く知らないあずさからすれば今の状況は後輩から突然デートに誘われ、断ろうと思ったのにいつの間にか了承し、後輩の妹に喧嘩を売って逃走する、という自分の頭を疑うレベルの異常事態なのだから。
「達也く……じゃなかった、司波くん、何が起こったのかは分かりませんが取り合えず戻りましょう」
「いえ……それはやめておきましょう。今戻っても同じ状況かもっと酷い状況になるだけです。少し二人でいれば彼女も満足するでしょうからしばらくはこのままでいましょう」
「彼女?」
あずさの疑問に達也は少し考える素振りを見せると、あずさを近くのカフェへと誘った。
「少し長くなりますが……中条先輩には知る権利がある」
達也の言葉にあずさは何か良くないことが起こっていることを悟った。
◆
『じゃあ、セッカはずっと私のそばにいてくれる?』
その言葉に雪花が頷かなかったのは無意識にリーナと離れたいと思っていたからだと雪夜は考えている。
リーナが好きだ、一緒にいたい、そんな気持ちと、もう忘れた過去を思い出したくないという無意識がせめぎあい、結局雪花はリーナを妹とすることで意識の外に追いやったのだと。
実際、雪花はリーナをリーナとして見ていなかったのかもしれない。
思い出したくない過去から逃避するために。
だから、日本に来て雪花は変わった。
子供らしくなった、というよりそれが本来の雪花だったのだろう。
その自分を守るために徐々にリーナという存在はさらに外へと追いやられる。
やがて雪花は恋をした。
好きだと思った。他とは違うと思った。
そして、さらにリーナは外へ外へと押しやられ、あろうことが雪花はリーナとの約束の指輪さえも簡単に人へ預けた。理由はあった、考えもあった。
だとしてもそれはリーナを想っているのならあるはずのない行為。
そのまま雪花はリーナと共にいらない過去を捨て、好きな人と一緒になる。
でもそれは、その恋は、いやその恋も──
ああ、ぼくには好きな人がいる。
ぼくは恋をしたから、だから、リーナのことを忘れてしまっても仕方がない。
─逃避のためでないとどうして言いきれるのだろう。
端へ端へと追いやった少女への罪悪感が雪花を蝕んでいないとどうして言いきれるのだろうか。
リーナが雪花を想うたび、雪花もまたリーナを想い、そしてそれを忘れることが、雪花にいくらも、なにも、なんの感情も湧かせないと、そんなことがはたしてあり得るのだろうか。
「おはよう、雪花、良い夢は見れたかしら?」
「良い夢?……そんなの一度も見たことないよ」
きっとその答えが、雪花の頬を流れる涙の中にあるはずだった。
( -`ω-)ドヤッ! 雪夜「
……(((( ̄∀ ̄;) リーナ 「こういうところ、この人本当に雪花の母親なんだって感じるわよね」
(;´∀`) あずさ 「こ、個性があっていいんじゃないでしょうか」
(~ _△_)~ zzzZZ 雪花「むにゃむにゃ……ぼくは格好良いと思う……むにゃ」
Σ(゚д゚;) エッ!?
あずさ「雪花くん!?」リーナ「セッカ!?」
◆
雪夜のネーミングセンス(笑)
ラノベ、漫画の影響でちょっと中二化したようです。