魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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本日二話目です。


婚約

九校戦開始二日前だと言うのにぼくは既に会場である富士演習場南東エリアのホテルに来ていた。各校の選手、エンジニア達が泊まるためのホテルである。さて選手やエンジニアではないぼくがなぜこんなところにいるかと言うとだ。

 

 

「来てくれたようだな、雪花君」

 

「貴方に呼ばれて来ないわけにはいかないでしょうに…閣下」

 

 

 

九島烈からの招待状。そんなものが届いてしまえば断れるわけもない。後が怖すぎるからだ。

 

 

「で、なんでぼくを呼び出したんですか?」

 

「ついてくれば分かる」

 

 

この老人殴りてぇー、と思いはするもののそんなことをすればどうなるかはさすがのぼくも分かっているので自重する。

 

 

「ここだ」

 

 

連れてこられたのは恐らくVIPのために用意されているのであろう豪華な部屋だった。九島烈は世界的なVIPであるしこれくらいは当たり前なんだろう。そんなことを考えていたからかそれに気がついたのは部屋に入って少ししてからだった。

 

 

「はじめまして貴方が雪花君ね、お話は聞いてるわよ」

 

 

あれ、なんかこの人見たことあるような。いやこんな美人一度見たら忘れないはず。

 

 

「私は藤林響子、防衛省技術本部兵器開発部所属の技術士官をしているわ」

 

 

原作キャラですかそりゃ見たことありますよね!

電子・電波魔法による高度なハッキングスキルを得意とし、電子の魔女(エレクトロン・ソーサリス)とかいう二つ名で呼ばれている兄さんと同じ国防陸軍第101旅団に所属する軍人。独立魔装大隊の幹部であり風間玄信の副官をしている。階級はたしか少尉。

 

 

「はじめまして司波 雪花です、国立魔法大学付属第一高校の一年生です」

 

 

とりあえず自己紹介は済ませたが九島烈は何の意図があって藤林響子をぼくに紹介したのだろうか。まさか紹介してそれで終わりというわけでは──

 

 

「ふむ、自己紹介が済んだのなら早速始めよう。見合いをな」

 

 

─へっ?あれ今この人とんでもないこと言いませんでした?

 

 

「じゃあまずは雪花君の趣味から─「ちょっと待ってください!全然理解が追い付いて無いんですが!お見合い?誰が!?」─貴方と私よ」

 

「無理ですよ!ぼく十師族とはあんまり関わらないで生きていたいんです!」

 

只でさえ四葉、五輪とガッツリ関わってしまっているのにこれで九島とまでなんて嫌過ぎる。

 

 

「最近お主が五輪と懇意だと聞いてな。先に目をつけていたものを横からかっ拐われるのは気に食わん。そこでお前を孫と結婚させることにした」

 

「HEY!そこにはぼくの意思がないぜ!大体ぼくはまだ15歳なんですから結婚は出来ませんよ!」

 

「婚約だけで良いのだ、五輪の長女と結婚しないという保証があればな」

 

「澪さんは友人!大体澪さん26歳ですよ!ぼくとじゃ年の差がありすぎて澪さんも嫌に決まってます」

 

 

何故か藤林響子が「…年の差」なんて呟きながら落ち込んでいるがここで引き下がるわけにはいかない。

 

 

「ふむ、本来であればアンジェリーナが良かったのだがな。アレはUSNAだからな」

 

「リーナとは14歳になって少ししてから連絡を取り合ってませんよ、なんか軍で偉くなったから国外への連絡が出来なくなるとかで」

 

 

リーナか…ちゃんとやっていけているんだろうか。心配過ぎるのだが。

 

 

「ならばこういうのはどうだ?婚約をしておきお主が結婚したいと思える女性を見つけたならば破棄してくれても構わん。但し十師族以外でだがな」

 

「まぁそれなら…でもちゃんと約束してくださいよ!」

 

「あとできちんとした書類を送ろう」

 

 

というわけでなんか藤林響子と婚約しました。強制みたいなもんですけどね!

 

 

 

 

「良かったんですかあんな約束をしてしまって」

 

「構わんよ、四葉や五輪に持っていかれる可能性を潰せるのならそれで充分だ。あやつは九島に恩を感じている。それにアンジェリーナがこちらにいる限りあやつが九島に牙を向けることはない」

 

 

「はぁ、それだけのために私と婚約させたんですか?私が結婚できなかったら相手探してくださいよ?」

 

「無論だ」

 




ストックが無くなりつつありますが…冬休みの自分に期待して二話投稿しました。明日からはまた0時に一話投稿します。ただ九校戦編ではたまに二話投稿することもあると思いますので。


頑張れ未来のぼく。

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