魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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九校戦二日目①

響子さんにお茶会という名の質問責めに午前中一杯付き合わされたあと用事があるという響子さんと別れ疲労困憊の状態ではあったが七草の『魔弾の射手』を見る(・・)ため一人普通以上に混んでいる観客席にて観戦し一日目は終わった。タイミングを見計らったかのようにかかってきた「明日は朝、部屋に迎えに行くわね」という響子さんからの電話に勘弁してくださいと言いそうになるのをどうにか堪えて部屋に戻りそのまま眠りについた。目が覚めると既に朝の5時。昨日もさほど寝ていないからか夕飯も食べずに12時間近くも寝てしまった。二日目に観戦しようと思っているのは一校の千代田花音の出場するアイス・ピラーズ・ブレイクだ。迫力という意味ではモノリス・コードに次いでありそうであるし何より千代田の『地雷源』は見たい(・・・)。原作には殆ど描写のなかった男子クラウド・ボールを観戦するというのも面白そうだと思ったものの野郎の試合なんて見ても仕方がないというわけでスルーした。やっぱり応援するなら女の子だよね!

 

 

「雪花君未来のお嫁さんがモーニングコールに来たわよーってもう起きてる。随分早いのね」

 

「随分早いのねはぼくの台詞なんですが。というか鍵かかってましたよね?どうやって入ってきたんです?」

 

「あら、私が何て呼ばれてるか知らない?」

 

電子の魔女(エレクトロン・ソーサリー)…ってえっ?もしかしてハッキングして開けたんですか!?ここ一応は軍の施設なんですが」

 

「私にかかればこんなものよ」

 

 

ドヤ顔の所悪いんですが取りあえず着替えるんで出てってくれますかね?

 

 

 

 

 

「で、なんでこんな朝早くから来たんですか?」

 

「実は今日ちょっと用事入っちゃって一緒に行けなくなっちゃったの。それ伝えるついでに寝顔でも拝ませてもらおうかなって」

 

「そんな下らないことでハッキングしないでください」

 

 

響子さんとはしばらくおしゃべりをして別れた。ハッキングを見せてもらったりおいしいお茶の入れ方で盛り上がったりした。

その後ぼくは予定通りアイス・ピラーズ・ブレイクを観戦すべく会場に向かう。少し早過ぎたのか会場にはまだあまり人はおらず席はガラガラだったので最前列に陣取る。それからは競技開始の時間まで電子書籍を読み進めることにした。

 

 

千代田花音の一回戦は正に瞬殺だった。

試合開始直後に地鳴りが生じ次々と敵の氷柱を倒していき相手選手の妨害をものともせずそのまま全ての氷柱を粉砕し勝利したのだ。地鳴りの正体は千代田家お得意の振動系統・遠隔個体振動魔法その中でも地面を振動させる魔法で材質を問わずとにかく「地面」という概念を有する個体に強い振動を与える。千代田家に与えられた「地雷を作り出す者」という意味を持つ二つ名「地雷源」と同じ名を持つ魔法。

 

その後、試合は進んでいきいよいよ千代田花音の二回戦というところでぼくはとある人物を見つけた。それはド派手な赤い制服に身を包んだ─

 

 

「クリムゾン・プリンセス!」

 

「だから誤解だ!話を聞け!」

 

 

─一条将輝である。

 

 

「なんだ、一人で観戦かい?」

 

「たまには一人になりたいこともある」

 

「ぼっちなんですね、分かります」

 

「ぼっちじゃない!今は(・・)一人なだけだ!」

 

 

イケメン的台詞にも茶々を入れるぼく。どうもこの一条将輝という人物、いじりたくなるのだ。

 

 

「で、何?可愛い女の子でも見にきたの?」

 

「可愛い女の子というのは否定しないが俺が見にきたのは千代田の『地雷源』だ」

 

「うわー彼氏持ちそれも許嫁がいる女もお構い無しかー。さすがは十師族!憧れるなー」

 

「そろそろ殴って良いかな!」

 

「静かにしてよ決勝が始まる」

 

「お前これ終わったら覚えてとけよ」

 

 

二回戦。結局『地雷源』のごり押しで千代田花音が勝利した。一条将輝?試合が終わった瞬間に全力で逃走したので知りませんが何か?




明日も0時に投稿します。
もしかするとまた二話投稿するかもしれません。

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