魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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短いです。
①とまとめようかとも思いましたがなんとなく別けました。後でまとめるかもしれません。


九校戦四日目②

昨日の夜。明日から新人戦だし遅刻しないようにしようとCADに手をつけることもせず寝ようとしたその時、ノックの音がした。

こんな時間に誰だよ、と思いつつドアを開けるとそこには兄さんがいた。

 

『これと同等以上のものを作れ、もちろん九校戦のルールに沿ってな』

 

原作において北山雫が使っていた兄さんお手製の汎用型CADを片手にそんな無茶振りをしに来たのだ。

 

なぜこんなギリギリに持ってきたんだと文句を言えば『お前は追い込まれた方が力を発揮するからな』という有難い誉め言葉を頂き、まあ適当にやってやるかと作業にかかったところで兄さんの悪魔の口(デーモンマウス)が発動。

 

『もし駄目でも責めはしない。まあ深雪に口が滑ることはあるかもしれんがな』

 

 

ぼくは全力で作業に取りかかった。

結局完成したのは午前二時。それを兄さんの部屋に持っていき眠りについたのは二時半。そりゃ寝坊するよ!

 

これは後から気が付いたのだが今回の件、兄さんには何のデメリットもなかったのだ。仮にぼくが完成させられなくても兄さんが作ったものがあるし完成させられれば御の字程度の考えだったのだろう。そして完成させられなかったら本当に姉さんにチクったに違いない。兄さん…恐ろしい子!

 

 

と、まあそんな感じでぼくが作ったわけだがそれをそのままぼくが兄さん、司波達也と兄弟であることを簿かしつつ彼女に伝えると彼女はジトーッとした目でこちらを見てきた。疑われてる!完璧に疑われてるよ!

 

 

「…嘘くさい」

 

「いやいや本当だって!ぼくの目を見て!ほらキラキラ輝いた正直者の目だろ?」

 

「私、心理学とか分からないし目を見て分かるわけないじゃない」

 

 

なんだかちょっと抜けてるよこの娘!今のはちょっとしたユーモアでそんな真面目に返されると普通に恥ずかしい。なんだよキラキラ輝いた正直者の目って。

 

 

「じゃあ、にい…司波達也に直接聞いてみよう!スピード・シューティングが終わったあとなら時間が空いているはずだから!」

 

「別にいいけど…私、司波達也って人ちょっと苦手。なんか怖いし」

 

「確かに悪魔みたいな人だけど怒らせなければ基本良い人だから大丈夫!」

 

「悪魔みたいな人は絶対良い人じゃないから駄目だと思う」

 

「大丈夫だって!行こうよ、ぼくの疑いを晴らすためにもさ!ねっ!ねっ!」

 

ぼくの必死の説得に心を打たれたのか彼女は少し身を引いて「…別にいいけど」と答えてくれた。なんだか彼女が引いているのは体だけではない気もするが気にしない。

 

 

「あっそういえば君、名前は?ぼくは古葉雪花、改めてよろしくね」

 

「私は平河千秋…一応よろしく」

 

 

その名前に少し引っ掛かり考えてみるが答えは出てこず結局、北山雫が華々しく優勝を飾ってもその答えは出なかった。

 

きっと気のせいだろう。

 




主人公が平河千秋の名前を思い出せないのには特に理由はありません。ぼくもアニメ見るまで名前忘れてましたし。


さて明日も0時に投稿します。

きっと今話が投稿されるころぼくがアセアセと書いているはずですから。期待しているよ、ぼく。

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