魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

55 / 157
ガールズトークとかぼくには無理でした。結果、お風呂シーンは飛ばすことに。

今度こそ夏の休日ラストです。


夏の休日③

雫が深雪に「少し外に出ない?」と誘いをかけ二人が外へ出ていく。ついていこうとした美月であったがエリカに拘束され罰ゲームを強要されることとなった。

 

 

「いいね!ぼくそういうの大好きだよ!」

 

 

結局一人で入浴し一時は拗ねていた雪花だったが、遊んでいるうちに機嫌が直ったようで笑顔でそんな二人を見ている。

 

 

「じゃあ美月には罰ゲームとしてアレを着てもらいましょうか!」

 

「まさか!エリカちゃん!」

 

 

エリカが取り出したのはメイド服だった。何故かこの別荘にあったもので元々は雪花に着せようと雫が用意した服だ。雪花にとっては嬉しいことにサイズが合わず着ることはなかったのだが…。

 

 

「美月なら着れるわよね?」

 

「そ、そんな~!」

 

 

「王手。あと十手で詰みだ」

 

「ええっ、もう!?」

 

 

メイド服を前に崩れ落ちる美月の声と、将棋の傍らそれを盗み見ていた幹比古の悲鳴は見事に重なった。

 

 

 

 

しばらく海を眺めてから帰るという深雪と分かれ雫は一人、別荘への帰路につく。

 

頭の中は親友への心配で一杯である。なんせ雫はこの日、『ほのかに告白のチャンスを与える』ために動いていたのだから。

 

 

昼間の転覆事故は雫のやらせである。あらかじめほのかは泳ぎが苦手だと伝えておいて、達也に助けてもらい、お礼という名目でアプローチをさせるという計画だったのだ。アクシデントはあったものの結果的には達也を独り占めできるほのかにとっては恥ずかしくも嬉しいことだったのでよしとする。そしてほのかに告白のチャンスを与えるべく深雪を外へ連れ出すことにも成功した。

 

 

計画通り、と雫はほくそ笑みながら意気揚々と別荘へ戻ったわけだが。

 

 

「これはどんな状況?」

 

 

雪花達が一同に集まっていたリビングは混沌と化していた。メイド服の美月、エリカと雪花の二人がかりで服を脱がされそうになっている幹比古。達也とほのかは雫の計画通り抜け出している様だが一体何がどうなっているのかさっぱり分からない。

 

 

「ミッキーもぼくと同じ気持ちを味わえば良いんだ!」

 

「僕が負けたのは達也だろ!?なんで二人から罰ゲームなんだ!」

 

「達也くんに任せるって言われたのよ!観念して大人しくしなさい!」

 

「うぅ、やらせるだけやらせといて私は放置ですか…」

 

 

もう、放っておこう。

そう結論付けた雫は一人、部屋へと戻るのだった。

 

深雪の雷が落ちるまであと数分。

 

 

 

 

「昨日は酷い目にあったよ」

 

「それは僕の台詞だよ!」

 

 

深雪によりギリギリのところで罰ゲームの女装から逃れた幹比古。代わりに雪花とエリカには雷が落ち、こってり絞られた。美月の件も含めて。

 

 

「そんなこと言うけど、ぼくが昨日何着着せられたと思ってるの?軽く十着はあったね!」

 

「雪花は似合うから良いんだよ」

 

「はあ…高校生になるころには自然と女顔じゃなくなる…そう思っていた時期がぼくにもありました」

 

 

 

昨日は相当我慢していたのか普段の二割増しくらいには達也にべったりの深雪と吹っ切れて押せ押せ状態のほのかに振り回されている達也を眺めながら砂浜に座り込みそんな会話をする二人。

 

 

「そこの男子?二人ー!そんなところでしけてないでこっちに来なさい!ビーチバレーやるわよ!」

 

「エーちゃん男子にクエスチョン付けたでしょ!?一体どういう意味かな!?」

 

「罰ゲームは無しで頼むよ!」

 

 

エリカの声に二人は駆け出す。

 

楽しい旅行はまだこれからだ。




夏休み編は時系列バラバラかもしれません。というのも思い付いたものを書き出している感じだからです。

さて明日も0時に投稿します。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。