魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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前話の前書き、「ほわっと」と「What(ほわっと)」をかけてたりする(ボソッ

…テスト、か(遠い目)


魔王との交渉

ちーちゃんを部屋に送ってすぐ、沙世さんから信号が送られてきた。それはつまり現在襲撃を受けているということ。GPS情報から場所は学校の近く。白昼堂々大胆な犯行である。

 

 

「行きますか」

 

 

前回、小春先輩が誘拐された時は急だったため、あんな感じの変装になってしまったが今回は準備万端。音声加工機能が付いた雪の結晶をモチーフにして作った白い仮面を着け、防弾、耐熱、緩衝、身体能力を軽く三倍には引き上げてくれるであろうパワーアシスト機能、レーダー等に映らないステルス機能、ベルトの横には飛行魔法用CADのスイッチが付いているぼく設計のスーパースーツを着用。その上から魔法陣の織り込まれた白いローブを着れば『新・スノー仮面』の完成だ。

 

 

五輪家別宅二階の窓から飛行魔法のスイッチを入れて空へと駆け上がった。待ってて沙世さん!

 

 

 

ぼくが到着する頃には沙世さんによって襲撃者は全員転がされていた。あーちゃん先輩の不審者を見るような視線が辛かった。

 

 

 

 

四葉真夜という人間のことをぼくは意外と知らない。関わらないようにしてきたわけだから当然なのだが原作でそう登場回数が多くなかったのも原因だろう。

 

四葉家の現当主で未婚 。

司波兄妹の叔母にあたり、司波深夜の双子の妹である 。たしか46歳。

当代における世界最強の魔法師の一人と目されていて、『極東の魔王』『夜の女王』の異名を持つ 。

12歳のときに出席した『少年少女魔法師交流会』にて、誘拐され、人体実験の被験体にされたせいで生殖能力を失い、救出後、心を閉ざした真夜に姉の四葉深夜が精神構造干渉魔法にて、経験を知識に改変したという過去があり一時期は九島烈の教えを受けていたらしい。

 

うん、絶対手を出したらアカン人だね。魔王とか女王とか言われてるし。そんな人とこれから交渉しないといけない。いつまでもこのままというわけにはいかないからだ。襲撃を止めさせるため四葉真夜と話し合いをする。

うわっ緊張してきた。最初は九島烈の教え方あるあるとかの話題で盛り上げた方が良いんだろうか?ぼく、真面目な感じの空気って苦手で五分持たない可能性があるんだけど。

 

頭で色々考えていても仕方がない。そろそろ水波ちゃんにセッティングしてもらった四葉真夜との約束の時間だ。身だしなみを整えて待つ。

 

すると、電話の呼び出しメロディーが奏でられた。カメラの前に立ち、通信回線を開く。

 

画面の中で、ほとんど黒に近い色合いのロングドレスを身に纏った上品な女性がにこやかに微笑んでいる。46歳のはずだが外見は三十過ぎにしか見えない。画面越しだというのに凄い女王感だ。姉さんもいつかこうなるのかと思うと今から怖い。

 

お互いに自己紹介を済ませて本題に入る。

 

 

「中条あずさ、平河姉妹、並びに今回の件に関わった人間に対して今後一切手出ししないでいただきたい」

 

『あら、何のことかしら。私としては楽しくお喋りがしたいのだけれど』

 

 

まあ、しらばっくれるよね。頬に手を当てて困ったわ、というような顔をする四葉真夜。大丈夫、その顔が真剣になるくらいの切り札をこちらはいくつも用意しているのだ。

 

 

「まあ、聞いてください。今回の件、なかったことにして頂けるのなら、こちらからは『情報』を差し上げます」

 

『情報?』

 

「例えば…大亜連合軍が日本に攻めてきますよって言ったら信じます?」

 

まずは…といった感じだったのだが意外と好反応。

四葉真夜は瞳を閉じ優雅に紅茶を口へ含むとしばらくの間沈黙し、口を開いた。

 

 

『嘘はついていないように思えるわね。…そうね、今日は貴方のことを少し知れたし良いでしょう。その情報で貴方の言う『今回の件』なかったことにいたしましょう。ただしこれ以上の情報漏洩があった時には』

 

 

その先を口にすることはなかったが言いたいことは分かってる。

 

しかし今回はラッキーだった。考えていた中で二番目に良いパターンだ。

 

 

「ありがとうございます、大亜連合軍についてはこのままお話しても?」

 

『構わないわ、水波ちゃんが用意した電話なら盗聴等の心配はありません』

 

「それでは。

大亜連合軍が攻めてくるのは十月三十日。場所は横浜。『全国高校生魔法学論コンペティション』に攻め入ります。目的は魔法科高校の生徒達を拐うこと。『人食い虎』の異名を持つ呂剛虎も投入してくるでしょう。大亜連合が公表している唯一の戦略級魔法師で十三使徒の一人である『震天将軍』劉 雲徳も追い詰められれば出てくると思います」

 

『思っていたより詳しい情報ね、驚いたわ』

 

ぼくはあんたの若作りの方が驚いたよ、とは言えない。まずい、そろそろ真面目モードの活動限界がきている。

交渉が終わった後も話しは続く。誘導尋問を仕掛けてきたりかなりうざいのをなんとかかわして会話を続ける。

「それでは、私はこれで」

 

『ええ、今度は深雪さんと達也さんと一緒に屋敷へいらっしゃい』

 

 

誰が行くか、そんな死地。もう黙ってろよ46歳独身。

 

 

『何か言ったかしら?』

 

心の中で土下座した。一瞬、魔王が見えた。本物の魔王見たことないけど魔王が見えたよ!

 

 

「いえ、次の長期休みにでも是非お邪魔させていただきます」

 

『そう。それじゃあ楽しみにしているわ。綺麗な衣装を用意して待っているわね』

 

画面がブラックアウトし、通信が完全に切れたのを確認する。

 

そしてぼくは叫んだ。

 

 

「綺麗な衣装って何!?」

 

 

後日、高そうな、しかし明らかに姉さんでは着れないドレスが送られてきてぼくは絶望することとなる。

 

 

姉さんのアレは血筋なのか。

 

 

 




四葉真夜にも色々思惑があったりします。

沙世さんをいつ喋らせるべきか、悩む。邦人さんもだけど。

さて、明日も0時に投稿します。
テストって勉強(ドーピング)しないで受けるべきだよね!

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