春明もずり落ちないよ身体を斜めにしていたのでそれほどサイズがなくても大丈夫だったのですが、実際のところは支えられた本人にしか分かりません。聞いてみてください。絶対零度の「サイテー」がもらえます。
では臨海学校です、水着会やぞ! 喜んでどうぞ!
臨海学校へ行くバスの中、車内は水着の話で盛り上がっていた。
「春明! 俺の水着は後で見せるからな‼︎」
女子たちの会話からどんな水着なのか想像していたら、後ろからホモの声が聞こえてきたのでペットボトルを投げつけて黙らせる。こちとら元気じゃないのだ。余計なツッコミをさせないでほしい。
「相変わらず車に弱いな」
頭の上から千冬さんが何か話した気がするが、反応はしない。ホモは釘を刺さないと暴走するのでツッコミが必要だが、それ以外に反応する元気はないのだ。
俗にいう車酔いである。
「ついたぞ、歩けるか?」
「……うゔぁ」
「無理そうだな」
先頭の席で千冬さんの膝で死んでいる俺から呻き声が出る。
最初は一番後ろではしゃいでいたのだが、出発して一分くらいで顔が真っ青に。乗る時にいらないと断ったものの無理やり持たされた鈴の酔い止めを飲んで先頭に移動した。そこから何もできないままである。
最後にバスから降りた千冬さんに背負われたまま合宿所、というか旅館だろ金かかってんなぁ、に運ばれる。途中女将さんに紹介されたがかろうじて手だけ振った。なんかニヤニヤされていたが反応はできなかった。
教職員と近い、というか千冬さんと一夏の隣になっている部屋に運ばれそのまま畳の上で寝転がった。
少し休むとマシになったので一夏が運んだ俺の荷物から海パンと薄い上着を取り出して着替える。
そのまま外へ出た。
日差しが眩しい。
「春明! 体調はいいのか?」
「マシ」
「本当か? 顔色も悪いしまだ休んでいた方がいいと思うが」
外に出ると一夏と箒がいた。ホモが添い寝とか言ってこないあたりまだ顔色が悪いのだろう。とはいえ遊びに来たのに体調不良でゆっくり寝ているほど高校生は暇ではないのだ。
「海来て遊ばないわけが、オボロッシャー!」
「「春明ー⁉︎」」
マーライオンになった、もしくは飲みすぎた日の千冬さん。なんか木のようなものが二人の足元に刺さっていたのだが、ちょうどそこにキラキラをデコレーションした。
「あーなんかすごいスッキリした」
「「…………」」
汚いものを見せて申し訳ないが、この綺麗な景色に免じて許してほしい。もしかしていい雰囲気だったのを邪魔したのだろうか? だとしたら申し訳ない。絶句してモノを見つめる二人に片手で謝り、口を濯ぎに行った。
口を濯いで今度こそビーチに出た。
それなりに時間が経ったはずなのにまだ誰もいない。女性の着替えには準備がかかるらしいのでそんなものだろう。昔鈴と蘭ちゃんに教わった。
「あら、調子はもう良いのですか」
海を眺めていると後ろから話しかけられた。振り返れば水着のセシリア、綺麗すぎて出会った時を思い出すなぁ」
「やっぱりまだ調子が悪いのでは?」
「どこが?」
マーライオンもして普段通りになったはずなのだが、セシリアもいつも通り綺麗だし、そう言えば少し揺れてるか? 海なのでそんなこともあるだろう。
「…………良ければ日焼け止めを塗ってくださりますか? 背中の方には手が届かないので」
「いいよー」
他に人がいないし、しょうがないよな。確か手で軽くあっためるんだっけか。
ビニールシートにうつ伏せで寝転んでセシリアの背中に日焼け止めを塗る。改めて見ると綺麗な肌だなぁ、日焼けしても似合うだろうがこの白い肌が焼けるのも忍びない。満遍なく塗りムラのないよう丁寧に塗っていく。
「ほい終わり」
「……ありがとうございます、あの失礼ですが変なものでも食べました?」
ふむ? 変なことを聞かれるもんだ。朝は普通に食べたし昨日も久しぶりに見たくなったマスクドライバーサイスを一気見しながら食べた。気がつけば朝だったが満足できた。
「今日は泳がないでくださいね」
「なんで?」
海に来て泳ぐなとは、酷いことを言うが俺はセシリアのペットなので言うことは聞くしかない。
「いいですね?」
「わん」
念押しされたので返事をしてビニールシートに寝転ぶ。ポツポツと生徒が増えてきて楽しそうに泳ぎ出している。
「セシリアに聞いたわ、あんた昨日寝てなかったのね」
寝転んでいると鈴が来た。そう言えば昨日は準備があるとかで自室で寝ていたのだ。クラスが違ってバスも別なので会うのが久しぶりな気がする。
「よぉー今日もかわいいな」
「あんた今日は寝てなさい」
あいさつしたら酷いことを言われた。鈴に渡された丸められたタオルを枕にする。海ではしゃぐ生徒たちの楽しそうな声と海の音が心地よい。
「春明ー大丈夫なのー?」
「鈴から聞いたぞ、昨日寝ていなかったそうだな」
シャルとラウラが来た。同じことを聞かれたのでさっきまであったことを話すとラウラからタオルを渡された。起きあがって返そうとするとシャルに寝かされお腹にタオルをかけられた。
時折り視線を感じるが、誰かが来ることもなく、のほほん女子が着ぐるみを見せに来てくれた。それ水着なの? とは思ったが本人が満足気なので抱きしめたいくらいかわいいと言った。顔を真っ赤にして立ち去ったので熱中症に気をつけてね〜と言っておいた。見送って気がついたが以前言っていた最強の水着はあれなのか、危うく悪魔の取引に引っかかるところだと安心した。
「ずいぶんと寛いでいるようだな」
少し瞼が重くなっていると千冬さんと山田先生が来た。どちらもスタイルがよく、系統が違うモデルのように魅力的だ。照れているところも可愛らしい。
「ふん、普段からそのままなら可愛げもあるのだがな」
「なんというか、イメージが変わりますねぇ」
俺を挟むように座り込む二人。せっかく水着を着てきたなら遊びに行けばいいのに。
「ダメですよー体調の悪い生徒を無視して遊ぶなんてできません」
「そういうことだ、寝れないなら膝でも貸してやろうか? ん?」
うーん教師の鑑である。お言葉に甘えて隣にあった膝へ頭を乗せる。タオルの枕でも寝られるが、誘いには乗るのも礼儀だ。
もともと重かった瞼もさらに重くなり、ゆっくりと夢の世界へ旅立った。
「は、春明君! 起きてください! となり! 隣からの視線がすごいんです‼︎」
山田先生が何やら言っていたが起きる元気もないのでそのまま寝た。人生でもトップクラスの寝心地だった。
さて大あくびをしながら起きたら夕方だった。誰かが用意してくれたのかたくさんのタオルが積まれた枕で寝ていた。なんじゃこりゃ。
とりあえず全部抱えて旅館に戻り、コインランドリーで洗濯することにした。……ちょっと待て、せっかく海に来たのに何してるんだ? 水着も見てないし泳いでもない、よくある日焼け止めを塗るステキイベントも起こってない。
自分の運の悪さに絶望していると、通りすぎた女将さんに事情を話すと、後で部屋まで持ってきてくれるらしい。思わず求婚した。笑われながら躱されたが満足した。お礼を用意して待っておこう。
部屋で浴衣に着替えて食堂へ行くと、一人分だけ残されていた。忘れていたが、しおりに書かれていた食事の予定時間は終わっていた。うーん、俺は何をしに来たのだろうか。さすがと言うべきか料理はとても美味しかった。ぼっち飯だったけど。
温泉に向かうとまずホモがいないか確認する。本来なら女性用の温泉に入りたかったのだが、事前申告したのだが千冬さんに却下された。
とりあえずお手製のホモお断り看板を入り口においてのんびりと温泉を楽しんだ。何か光った気がするが流れ星だろうか、夜空もキレイなのでずいぶんと長湯したのだが、ホモの気配はなかった。途中で乗り込んできそうだと予測していたのに、せっかくのトラップも無駄になった。
部屋に戻ると窓の縁に座り、夜空を見上げた。たまにはホモのことも忘れてセンチメンタルに浸りたいのだ。が、パシャリと音がして振り向くと、洗濯されたタオルをカゴに入れて持ってきた女将さんが端末のカメラを向けていた。
もーほんと勘弁してくれ!
呻きながら部屋をゴロゴロしていると笑っている女将さんに瓶のジュースを差し出され、ヤケクソ気味にお酌を頼んだ。ノリが良い人だったのか楽しんで飲み明かした。
朝起きると女将さんが同じ布団で寝ていた。起きた女将さんと目が合い、昨日のことは秘密と約束させられた。流石に仕事をサボったのはダメだったのだろう。
寝坊したのでまたもや一人で朝飯を食べ、しおりに書かれていた場所に向かうと見覚えのあるアホウサギがいた。
全力で走り勢いそのままに出会い頭ドロップキック‼︎
せっかくの水着会で何もせずぼっちで過ごす主人公がいるらしい、どうしてこうなった。やっぱノリでかいたらいけませんね、次回はヒロインたちの視点をお送りします。
感想、誤字報告いつもありがとうございます。ウチの読者はホモばっかなのでヒロインズ水着姿なくてもいいよね、原作と特に変わってないし! はいソコ描写スキルがないだけとか言わない