IS学園でホモから逃げるために婚活する   作:アオノクロ

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いろいろ考えたのですが、ホモじゃなくて婚活を見にきたという感想もいただいたので今回は婚活回です。

よくよく考えたら学生で婚活ってなんだよ。



駆け足気味の夏休み編です。


駆け抜けた夏の思い出

 IS学園に戻った俺たちを待ち受けていたのはテストだった。

 

 いろいろあったし頑張ったから免除とかないのか、とごねたがとんでもなく機嫌の悪い千冬さんが聞き入れることはなく普通に行われた。

 

 赤点だと夏休みに補習が入ると聞いて、どう逃げ出すかを考えていた。

 

 そして夏休み。

 

「テストを乗り越えた俺に怖いものはない」

「なんというか意外ですわね、春明さんなら勉学も難なくこなしそうですが」

「運転免許証持つのに車の仕組みもパーツ名もいらねぇんだよ、覚えておくのは車検に出すことだけだ」

 

 ギリギリ赤点を逃れた俺は教室でガッツポーズをしてクラスメイトから拍手をもらった。千冬さんはなんか舌打ちしていたが。そして夏休みの予定を聞かれたのだが、

 

「なんも決めてねぇや」

 

 という会話をしていたところ、セシリアに遊びに来ないかと誘われた。テストを乗り越えた俺はその場で二つ返事で了承。イギリスの観光名所など何も知らないままセシリアと飛行機に乗り込んだ。

 

 セシリアの実家はデカかった。そういやお嬢様なんだよな、けっこう忘れてるけど。最近は和室(俺の部屋)で座布団に座り、麦茶とわらび餅をシャルロットと食ってた。日本に馴染み過ぎである。

 

 メイドもおり、学園であったことを写真を見せながら話したらすごく喜ばれた。なんでも昔からの付き合いで姉妹のような存在らしい。調子に乗って鈴と一緒にだらけていた写真を見せたらセシリアが怒られた。もっと淑女の嗜みを、とかなんとか。お嬢様は大変である。後で余計なものを見せるなとセシリアにお怒られた。

 

 貴族パーティーなんかの付き添いだったり、イギリス観光というよりセシリアの手伝いが多かったがまぁ楽しめた。

 

 帰り際にメイドのチェルシーさんからセシリアのことを頼まれたが、俺以外にもたくさん友達がいるので大丈夫だろうと言った。お礼にいつでもペットとして迎い入れると首輪を差し出されたが、怖いので飛ぶ様に帰国した。この人もホモを拾ってこない、こないよな???

 

 

 

 帰国しようとしたのだが、空港で声をかけられ着いて行くとフランスに着いた。ビジネス・ファーストクラスなんて初めてだった。しかももっといい席を取ろうとしたらしいが庶民からすると充分である。

 

 そのままなんか黒塗りの高級車に案内され、着いた先はデカい会社だった。

 

 でっか、と見上げているとどことなく見覚えのある金髪の女性が現れた。ところどころフランス語が混ざってよく分からなかったが、大切な人の苦悩を知ることができて感謝している、とのこと。よく分からないまま会社を案内されるとISの研究開発部署にたどり着く。

 

 オイ良いのか部外者入れて、情報漏洩とか言われても知らんぞ。

 

 ラファールに乗っていたテストパイロットに煽られたので、余っていたラファールを借りてボコボコにしてやった。いろんな人に褒められて笑っていたら偉そうなおじさんが表れて、褒めていた人は全員いなくなった。ははぁーん、さてはお偉いさんだな?

 

 食事に誘われさっきのお姉さんも一緒なら、と返すとどこからかひょっこりと出てきてそのまま三人で食事に行った。フランスはチーズが上手い。

 

 ワインも飲んで酔っ払った二人と会社の一番上の部屋に戻り、床に座って飲んで食べた。泣きながら「ホモじゃないんだ!」と叫んでいたおじさんと親近感が湧き、ワインを注ぐとべろんべろんになって、裸のまま大の字でいびきをかいて寝た。

 

 お姉さんは奥さんだった。独り身なら口説いたのに、というとすごく喜ばれて逆にこちらの恋愛事情を聞いてきた。あれだ、女将さんと似た人種だ。しかし旦那と違ってザルなのかどれだけ飲んでも潰れない。これは千冬さんといい勝負かもしれない。

 

 奥さんはずっと笑っていたのだが、急に静かになり、「あの子は元気?」と呟いた。奥さんと似てかわいいですよ、すぐに慌てるところは似てませんけど芯は強いです、そう返すとソファに顔を埋めた。夫婦そろって泣き上戸らしい。

 

 潰れた二人を並べて写真を撮ると、静かに部屋を出た。出た先には社員の方がたくさんおり、何人かと握手やハグをしてまた空港まで案内してもらった。

 

 

 

 さて、今度こそ日本へ帰ろうとしたのだが直行便がないらしく、一度ドイツを経由することになった。空港で次の飛行機をマンガを読みながら待っていると、眼帯をした軍服のお姉さんに声をかけられた。日本のマンガやアニメが好きらしく、気になったらしい。なかなか面白い人なので一緒に食事をすることにした。無計画な予定の変更も旅の醍醐味である。

 

 話している最中に、黒服のいけ好かないおっさんが現れてお姉さんに声をかけた。職場の別部署の人らしいが、食事の邪魔をするのはいただけない。やめるように声をかけると、顔がドンドン青くなっていき、支払いをしてくれた。店を出るとなんかいろいろなバッジを付けた偉い人が、これまたどっかで見た車のドアを開けて待ち構えていた。

 

 一緒にいたお姉さんを誘って車に乗り込むと、物々しい場所へ連れて行かれた。最終的には豪華な装飾のされた部屋へ案内されて、これまた偉そうな人たちと食事をした。のだが、ちょっと味がイマイチだしお姉さんのことをアレコレ言い出すので、そんなにいらないのならお姉さんの部隊ごと学園で引き取ろうかと提案した。千冬さんも仕事が増えるが文句は言わないだろうとも付け加えた。

 

 一瞬にして空気が冷めて、誰もしゃべらないなかで料理を食べる。

 

 食べ終わるといつでも連絡してくれと、学園の連絡先をナプキンに書いてお姉さんを連れて部屋を出る。

 

 空港まで連れて行ってもらい、空港で売っていたコーヒーをおごってもらった。さっきまでの料理より断然美味い。出会った時と違ってずっと静かにしていたお姉さんが「隊長だけでも、引き取れますか」と聞いてきた。生憎群れから一匹だけ引き離すようなマネは動物大好きな俺としてはしないのだ。

 

 兎は群れで暮らすもの、独り立ちしても家族は変わらない。帰る家が増えるだけ。

 

 飲み終わったコーヒーのカップを捨てて乗り込み口へ向かう。別れ際に手を振ったら敬礼で返された。眠たかったのか涙がこぼれていたが指摘はしなかった。

 

 

 

 

 さてもう慣れてきた外国旅行も次に来たのは中国。今度はちゃんと理由がある、中華料理を食べたいのだ。どの店で食べようかと悩んでいたら、知り合いとすごく似ているちっこいのを見つけた。あまりに似ていたので驚いて見ていると、気付かれてストーカーとかめっちゃ言われた。理由を話して誤解を解いたのだが、そのままお詫びに食事をおごることに、いや逆じゃね?

 

 まぁこんなこともあるか、と美味しい店へ案内してもらった。めっちゃ美味かった。食べながら話していたのだが憧れている人がいるらしい。なんでも完璧にできる最強の美人だが、男に騙されて日本に行ったらしい。

 

 しかも最近は別の男の部屋に泊まっているとか。

 

 なんだそれ大丈夫なのか? 年頃の男女が同じ部屋で寝泊まりして、しかも付き合ってないとは、不純異性交遊だ。そんな奴は許しては置けない。モテる男などこの世から滅びればいいのだ。

 

 意見があって盛り上がり、いろんな店を案内されて楽しんだ。もっと遊びたいと駄々をこねていたが知り合いに確保されて、連れて行かれた。アレだ、猫みたいだ。しかしたのしかったので、運が良ければまた出会いたいものだ。

 

 

 

 日本に戻り、なんとなしに篠ノ之神社へ行ってみた。箒の叔母さんと出会い、箒と一夏が夏祭りに来ていたことを知る。

 

 なんだそれ誘えよ‼ そういや旅行前にうるさいから通知切ってたや。

 

 屋台の焼きそばが食べたいと言ったら作ってもらえた。いろんな国の料理を食べたが結局は日本の料理に落ち着くのだ。これが日本の料理かと聞かれればアレだが。

 

 叔母さんとのんびりと話して、ご飯代として草むしりをさせられた。死ぬほど暑かったが終わった後に冷えた麦茶とかき氷を差し出させて回復した。そのまま昼寝をすると、夜に目が覚めてそのままご飯をごちそうになった。

 

 料理の分量を間違えて多めに作っていたが、こちとら燃費最悪の男子高校生。ぺろりと平らげ、食後にアイスも食べた。

 

 次の日、玄関で見送られながらまたご飯を食べにくると宣言する。今度は知り合いも誘って大勢で食べようと、軽く抱きしめながらそう約束した。ご飯は一緒に食べる人が多ければ多いほど美味しくなるのだ。

 

 

 

 そんなご飯のことを考えているといつの間にか五反田食堂にたどり着いた。定休日で弾も蘭ちゃんも用事でいないらしい、とお母さんに聞いた。お昼がまだだと伝えるとどこからか出てきたお祖父さんが料理を作ってくれた。代金は弾につけておくらしい。やったぜ。

 

 蘭ちゃんがIS学園に入りたいとのことでお母さんから相談を受けたが、あの意思の固さなら入るだろう。俺も先輩として手助けはするつもりだ。筆記試験以外で。

 

 あと以前持って帰ったここの料理が絶賛されたと伝えたら、ボソッと「暇なら連れて来い」と言われた。気難しく優しい人である。お母さんと一緒に笑った。

 

 待っていたが二人とは会えず、そのままIS学園へと帰った。後日聞いたら二人ともそれぞれの友人と泊りに行ってたらしい。蘭ちゃんにまた来てほしいと言われたが多分学祭に来る方が早い気がする。

 

 

 

 IS学園に戻ると、いつものメンバーがおらず、それぞれ遊びにだったり帰国だったりしているらしい。夏休みということもあって生徒も少なく、食堂で出会った先生方といろんな話をした。海外旅行に言ったと伝えたら羨ましいと言われた。渡す予定だった相手もいないのでお土産を差し出しておいた。泣かれた。いい加減どうにかしてあげて欲しい。

 

 部屋に戻ろうとすると、のほほん女子と出会った。

 

 帰省もしておらず、姉や友人の手伝いをしたら追い出されたらしい。暇だというので部屋にあげると、マスクドライバーを一緒に見た。あれからいくつか見たらしい。

 

「しのきーは、こんな風に誰かを助けたりできる?」

 

 いつもより静かだったのほほん女子が聞いてきた。マスクドライバーはカッコいいが、あくまでフィクションである。現実はこうはいかない。

 

「リアリストなんだね~似合わないよ~」

 

 できないことをできると言うのは良くないのだ、相手にも自分にも。だから、

 

「できないもんはできん、できるのは寝転んでへーへー話を聞くくらいだ。できると言って責任はとりたくない」

「しのき~さいて~」

 

 横に座っていたのほほん女子が笑いながら肩にもたれてきた。

 

「…………何かあったら助けてくれる?」

「できること、やりたいことなら。人助けはしたくない」

 

 いろんなことをしてきたが、それは結果的に誰かが助かっただけで、俺はマスクドライバーみたいなヒーローではないのだ。無責任な信頼は重いのである。責任なんて投げ捨てるのが一番いいのだ。

 

「…………うん、しのきーならできるよ」

 

 肩にかけられた思いを感じながら、暗い部屋でカッコよく誰かを助けるマスクドライバーを二人で見た。

 

 

 

 夏が終わり、秋が来る。




うーん、このダークホース。書いててなんだが、他には飲んだくれの三十路処女とかなのにあっけらんもしっとりも行けるこのヒロイン強すぎるな、ナーフしないと。



書かなかったそれぞれの内心

チェルシー:ペットを飼うかもと言って男を連れてきてびっくりした。メイドとしてしっかりとした態度をとってほしいが、これだけ気を許す相手ができてて嬉しい。写真は保存した。その気なら全然迎い入れる。

アルベール・デュノア、社長夫人:いろいろとあったが助けてくれた恩人。息子のような相手と酒が飲めて嬉しいアルベールに、亡くなった姉妹と似ていると言われて感情が爆発した夫人、実は酒はそこまで強くない。聞きたいことがありすぎて緊張していたから酔えなかった。

クラリッサ:マンガの話をしたかったのは本当、隊長の恩人で推しというのは気が付いていたので声をかけた。家族のことを気にかけてくれて好感度が上昇、恋愛というかそれを超えた信頼になる、ほかのメンバーにも伝えて同じ状態。え、隊長が口説くために我が部隊で籠絡作戦を? 全然しますよ! 自分たちをだしに引き入れようとした一部の暴走した政府関係者は後に上から粛清された。

凰乱音:お互いがお互いに気が付かなかったアホの子。なんだかんだ仲の良い相手と似ているので馬が合った。もし向こうから言ってきたら付き合っても良いかもね! とは思っている。今後出る予定はないが、もし出たらえらいことになりそう。もっぴーの趣味的に。

篠ノ之叔母:顔は知ってるし話したこともある、程度の関係だが直前の夏祭りに姪とその幼なじみが話してくれたのでいい子だと思ってる。料理の腕をさらに磨こうと思った。親子的な思い。

五反田母:子供の友人にして思い人。貰ってくれないかなぁ、でもモテるだろうしなぁ、なんだかんだいい子だしうちの子にならないかなぁ。え、いろんな女の子と泊ってるの?詳しく
五反田祖父:その気があるなら客を連れて店をつげ

先生方:仕事と悩みのタネではあるが、大事な生徒には変わりない。いろんなこと任せてゴメン、あと優しくしないで欲しい。涙腺が緩くなる。あ、結婚相手探してるの? こっちもなのよ、いい感じの成人男性いたら紹介して。え? 生徒に手を出すわけないじゃ~ん

のほほん女子:友達を助けてほしい、そのためなら気になってる相手でも女の子に紹介する。やっぱナーフしないとダメだって。


感想、誤字報告いつもありがとうございます。ストーリー調べ直してたらタッグマッチ二回あったんだけどなんで??? あれか、一回目できなかったから???
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