やっぱみんなオリジナルライダー考えちゃうよね! 作者もそーなの。原作準拠だったりガン無視だったり、それでも妄想するのが楽しいし、妄想したくなる魅力的な作品というわけですね。
こんなに二次創作が多いインフィニットストラトスも魅力的な原作という……………
はい、なんかのほほん回とか言われてるけど簪回です、ホントです。読んでみてください。
アリーナでは一年生のタッグマッチが進み、現在は最後の一回戦である。
「ほい」
「うっ!」
「てい」
「ぐわっ!」
箒とホモが二人がかりで攻めてくるので適当にいなす。遠距離も使えるのに全員が近距離で戦っており、攻めてきては放り投げていく。この繰り返しである。
「流石に、強すぎないかっ!」
「春明はすごいなっ!」
「お前らがIS使いこなせてないんだよ」
お互いに遠距離なしの条件でやっているのだが、二人ともなんというか、剣道の動きにとらわれ過ぎている。ISを飛べる防具くらいにしか思って無いのだろう。もったいない。
「言うけど、剣の腕だけならお前らの方が上だからな? 普通に剣道の試合とかなら俺は負けるぞ? 十本勝負で俺の勝率は一夏なら四割、箒なら二割くらいじゃねぇか? もちろん二刀でだ」
疑いの目を向けられるが事実である。箒は熟練度で、一夏は適正? たぶん俺より剣に向いている。俺自身もそんなに弱いわけではないが、それ以上にこの二人は普通に強いのだ。千冬さんはアレ、アレだ。
「それがISに乗った瞬間俺の勝率九割、ほぼ十割だが、その理由はISの理解度が足りない。ISは操縦者の通りに動くパワードアーマーだが、人以上の動きができるんだ。そのことを理解できないうちは勝てねぇよ」
一夏がスラスターを吹かせて踏み込んでくる。量産機とは比べ物にならないスピードだが、軽く黒鳥を後ろに倒すことで躱す。上から箒が切りかかってくるが、スラスターを使って寝転んだ態勢のまま後ろへ下がる。
ISには慣性制御装置がある、後ろに下がった勢いを殺し、逆に前へ出る。受けようと構えた箒の直前で足の裏のスラスターを吹かせて飛び上がる。そのまま箒を飛び越し途中で蹴飛ばす、刀を後ろに構えて一夏の攻撃を防ぎ、振り返りながら受け止めた雪片弐型を絡めてくずし、逆の手で白式を切り飛ばす。
「箒、慣れねぇなら二刀じゃなくて一刀にしろ、それと間合いを把握。攻撃が遅いし近すぎる。一夏、素早く踏み込むのは白式の特徴だが振り回されてる。フェイントや緩急を意識しろ。前から言ってるぞ」
「むぅ」
「うっ」
自覚はあるのか、苦い顔をする二人。
簪が来るまでの時間つぶしで試合を後回しに、それでいて本気でやれば勝ってしまうので特訓も兼ねてやっているんだが、流石にそろそろキツイか。千冬さんの表情も険しくなっている。
「まぁ待つけどな」
簪の居場所は俺には分からない。整備室でしか会ったことはないし、その前にもどこかで見かけることはなかった。故に探す場所も分らない。だからのほほん女子に頼んだ。
「さぁ、時間はたっぷりあるぞ。いい機会だし普段以上に鍛えてやる」
それまでは待つだけだ。
二人の顔が青くなるが気にしない、そんなに怖いのなら俺を倒すがいい、そうすれば終わりだ。ハッハッハッハ。
笑い出す俺を見てさらに顔を青くする二人、黒刀を構えて歩き出そうとすると、横から扉が開く音がする。そこから飛び出したものは、砂煙を上げて俺たちの間に着地した。
「……………お、遅れました! ごめんなさいナンデもしますっ‼」
ヒーローのお出ましだ。
あ、ダメだこれ。
アリーナへ入って簪は気が付いた。春明がなんかすごい顔で笑ってる。ISも相まって思いっきり悪役だ。すぐに逃げたい気持ちに駆られる、というかすでに足が後ずさりを始めてる。
「助かった簪!」
「ありがとう簪!」
「ふえっ!?」
罵声を浴びると思っていたのに、お礼を急に言われて変な声が出る。だが二人は心から感謝しているのだ。目の前のヤツに惚れている二人だが、それはそれとして今の春明はコワイ。いったん逃げて時間を稼ぎたいくらいにはコワイ。鍛えてやると言われた瞬間にあ、これ本気だ、と感づいたからこそどうにかしたかったのだが、そこへ簪が来た。しかも何でもしてくれると言ったのだ。
「今春明はかなり悪ノリしてる! 止めるのに手を貸していただきたい‼」
「どんな春明でも受け止めたいがこの状態はちょっとしんどいんだ‼ 頼む、助けてくれ!」
「え、え、え、ハイ!?」
簪、勢いに飲まれてタッグマッチのペアを相手にすることが決まる。普通に考えれば裏切りである。
「ほお? いいぞ、三人でかかってこい。こっちも全力で相手してやる!」
だが春明、テンションが上がってノリノリである。これを見ていた千冬、後方腕組みで頷く。春明ならそうするだろう、と。その隣で頭を抱える山田が教師として正しい姿である。
「え、あ、あ、や、山嵐行きます‼」
分からないのでとりあえずの攻撃、打鉄弍式神雷のメインである四十八発の独立稼動型誘導ミサイルを発射。前後左右上下、あらゆる角度から迫ってくるミサイルが黒鳥を襲い、カラフルな爆炎に包まれる。
「やったか!?」
思わず叫ぶ箒。
「あ、ダメ、それ失敗フラグ」
思わずつぶやく簪。
運よく聞き取れた一夏が爆炎の中をくまなく観察すると、
「……………威力はあるが爆風が爆風を押しのけて邪魔してんな。固めすぎるとお互いが邪魔になって威力が減衰するのか、使いどころが難しいな」
多少傷はついたものの、変わりなく立っている黒鳥がいた。
「え」
せっかくの初披露である武器が効かなかった。テレビの中なら盛大にくらい、反撃させることなく討伐できるが現実ではそうはいかない。
簪の辛うじて立っていた心が曲がりそうになった。
「でも隙にはなっただろっ!」
未だ漂う煙の中から一夏が飛び出して切りかかる。防がれたがこれまでよりは余裕はなかった。
「簪! わたしと一夏が突っ込む、隙を見つけたら自由に攻撃してくれ」
「え、ええ、でも巻き込んだら」
「大丈夫だ」
不安しかない簪のことばを箒が遮る。
「できることをすればいい、できないこともできるようになればいい。わたしは春明にそう教わった」
戦闘中とは思えないほどの優しい笑顔で箒が簪を見つめる。その余裕はどこにあるのか、飛び出していく箒を見送って簪は戸惑っていた。そして分かった。
「春明! またノリでこんな事をしてくれたな!」
「いやこれもう、アレじゃん。強敵相手に割り込んできて一緒に戦う王道の展開だろ」
「簪戸惑っていたぞ! というか俺は春明と一緒の側が良い‼」
「はぁー弱いのが悪い、戦力差的に俺一人で充分だからな」
「簪! この舐めたやつにさっきのミサイルを撃ち込んでやれ‼」
怒りながらも笑っている。間違いなくタッグマッチトーナメントという大事なイベントの最中なのだが、彼らは笑って、遊んでいる。
「わたしも」
心が揺れる憧れの景色を見て、少女は思った。
「簪」
その中の中心となっている少年と目が合った。激しく動く中ではっきりと、ゆっくりと確認できた顔は笑顔であり、遠く離れていたハズなのに簪の耳に言葉は届いた。
「来てくれてありがとう、助かった」
本気で言ってくれている。そう心で理解できた。
「一緒にマスクドライバーごっこしようぜ」
返事はいらない。少女が欲しかったものは今ここに揃ってる。
「ふ、二人で春明くんの動きを止めて!」
思っていたよりも大きな声に一夏と箒が驚くが、すぐに笑って返事を返す。
「任された!」
「おう!」
さっきまでと違い全力で向かう。箒の振るう刀からビーム刃が飛び出し、一夏は刀と爪の二刀流で襲い掛かる。
「ほう、さっきまでよりも動きは良くなったが、その程度で俺に勝てるとでも?」
あくどい笑みを浮かべて二人の攻撃を躱す春明。それどころか攻撃が荒々しくなっていく。
「もちろんだっ! 俺たちだけじゃないからなっ!」
鍔迫り合いをして押し負ける一夏、追撃が迫る中不敵な笑みを浮かべた。黒鳥のアラームが鳴る。ハイパーセンサーが捉えたのは数発のミサイル、何なく躱した瞬間、
「何?」
ミサイルが起爆した。春明の態勢が崩れると、そこへさらにミサイルが飛び込んでくる。またしても躱すのだが、
「そういうことかっ!」
飛んできたビーム刃がミサイルへ直撃、爆発して黒鳥が巻き込まれる。辛うじて爆炎の中から飛び出ると、一夏が飛び掛かって来る。
「分かりやすいぞ」
「だろうなっ!」
またしても鳴り響くアラームが知らせるものは、
「足止めかっ‼」
二門の連射型荷電粒子砲「春雷」を構える打鉄弍式神雷の姿。
「告げるは雪解けの証、生命芽吹く春の訪れ、唸り、響く、目覚めの轟雷」
瞬いた砲門が、残弾を空にするまで轟き続けた。
最後のは雷王で新フォームが出てきた時の新技の名乗りてきな奴です。基本初回限りで名乗り纏め、みたいなのが動画投稿サイトにあげられるとみんな見ます。シュンライフォームは雷を纏った雹を撃ちだす遠距離型で、飛行型の敵を相手に活躍しました。
やっぱ戦闘シーン書くのたーのしー‼ もっと書きたい‼ でもギャグにもしたい‼ じゃあ両方やるか、ってできるのがいいところですね。原作ももっと戦え、戦ったっけ? なんか鈍感、やらかす、殴られる、のイメージしかない。おかしい。
いつも感想、誤字報告ありがとうございます。気が付けば三十話過ぎてます。だいたい毎日更新なので一ヶ月以上書いてます。こんなもんそんなに続けてんのか、はよたたみたいけどまだ長くなるぞ。なんでや。