あと虚先輩も弾とデート、本音との姉妹丼という極端な意見も貰いました。許してくれ、作者は弾と虚カップル好きなんや、だって普通に青春してるカップルだし
さて、ダークホースと名高いのほほん少女です。どうぞ
布仏本音にとって篠崎春明は頼りになる人物である。
出会った当初はおもしろい人という印象だったのが、時々あるイベントを乗り越えていく姿を見て気がついた。自分以外にも少しはいるのだろう、たまにホモを見る目とは違う目で見ている生徒がいる。日が経つにつれ少しずつ増えていくのが分かる。
なにせ自分と同じ目をしているのだ。どこかで助けてもらったか、頼りになるとこを見たのか、多感な年頃の少女たちだ。些細なことで惚れてもおかしくない。
自分よりもちょろい子ばかりだ、学祭でこっそり指をさされてときめいたことを棚にあげてそう判断する。嘘をつかないという名前で常に本音を語る少女だが、溢さない本音もあるのだ。
「今日は〜わたしがしのき〜に頼られたいと思いま〜す」
「やりたいことは分かった、だからそのはたきを下ろせ」
ダラダラと寝転がってマンガを読んでいたところに突撃してきた本音。制服の上から三角巾にエプロンをつけて、はたきを持ってきた理由を知った春明は即座に止めた。
意気込みは買うが、実力は姉のお墨付きだ。生徒会所属だが任されている仕事は手伝わずにお菓子を食べること。たとえ妹だろうと仕事を増やす趣味は虚にはない。
「菓子やるから食ってろ」
「わ〜い」
とりあえず買い置きのお菓子を与えて行動を制限する。うまうまと食べる本音を見て春明は頭をひねる。実は知ってる顔の中で一番相手をするのが難しいのだ。友達思いの良いやつ、とは分かっているがそうではない部分の把握が難しい。お菓子が好きでのほほんとしているくらいしか分かっていない。出会う時もたいてい一人の時なので他の知り合いとどんな話をするのかも分かっていない。
故に未だ人物像を掴みかねている。
それで困ることも痛い目を見ることもないので、気にしていないだけなのだが。
今もお菓子を食べながらマンガを読んでいると隣に寝転がってきた。よく部屋に来るメンバーなら他のことをするか、背中に乗っかってマンガを覗き込むのだが、隣に寝転がってお菓子を食べるだけである。
この辺りの距離感も春明が本音のことを把握しきれない要因である。
「ふぅー」
読み終わったマンガを閉じる。ちょうど最終巻だったので、仰向けにひっくり返って大きく伸びをする。そのままどうしようかとあたりを見渡すと、
「しのき〜読み終わったの〜?」
本音が声をかけてきた。
「おー、最後まで読んだし何しよっかなって感じ」
春明の言葉に本音は少し考えると、春明の裾を少しだけ摘んで、
「ね、良かったら購買に行かない?」
いつもより少しだけ小さい声で春明に伝えた。
IS学園の購買、金のかかっている学園なだけあって広く、女性向け商品が多いが品揃えも豊富だ。コンビニと比べても遜色ないくらいである。そんな購買にきた二人は本売り場に来ていた。
「おすすめのマンガなぁ」
「しのき〜たくさん持ってるでしょ〜?」
もちろん購買にも売っているが、限られたスペースでは新刊ばかり、あとはレディース系のマンガばかりである。今年に入ってからBでLな本がさらに売れるようになった。
悩ましげに並べられた商品を見てあーでもないこーでもないと悩む春明、その顔をこっそりと横から本音はのぞいていた。
そして本棚を順繰りに眺めていく春明の手が一冊の雑誌で止まった。名前だけなら誰もが知ってる雑誌上位に来るゼ○シィである。思わず手に取ってしまった春明の目は死んでいた。ここで買う年齢層的に教師しかいない。
誰とは言わないが担任の姿が浮かんだ。
たまたま通りがかったその教師はゼ○シィを眺める少年を見て口元がニヤけたが、隣に覗き込む女子生徒がいることに気がついて膝が震えた。酔って忘れようと自室へ戻ったが、仕事中だったので副担任に連れ戻された。
「これねぇ〜たまにみんな買ってるんだよぉ〜」
「なんでだよ」
付録の婚姻届に好きなキャラの名前を書いたり、普通に読むらしい。業の深い遊び方だと思ったが何も言わなかった。棚に戻して再び本を探そうとすると、今度はた○ごクラブがあった。なんかもう頭が痛い。
たまたま通りかかった剣道少女はた○ごクラブを持つ少年を見て妄想が溢れた。道場、夫婦、こども、祝ってくれる道場生、ここまで来た時にクラスメイトの女子が隣に立っていることに気がついた。これまでで一番のダメージを脳に受けた剣道少女はその場で倒れ、通りすがった別の生徒によって保健室へ連れて行かれた。
スタッフさん曰くシャレで入荷したが生徒が案外買っていくらしい。おもしろがって読んでいるが、それを見る教師の目がすごいとか。春明が無言で本音を見ると首を横に振っていたが、自室にはゼ○シィもた○ごクラブも一冊だけ置いてある。ルームメイトも知らない場所に隠されている。
適当にマンガを数冊、お菓子を買って二人は中庭にでた。
春明が木の根元に寄りかかって座ると、本音も隣に座った。ペラペラと読んで静かな時間がすぎる。一冊読み終わった本音が身体を少し傾けると、春明の肩に頭をのせる。
「ね」
「ん」
「かんちゃんのこと、ありがとう」
普段の間延びした話し方ではなく、短くつぶやかれた言葉に春明は返事をしない。視線はマンガに向いたままだが、ページが捲られることはなかった。
「だから」
頭だけでなく、腰も浮かせてさらに近寄る。横だけだが、身体が密着するほど近くなった。
「おれい、なんでも……していいよ?」
風が木陰に隠れた二人を通り過ぎる。
木の葉や草が揺れる音が鮮明に聞こえ、自分の心臓の音がうるさくなる。
どれくらいの時間が経ったのか、春明が動いた。本音の肩がビクッとして震える。隣でゴソゴソとする春明の方を向くことはできない。
そして本音の顔に手が伸びて──────
その手には差し出されたお菓子があった。
キョトンとしてお菓子と目を向いたままの晴明を見比べる。何も言わずに、無言で差し出されるお菓子。とりあえず食べてみる。
飲み込むと次のお菓子が出される。袋に入っている細長いタイプのお菓子を差し出されると、先端を咥えた。
そして顔を伸ばすと、春明の顔に近づける。手で取ろうとして首を振られたため、顔を近づける。そのまま両端をお互いが食べ進め──────
たまたま廊下を歩いて中庭を見下ろした姉は、妹が思い人とポ○キーゲームをしているところを写真に撮ってしまった。自分もしようと思いながら大事に保存した。
撮られた妹はその夜、枕を抱えて布団にこもった。ルームメイトは体調不良を心配していたが、顔は幸せに溶けた表情だった。その日以降、普段はお菓子をパクパクと食べるが、とあるお菓子を食べるときだけ静かに噛み締めて食べるようになった。
触れたのか触れなかったのか、それはご想像にお任せします。
身体を触られるくらいには覚悟していたのに食べさせられるだけでちょっとモヤっとしたので自分から動いちゃいましたのほほん女子。なお春明はなんでも⁉︎ とは思ったけど前歴があるのでやめときました。外だし、でも部屋に戻ってちょっと後悔した。もっと抱きつく案とかあったけどぽくないなぁ良いわけで横に座らせました。
ちなみに、最初はお礼に家事とかしようと思いましたが春明に阻止されたので、一緒のマンガでも読もうかと購買に行きました。たまたま見つけた雑誌でたまたま見た内容に女子からも押すべし、好きにしていいと言えば男なんてイチコロという言葉を思い出して実行したようです。
のほほん少女は春明と他の女子がいる時には基本的に出会いません、不思議ですねぇ。
感想、誤字報告高評価いつもありがとうございます。アイデアのきっかけや創作意欲になっているのでどしどしください。活動報告にて案は募集しております