ではでは修学旅行編、これより始まりです。
そうだ、京都に行こう。
このフレーズはもう使われてないのか? あんまり聞かなくなったな。それでも世界的にも有名な観光地であることには変わりない。
到着する前からはしゃいでいた生徒たちだが、実際に京都に着くことでさらにテンションがあがっている。特に分かりやすいのは外国組だ。
「これがジャパニーズキョウト!」
「うわー! あの建物すごいね‼︎ あ、あっちに舞妓さんがいる‼︎」
「…………」
分かりやすくはしゃぐセシリアにシャル、なぜか無言で写真を撮るラウラ。なんでも黒兎隊が写真を見たいらしい。それたぶん風景もだけど旅行の写真じゃないか? カメラをもらってテンションの高い海外娘を撮る。
「鈴ははしゃがないのだな」
「中学の時修学旅行京都だったしねー」
「禅体験で足が痺れてたよな」
鈴たちが話をしている通り、俺たちは中学の修学旅行で来たことがある。さっそく観光、という名の体験授業だが行くべき目的地は一つだ。
「一夏、行くぞ」
「おう!」
わざわざホモを誘ってでもいくべき場所、浮かれていたメンバーも着いてくる。一人だけ察している鈴は出店で湯葉コロッケを買っていた。
「制限時間はありません、もう無理だと思ったら蓋をしてください。でなければ店員がどんどん入れていきますからね〜」
そう、もう分かっただろう。俺たちが挑むはわんこ蕎麦。
中学の時に百杯を目指していたのだが、途中で挫折。機会があればリベンジをするべくこのために鍛えていたのだ。
ちなみにせっかくだと全員参加している。普通に楽しもうとしているが、一夏だけは目の色が違う。昔、ここに弾も合わせた三人でリベンジしようと誓ったのだ。
「ではよーい、スタート」
大きく口を開けて蕎麦をかきこむ!
「うっ、流石にくるしい……」
最初は順調、半分を迎える頃に苦しくなって、今は八十を超えたくらいか? 一夏もギブアップして残っているのは俺だけだ。暇になったメンバーは注ぐ係をやらせてもらっている。今も、横でラウラがお椀を持って待ち構えている。
「いいぞ春明」
「がんばってください」
「がんばれ春明!」
「む、無理はするなよ」
「はい」
「あ、あとは頼んだ」
「我が夫ならいけるぞ」
おもいおもいに言葉をかけながら注がれる蕎麦。なんか大盛りに見えるけど、気のせいか? 途中味を変えたり、立ちあがって深呼吸をしたり工夫を凝らして食べていった。
そして注がれる百杯目。
「あ、あが」
もう口を開けることすら辛い。もはや反射的に蕎麦を口へ運ぶが、とんでもなく重い。
「あぐっ」
どうにか口にいれるが咀嚼すらもしんどく、アゴの筋肉がつらい。明日は筋肉痛になるかもしれない。
だがもうあとは飲み込むだけ、お店の人や他のお客さんも含めた全員が固唾を飲んで見守る中────
いや見てるのは俺じゃない。
うしろの、
「ほう、定期連絡もよこさず何をしているかと思えば、女に囲まれていいご身分だな」
ごくり、とツバを飲み込んだ。
あ、百杯達成記念で写真が店に載せられました。ブリュンヒルデのサインも入ってお店の人はすごく喜んでました。
俺はこの後千冬さんに捕まってコロッケを食べた。食べ過ぎによる体調不良を起こさないための見張りらしい。なんじゃそりゃ。
夜はホテルで食事、かなり豪華な食事が出たがこの資金どっから出てるんだ? 税金か、なら味わわないとな。俺たちの払った血税がこうして戻ってきてるんだ。あれ、でもIS学園って治外法権じゃなかったっけ?
なんか世界の闇を覗いた気がするので、風呂に入って忘れることにする。ホモが入らないようちゃんと看板を立てておいた。個室風呂? そんなもん突撃されるに決まってる。
浴衣を着てホテルの卓球台へ向かうと、勝ち抜き戦が開催されていた。はだける浴衣を見るために全力で勝ち抜いた。汗をかいたのでまた風呂に行くと、ホモがまだ入っていたのでやめた。通りかかったホテルの従業員さんが時間外になった女性風呂へ入れてくれた。ありがたい。一緒に入った理由は分かんないが、眼福だった。巻紙? みたいな名前だったが怒られたりしないのだろうか。
二日目、そこそこ遅くまで起きてトランプをしていたが元気である。これが旅行マジックだ。
調子にのって無茶なルートを計画したせいか、走ったり飛んだりする羽目になった。IS? 使ってないが? たまたま足が伸びたり宙に浮いただけだが?
映画村で簪と合流。一緒にいたのほほん女子が意外な場所に来たねと言ったが、ここはマスクドライバーの舞台となった場所なのだ。
「え〜? そうなの〜?」
想像できないと言った顔だが、自分も見なければ信じなかっただろう。だが事実だ。
「将軍と一緒に戦ったんだぞ」
「舞台に使われたことは何度かあるけど将軍が出たのは一作の映画、特別編だけで共演どころかちゃんと殺陣もしてくれたし馬の横でバイクに乗って走る場面なんかは後にも先にもない名シーンで歴史に残ったしただゲスト出演するだけじゃなくてストーリーにも関わる名作だから今度本音も一緒に「しのきー一緒に写真とろ〜」
簪の言葉を遮って連れてこられたのは顔出しパネル。お殿様とお姫様のイラストだ。でもなんで俺がお姫様側なのか。
いろいろな場所へ大勢と行き、楽しんだ。
ひと息つくかとベンチに腰掛ける。すぐ近くにアイスを売っていたので買おうと腰をあげたら、
「どうぞ」
隣から差し出された。金髪の美女が差し出したアイスを受け取り食べる。
「どうもごちそうさまです」
「ふふっ、遠慮しないのね」
だって二個持ってたし、美味しそうだったのでいただいた。
「仮にも世界で二人しかいない男性操縦者よ? もう少し警戒しないのかしら」
「そんなんしててもどうしようもない時はないからなー」
ドイツで攫われた時とか手際良くて攫われないじゃなくてどう逃げるかって考えるしかなかったし。あとはホモ、どうしようもないのだ。
「その自信なのか大雑把なのか分からない態度、さすがね」
褒められた、とりあえず喜んでおこう。
アイスを食べ終わると、ゴミを捨てようとあたりを見渡す。普通に近くにあったので立ち上がると、
「もらっておくわ」
手を差し出された。同じくゴミを持っているので捨ててくれるのだろうか、とりあえず手渡す。
受け取るとそのままゴミ箱の近くまで歩き、また戻ってくる。
「ありがとうございます」
お礼を言って帰ろうとしたが、
「どういたしまして、と言いたいけど少しいいかしら」
「はいよ?」
なにか失礼なことでもしただろうか、もしアイスを食べる態度が悪いとか言われたらどうしようもない。土下座でもするか。
「よくできました、と褒めてくれないかしら」
「? よくできました」
よく分からんがとりあえず言われた通りにいう。立派な成人だろうけど褒められる経験も少なくなって寂しいのだろうか。大人は大変である。
「──────えぇ私は良い子ですから」
なにか思うことがあったのか、噛み締めて消えていった。
「私は守ったわ。だから約束は守ってね、お父様」
最後に呟いた言葉は聞こえず、待っていたメンバーの元へ俺は帰っていった。
その夜も豪華な食事に卓球、そして夜更かしトランプ大会と旅行を満喫して朝を迎えた。
この日も遊んで明日に帰るのだが、とても大事なイベントがある。
亡国企業の襲撃が今日あるのだ。
なんか正常だからやばい感がました。
普段仕事の合間とかに書くんですが忙しいと遅くなります。決してわんこ蕎麦の影響で蕎麦を食べにいったせいではありません、カツ丼が美味しいです。
感想、誤字報告高評価いつもありがとうございます。感想千件見えてきました! UAも五十万近いです! 感謝‼︎ 活動報告にリクエスト書けます、山田先生とか亡国企業メンバーとかもありです