IS学園でホモから逃げるために婚活する   作:アオノクロ

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 さぁ亡国企業のターン、と見せかけての前話です。別名この先リクエスト入れる隙間ないからねじ込んだ回。

 ちなみに前回マドカも出てます。


修学旅行 合間の未来

 修学旅行三日目の早朝、オータムさんから「今日昼くらいに行くからなー」というメールを貰い、千冬さんに見せる。

 

 頭を抱えてとりあえず専用機持ちと一般生徒を分けて、交通事故による公共交通機関のマヒとしてホテルへ抑える。楯無を通じて連絡しておいたお偉いさんたちの重たい腰も無理やり動かして、京都全体に不要不急の外出を控える連絡が出された。

 

 

 

 ホテルの自室を出ると、箒がいた。お土産物で買った木刀の手入れをしていた。何に使うのやら。

 

「将来わたしは道場を復興させたいのでな、その一環として土産先の木刀などあれば面白いかと」

 

 それは確かに面白い。子どもなら惹かれるだろう。大人も惹かれそうだが。

 

「その時は、その、…………」

 

 急にゴニョゴニョと俯く箒、昔から変なところで尻込みするクセがあり今も変わっていない。

 

「昔のことは言うな‼︎」

 

 木刀を投げて渡されたので軽く打ちあって汗をかいた。

 

「勝ったら、将来手伝ってもらうぞ!」

 

 顔真っ赤にして勢いで言いやがった。軽い打ち合いなのに勝ち負けとかどうやって決めるんだよ。そこを指摘するとまた顔を真っ赤にした。

 

 

 

「あら、朝からお風呂ですか?」

 

 大浴場へ向かう途中、セシリアが土産を眺めていた。

 

「時間はかかりますがチェルシーに送ろうかと」

 

 それは良いな、自分も知ってる顔だなにか一緒に送ってもらうか。セシリアと一緒にあれが良い、これも良さそうと土産を眺める。金色の龍の剣を見せるとこれまでにない目で「戻してきなさい」と命令された、わん。

 

「春明さんも、また我が家に来てくださいね。オルコット家はペットを飼うくらいの余裕はありますので」

 

 会計をして土産を入れられた袋を持ってセシリアが言う。

 

「い、いつまでも、げふん! いつでも来てもらって良いですから」

 

 途中噛んでいたが言われた通りまた行くとしよう。二人が喜ぶ土産は何が良いだろうか。狐のお面か?

 

 

 

「あー朝からってのもいいわねぇ」

 

 風呂に入ると何故か鈴がいた。なんでだ。

 

「なんか今緊急事態らしくて封鎖していたけど、IS学園の関係者は入れてくれたのよ」

 

 だからと言って男風呂に入るのは良いのか、いや女性用は混んでたらしいが。

 

「どーせあんたか一夏くらいしか入らないでしょ、一夏も忙しそうだし入るならアンタしかいないから良いのよ」

 

 よく分からん理屈だが本人が言ってるし誰もいないので良いか、いやいいのか?

 

 そのまま二人で湯船に浸かって話した。将来は飯屋をするからご飯に困ったら来なさいとか、将来食い扶持に困ると思っているのか、なんだかんだ決まったら逃げないんだからさっさと相手を決めろだとか。

 

「アンタならどうにでもなるわよ。だから、それでも困ったら言いなさい」

 

 露天風呂、ではないが外に設置された風呂で、肩にかかる重みと絡まった指の温度で身体を癒した。

 

 

 

「あー! お風呂入ってたんだ‼︎」

 

 風呂から出るとシャルに見つかった、探していたらしい。風呂に行こうとして躊躇ったことを惜しんでいたが、普通は入らないから正しいと思う。

 

 売店コーナーへ引っ張られていくと、店の浴衣が売られていた。買いたいなら買えば良いと思うが。

 

「柄がたくさんあるでしょ! は、春明に選んで欲しいなぁ〜…………なんて」

 

 この手のセンスがないのに任すのはどうだろうか、とりあえずラインナップを見る。本職の店と違って派手だったりキャラものだったりそんな柄が多い。うーん、と頭を捻りながら一つ手に取る。

 

「白生地に紫の花、シンプルだね? もっと派手そうなの選ぶと思ったけど」

 

 そんなんでよく頼んだな。まぁ一番浴衣っぽいと思ったのと似合いそうだったと思っただけだ。ぶっちゃけ勘である。

 

 そう伝えたのにまっすぐレジへ持っていった。

 

「こーいうのはね、誰が選んだかってのが大事なんだよ」

 

 笑顔で戻ってきたシャルが言う。ならふざけて変なデザインでも良かったのかと聞き返すと、

 

「でも春明は選ばないでしょ?」

 

 何も言えないので髪をわしゃわしゃした。乱れた髪を振りながら怒るシャルにボク以外にはしたらダメだよ! デュノア社に来たら良いけどね‼︎ と言われたが聞こえないふりをした。

 

 

 

 歩いているとラウラが難しい顔をして端末を睨んでいた。

 

「む、すまない春明少し相談なのだが」

 

 修学旅行で撮った写真を黒兎隊に送ろうとしていたが、数が多くて絞りきれないという。どんだけ撮ったんだ。

 

「厳選しようにも難しくてな……」

 

 見せてもらえば、いつ撮ったんだと言いたくなるほどの写真の数々、このままアルバムができるほどの量に呆れるを超えて、すげぇとしか言えなくなった。

 

 細かく聞いても答えられるほどの思い出の数々、それほどなら確かに絞りきれないだろ。

 

 いっそ全部送ってしまえばいいのでは?

 

 その手があったか! と驚いてすぐに端末を操作するラウラ。逆に思いつかんかったんかい。

 

「助かった、お礼、ではないのだが少し良いか」

 

 うなづくと近くにあった俺を椅子に座らせて、膝の上にラウラが乗る。何がしたいのかは分かったので持ち上げる端末をとってさらに上から構える。ピースをする俺たちの写真も無事送られた。

 

「クラリッサがたまに春明のことを聞いてくるのだ」

 

 というのが理由らしい。通知音が鳴り響く端末を、慌てて操作するラウラを少しだけ見てはなれた。今度は写真を見て部隊のメンバーとも話そうと後ろから言われたので軽く手を振った。

 

 

 

「え、外出禁止って言われたから」

 

 だからと言って持ちこんだDVDを見るのはおかしいと思う。というか専用機持ちは待機だし。

 

「へへっ、よ、良かったら一緒に見る?」

 

 誘われたが用があるので断った。というかこの事態でも動じないというか変わらないというか、将来大物になりそうだな。

 

「い、いやいやそんな、自分みたいなミジンコにも負けるような存在は日陰でひっそりと暮らすのがお似合いなので、へへっ。よ、よければ将来介護してくれるととても嬉しいのですが、いや別に家の隅っこで水とパンを与えてもらったら生きてけますので、あ、でも特撮は見させていただきたいかなと思います、こう、あの、ぜひご慈悲をください」

 

 すでに大物だったか。

 

 介護できるかはともかく将来も特撮について語り合うくらいならできるだろう。

 

「‼︎ ぜ、ぜひとも!」

 

 これまでで一番目が輝いていた気がする。

 

 

 

「ね〜しのき〜は何するの〜?」

 

 目的地への道中でのほほん女子と邂逅、部屋出て良いんだっけ?

 

「ふっふ〜これでも更識家の従属なのだ〜全てを知っているのである〜」

 

 不安しかない、というか正式には簪の付き人みたいな感じでは? 本人さっき引きこもっていたけど。

 

「その引きこもったかんちゃんを引っ張り出すのがわたしのやくめ〜」

 

 思ってた以上に大事な役目だった。来ないことはないだろうが、遅刻する可能性はある。前例あるし。だからのほほん女子に情報が行ってるのも間違いではない、はず。

 

 無理やり納得して別れようと振り返ったら背中にひと一人分の衝撃がきた。

 

「……しのきー」

 

 耳のすぐ後ろから呼ばれる。

 

「旅行、途中で終わっちゃうから」

 

 細い声が耳元で響く。

 

「こんど、いっしょにいこ……………ふたりで」

 

 最後が聞こえるか聞こえないかくらいのタイミングで背中の温もりが消える。

 

 とたた、と小走りする音が背中の向こうへ消えていった。

 

 ぽりぽりと頭をかいて、また歩き出す。

 

 

 

「来たか」

「体調は大丈夫ですか?」

 

 たどり着いたのは教師たちのいる部屋、今回の襲撃、いやテロか。テロの対策本部になる。

 

「いうて追加情報ないですけどね」

 

 事前情報が俺にしか来ないのだ。そのためにきたが新しい情報はない。そもそもテロリストから予定が届くのがおかしい。最近は日常メールも来るが。駄菓子パーティってなんだよ、ワイン片手に高級な料理食っててくれよ。

 

 そう思うと端末が震える、届いたメールを開くと、

 

『たすけて、仕事に殺されそう』

 

 楯無からだった。無言で閉じようとして改行に気がつく。

 

『まってる』

 

 電源を落として、顔をあげると渋い顔の千冬さんににこやかな山田先生、なにかあったのか。

 

「ふふ、春明君はモテモテですねぇ」

 

 メールを見られたらしい、だとしても別に変なメールではなかったはずなのだが。だとしても千冬さんは何を嫌がってるのやら。

 

「そういえば女性のタイプとかあるんですか?」

 

 唐突な質問にそういえば言ってなかったかと考える。少し抜けたところのある年上の女性、となると、

 

「山田先生ですかね」

「へっえっ⁉︎」

 

 慌てだす山田先生、とは言っても現状一番あってるのが山田先生なのだ。しっかりしていてそれでいて少し抜けているギャップもいい。家事がどうなのかは分からないが、隣のすごい顔をしているブリュンヒルデよりはできるだろう。

 

「あのあのあの! 嬉しいんですけど撤回か、別の人とかいないですかね⁉︎ スーツ姿の凛々しい女性とか」

「まぁバリキャリウーマンとか好きですけど、先生たちみたいな」

 

 少し離れたところで作業している先生たちが手を振ったりピースをしてくれる。なんかすごい形相のブリュンヒルデがいるが無視する。

 

「俺が女装すればどうだ⁉︎」

「消えろ」

 

 どこからか湧いてきたホモを蹴り飛ばす。

 

 こいつが女になっても、マドカと似ているだろうしおそらく千冬さん似の家事をする………………、

 

「きゃー⁉︎ どうしたんですか春明君⁉︎」

「ちょっと記憶を消し去ろうかと思って」

 

 なんかとんでもない悪夢を見た気がする。額から血が出ているがまぁちょうど良い。

 

「まったく、何をしている」

 

 呆れた顔で救急箱を取り出す千冬さん、中からあれこれ取り出してどうにかしようとするが何をしたいのか分からない。

 

 結局大きめの絆創膏を貼られて最後に叩かれた、いたい。

 

「では、時間だ」

 

 さすっていると千冬さんが時間を告げる。同時にモニターの一つにたくさんのマークが現れた。




 新職場で初残業してこの時間、やはり残業は悪い文明。チェンソーマン食べてくれ。


 感想、誤字報告高評価いつもありがとうございます。リクエストなんですが具体的すぎてご自分で書きませんか? 読みにいきます、三次創作ばっちこいです。活動報告にリクエスト書けます、が展開的に反映されるの遅くなるかもです。何かあったら差し込むかも
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