IS学園でホモから逃げるために婚活する   作:アオノクロ

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 今日通勤してたら男性に小走りで近寄っていく女性、男性の肩を軽く押して「おはよう」とあいさつ。男性もイヤホンを外して子ども一人分くらいの隙間を開けたまま話しながら歩いてました。

 いやーこういうの実際にあるんですねぇ。ラブコメ書く時の参考にしよ。


目覚めの予感

「はぁっ⁉︎」

 

 目が覚めた。

 

 嫌な予感がして飛び起きる。悪夢を見ていたのか汗びっしょりだ。

 

 見渡すと何処かの部屋、木造の少し古めの家っぽい。近くの机には食べ物や救急箱が散らばっている。

 

「いつっ」

 

 脳が起きるほどに脇腹が痛くなる。少し血が滲んだ包帯でぐるぐる巻きになっているが、誰かが治療してくれたのだろうか。少しづつ思い出してくる直前の記憶、伸びたオレンジ色の尻尾に顔面蒼白な美女の顔。やらかしたなぁと頭を掻く。

 

 とりあえず起きようとして手をベッドにつくと、ふにゃんと柔らかい感触。

 

「んんっ」

 

 声がした。見下ろすと隣には膨らんでいる掛け布団、とりあえずめくる。

 メカメカしいウサ耳をつけた見た目だけは良いやつが寝転んでいた。寝ていたせいか赤くなっていた目元を擦ると、手をあげて元気よく声をあげる。

 

「…………やぁ、束さんだよ!」

 

 ベッドから蹴飛ばした。

 

 

 

「何すんだよこのバカアキ‼︎」

「やかましいアホウサギ! なんで人のベッド入り込んでんだよ‼︎」

「無様に怪我したバカアキのお見舞いですけどぉ⁉︎ 刺激が強すぎて照れ隠しに現れちゃったかなぁ⁉︎」

「鏡見て出直してこい」

 

 よーっし、怪我人だがやってやんぞ。そう意気込んだ時に、部屋のドアが開いた。

 

「お、起きたのか」

 

 大きな紙袋を持ったオータムさんが入ってきた。いい匂いがおそらくするので食べ物だろう。

 

「束博士とやり合うくらいには元気なら大丈夫そうだな。ほれっ」

 

 取り出して投げ出されたのはみかん、何でみかん? 映画とかならオレンジじゃない? ここは日本だからか、勝手に納得して皮を剥き始める。うまい。

 

「あれ? スコールさんは?」

 

 てっきり一緒だと思ってたけどいない、無事だったのか確認したかったんだけど。

 

「……だとよ」

 

 そう伝えると、オータムさんの後ろからこっそりと顔を出してきた。相変わらず綺麗なんだが、怒られるのを怖がっている子どもみたいだ。

 

「あの……その…………」

 

 もじもじしてても綺麗だ、というかオータムさんが抱きしめたくてウズウズしてる。気持ちは分かる。

 

「ご」

「ご?」

「ごめんなさい」

 

 頭を下げられた、はて?

 

「たすけて、もらったのに……けがさせました…………」

 

 ……………。

 

「あー」

 

 いやビクッとされても別に怒らないし、むしろ油断した俺が悪いし。

 

「油断、慢心、ダメ絶対!」

 

 やかましいアホウサギ。というかそもそもその後助けてもらったんじゃない? 状況的に、なら良いよ。お互い助けあったんだからコレで終わり。むしろ、

 

「助けてくれてありがとう」

 

 お礼をいうのはこっちだ。

 

「………………」

 

 はて、目をまんまるにしているが何かおかしかっただろうか? オータムさんはなんか感心したようにうなづいてるし、アホウサギはアホウサギだし。どうしたものか。

 

「おとうさまっ‼︎」

「それやめて」

 

 なんか抱きしめられたけどその呼び方やめてくださいお願いします。あと泣くのも勘弁してほしい、泣かしたと思われたら女子に嫌われる。

 

 泣きじゃくるスコールさんを慰めるまで背中を撫でて、いまさら怪我をしていたことを思い出し、悲鳴をあげた。

 

 

 

「で? どういう状況?」

 

 とりあえず用意された食事をとりながら話を聞く。お腹怪我してんじゃないかって? 怪我したからメシ食えば治るんだよ。

 

「お前がスコールについた奴を壊した後か、落ちそうになるところをわたしが拾った」

 

 ハンバーガーを食べながらオータムさんが話す。あの後スコールさんのISはおかしい挙動はせず、襲いかかってくるゴーレムを一掃、IS学園に送ろうとしたが、それより近い隠れ家を用意してあったのでそこへ避難。俺の治療をしてる最中に束が到着、なんかしてたらしい。何したんだおい。

 そんで、現在に至ると、なるほど。

 

「IS学園に連絡しようと思ったのだけど、もしかしたら私たちも知らないスパイがいるかもしれないから一度保留にしたの」

 

 隣でフォークに突き刺さったミートボールを差し出してくるスコールさん。一人で食べられるのだが、したいらしいので好きにさせてる。というか食べないと悲しそうにするので食べざるを得ない。

 

「というかスパイいるんだなやっぱり」

「そりゃいるぜ、教員にも生徒にもな。アタシらも知らない下っ端も含めたら二桁にはなるんじゃないか?」

 

 思ってたよりいた。まぁ問題ないと言えばないので良いが、一番の問題はというと。

 

「おい、ゴーレム作ったのお前だろ」

「そーだよ」

 

 黙々とポテトを食べるアホウサギ、お前別に食わなくても良いだろ。

 

「ゴーレムは改造はできるだろうけど、束さん以外が触っても劣化にしかならないけどね! それも込みで触ったのかもしれないけど」

 

 だとしても性能は高かった。ひと回りふた周りくらいは動きが良くなってた気がする。

 

「ログを漁ってみたけど特に怪しいものはないんだよねー」

 

 呑気に言っているがそれは問題だ。なにせ地球上で一人しか作れないものの誤作動、コレの原因を制作者が分からないのだ。スコールさんのISについていた機械も同じ、役割としては受信機だったらしいがどこから受信したのかは不明。…………やばくね?

 

「…………全ISの強制停止ならできるよ」

 

 束の言葉で二人の体が固まった。分かってはいただろうが、目の前のウサギはそれができる力がある。

 

「却下、最悪なのはこっちは動かないけど相手だけは動く場合。そうなると戦えなくなる」

 

 まぁしないけど、理由は言ったとおり。全てのISが停止ならまだどうにかなるかもしれないが、こっちだけ動かない。もしくは新しく束の干渉できないISを作られた場合、こっちは詰む。伊達に現地球上で最強と言われていないのだ。

 

「そういや俺の渡鴉は?」

 

 どこにもないんだけど。

 

「今は修理中だよ〜、結構ダメージ大きいからね〜。それに下手くそな操縦者を守るのにエネルギー使い切って無茶してたし」

 

 申し訳なさすぎる。束が修理と外部からの干渉を防ぐアップデートをするからしばらく預けるとのこと、そうなると俺が使えるISがないな。二人に戦闘を任せっぱなしにするのも危ない。足手まといが一人いるだけで負担が大きくなる。

 

「とりあえず先に不干渉アップデートをしたゴーレムを預けとくよ!」

 

 と、束にもらう。スペックは、黒鳥以下かい。アップデートの実験機として使ったから武装もブレードとマインガンだけか、まぁないよりマシだが。

 

「というかIS学園に戻らないのか? てっきり戻るもんだと思ってたが」

 

 オータムさんに聞かれるが首を振る。誰が何のためになのか何も分からないが、IS学園みたいな動きにくい場所にいると他の生徒や先生に被害が出るかもしれない。囮をするのもあわせてここからは別行動だ。

 

「いや何言ってんだ、アタシらも行くぞ?」

「え?」

「こんな私を許して守ってくれたのに何もさせてくれないなんて、お父様に甘えっぱなしになるつもりはないです」

「それやめて」

 

 …………なんか誘う前から乗ってくれた。嬉しいけどもっとこう、粋なやり取りとかしたかった。

 

「束さんがいなくて寂しいと思うけど、ちゃんと二人の言うこと聞くんだよ」

「おい、いつお前が俺の保護者になった」

 

 悪ノリするやつしかない、後で鼻うどんな。

 

「何か当てはあるのか? しらみ潰しに行くのはきついぞ?」

 

 オータムさんの言うとおり、どこにいるのかも分からない謎の敵を探すわけだが思う場所はある。

 

 亡国企業だ。

 

「…………確かに可能性はあるかもしれないけど、私たちもその真のトップとは見たことも聞いたこともないのよ」

 

 スコールさんが申し訳なさそうに言うが、それも想定範囲だ。こちとら天災がいるんだぞ。

 

「ふっふーん、任せたまえよ諸君。この天才束さんが見つけてしんぜよう‼︎」

 

 コレでも頭は良いからな、どうにかできるだろ。それも踏まえてコッチでも情報を集めにいく。実際に動くことで分かることもあるはずだ。

 

 そうしてやる事を決めて四人で軽くはしゃいだ。そういやホモいないじゃんと気がついてはしゃぎ、怪我が悪化した。

 

 その頃IS学園は必死に俺の捜索をしてたらしい。なんかごめん。




 ホモから離れて年上のお姉さんと過ごすことに‼︎ これにて「IS学園でホモから逃げるために婚活する」完‼︎


 うそです、もうちっとだけ続きます。


 八十話くらいで終わるかなぁ? 伸びそうなんだよなぁ。とはいえ以前みたいなギャグてんこ盛りも書きたいし普通に伸びそう。お手隙でしたらお付き合いください。

 感想、誤字報告高評価いつもありがとうございます。終わりが見えてそうで見えない作者です。最後は考えてるんですがそこの道のりが不透明で線路なき道を走っていきます。
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