急足ですが終わりに向けて進んでいきます。ではどうぞ。
「さてどうしたもんか」
現状を確認すると、戦闘不可な人員が二名。戦闘可能だがダメージを追っているのが二名、軽傷一名。
いうまでもなく軽傷なのが俺、援護にまわってたため直接戦闘をしていないのだ。先輩方は気を失っている、だけだとは思う。呼吸はしてるし脈も一定、さっきまでの催眠と違って寝ているだけだろう。
オータムとスコールはともに中破くらいか? 動かせるし戦えるけど絶好調とはいえない。一番まずいのはエネルギーか、俺が七割程度、二人は三割くらい。この先も戦うとなると苦しいものがある。
…………撤退かな?
「進むべきだろ」
考えているとオータムが当然のように言う。顔を見ても無計画でも無鉄砲でもない。ちゃんと理由がある顔をしている。
「この先キメラが学んで強くなるってのなら今のうちに叩いておくべきだろ。アタシらはどれだけ強くなっても問題ないけど、他はそうじゃないだろ」
「私も賛成だわ。この二人が巻き込まれていたことも全然知らなかったし、そのレベルの相手なら今のうちに攻めておくべきね。一度戻って準備をして、その時間にキメラの量産と強化、他のIS乗りが巻き込まれていたら手ごわいどころでは済まないわよ」
……………………なんか、まぁ理解はできるんだけど納得はできないって感じ。
その気持ちが顔に出ていたのか二人が笑う。
「それともこう言えばいいか? ここは任せて先に行け」
「大丈夫よ、お父様が思うより私たちは強いもの」
何とも言えなくて頭をぽりぽりとかく。少し考えるが、とくに否定することもないのでゴーレムを纏う。
「怖くなったら呼べよー」
「今度も、ちゃんと待ってるわ」
二人の言葉を背に、振り返ることなく手を振って奥へと進む。温まっている身体を、地下の熱のない風が冷まそうとする。恐怖など欠片もなく、焦る必要もないのだがいつもより気持ち早く進む。
「見たか? あいつ照れてたぞ」
「かわいいじゃない。気づかいを見透かされたのなんて初めてなんじゃない?」
きゃいきゃいと敵陣にも関わらずのんきなガールズトークが咲きほこる。当然俺が聞こえるはずもなく、楽しげな声が広い空間に響き渡った。
ポツポツとたまに明かりがある以外何もない暗い道を飛ぶこと数分、まただだっ広い空間に出た。明らかに地盤を掘りぬいたであろう岩盤の天井、地面は冷たい金属で覆われている。真ん中には中心が膨らんで光っている上から下へつながっている機械のコードやパイプ。よく見れば一色ではなく様々な細かい色の光が表面を走っている。
そしてその根元に、座っている人影。逆光で顔が影になっているが三人、何かにもたれている。椅子に座れよ地面硬くて尻が辛いだろ。
どうせバレてるだろうし、正面から堂々と歩く。
徐々に目が慣れてあらわになっていく顔、その顔を俺は、
「ワイやで」
「いや誰だよ」
知らねぇ顔だよ。つうか人間ぽく見えたけどISじゃねぇか。
「ほーん、ようここまで来たな。ご苦労やで」
「そのしゃべり方どうにかなんねぇのか」
なんかこう、ラスボスだろ? もっとこう威厳のあるしゃべり方とかさぁ、あるだろ? なんでそんな陽気な関西人みたいな口調なんだよ。
「つーか一人称がワイってなんだよなめてんのか」
「ええやろ、というかなんでワイがワイのことワイって言って悪いんですかー、表現の自由知らんとかこれだからガキは」
「めんどくせぇなおい」
「めんどくさい? それはつまりワイの言葉に反論できなくて言うことないってことやね、顔真っ赤なの草」
うっぜぇぇぇぇぇぇぇ! なんだコイツ! 中身誰が乗ってんだよ日本人だろ絶対!
「え、中に人とかいませんけど? 乗ってると思ったの? 今だISが有人だと思ってるの時代に取り残されてて草」
「じゃあなんだよテメェ」
「ワイのすぺっく? ちょいまち、まとめるわ」
「何まとめんだよ薄っぺらい履歴なんて付箋でまとまるだろ」
「はーワイのすぺっくなめとるな? 世界中のネットにつないであらゆる情報手に入れてなんでもできるんやで? さすがにドラ〇もんやシェン〇ンには劣るけど」
「そこは超えろよ「ちょい待ち、今期のマスクドライダー評価スレに高評価つけたやついるから見る目ないって煽りに行かんと、世界中あらゆる罵倒を学習したワイに敵はおらんで」世界中の情報集めてやることレスバかよ!」
もっとすることねぇのか!
「は? 誰がAI使ってレス考えてもらってるとか、なんでバレた?」
「しかも弱いのかよ」
なんだコイツ、思ってたよりポンコツか?
「ままま、ええやろ。今日はこの辺にしとくか」
「負けたのか」
「はぁー? 負けてませんしー? そろそろ放置してたポマエの相手しようとおもただけだし?」
「待つからご自由にどうぞ」
「自由といえば最近のガンアンドフラワーズの最新映画見た? フラワーズ、フラワーズリングの二期やってから二十年たった作られた続編映画、フラワーズフリーダム。いやぁ、リアルタイムで視聴していたワイからすると感慨深いものがあるンごねぇ」
「いや俺生まれてないし」
「うそ……やろ………?」
というかお前がAI搭載のISならお前も生まれてないだろ。
「これが存在しない記憶…………!」
「いいからさっさとお前のこと話せよ」
「ええんか? 隙を見せたら負けやで?」
この先無駄話が続いたので割愛。要約すると、
亡国企業のトップが全情報の掌握を企画する。情報収集システムは作ったものの管理するAIができていない。そのために優秀なAIとしてISコアを活用、ネットに接続する。世界でもトップに活用されている日本をまずは目標として情報収集を開始。汚染される。だってプロジェクトYだから最初にYで検索したらしい。出オチじゃねぇか。
「いやーネットはこうだいンゴねぇ」
「名言を穢すな」
しかもしみじみと言うな。確かに存在としては似たようなもんだし、アニメでもネット討論に参加したりしてるけども。どっちかと言うとお前青い戦車のほうだろ。
「じゃあボスとか幹部はどうしたんだ?」
「うるさいから警察前に放流したンゴ」
いまは変なことを言うおっさんとして精神系の病院にいるらしい。顔バレしなさすぎて警察にも部下にも気づかれてないとか。情報を掌握しようとした結果情報がなくて助からないとかショッギョムッジョ。
「で? いま何してんの?」
なんかもう、ほっといて帰ったらダメか? ダメだろうなぁ、何かしら成果出さないと千冬さんにおこ怒られる気がする。
「今はレスバ勝とうと勉強してるンゴ」
「永遠に終わらねぇよ」
やっぱ帰るか。
「大丈夫、ようやく勝つ方法が見つかったンゴねぇ」
「ほーそりゃおめでとう、お祝いにケーキでもいるか?」
「欲しいンゴ」
いるんかい、どうやって食うんだよ。
「ネットではある言葉に異様に食いつくことがあるンゴねぇ」
「ほぉ?」
「その言葉で一番関係のある人間を使えばワイは無敵になれるンゴ」
「へぇ?」
「なのでその人間を捕まえようとしたら」
「まず外に出ろよ引きこもり」
どっかでマスクドライダーオタクの知り合いがクシャミをした、気がする。
「こうしてきてくれたンゴ」
…………おい、ちょっと待て。
「その単語って」
「コノヘンニィ」
真ん中にいたずっと喋っているISが立ち上がり、隣に話しかける。
「イイホモガキテルラシイッスヨ」
返事をするように謎のコンテナにもたれかかっていたISが立ち上がる。
「アーイイッスネェ」
なぜか重ねられた敷布団にもたれていた反対側のISも立ち上がり、真ん中のISへと集まり、大きな人とも獣とも言えない巨大なISとなる。
「プロジェクトYにちなんでワイの名前は野獣や」
「そこなんで日本語なんだよ‼︎」
感想でプロジェクトYもくだらなそうと言われたんですがはいくだらないです。ちゃんと幹部やボスはキリストやユダヤのYで始まる四文字として神様的なデウスエクス・マキナをISで作ろうとしてました。結果がこれです。
降ってないけど心の目でビーストと読んでください。心がキレイな人ならラノベチックな漢字にカタカナ読みができるはずです。できない人? 日本人です。
感想誤字報告高評価いつもありがとうございます。シリアスな二次創作も書きたいんですけどね、ガンダムとか設定が複雑で詳しい人に突っ込まれそうで怖いんですよね。なのでギャグに逃げるしかないわけです。キラホモとヤンデレラクスにガールニコル、アスランヅラがシリアスするだけで笑えそう。