愉悦部は実質ホモという言葉があった気がする気もするので読者はホモ十割。
「それでは織斑君のクラス代表就任を祝ってかんぱーい!」
「「「かんぱーい!」」」
あちこちでグラスのなる音が響く。
そして今回の主役である一夏はというと、
「なんで俺がクラス代表なんだよ………」
うなだれていた。
はは、ざまぁみそらせ。
俺とセシリアが戦った後、セシリアが武装の点検をするために退出。もろもろの準備を終えた一夏対消費の少なかった俺との戦いが始まったのだが。
「待ってくれ春明! 俺のこの熱い想いを受け取ってくれ!」
「ざけんな近寄るんじゃねぇよホモ‼」
ブレード一本で接近してくるホモをマシンガンとショットガンの二刀流で引き撃ちすることで完勝。特筆することはなかった。しいて言うなら尻ばっか狙われた気がする。
「セシリア、お前に春明は渡さない‼ 俺が守ってみせる‼」
「断られたのでわたしのペットではありませんわよ?」
「え?」
続いて行われたセシリア対一夏。何を話していたのか呆けた一夏にセシリアのフルバーストが炸裂。煙の中から飛び出した一夏は専用武器である雪片弐型が変形しており、不意を突かれたセシリアに一太刀を浴びせた。
が、そこで白式の
一太刀だけ浴びせて自滅という何とも言えない結果になった。
「結果だけなら春明がするべきだろう⁉」
「敗者に決める権利はない」
「カッコつけても本音が別なのは分かるぞ」
「ねぇねぇ呼んだ~?」
「呼んでないです」
何故かのほほん女子が寄ってきたが気にしない。クラス代表なんてめんどくさいことはホモに任せて俺は女子と仲良くなるのだ。そう意気込んでグイっとグラスを傾けて中身を飲み干す。炭酸ジュースだったからむせた。
向こうではセシリアが一日目の非礼を謝りつつクラスメイトと談笑している。
「結局篠崎君はペットになるの?」
「わたしとしては構わなかったのですが、どうも思ってた待遇と違ったみたいで」
「う~ん、ホモでお嬢様のペット願望は流石に性癖拗らせすぎだと思うけどまだ足りないのかな?」
「もしや春明さんのイメージするお嬢様とわたしが違っていたかもしれませんね………」
「お嬢様といえば………ムチとか?」
「なるほど」
なんか恐ろしい会話が聞こえるが無視してお菓子をつまむ。ホモはクラスメイトに捕まってるし箒は相変わらず保健室だし………もしかして俺はボッチなのではなかろうか?
「こんにちはー新聞部でーす。ちょっとお話いいかな~?」
悲しい事実に気が付いたときに声がかけられた。
新聞部と書かれた腕章をつけた見ない顔、聞けば二年生らしい。噂の男性操縦者について聞きたいらしい。
いまだ世界は女尊男卑の世界。その象徴ともいえるIS学園に男が二人も来たら、良くも悪くも気にもなるだろう。
「というわけでクラス代表になった織斑一夏君から一言どうぞ!」
「春明のためにもがんばります」
「なるほどホモね」
「クラスのためにがんばれや」
そのためのインタビューだがこれ役に立つのか? 質問する方も答える方もホモしか言ってないし、見た感じ堂々と偏向報道するタイプっぽいけど。
「イギリスの代表候補セシリアさんからも一言良い?」
「そうですわね、わたくしホモを初めて見たんですが男性はみなそうなのでしょうか?」
「そうだよ」
「おいこらマスゴミ」
結構な箱入り娘になんて嘘をつきやがるんだ。
「最後に篠崎君、どうぞ」
「俺を養ってくれる結婚相手を募集してます」
「なるほど二刀流のホモね」
「あんたさっきからホモしか言ってねぇよなぁ⁉」
というか二刀流のホモってなんだ!
「あれ知らなかったの? ホモなのにセシリアさんのペットになりたがって、クラス代表を決めるときも二刀流だったでしょ? つまり篠崎君はホモじゃなくて男女ともに行ける二刀流だって」
ようするにバイじゃねぇか。
しかしホモと思われるよりはマシか。最初からホモ扱いだとそもそも相手にされない可能性もあるが、バイならまだ受け入れられる………!
「一般女子の意見としては薔薇に挟まる予定はないらしいけど」
「ガッデム!」
挟まるどころか横取りしろよ、奪い去れよ、恋愛ってそういうものだろうがぁ!
「NTRはちょっとなぁ」
「それは同感」
「でもどうしよっかなぁ~ちょっとこのままだとインパクト弱いんだよなぁ~」
チラチラとこちらを見るが十分すぎると思う。というか一面ホモしかないのにそれでいいのか校内新聞。あと上目遣いやめてほしい、かわいいから求婚するぞ?
「こーなったら三角関係にするしか」
「おーい、一夏ちょっとこい」
「どうした春明」
早すぎるわ、なんでそこそこの距離あったのに一瞬で詰められるんだよ。
「この人、新聞に俺や千冬さんについて載せたいらしいから説明してあげろ」
「え⁉」
「いいぜ任せろ! 三日三晩は語れるので任せてください!」
「え?」
ホモに捕まった先輩は隅の方で相槌を打つ機械となり、その様子を視界に入れることなく、ささやかな打ち上げパーティーを楽しんだ俺たちは片づけを済ませるとそれぞれの部屋へと帰っていった。
時間がたって覗くと、顔が真っ青になった先輩に紅潮するほど興奮した一夏がまだ話しており、目が合ったので鼻で笑っておいた。
後日、織斑千冬の私生活という校内新聞が張り出された。ゲラゲラと笑う俺と一夏と新聞紙をビリビリにしてゴミ箱に入れたブリュンヒルデは新聞部へと向かっていった。
次の日には篠崎春明は男と女、攻めと受けを両立できる二刀流! という記事が出たので遊びに行ったのだが、自らのスカートをめくった先輩に俺はなすすべなく退散した。帰り道、鼻血を出していた理由を話すと、俺の春明を誘惑するな! と叫びながらホモが突撃した。
その日以降、校内新聞はかわいらしい動物まとめになり、今までよりも人気が出たという。
どっとはらい。
日も沈み、人気のなくなった学園に人影が現れた。
ツインテールを揺らしながら、小学生と言っても通じそうな小柄な体格がスポーツバッグを担いで歩いていく。
彼女の名は凰鈴音、転入生であり中国の国家代表である。
ある日訓練の休憩中、唐突に訪れたISの男性操縦者が知り合いだったことに驚き、汗を拭いていたタオルを落とした。
しばらくたち、知らされた二人目の男性操縦者も顔見知りであったため飲んでいたスポーツドリンクを噴出した。
もろもろの事情で転入するのは遅くなったが、久しぶりに会う知り合い、しかも片方は悪友、片方は惚れている相手ということもあり、誰が見ても浮足立っていた。
出会ったらどんな話をしようか、一人とはまたバカをやって遊ぶのもいいかもしれない。もう一人は自分との約束を覚えてくれているだろうか。
考えれば考えるほど心が躍る。
受付と自分の部屋が分からず、かなりの時間迷ってしまったがそんなことも気にならないくらいに彼女は浮足立っていた。
ただし彼女は想い人がホモになっており、悪友が婚活していることを知らないものとする。
「へっぷし!」
「汚いぞ春明」
「風邪か⁉ 大丈夫か⁉ いっしょに風呂入って寝るか⁉」
「何もしねぇからさっさと飯作れホモ」
なお当人たちは寮長である世界最強の部屋にいた。
だらしなく酒を飲む姉に、フリフリのエプロンで料理をするホモ。
ベッドを占領していた春明はどこかで美人が噂していると見当違いな妄想をしながら鼻水をかんだ。
彼らが出会うまであと数時間。
彼女が事実に気が付くまであと数日………………。
条件は以上である。この場合ファースト幼なじみとセカンド幼なじみの脳破壊はどちらがよりダメージをうけるか答えよ。