日本とアメリカだいたい昼夜逆転してる!
でも見栄えというか雰囲気出るんで夜にしてます。感想でもつっこまれなかったけど、聡明な読者はあえて言わなかったんだろうなと思っています。心遣い感謝です。この経験を糧に小説を書いていこうと思います。
前書き書いてる時点で本編書き終わってるからあと一話だけど。
ではどうぞ。
「ありえないンゴォォォォォォォォォ!」
頭を抱えて叫ぶY、俺も気持ちは分かる。共有されたデータを見て驚いた。アキレス腱だった遠距離攻撃の確立、エネルギー消費の減少、他のISの瞬時加速を超えるスピード、零落白夜だけでも厄介だったのに、それに加えて相手のISの初期化をする新たな単一仕様能力の夕凪燈夜。
いや盛りすぎだろ、少しくらいこっちに分けても罰は当たらねぇよ?
とはいえ向こうはもう大丈夫だろ、なんか世界二位とかいるけど洗脳状態なら実力も発揮できないだろうし。アレかな、千冬さんと戦いたいとかで亡国企業にはいったかな? モンドグロッソで表彰された時だいぶ不満そうだったし。
というか別に変な生まれでもないのに千冬さんとやりあえるのだいぶおかしいな? 生まれながらの戦闘狂タイプっぽいけどそれだけでなんでやりあえるんだ?
そんなどうでもいいことを考えていると、Yが二つの砲口を向けてきた。
「何度か受けたから学習は充分! これでお前も元の純粋なホモに戻るンゴ‼」
「いや元からホモじゃねぇんだけ」
俺の言葉は光の奔流に巻き込まれてかき消えた。見覚えのあるそれは、遠く離れた地で逆転のきっかけとなった夕凪燈夜だった。
「遅いぞ愚弟」
「前から思ってたけどなんで俺が弟なんだよ!」
嵐のような攻撃を繰り出すテンペストの前で、兄妹は幾度もなくしていた日常会話を繰り広げる。
余裕があるわけではない。
王理のスピードで躱せているが攻撃を差し込む隙間はほとんどない、黒騎士のスペックで凌いでいるが決定的なダメージは与えられていない。名前の通り嵐のような猛攻の中を首の皮一枚で凌いでいるだけだ。
それでも二人のお気楽な様子は変わらない。
「そこだ」
「ハァッ‼」
王理の翼から光弾が発射される、テンペストが躱してた先には翼を蕾のように閉じて攻めてくる一夏。名前の通り風の壁を展開して防ぐが、現代ISの中でも最速となった王理の加速力を前に少しずつ削られていき、掘り貫かれた。
貫通した羽を広げ風の壁を押し広げた瞬間、テンペスト自らが迎撃しようと攻めた。
「こんなんでやれると思うほど甘く見てねぇよ」
強気な笑みを浮かべて一夏が受け止める。
「よくやったぞ愚弟」
背後から闇に溶け込んだマドカが光を取り込むほどの闇を纏った剣を振り下ろした。
「テンペスト撃破…………」
本部で驚いたといった表情を隠すことなく山田が告げる。アリーシャは紛れもなく世界トップの実力者であり、洗脳中というハンデがあったとしても簡単に勝てる相手ではない。
チラリと横目で見ると、世界の頂上で鎬を削ったブリュンヒルデは笑っていた。優しく、紛れもない家族の成長を喜ぶ姉の表情に山田は同性ながらも少し見とれてしまった。そのため反対側の目からこぼれたものに気が付くことはなかった。
「…………少し涙もろくなったか」
そのつぶやきは聞こえたのか聞こえなかったのか、誰も返事をすることなく未だに騒がしい報告のやり取りの中に消えていった。
「マドカ、さっきのって」
「もちろん零落白夜だ」
マドカの希望を聞いて作られたIS、黒騎士。その特徴は突出したところのないバランスの良いスペックと白ではなく黒い光を纏った零落白夜である。希望を聞いた束は笑っていた。
「春明の渡鴉と似た黒くてバランスの良いステータスに姉さんと同じ零落白夜を搭載している、良いだろう」
うらやましいだろう、と表情が言っている。自信たっぷりなドヤ顔で。
「はぁー? 俺だって零落白夜あるし、春明とは正反対の白で加速特化だから二人組になった時に見栄えがいいけど?」
「お前がピカピカ光るから春明が目立たないだろう、もっともふさわしいのは私だ」
アリーシャを抱えた一夏とマドカが兄妹げんかを始める。今ではもう見慣れた光景だが、現状そんなことを見逃す余裕はない。
「春明とベストなペアはシュヴァルツェア・レーゲンのわたしだぞ」
ラウラが参戦した。
そして始まる我こそが春明の一番のペアだという言い合い。その間にもキメラは討伐されていき、終わりが見えている。
「…………春明、こっちは勝ったぜ。だからはやく帰って来いよ」
帰ってきたら労わるためにも精一杯抱きしめてやろう、とそう決めてアリーシャを控えの教員に渡したホモは、残ったキメラの討伐に精を出した。
なんか背筋がゾクってした。
体も震えたしまさか風邪ひいた? これ終わったら風呂入って寝よ、ナターシャの家また借りていいかな? というかこれが夕凪燈夜の効果だったらどうしよ。
光が収まり、自信満々なYの前に傷を負うことなく姿も変わらないまま俺は佇んでいた。
「あ、ありえないンゴ、ワイの夕凪燈夜の再現は完ぺきだったンゴ! なんでホモに戻ってないンゴ‼」
「だから元からホモじゃねぇんだよ」
「それに何故黒鳥になってないンゴ! 夕凪燈夜の効果は初期化! キメラの学習すらも戻すし、形態変化などそれすら元に戻るンゴ‼」
慌てているY、おそらく夕凪燈夜の効果はそれであってるし間違ってない。たぶん初見の俺よりも詳しいだろうし。
ただ渡鴉については詳しくなかったみたいだな。
「簡単なことさ、コイツは渡鴉こそが元の姿だ」
「ンゴ?」
黒鳥は渡鴉にリミッターをつけた姿、言うなれば重りや鎧をつけたような状態。だから初期の姿は渡鴉、変化した姿こそが黒鳥だ。思いがけず王理の天敵みたいな感じになったな。
「わ、ワイの計算が間違ってたンゴ⁉」
「いや間違ってるのは最初からだろ」
成長の方向とか、初手に日本のスレにたどり着いたのがミスというか運の悪さと思うけど。AIと人間の差というか限界だな。
「あ、あ、あありえないィ! ワイは、ワイこそが世界の神になるンゴ!」
「神は死んだ」
「偉人の言葉でレスバするのは自分の語彙のなさを表してるンゴねぇ! 人のふんどしで相撲をとるような相手にワイは負けないンゴ! すべてを知ってすべてを支配する、そのために!」
もはや精細さを欠いためちゃくちゃな攻撃、AIの回路に負荷がかかったのか、それとも限界だったのか……………………自らウイルスを取り込んだようなもんだしなぁ。
「神を気取ればいずれ人に討たれるんだよ」
大振りとなった攻撃をすり抜けて懐に飛び込む。両手、両肩、そして全身に青白い雷が纏わりつく。
「じゃあな、今度は仲良く宇宙にでも行こうぜ」
渡鴉の全力を叩き込んだ。
落ちていくYを見下ろしていると、通信が入った。
「もすもすひねもす?」
『あーまたわたしのパクった~』
聞こえてきたのはいつもの相手、どういう仕組みなのかは分らんが渡鴉を劣化ゴーレムを通じてテレポートさせてきたのだ。
『粒子化させてISコアネットワークを通じて入れ替えたんだよ~すごいでしょ? ほめていいんだよ???』
「さっさと要件をいえ」
向こう側でぶーぶー文句を言っているが、知らん。そんなことを言うためだけに連絡などしてこないクセに。
『あーそうだったそうだった、さっきさぁそこに大穴開けたでしょ?』
「開けたっていうか開けさせたな」
『そーそれで地下のオータムたちとも連絡がついたし無駄にバカでかいタワーについても調べたんだけどさぁ』
タワー? そういやそんなもんあったな、世界中から情報を集めるスパコンだっけか?
『制御していたISがやられちゃったから暴走というか、爆発しちゃうよね』
なんか語尾にキラッて星が付いた気がするが、それどころじゃない。
「似合ってねぇ、歳考えろよ」
『お、ケンカか???』
暴走も消せる初期化ってよく分からんよね、最終巻でどう活かすつもりだったのか気になる。
ラスボスを倒すことと世界を守るのって別物だよね。ガンダムを見てるとよく思います。何度吹き飛ばされても花を植えなおす、これ結構な真理だと思います。
さぁ次で最後!(予定) 最後までお突き合いしていってください。作者は大丈夫です、読者同士でどうぞ。
感想誤字報告高評価いつもありがとうございます。活動報告にて番外編のリクエストを募集しています。かなったら良いなーくらいのお気楽さでどうぞ。欲求まみれのリクエストもあって笑ってます。